ロック母 (講談社文庫)

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  • 講談社 (2010年6月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784062766708

作品紹介・あらすじ

作家としての苦悩のはじまりに“しょぼんとたたずむ”忘れ難い作品、「ゆうべの神様」。シングルマザーになる覚悟で離島の実家に帰った私を待っていたのは、恐ろしいほど変わらない風景と“壊れた”母親だった。――川端康成賞受賞作、「ロック母」など、15年にわたる作家活動をあまさずとらえた傑作作品集。


私はこの、迷える足跡をこそ、1冊の本にまとめたかったのだ。――角田光代
1992年~2006年 川端賞受賞作を含む、代表的短編小説7編

作家としての苦悩のはじまりに“しょぼんとたたずむ”忘れ難い作品、「ゆうべの神様」。シングルマザーになる覚悟で離島の実家に帰った私を待っていたのは、恐ろしいほど変わらない風景と“壊れた”母親だった。――川端康成賞受賞作、「ロック母」など、15年にわたる作家活動をあまさずとらえた傑作作品集。

みんなの感想まとめ

作家としての苦悩や母親との関係を深く掘り下げた作品集は、さまざまな視点から人間の複雑さを描き出しています。表題作を含む全7篇は、時間の経過とともに変わる感情や状況を反映し、読者に新たな発見をもたらしま...

感想・レビュー・書評

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  • ほんわかした短編集という感じ。

    ロック母 は壊れたとはいえ、やっぱり母親らしくどっしりとして我が娘を丸ごと受け入れてるようで頼もしく感じる。
    父のボール は私の今の状況とあまりにも似て重なって…どんなに色々あった親でも最期を見せられるといい意味でも悪い意味でも緩むのだな。と…実感したばかり。

  • この本を購入した2010年当時、全くはまらず、また作者である角田光代の原作の映画を二本ほど観て、多分わたしには合わないからとずっと放ったらかしになっていた。
    10年近く経って読んでみると非常に好みであることに驚いた。
    きっとこれは筆者があとがきで記しているように、"一編の小説はそれだけでは完結していない。そしてやはり人と同じように、小説も歳をとったり、すがたかたちを変えていく" ということなのだろうか。

    小説に限らず全く同じものでもその時々で、フィットしたり、しなかったりとかたちを変えていく。


    そういうことを楽しいと思える年齢になったのかもしれない。

  • 短編7編。標題作も良かったが、「ゆうべの神様」「父のボール」「イリの結婚式」が好みかな。特に「父のボール」は、自分と母親に置き換えて読んでいた。母親が亡くなる時、主人公と同じ気持ちになれるだろうか? ただ、生きるエネルギーになっていたことは間違いない。

  • 短編集 どの作品も、かなりとんがってる。特にゆうべの神様 この微妙な時期に、読むべきではなかったかもしれないけど心に黒く残りました。

  • 実力発揮!

  • 最終章の「イリの結婚式」の一部を仕事で読み、気になって本編を読んだ作品。主人公がハムスターの死によって彼氏と死に対しての価値観の違いを認識し、そのまま破局してしまう話。
    死に対して諦めてしまっている主人公となんとかする方法があると模索してしまう彼氏は、一見彼氏の方が温かい人物なんだろうけど、でも彼氏のやってることは結局自己満足でしかなくて、それは主人公にとっての本当の優しさでは無かったんだろうなあ。彼氏の、自分にもできることがあるって必死に生にしがみつく感じも分かるし、主人公の、そういう人は結局自分が安心・満足したいだけで自分も将来どこか手軽な応急処置をされて放っておかれるって不安になってしまうのも分かる気がする。
    結婚というのはそういう価値観の違いを愛情だとか幸福感で乗り越えていった先にあるものだと思うけど、それができないくらい主人公にとっては彼氏との価値観の違いが大きいものだった。友達たちは「そんなこと」と笑うけど、彼女たちにとってはそれは愛情で乗り越えられることであり、主人公にとっては譲れなかっただけの話だと思う。イリの結婚式を見てこうなるはずだったと主人公は思っているけど、そこまで後悔している感じではなかったのが印象的だった。結婚する気もないしする相手もいないし、主人公の場合はそんな男と別れたばかりだけど、でもそれでも明るさと希望に満ち溢れた感じと並々ならぬ幸福さから、そんなことをぼおっと考えさせる力が結婚式にはあるよね~

  • ゆうべの神様…薄いガラスのような脆い心なのに容赦なく無慈悲に破壊されていく。
    緑の鼠の糞…鳥を大空に帰すことで自由奔放を世に解放しているみたい。
    爆竹夜…無秩序やら混乱やらをかき集めて圧縮して固めて爆竹と一緒に爆破できたら気持ち良さそう。
    カノジョ…評価はこの作品。前妻の影に怯えるうちに意識が自分のものなのか前妻のものなのかわからなくなる。意識のゲシュタルト崩壊。
    ロック母…居場所を失った母と娘は新しい命を受け入れることで何かが前に進むのかもしれない。
    父のボール…お父さんは家族を守るのに必死だったのだとすると哀しみがこみ上げてくる。
    イリの結婚式…民族問題とかいっても手をつないで踊れば解決するくらいのことかも。

  • 訳もよくわからず、当たりどころのない怒りみたいな懐かしい感情を思い出した。普通になったカンジを目の前にしたときのマリコがなんか気持ち良かった。ホントなら褒めてあげることなのかもしれない。でも、大人じゃないマリコだからできることなんだと思う。角田光代に「ロックだねぇ」って言ってやりたい。この短編の中には、不器用に恥かしげもなく思ったままにしか表現することができないロックな奴がたくさんいたように思う。何が言いたいのかよくわからないし、何でここで終わりなのとか思う部分もあるけど。マリコも、キヨちゃんもロックなおばさんになってほしいな。

  • 「ゆうべの神様」がいちばんすきだった。

    編集者も角田さんもこの話は「本にするには値しない」と言ってたらしいけれど、わたしは、すき。本にしてもらえてよかった。

    角田さんは、すっごいみみっちいこととか、きたないこととか、自分でも嫌になるような生活臭を見逃さない。
    「ああ、あるある」って思ったあと、どんなに綺麗なふりして生きててもその「生活」からは逃げられないことを思い知らされて苦い気もちになる。
    すごいひとです。

  • ゆうべの神様/緑の鼠の糞/爆竹夜/カノジョ/ロック母/父のボール/イリの結婚式

    川端康成賞受賞作「ロック母」もよかったけど、隣近所の目を気にし、恋人のガンジや最後はすごい終わり方をする夕べの神様、不幸のボールが坂道を転がると信じていた父のボールなど、どれも印象に残る内容。

    どの小説も短編集というのはあまり好んで読まなかったけど、角田光代さんのはいろんな意味ですっきりしてていい。

  • 「ロック母」に納められている短編『ゆうべの神様』を読んだ。夫婦けんかをする様子がリアルで、それを見ている子供のマリコの心情や行動もリアルで、その家族の噂をする近所の八百屋、隣のおばさん、肉屋のおじさん達の様子もリアルだった。その噂する様子や、心配するふりをしながら、楽しんでいる様子が、どんなに噂される本人達を傷つけているかもリアルに描かれている。最後の場面で、唯一の心のよりどころだったガンジが変わってしまったことが引き金になり、マリコは自宅に放火してしまうことで話しは終わっている。

  • 久々に小説を読もうと積読本からタイトルに惹かれて読了。短編集ということも知りませんでしたが、1992年から2006年の作品をまとめているということで時の流れに愕然としました。に、20年前、だと。表題の「ロック母」含めどの作品もおもしろく、著者があとがきでこき下ろしていた「ゆうべの神様」も好き。著者は海外を訪れた経験が多いのか「緑の鼠の糞」(すごいタイトル…)「爆竹夜」「イリの結婚式」は新鮮で興味深く読めました。どこか懐かしさを感じる良い短編集でした。

  • 主人公や周りの人たち、ほぼ全員ちょっとした狂気?みたいなのがあって、ずっと不穏な空気が流れてる短編集だった(のでちょっと重かった)

    全編通して特に何も解決しないし、スッキリした読後感がある訳ではないけど、
    常にそういうモヤモヤを抱えて人は生きるものなのかも?とか色々考えました…。

    表題にもなってるロック母がやっぱり良かった!
    (そういえば、まともな親が1人も出てこない笑)

  • 小説を読み始めた頃からずっと好きな角田光代の、年代の違う短編集。
    ということは知らず、角田光代の読んでないやつだ〜などという軽い気持ちで購入して読むと、なんだか後半につれて色が変わっている気がして…これがあとがきで角田さんが言うことと重なってとても納得。
    1つ目のゆうべの神様は25歳の時に書いたということで、だからか。なんだか若い気がしたのは。
    若いというのは、決して拙いということではなく、瑞々しいというか、なんだか、私が知っている角田光代っぽくないなと思ったのだけど、その上でとても好きでした。
    なんだか、後半の家族の話は、いがみ合っているように見えて愛を感じるというような。そんなことを感じて、そんなことを想う時期だったのですか、角田さん。

  • 「何がさみしいの、産むのが?」
    「そうよ、自分の体のなかにだれか入っとることなんか、そうそうないもん、出ていかれるのはさみしかったよ。あのとき、うち、このまま一生この子がどこにもいかずに、おなかに入ってたらええのに、と思うた」

  • 良かった。

    短編集
    表題の「ロック母」に共感。
    ニルヴァーナやレッチリを聴きたくなった。

  • 全然好きじゃなかった
    角田光代は基本的に大好きだけどこういう文学的な短編集得意じゃないな、、
    川端康成賞受賞してるの納得

    でも最後のイリの結婚式の2年半くらい付き合って婚約中だった恋人とハムスターを病院に連れていくか家で看取るで喧嘩してから全部の意見の違いによる喧嘩が憎たらしくなって婚約破棄した話はすごくよかった

    彼氏サイドの主張である周りで亡くなってる人が多くその度に死を避けるためにできることがあったんじゃないかと苦しむからできることは全てやり尽くしたいってエゴだよなぁとも思うけど人間みんなエゴだし遺された人の方が辛いんだから気持ちもわかるなぁと思った

    こういうので拗れると今までの喧嘩が今までのものと違うものになってダメになっていくっていうのが切ないけどこういうことってあるよなって思った

  • 八日目の蝉を読んで2冊目の角田光代作品。短編だが「ゆうべの神様」だけ長尺でインパクトがあった。あとがきと解説を読んでああそういう事かと合点がいった。ちょっとネガティブな部分と尖った部分が共有する。落ち込んでいる人におすすめできないなぁ(笑)

  • どの話もなんとも言えない終わり方
    けどどんどんと読みたくなる
    どれも好きだけど、父のボールがよかったと思った

  • 第18回アワヒニビブリオバトル「黒」で発表された本です。
    2016.10.04

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著者プロフィール

角田 光代(かくた・みつよ):1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。90年「幸福な遊戯」でデビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、2003年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、05年『対岸の彼女』で直木賞、07年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、11年『ツリーハウス』で伊藤整文学賞、12年『かなたの子』で泉鏡花文学賞また『紙の月』で柴田錬三郎賞を、14年『私のなかの彼女』で河合隼雄物語賞、21年『源氏物語』の完全新訳で読売文学賞を受賞。その他の著書に『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『わたしの容れもの』『月夜の散歩』などがある。

「2025年 『韓国ドラマ沼にハマってみたら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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