作家の値段 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 59
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062766593

作品紹介・あらすじ

初版か再版か、帯や函は残っているか、美麗か、もちろん作家の人気も-さまざまな条件で古本の価値は大きく変わる。街場の古本屋は知っているのだ。本当に残るべき文学、消えていく文学とは何なのかを。読書好きのためにホンネで書ききった、「本邦初、読んで損はない、どころか読めば儲かる実益作家論」。

感想・レビュー・書評

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  • (リリース:茂樹さん)

  • 作家の値段とは古書になった本の値段のことです。特に初版本ですね。美本かどうか、帯の有無、函のあるなしで値段が変わるのは分かりますが、かなり極端な例もあり、面白いですね。帯があるだけでこんなに違うとは。本文の抜粋と煽り文句だけで、一番見ていないところなのに。
    古書店をされてた著者と同業の大場さんのやりとりが多く書かれていますが、本や作家に対する愛情や思い入れが伝わってくるのもいいですね。
    古書店ってなんとなく店の人が気難しそうで入り辛い雰囲気がありますし、愛着のある本なのに右から左へ流すだけで本に対する愛情の感じられない古本屋も好きになれませんでしたが、著者のような方が店主なら面白い話が聞けそうで行ってみたくなります。

  • 古本って奥が深いんだな。帯がついてるだけでも価値が違うのか…。

  • 恥ずかしながら、私は近代文学をほとんど読んでいません。この本に取り上げられている作家の中では、宮沢賢治が好きで全集を読んでいますが、それ以外はぽつぽつ程度。直木三十五や火野葦平に至っては一冊も読んでいません。
    なので、こうして出久根達郎さんが丁寧に解説してくださるのは大変ありがたいです。「どの作家にも、『玄関の扉』的な作品がある。作家の予備知識を教えてくれる作品である。それさえ読めば案内なしに、まごつくことなく奥座敷に行くことができる。」つまり、この本は取り上げられた作家たちの読書案内としても有用だということだと思うのです。
    私は樋口一葉著『通俗書簡文』の「猫の子をもらひにやる文」が気にいったのですが、この本は手に入れられませんでした。次に気になるのは映画は観たものの、それほど好きにはなれなかった深沢七郎著『楢山節考』。こちらは新潮文庫版が買えたので、読んでみようと思います。

  • 樋口一葉自身の当事の貧しい暮らしを具体的に描きながら、それと重ねて紹介される彼女の「大つごもり」の素晴らしさや、明治42年『ふらんす物語』、大正2年「恋衣花笠森」、大正4年『夏すがた』、そしてあの『四畳半襖の下張』と、発禁処分を次々と食らってきた永井荷風の発禁本の歴史とその内容紹介の見事な簡潔さ(最近は街歩きおじさんとしてノスタルジックにばかり紹介されることへの批判になっている)、「少年探偵団」ファンの世代別の読み方の差異を、戦前派、ポプラ社版派(昭和22年から35年)、光文社版派(昭和39年)、テレビドラマ派(昭和50年)と4期に分けて見せる江戸川乱歩論など、どれもこれもいちいち感心のあまり唸るような作家論ばかりである。玄人筋でなければ気づかないような作家への切り口や視点が、素人が興味を持てるような講談調の話として巧みに描かれているのだ。日本近代文学全集とか日本近代文学論の堅苦しい退屈さに、それを読むことを避けてしまった人々(私のことです)にとって、本書は最良の入門書だと思う。嘘ではない。騙されたと思って読んでほしい。

  • なかなか奥深い世界だ。
    本は好きだが、古本はあまり好きでなかったが、この本を読んで、興味を持った。
    昔、学生時代、古本屋の好きな友達がいて、一緒に神田の古書店を廻ったものだが、買う本がなく、ただ眺めていただけだ。
    今だったら、違った意味で楽しめたのではないだろうか。

  • 2010.04.04 朝日新聞に紹介されました。

  • 古書価格で見る作家論。初版本には興味がないが、書誌としても楽しめる。

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著者プロフィール

出久根達郎(でくね・たつろう)
1944年、茨城県生まれ。作家。古書店主。中学卒業後、上京し古書店に勤め、73年より古書店「芳雅堂」(現在は閉店)を営むかたわら文筆活動を行う。92年『本のお口よごしですが』で講談社エッセイ賞、翌年『佃島ふたり書房』で直木賞、2015年『短篇集 半分コ』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。他に『古本綺譚』『作家の値段』『雑誌倶楽部』『春本を愉しむ』『本があって猫がいる』『隅っこの昭和』『幕末明治 異能の日本人』『桜奉行』『漱石センセと私』など多数。

「2018年 『文庫 本と暮らせば』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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