特殊防諜班 最終特命 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062766654

作品紹介・あらすじ

風雲急!!真田、生き残れるか!?
ルドルフ・ヘスの命令の下、陸空からの最終攻撃が、恵理、舎念たちに迫る!!運命が微笑むのは、敵か味方か!?

新人類委員会は、芳賀一族抹殺を狙って、最終攻撃の準備を進める。舎念、恵理、ザミルが重大な危機を予期する中、真田武男は特殊防諜班の任を解かれる。宿命の男たちが出雲に集結、最大にして最後の戦いが始まる。真田は恵理たちを守ることができるのか。シリーズ完結編。

※この作品は1990年10月天山出版より刊行された『千年王国の聖戦士(メシア)』(新人類戦線シリーズ)を改題したものです。

感想・レビュー・書評

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  • ついにシリーズ完結! 本作の見どころはなんといっても新人類委員会とどのようなかたちで決着がつくのか、二代目夢明斎との戦いは? といったところでしょう。

    前作で登場した戦闘機ハリアーも再登場、今度はその後継機でしょうか、バージョンアップされたと思しき機種が登場。パイロットは前作で撃墜される瞬間に脱出し一命をとりとめたウルブリヒト。

    芳賀一族はといえば、舎念が家族を三瓶山に呼び寄せる展開、恵理は高校を退学し息子夫婦も松江市内の自宅と職を捨て、まさに最終決戦の雰囲気が盛り上がります。

    そして真田自身も一時は特命調査員としての職を失いかけ、ハリアーとどう対峙するのか、お約束の自衛隊を指揮下に置くいつものパターンを繰り出すことができなくなり、圧倒的に不利な状況に陥ります。まさに最終巻といったところでしょうか。

    そして、物語終結に向けて二人の人物の華麗なる裏切り、これを抜きには語れません。一人はシリーズ初期から登場する武器商人のラリー。これまで冷徹に求められた武器を売ることに徹してきた男が最後の最後で新人類委員会に手を貸すかたちになったことを悔やみ、ついには真田やザミルへ武器を売る際の大盤振る舞い、ちょっと素敵です。

    もうひとりはハリアーのパイロットであるウルブリヒト。こちらも新人類委員会の思想や理念に疑問を抱き、三瓶山を襲撃する計画をすんでのところで回避、夢明斎をはじめとする仲間をせん滅するための攻撃を加えます。彼はあくまでも傭兵である一方で、心のどこかに内なる正義を抱えていたのでしょう。前作で撃墜されるシーンで恵理が感じた「感動」はやはりここにつながっていたんだなと思わせてくれるシーンでした。

    真田と夢明斎との決着はというと、最後はちょっとあっけなかったですね。ハリアーの攻撃で手傷を負った状態の夢明斎が相手では結果は見えているというもの。はたして真田の打ちで二人の戦いも終結を迎えます。

    物語のラストでは真田と恵理の将来をなんとなく感じさせる描写もあり、この二人の未来を見てみたいですね。
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    今野敏のシリーズものは多くありますが、本シリーズのように同じ相手と戦い続けるものは初めて読みましたが(刑事ものではそういうわけにはいきませんしね)、こんなタイプのシリーズもよいなと思いました。恵理のキャラクターがなかなか良かったですし、自衛隊を指揮下に置くときのお約束のセリフも。ということでシリーズ全体を通して楽しめたということで星4つ。

  • 特殊防諜班シリーズ最終巻。全7巻。
    もともとは1990年刊行の『千年王国の聖戦士』を改題したものです。
    時代背景は、90年当時のものなので、今読むと古さも感じますが、
    だからといって面白さが損なわているわけではありません。
    これは、最近改題され、新に出版されている今野さん作品に
    共通した意見です。

    内容は、前回に引き続き、新人類委員会との戦い。
    再びハリアーが登場します。雰囲気は6巻と同じ感じです。
    最終決戦だけに、どれだけ派手に戦うのかと思いましたが、
    意外にすんなり終わった感じがします。。

    私は、このシリーズが結構好きだったので、まだまだ新たな戦い
    に挑んでほしいなと思います。続き、書いてくれないかな~。

  • 既読本。記録のため登録

  • 今回は 意外なことばかりです!
    ザミルさんも芳賀老人もなんだか変です。
    恵理さんも不安そうだし…で、始まって ラリーさんや敵のウルブリヒトも… 
    夢妙斎だけが熱くなっている感じです。
    やった~というのと、信じられない!というのもありの展開で 終わりましたね。続きも読みたい気がします。 
    安藤さん生きてたりして…

  • シリーズを通して宗教のくだりや武器の説明などは読むのが面倒くさくなってしまって流し読みしていたけど、それでもストーリーは把握できた。

    面白くないことはなかったけど、全体的に私はあまり好きではなかった。サバイバルとか戦いのプロのお話なら、工藤兵吾シリーズの方がシンプルでよかったと思う。それか、真田がもう少し頭を使って敵をやり込めるようなシーンがあれば他の戦い系の作品と差別化できそうだなと感じた。

    ただ、真田と芳賀一族やザミルさんとの関係性は好き。信頼できる仲間がいることで物語もより面白くなると思う。エリとどうなるんだろうと思っていたけど、いい感じに終わってくれたのでそこは満足。

  • ベルリンの壁が崩壊。モサドが真田の部屋を訪ねた
    真田の部署がなくなり失業。
    芳賀翁は新人類グループの襲撃を予想し、息子夫婦、孫娘を三瓶山に集める。銃器を買い占め、ハリアーの着陸用に廃校した学校の校庭を改修。
    銃器を売った商人は、ナチ残党に売ったことで
    真田とザミルに販売した銃器を教えた 火力の差にザミルは絶望。ハリアーのパイロットは新人類のやることに疑問を感じていた。芳賀の予言で感じたハリアーには悪いものがなかった。
    三瓶山で攻撃開始。真田の上司も一時的な部署復活で支援
    ハリアーが飛び立つ。F15とドッグファイト開始。芳賀からのメッセージがF15パイロットに伝わり。ドッグファイト中止。ハリアーは新人類の潜む山の中を焼き払い、航空自衛隊の基地に着陸。新人類は全滅。
    ザミル達の調査グループと芳賀一家が対面。
    真田は無職。山での生活をすることに。孫娘との交際?

  • ラストはやや盛り上がりに欠けるが、シリーズ通して飽きさせないのが良かった!やっぱり面白い!

  • 早乙女さんが現場に!
    真田さんやザミルは人間離れして強いので、自衛隊などの普通の人達が頑張ってる場面の方が手に汗握る。最後に舎念翁が言うとおり、敵方だった人達も含めそれぞれの選択が未来を決めた最終巻だった。

  • このシリーズは最後まで嵌れなかった。特にラスト2巻はあれだけ盛り上げておいてあんな終わり方なのが肩透かし。

  • 真田と恵理はどうなるの?

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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