ロック母 (講談社文庫)

著者 : 角田光代
  • 講談社 (2010年6月15日発売)
3.18
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  • 本棚登録 :742
  • レビュー :77
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062766708

ロック母 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「ゆうべの神様」がいちばんすきだった。

    編集者も角田さんもこの話は「本にするには値しない」と言ってたらしいけれど、わたしは、すき。本にしてもらえてよかった。

    角田さんは、すっごいみみっちいこととか、きたないこととか、自分でも嫌になるような生活臭を見逃さない。
    「ああ、あるある」って思ったあと、どんなに綺麗なふりして生きててもその「生活」からは逃げられないことを思い知らされて苦い気もちになる。
    すごいひとです。

  • ゆうべの神様/緑の鼠の糞/爆竹夜/カノジョ/ロック母/父のボール/イリの結婚式

    川端康成賞受賞作「ロック母」もよかったけど、隣近所の目を気にし、恋人のガンジや最後はすごい終わり方をする夕べの神様、不幸のボールが坂道を転がると信じていた父のボールなど、どれも印象に残る内容。

    どの小説も短編集というのはあまり好んで読まなかったけど、角田光代さんのはいろんな意味ですっきりしてていい。

  • 「ロック母」に納められている短編『ゆうべの神様』を読んだ。夫婦けんかをする様子がリアルで、それを見ている子供のマリコの心情や行動もリアルで、その家族の噂をする近所の八百屋、隣のおばさん、肉屋のおじさん達の様子もリアルだった。その噂する様子や、心配するふりをしながら、楽しんでいる様子が、どんなに噂される本人達を傷つけているかもリアルに描かれている。最後の場面で、唯一の心のよりどころだったガンジが変わってしまったことが引き金になり、マリコは自宅に放火してしまうことで話しは終わっている。

  • 何だかざらついたと言うか暴力的な雰囲気の短編集。特に幸福な人はいないんだけど、嫌な気分になることもなく一気に読ませる

  • とてもよかった。角田光代はうますぎる。ゆうべの神様、ロック母、父のボールは特にいい。

  • 実力発揮!

  • 最終章の「イリの結婚式」の一部を仕事で読み、気になって本編を読んだ作品。主人公がハムスターの死によって彼氏と死に対しての価値観の違いを認識し、そのまま破局してしまう話。
    死に対して諦めてしまっている主人公となんとかする方法があると模索してしまう彼氏は、一見彼氏の方が温かい人物なんだろうけど、でも彼氏のやってることは結局自己満足でしかなくて、それは主人公にとっての本当の優しさでは無かったんだろうなあ。彼氏の、自分にもできることがあるって必死に生にしがみつく感じも分かるし、主人公の、そういう人は結局自分が安心・満足したいだけで自分も将来どこか手軽な応急処置をされて放っておかれるって不安になってしまうのも分かる気がする。
    結婚というのはそういう価値観の違いを愛情だとか幸福感で乗り越えていった先にあるものだと思うけど、それができないくらい主人公にとっては彼氏との価値観の違いが大きいものだった。友達たちは「そんなこと」と笑うけど、彼女たちにとってはそれは愛情で乗り越えられることであり、主人公にとっては譲れなかっただけの話だと思う。イリの結婚式を見てこうなるはずだったと主人公は思っているけど、そこまで後悔している感じではなかったのが印象的だった。結婚する気もないしする相手もいないし、主人公の場合はそんな男と別れたばかりだけど、でもそれでも明るさと希望に満ち溢れた感じと並々ならぬ幸福さから、そんなことをぼおっと考えさせる力が結婚式にはあるよね~

  • 川端康成賞受賞

  • ゆうべの神様…薄いガラスのような脆い心なのに容赦なく無慈悲に破壊されていく。
    緑の鼠の糞…鳥を大空に帰すことで自由奔放を世に解放しているみたい。
    爆竹夜…無秩序やら混乱やらをかき集めて圧縮して固めて爆竹と一緒に爆破できたら気持ち良さそう。
    カノジョ…評価はこの作品。前妻の影に怯えるうちに意識が自分のものなのか前妻のものなのかわからなくなる。意識のゲシュタルト崩壊。
    ロック母…居場所を失った母と娘は新しい命を受け入れることで何かが前に進むのかもしれない。
    父のボール…お父さんは家族を守るのに必死だったのだとすると哀しみがこみ上げてくる。
    イリの結婚式…民族問題とかいっても手をつないで踊れば解決するくらいのことかも。

  • 訳もよくわからず、当たりどころのない怒りみたいな懐かしい感情を思い出した。普通になったカンジを目の前にしたときのマリコがなんか気持ち良かった。ホントなら褒めてあげることなのかもしれない。でも、大人じゃないマリコだからできることなんだと思う。角田光代に「ロックだねぇ」って言ってやりたい。この短編の中には、不器用に恥かしげもなく思ったままにしか表現することができないロックな奴がたくさんいたように思う。何が言いたいのかよくわからないし、何でここで終わりなのとか思う部分もあるけど。マリコも、キヨちゃんもロックなおばさんになってほしいな。

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