わたくし率 イン 歯ー、または世界 (講談社文庫)

  • 講談社 (2010年7月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (144ページ) / ISBN・EAN: 9784062767101

作品紹介・あらすじ

私は奥歯や、わたくし率はぱんぱんで奥歯にとじこめられておる!!
著者第1小説集芥川賞候補、坪内逍遙大賞奨励賞

人はいったい体のどこで考えているのか。それは脳、ではなく歯――人並みはずれて健康な奥歯、であると決めた<わたし>は、歯科助手に転職し、恋人の青木を想い、まだ見ぬ我が子にむけ日記を綴る。哲学的テーマをリズミカルな独創的文体で描き、芥川賞候補となった表題作ほか1編を収録。著者初の小説集。

みんなの感想まとめ

体のどこで考えるのかという問いを、ユニークな視点から探求する作品で、主人公は健康な奥歯を持つことを自認し、歯科助手としての日常や恋人への想い、未だ見ぬ子どもに向けた日記を綴ります。リズミカルで独創的な...

感想・レビュー・書評

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  • 著しくぶっ飛んでるし、タイトルどおり内容は意味不明だが、勢いがあって小気味良い文体がいい。
    そして、時折混じる関西弁がステキ。

    歯科助手の「わたし」と、「わたし」に小説「雪国」の冒頭の一文の主語を問いかけてきた青木の関係が気になるが…
    読み進めていくうち、だんだん「わたし」に対する違和感が大きくなっていく。
    そして…

    細かいところは解釈とかあまりしないで、感じるままに読む作品だな、と思った。
    川上未映子さんのデビュー作にして、第137回芥川賞候補作品。

  • 人並みはずれた健康な歯の持ち主である〈わたし〉は、歯科助手に転職し、忙しくて会えない恋人のことを想い、まだ見ぬ我が子に宛てて延々とつらつらと日記を書く。

    いまだかつて味わったことのない、個性にあふれた文章に触れ、何だか古ーい書物を読んだ気分になりました。

    これは妄想?主語は何ですか?お母さん?頭の中で思考がぐるぐる回ってて、この勢いに飲み込まれそう。
    意味わかんないけど、面白い。

    川上未映子の初期作品を突破しておきたかったので、とりあえず読めて良かったです。

  • こんなタイトルが芥川賞候補に入っただけで爆笑
    かなり極端に評価が分かれる作品と思う

    最後女性主人公が文字通りぶっ壊れ、罵声をくらうシーン
    これだけで僕は川上未映子を偏愛できる

    ――――――――――――――――――――――――――――
    わたしわたしわたしわたしわたし
    わたしわたしわたしわたしうるさいんじゃぼけなすが。おまえ何千回わたしわたしわたしゆうとんねんこら。いっかいゆうたらわかるんじゃ。
    わたし病かこら。
    ――――――――――――――――――――――――――――
    よだれ出るわ!完璧だ!
    はあ、女こわ
    あ、あと文字としてオモロイか読んだだけなんで盗用うんぬんの過程はなしで。

    • あぢまんがさん
      へええ川上さんベルリン推しなんだ!純文学はかなり疎いのと新刊チェックもずっとしていなかったので勉強になります
      多分系列が一緒なのであろう町田...
      へええ川上さんベルリン推しなんだ!純文学はかなり疎いのと新刊チェックもずっとしていなかったので勉強になります
      多分系列が一緒なのであろう町田さんも気になってます
      2025/10/13
    • 丁さん
      町田とは町田康の方でおますか?
      町田とは町田康の方でおますか?
      2025/10/13
    • あぢまんがさん
      そですそです。確か3作くらいしか読んでないですがパンクな文体で記憶にあります
      そですそです。確か3作くらいしか読んでないですがパンクな文体で記憶にあります
      2025/10/13
  • 世界から、私なんてひとつ残らず消えてしまえばいい。
    胸がえぐられる。

    タイトルの、「歯ー」の部分、
    多分奇抜なタイトルをつけようとしたわけじゃなくて、単に、大阪弁で「歯」と言うときこういう発音になる。

  • 自分の思考みたいに頭で再生される主人公の思考を楽しむ小説とでも言えばいいのでしょうか?途切れることなくあまりに一方的に展開されるので、油断していると何の話か分からなくなります。今までにないタイプの小説で、読みにくかったのですが、意外と好きでした。

  • いい感じに狂ってて好き。

  • 全然わからない!笑
    川上未映子は『黄色い家』→『すべて真夜中の恋人たち』で、これが三作目なのですが、文体違いすぎる。
    「子をこの世へ誕生させることの恐怖」とか、「なぜわたしはわたしなのか?」など、ところどころ、わかるところもあったのですが、ほぼわからなかったです。

    でも、「きみは赤ちゃん」も積読しているので、そちらを読むのも楽しみです。なんとなく、「子をこの世へ誕生させることの恐怖」に対する答えが書いてある気がして。この本にも書いてなくはないけれど。

  • こんなに歯について考えたことなかった。
    将来の子に日記で、産まれるということについてが表されてて、深いなと思った。
    青木さんが女連れてたときは悲しかった。

  • 主語と動詞への執着を感じて、面白かった。
    著者があらゆるものの「存在」について考えるための1つの手段なのだと思う。

  • 最初は意味わからなくて途中はちょっと面白くて最後は妊婦さんの言葉しかわからない

    最終的にはよくわからない!
    •で区切られてるのは結構いいなと思いました!

  • 『夢の中で蝶々になってもそれがいったいどないしたんや、蝶々になろうが何になろうがそれそこにある私はいっこもなんも変わらんままや!わたくし率はなんもかわらん、蝶々がなんやの、私は奥歯や、わたくし率はぱんぱんで奥歯にとじこめられておる』

    今日の一句です。
    いやそこかい!という気もしますが、正直良く判らない文章だらけの中、一番共感できた部分でしたので。
    川上未映子さんは2作品目。前回で文章に慣れた気がしていたのだが、本作はさらに癖強で、読破に通常の3倍位の時間と精力を使いました。
    「哲学的テーマをリズミカルな独創的文体で描き」と裏表紙にありましたが、そんな軽やかなもんではなくて、哲学的テーマのキッカケは暗く重たいもんでした。
    しかしながら哲学的テーマなんぞ現実的な女性の前ではあっという間に吹き飛ばされてしまうのです。現実ってキビシー。

  • 天才•川上未映子、デビュー小説
    その問題意識とか文学的なテーマみたいなものが、未加工のまま、ある意味では尖り切り、ある意味では理解不能なかたちで散在している。

    身体性に着目しながら、「かけがえのないわたし」像などどこ吹く風で、「わたしは奥歯や」と喝破してみせる。そのイメージは現実と正論でボコボコにされ、さらには抜き去ることさえ可能であることが示される。
    しかし、だからこそ、世界は奥歯にパンパンに詰まっている。その逆説に、震えた。

  • ちょっとよくわかんない!
    ちょっとこわい!狂気!
    歯は磨こう!

  • 少し怖い。
    仕事疲れた日の夜寝る前に読むと頭おかしくなりそう。
    分かりそうで分からない。分からないけど分かりそう。
    結局妊娠してたのか、化粧品売場で働いてたのか、青木と付き合ってたのかも分からない。
    ただ、感情が濁流のようにものすごい勢いで脳内に流れ込んでくる感じだった。
    もう一度読むことはないかなぁ。精神状態によってはこちらも引き摺り込まれそうで怖いので

  • 川上未映子信者の私でもさすがに頭に入ってこない。

  • 意味は正直、わからんけれども、水の流れにゆらゆら揺られて、右に落ちます左に曲がれば、くるくる渦巻き飲まれます、みたいな感じで文章の流れに身をゆだねる心地良さや、感覚的な気持ち良さを味わえます何言ってるか正直わかんないけど。

  • 歯で思考してるから脳と違って思考がまとまってない。ただひたすら喋り続けてる感じ。無心で読むと脳じゃなくて歯で考え事してる感触が味わえる。
    これは歯垢…じゃなくて、至高の思考ですな。

    無茶苦茶に適当こいてるんじゃなくて、ちゃんと理解できる。深い。奥歯くらい深い。タイトル回収もしっかりある。なんで「奥歯」なのかも書いてある。

    ・わたくし率 イン歯ー、または世界
    「私」は奥歯(人による。多くの人にとって脳)であって、その他の部位、いわゆる身体は「私」のあつかう物質でしかないのであって、それがどうしようが直接的に「私」には関係ない。主人公にとって奥歯はわたくし率100%。

    ・感じる専門家 採用試験
    物質は有る無しではなく、認識の概念では「在る」であるので「生む有無問題」は破綻。

  • デビュー作にして凄すぎた。
    とても難しいというか文体がぶっ飛んでるし、構成もわかりづらいように設計されてるので、しっかり読まないと結局何の話?ってなる。構成はしっかり最初からデザインされてると思うけど、実際に書く時は恐らく意思の流れの技法を意識したと思う。というかなりの実験作だと感じた。
    こういう書き方は個人的に好みではないけど、消えてほしくはない。文学界に詳しいわけじゃないけど今まであまり出会わなかったので、文学界においては川上さんは貴重な存在だと思う。
    凄い所は他にも沢山あって一言では言えないが、1つだけ言いたいのはやはり川上さんの作品ってミステリー要素がある所。つまり最後まで読まない何の話か想像つかないが、最後までちゃんと読むと、言いたいことが急に全てが繋がったみたいな、そんな気持ちになる。後で気づくような伏線的な要素もちゃんとあるので、ミステリーだなぁって今回も思った。最後まで読むととても面白い作品なので、たまにはこういうガチの純文学も読んだ方が文学へのリスペクトも増えてまた色々と読みたくなるので、読んでいる時は大変かもだけど、敢えてお勧めしたい作品だ。

    もう一つの短編「感じる専門家 採用試験」
    こちらも手法的には同じかな。意識と無意識の間を記録するような、五感の役割を入れ替えながら特別のように見せるが、そこは一文一文どういう意味?って深く考えず、感じるがまま読んでいけばいいと思う。抽象画と似ているかも。妊娠したことがない主婦が自分の人生の辛さから子供を生む意味に対して問いかける、そんなテーマかと思うが、やはり一番面白いのは書き方で、読者に述べるのではなく、頭の中を覗かせるような書き方。
    ただ、すらすら読むことは難しいので、たまにはいいけど、文学がみんなこうなると辛いかも知れない笑

  • 哲学の自我の問題を、小説でストレートに扱ってて、なんだこれは。はじめは、哲学の問題は哲学でしっかりやったほうが面白いでしょ、って思って読んでたんだけど、だんだん心地よくなってくるという不思議な読後感。
    哲学って、学問であって芸術ではない、文学とは異なるものだって考えてたんだけど、こんなやり方あんのかって思って嬉しかったです。

  • ◯ 雪国ゆうたら雪国やんか(80p)

    ★独特の文体。バランスが難しい。成立しているのがすごい。

    ★青木に思いの丈をぶつける、8ページに渡る長台詞に圧倒された。

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著者プロフィール

大阪府生まれ。2007年、デビュー小説『わたくし率イン 歯ー、または世界』で第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で第14回中原中也賞受賞。2010年、『ヘヴン』で平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞受賞。2013年、詩集『水瓶』で第43回高見順賞受賞。短編集『愛の夢とか』で第49回谷崎潤一郎賞受賞。2016年、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞受賞。「マリーの愛の証明」にてGranta Best of Young Japanese Novelists 2016に選出。2019年、長編『夏物語』で第73回毎日出版文化賞受賞。他に『すべて真夜中の恋人たち』や村上春樹との共著『みみずくは黄昏に飛びたつ』など著書多数。その作品は世界40カ国以上で刊行されている。

「2021年 『水瓶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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