人形館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062767163

感想・レビュー・書評

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  • 『人形館の殺人』
    2023年6月1日読了

    館シリーズ4作目!
    始まりからいつもとどこか違う…という気持ちがあったが、それもそのはず今回はクローズドサークルではないのだ。

    舞台は京都・北白川にあるアパート兼住居「緑影荘」つまりはタイトルが示すところの「人形館」である。

    といっても語り手「私」である飛龍想一は、近所の喫茶店「来夢」に入り浸っているし、友人・架場の職場であるK大学(おそらくは京都大学)に行ったりもする。

    母と2人穏やかな京都での暮らしを送る中、少しずつ異変が起こり始めるのだ…。


    ***


    ふとしたきっかけで思い起こされる飛龍の過去の記憶と、文中に突如として現れる「――」による語り。

    絶対に何かあるという違和感はあるのだが、得てして確証がもてず、ずるずるとトリックの沼にはまってしまった。

    たしかに異色作である。
    しかし、「深い闇」のベールが徐々にはがれていく緊張感は、いつも以上におもしろいものがあった。

    解説の太田忠司氏が言うように「読書とは格闘技」ならば、今回も綾辻行人に大敗してしまった。でも、それが心地よく、いつも求めてしまうのだ。

  • 館シリーズ4作め読了。

    まさかの主人公多重人格オチで、これまでの3作品がとても面白かっただけに少し残念でした。

  • 館シリーズでは異色の作品
    望んでいたものとは異なる驚き、これが綾辻行人か
    結構好き
    他の館シリーズ作品をいくつか読んだ後で良かった~

  • 館シリーズ4作目。
    変わり種という噂は聞いていましたが、納得。

    いつもの密室の館で短期間で連続殺人が起こるスタイルではなく、主人公が館で長期間生活していくうちに不可解な事件が起こっていくといった感じ。
    いつもに比べるとハラハラする疾走感がなく、中だるみしている印象でした。
    私はいつもの館シリーズの連続殺人が好きかな...

    主人公目線で進んでいく中で、明らかに整合性の取れていない箇所があり、まさかなと思っていたら案の定主人公が多重人格でした。
    主人公が多重人格のミステリって個人的には禁じ手だと思っているので、え〜って感じでした。
    パッとしないラストだった...

    今まで読んだ館シリーズではいちばん面白くなかったです。他が面白すぎるっていうのもあるけど!
    時計館めちゃくちゃたのしみ!

  •  館シリーズでも変化球と表現すべき一作。「なんか今回の島田さんは推理のキレがないなぁ。」と思っていたら、やはり別人だった。

  • まさかの多重人格というオチに呆気に取られました。
    素人意見で申し訳ないですが、こんなオチにするぐらいなら、アパートの住人が過去の脱線事故の被害者遺族でその復讐…の方が良かった気がします。
    また、架場に相談している立場でありながら頼りにならないと言ったり、島田に早く助けに来いと言ったり(これは妄想になるのですかね?)…何だか勝手な坊っちゃんだなぁと思いました(笑)
    そもそも子供の頃にあんな重罪を犯しておきながら、忘れて親のお金で呑気に暮らしてるのも良いご身分だなと思いますし…。
    総合的にモヤモヤして終わりました。

  • 相一自身が作り出した別人格が起こした脅迫者の正体や、ほぼ全てが自作自演による顛末に読んで驚きはしたが、面白さは無かった。可もなく不可もなくといったところ。

  • 後半、「あ、あの人が犯人か、なるほどね」と読めていたんですが、まさかの予想を裏切る結末に驚愕。読者の意表を突くトリック。さすが綾辻さんだなぁ。

  • 飛龍想一。
    育ての母、沙和子とともに、父で彫刻家・飛龍高洋が残した、京都の『人形館』に越してきた。
    父・高洋が作った、顔のない人形が飾られた『人形館』に。

    京都では、連続児童殺害事件が…

    想一にも脅迫状が…
    そして、何者かに沙和子が殺害される。
    想一は、旧友・島田潔に助けを求める…

    『人形館』も中村青司によるからくりがあるのか…
    誰が想一を脅迫しているのか??
    想一が思い出そうとしても思い出せない、子どものころに犯した罪は…

    いつも通り、からくりが見つかったと思いきや…
    そうだったのか…
    まさか、そんな結末とは…
    まったく予想していなかった結末で…
    こんな結末もありなのか…
    なかなか斬新だった。

    島田潔の出番がなかなかないなと思ってたら、結局…で。…だけだったとは…

    でも、精神疾患で無罪なのか…

  • 館シリーズ第4作目。
    本人も言ってますがとても異色作です。
    4作目にしてこれをやるか…と驚きました。
    大好きです!
    拍子抜け感はありますがそれこそが本書の魅力ですね。
    やられました。

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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