ミラクル・ファミリー (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 289
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062766692

作品紹介・あらすじ

父さんの昔話には、家族の秘密が隠されている。

年に1度、春の川辺にやってくる緑の髪の女の人。真夜中にだけ開館する秘密の図書館。鬼子母神伝説がささやかれる、ザクロの木のある保育園。父さんが聞かせてくれた昔話はどれも不思議であったかく、そして秘密の匂いがした。小さな奇跡でつながっている家族たち。産経児童出版文化賞フジテレビ賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • R2.2.29 読了。

     家族をテーマとしたほっこり出来たり、クスッと笑えたりするような短編集でした。

  • お父さんに焦点を当てた短編集。

    ほっこりするお話もあれば、少しぞっとするお話、じわぁっと心にしみるお話もありでした。いろんなお父さんがいておもしろかったです。

    「ミミズク図書館」での子どもの頃のお父さんの秘密の思い出にわくわくしました。そして時を経て、スキー場でのエピソード。思わずにっこりしてしまいました。

    「ザクロの木の下で」の鬼子母神信仰と父母の秘密、兄妹の思い出、ザクロの木の下で起こる不思議な出来事。日暮れ時に湧くものさみしさ、なぜか家族が恋しくなる気持ちってすごくわかるなぁと思いながら読みました。あたたかいお話です。

    「鏡よ、鏡……」のお父さんの頑張りに、子どもへの愛情に、どこか可笑しいのに胸を締め付けられました。

    「ザクロの木の下で」「鏡よ、鏡……」は解説に書かれていた、痛いのにあたたかく救われているという言葉がすごく的を得ているなと思いました。

    「木積み村」の読後のゾッと感はハンパなかったです!

  • 『つづきの図書館』と同じテイストの柏葉作品。あとがきには「詩」と「実話」の両方を往き来する童話と書かれていましたが、私はズバリ「主婦の童話」だと思います。夫によっぽど恨み?ありそうだな(笑)。それがまた小気味よかったりします。そう、この短篇集のテーマは「おとうさん」。男性の方にもオススメ。うかうかしていると、妻はキツネに戻って実家に帰っちゃうかもよ。
    たぬき親父/春に会う/ミミズク図書館/木積み村/ザクロの木の下で/「信用堂」の信用/父さんのお助け神さん/鏡よ、鏡……/父さんの宿敵
    の9篇。
    ザクロ、お助け神さん、宿敵が特に面白かったです。
    あっという間に読了できるので、オススメです。

  • 短編集。どのお話でもお父さんが不思議な話の語り手。うちの父も聞いたら何か話してくれるかなと思ってしまいました。

  • どこにでもいるようなお父さんが語る、昔話のような不思議な話。
    短編集なのですが、どの話も暖かい日だまりのよう。
    物語を語り聞かせるお父さん達が、何とも言えず魅力的で良いですね。

  • 児童書と侮ることなかれ。大人でも十分楽しめるファンタジーでした。すきだなァ~

  • 家族と不思議と秘密をテーマにした、九つの短編集。

    だいすき!
    小学生の頃から図書館で何回も借りては読んで、やっと買った。
    単行本と文庫本ではカバーが違うけど、どちらの絵も好きだな。
    ノスタルジックで、ユーモアがあって、余韻が残る。そこはかとなく陰のある話もある。愛すべき九つの家族たち。
    また繰り返し読みたい。

  • こころが暖かくなる本だった。こんな家庭、こんな家族がいたらってすこしうらやましい気持ちになった。

  •  大人が読んでも心が「ほっこり」しそうだし,少しものがわかるようになった小学生ぐらいの子供に読んで聞かせてあげるにもいい感じの童話集に仕上がっている。
     連作かと思っていたが,それぞれは独立したお話。でも,まぁそれもあっさりしていて,かえって童話らしいのかもしれない。最近はちょっと人気が出るとすぐにシリーズものや連作化してしまう傾向が強いように感じるので,さまざまな短編を単発に読むという習慣ももう少し見直されていいように思う。そういうただ一遍の小説にも,大人になるまでどこか心に残るものや,独特な読後感を持つものなどがあるものだ。また,一度受けた設定に依拠して話を展開するよりも,個人的には,その方が作家のストーリーメーカーとしての手腕がより厳しく試されるもののような気もする。
     昔,新実南吉の童話が好きだったが,それに近い肌触りを持ちながらも,平成の今の時代に不自然さなく収まっているそういうところがとても微妙な読後感をもたらしてくれる。
     半日で読める程度のお手軽なボリュームも気安く手にとれる。
     そういう傾向のお話が好きな向きには,なかなかお勧めの一作。

  • 父、語る。いいねえ。ほんわか家族ものだけど、ちょっとどっきりしたりしんみりしたり、素敵なおはなしがいっぱい。私としてはザクロの木の話とか、着付けの話とか、好きだなあ。泣きたくなるほど大切な気持ちとか。この日のために、ってゆー親子の心意気がなんかもう、いいなあ、って感じ。柏葉さん、好きだ〜!あ、でも正直表紙は前の方が好きかな。

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著者プロフィール

児童文学作家。岩手県生まれ。東北薬科大学卒業。大学在学中に講談社児童文学新人賞を受賞し、『霧のむこうのふしぎな町』でデビュー。ファンタジー作品を多く書き続けている。『牡丹さんの不思議な毎日』で産経児童出版文化賞大賞、『つづきの図書館』で小学館児童出版文化賞、『岬のマヨイガ』で野間児童文芸賞受賞、『帰命寺横町の夏』英語版でバチェルダー賞受賞など受賞歴多数。


「2023年 『トットちゃんの 15つぶの だいず』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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