びっくり館の殺人 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062767170

作品紹介・あらすじ

あやしい噂が囁かれるお屋敷町の洋館、その名もびっくり館。館に住む少年と友だちになった三知也たちは、少年の祖父が演じる異様な腹話術劇におののくが…クリスマスの夜、ついに勃発する密室の惨劇!悪夢の果てに待ち受ける戦慄の真相とは!?ミステリーランド発、「館」シリーズ第八弾、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 「かつて子供だったあなたと少年少女のための」
    ミステリー。
    途中何枚かある挿絵も子供が喜びそうな恐ろしげでよろし。
    主人公は小学6年生の男子。
    彼が中村青司設計の「びっくり館」に住む少年との交流や事件の語り手となる。
    はるか昔の「少年探偵団」とか「幽鬼の塔」とかタイトルだけ思い出した。(ストーリーは全く覚えてない)
    文章が児童書風なので かつて子供だっただけなので、入り込めないかな。トリックは、しっかりあるので気をつけないとわからなくなる。
    少年少女達のミステリー導入作品になってくれると嬉しいな。

  • 子どもの頃に体験した悪夢、怪しい洋館に住む少年と老人と… 館シリーズ第八弾 #びっくり館の殺人

    ■レビュー
    あくまでお子様向きのミステリーですが、子供のころに戻った気持ちになれる、本格ミステリー好きの大人向きでもある本作。紛うことなき、綾辻先生の館シリーズです。

    たまんないよね、全編通してのうすぐら~い不気味な雰囲気。
    怪しい館、妙な噂話、透明感のある子どもと一緒に住む怪しげな老人。
    背景設定も情景描写もバッチシだし、度々挟まれる挿絵も鬼怖い。

    そして登場人物がまた完璧なのよ。
    キャラクター性はもちろん、出会いのシーンから関係性構築を経て別れまで。
    さらっと書かれてるようですが、こんなにストレスなく世界観に合わせてお話を組み立てられるなんて、本物のプロ作家でないと絶対できない。

    プロットも文章もめちゃくちゃ上手いし(超ベテランだから当たり前かもしれないけど)、するする読めちゃうの。

    そして待ちに待った館シリーズのメイントリックですよ。
    やっぱり仕組まれてましたか、本作の良いところをまるっと包み込むように繰り出させる、まさに「びっくり」な驚きでした。素晴らしい!
    まぁミステリーを読みすぎている私は、見抜いてしまいましたが…ごめんなさい。

    お子様向けなところもあるのか、終盤の説明っぽさが気になりますが、ほぼ文句なしの傑作です。童心に戻って、面白く読ませていただきました。

    ■推しポイント
    久しぶりの館シリーズ、最高でした。
    十角館の殺人から読み始めた八作目、確かに他作品と比べると異色ではありますが、中身は完全に館シリーズでしたね。

    小学6年生の冬、丘から見た夕日の街並み。
    なぜか目に焼き付いていて、過去の小さな記憶なのか、夢なのか、映画のシーンと勘違いしているのか。時折、思い出すんです。

    私にとって館シリーズは、本格ミステリーでありながらも、小学6年生の曖昧な記憶をふと思い出させてくれるんですよね。

    いつもどこかファンタジーな異世界に連れてってくれる。
    他のミステリーでは味わえない素敵な作品でした。

    • コプ眠さん
      こんにちは。いつも作家さんへの敬意溢れる感想を楽しみにしています。
      良かったら教えて頂きたいのですが、私は館シリーズ3冊しか読んでなくて、飛...
      こんにちは。いつも作家さんへの敬意溢れる感想を楽しみにしています。
      良かったら教えて頂きたいのですが、私は館シリーズ3冊しか読んでなくて、飛ばしてこの本を読んでも大丈夫ですか?
      順に読んだ方がより楽しめますか?
      2022/10/02
    • autumn522akiさん
      コプ眠さん、こんばんはです~

      結論、本作は読み飛ばして大丈夫ですよ。

      すでに館シリーズ3冊読んでいるのであれば、どういう背景設定...
      コプ眠さん、こんばんはです~

      結論、本作は読み飛ばして大丈夫ですよ。

      すでに館シリーズ3冊読んでいるのであれば、どういう背景設定か
      分かっていると思うので、それだけで十分楽しめます。

      ただ暗黒館の殺人は、それまでの作品を全部読んでおいたほうがいいですね。
      2022/10/02
    • コプ眠さん
      ありがとうございます。
      基本、出版順に読むようにしてますが、この本は先に読んでみます。
      ありがとうございます。
      基本、出版順に読むようにしてますが、この本は先に読んでみます。
      2022/10/03
  • 館シリーズ第八弾。
    今回もすごく面白かったです!
    一言で言うと「不気味」。
    全290ページとコンパクトで、挿絵も多くあり、絵本のような感覚で一気に読んでしまいました。
    次は「奇面館の殺人」に進みます。

  • 綾辻行人『館シリーズ』第8弾。

    奇妙な噂が流れ、『びっくり館』と呼ばれる、屋敷町・六花町の洋館。
    設計者は中村青司…

    『びっくり館』に住む少年・俊生と友だちになった三知也とあおい。

    俊生の祖父・龍平の奇妙な腹話術…
    クリスマスの夜、密室『リリカの部屋』で、龍平が…

    『暗黒館の殺人』4館を読んだ後だけに…
    何か物足りなさが…
    鹿谷門実の登場も一瞬しかなく…

    結局、俊生の母・美音はどこへ行ったのか…
    成人した俊生とあおいは…
    何かモヤモヤ感が残る結末。

    次は『奇面館の殺人』。


  • シリーズ物だから買った一冊。

    館シリーズ第8弾

    今までの館の話とはちょっと違う話だった。
    複雑なトリックも深みもなくあっさりしていた。
    でも読みやすく話の結末が気になる話でもあった。

    あっさりした話でも今までの館シリーズの同じ様にちょっと不気味で世間とは違う館の中の世界が味わえたのは良かった。

    挿絵があったり本の1ページ目にいきなり絵があったり、今までとは違う本の作りにちょっとびっくりした。
    流石びっくり館?

    最後が気になる
    なぜそうなったのか最後の所がもやもやした小説でした。



  • 綾辻行人の文体はとても読みやすいのですが、子供向けを意識してのことでさらに読みやすい。おかげでテンポがとても良く、特に例の畳み掛けの部分の不気味さが際立ちました。

  • 前回の暗黒館がとても重厚だったので、比べると読みやすかったです。登場人物も少なめなので、犯人はもしやとは思いましたが、どうやっての部分はまさか!でした。びっくりでした。
    少年少女向け、なんですね。
    ぼくらシリーズにはまっているうちの子はたぶん、コワいキモいイミわかんないとか言いそう笑
    だけどいつか十角館を読んで、「あれ、中村青司ってどっかで聞いたな」ってなるのはちょっとうらやましいかもなんて思いながら本棚にしまいました。

  • 2010年(発出2006年) 313ページ

    『暗黒館の殺人』は長大で、購入してなかったので、またもや順番を飛ばしています。
    『びっくり館の殺人』は、編集者の故宇山氏が立ち上げた少年少女向けの「ミステリーランド」に綾辻行人さんが寄稿された作品とのことです。

    短い作品で登場人物も少なくあっさり読めました。語り手が小学6年生で難しい言葉もありませんでしたが、しっかりとした構成力、描写、そして、オカルト要素のある物語で子どもの頃にタイムスリップして読んでみたい、と思いました。

    まず、リアルなカラーイラストと挿絵がありますが、のっけから不気味な印象です。
    おなじみ中村青司の建てたびっくり館。びっくり要素は何か?と思いながら読んでいくと、どうも館の主人がびっくり箱を収集していた、という噂。
    腹話術人形のリリカと、俊生の姉・梨里香にまつわる話。
    そして、殺人事件の真相はというと「そうだったのかい!」と。

    びっくり館に住む人たちは皆、超自然的なものに取り憑かれてしまっていたのでしょうか?
    オカルト好きにはピンとくる符号が。
    梨里香の誕生日が6月6日。超有名なオーメンの悪魔の子と同じ誕生日。「お姉ちゃんは悪魔だったのかも」というセリフがなんとなくそうかもと思わせる。
    最後のシーンは、10年半後の6月6日にびっくり館に引き寄せられてしまった三知也。そこでは、梨里香の誕生日パーティが。一体誰が集まっているの〜〜〜⁉︎ 俊生とあおいに迎えられたところで物語は終わります。

    大人が読んでも十分におもしろい、というか息抜きできました。
    あとがきで綾辻行人さんがほのめかされている、日本三大奇書の一つ、読んでみたいです。

  • 恒例の館の間取り図が2Fのみでびっくり
    解説で子供向けと記載があってびっくり
    最後の落とし方はB級ホラーテイストでちょっとがっかり

    この本から入る子供は迷路館から読むのでしょうか?
    私はこの本は外伝として、十角館の殺人から順に読むことを勧めます

  • 館シリーズ第8弾。あやしい噂が囁かれる洋館・びっくり館。そこに住む少年・俊生と仲良くなった三知也たち。しかし、その館で巻き起こる異様な出来事と密室の惨劇。三知也たちが体験した悪夢のようなクリスマスの夜の真相とは。

    「かつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリーランド」という企画で書かれた作品。館シリーズ正当続編でありつつも、文章やページ数など控えめにされて読みやすく仕上がっている。暗黒館の衝撃が波紋として残っている今の自分にはちょうどいい塩梅。ただ、コンパクトな中にも館らしい仕掛けや伏線の妙、ホラー要素も盛り込まれて気は抜けない。

    三知也の兄のエピソードに始まる「いじめられたからと言って、誰かを道連れにして自殺してもいいのか(殺人は許されるのか)」という部分がテーマの一つになっている。こういう哲学的な問いかけは子ども向けだからこそあえてしているのかなと。もちろん、大人になってもその答えに明確に答えるのは難しいよね。これを子どもの頃に読んで、また大人になってから読み返すとまた違った視点で読めて面白いだろうなと思った。

    龍平の過去についてなど、これは子ども向けな設定ではないのでは?という部分は気になった。さすがにあれを子どもに読ませるのは気が引ける。ただでさえホラー要素が多く、子どもによってはびっくりどころかトラウマになりかねない怖ろしさもあるので、子どもに読ませるかどうかは注意が必要かもしれない。

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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