中原の虹 (1) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1584
レビュー : 130
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062767415

作品紹介・あらすじ

「汝、満洲の王者たれ」予言を受けた親も家もなき青年、張作霖。天命を示す"龍玉"を手に入れ、馬賊の長として頭角を現してゆく。馬と拳銃の腕前を買われて張作霖の馬賊に加わった李春雷は、貧しさゆえに家族を捨てた過去を持つ。栄華を誇った清王朝に落日が迫り、新たなる英雄たちの壮大な物語が始まる。

感想・レビュー・書評

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  • 張作霖の馬賊の大頭目っぷりがすごい。歴史上の人物をそこに生きている人間らしく描いているところが相変わらず面白いです。久々なので中国の歴史や人や物の名前やらに手間取って、なかなか進まなかったけど、この壮大なドラマの先が楽しみです。

  •  『蒼穹の昴』の続編と銘打ってはいるが、私としては別物に感じる。何だろう、このスッキリしない感じ。
     私はやっぱり西太后が大好きだったんだなあと実感しました。
     春児の登場も少ない。どんどん新しいキャラクターが出てくるのに、どれも前作のインパクトを越えてこない。
     勿論、遠い昔、長城を越えてきた勇者たちの馬脚の音まで聞こえてきそうな浅田さんの筆力には引き込まれる。
     でもこれは彼のせいではないのだが、時代に生きた人物が、どうしたって小粒なのが隠せない。
     核となる人物を失った物語は、もう作者であっても軌道修正が難しいと思う。
     だってこれが(フィクション過多とはいえ)史実なんだもの。史実は曲げられない。いくら浅田次郎であろうとも。
     それが現代中国の矛盾の発露であるかのようなこの作品は、余りに哀しく、切ない。

  • 第42回吉川英治文学賞

  • 『珍妃の井戸』まで読んで、もう続きは読まないのかな、と思っていたが、結局読むことにした。

    李春児・玲玲きょうだいの兄、春雷が、東北の覇者、張作霖の「五当家」になる。
    実力随一の「総攬把」である張作霖が、皇帝のしるし、龍玉を手に入れるところから物語が大きく動いていく。

    張作霖というと、満州事変で日本軍に爆殺されてしまった人、ということくらいしか知らない。
    張作霖と息子、学良が清朝滅亡後の中国を率いていくはずだった、というのが浅田さんの認識でいいのかな?
    あのあたりの歴史は本当にいろいろな勢力が錯綜してわかりにくい。

    それにしても、この巻は、また語りが多彩なこと。
    『蒼穹の昴』にも出てきた、占いの老婆の語り、康熙帝から乾隆帝に至る三代の帝に仕えた兆恵将軍、秀芳馬占山など。
    乾隆帝が登場することはもうないけれど、今回はヌルハチの後継者選びの頃から、登場人物たちの過去まで、時間もあちこち遡る。
    うっかりしていると、目がくらみそう。
    面白いけれど、物語を追っかけるのもなかなか大変だ。

  • フリガナがなくなると途端に読めなくなる固有名詞・・・。歴史もの苦手ですが浅田次郎さんのは好き。やはり人物描写が巧みである。張作霖の大物感。傘下に入った李春雷がまさかの春児の兄?終盤一気に読ませる、馬賊の毒の吐き方。大勢の人が簡単に死んで、なんでもないようにふるまうけれど、本当になんでもないことなわけがない。

  • 身よりなく、馬賊として頭角を現す張作霖。その張作霖に見いだされて仲間に加わった李春雷。春雷は、貧しい親、幼い兄弟を捨てた過去をもつ。その幼き弟が、春児。清朝が落日を迎える間近。2巻以降、物語がいよいよ動き始める。

  • 蒼穹の昴、珍妃の井戸に続けて、読み始めた。
    先の二物語は自身が北京に行く前に読み、今回2年間生活をした後に再読、さらに続編である本編に取り掛かった。以前より背景をより理解している所為もあり、相変わらず登場する人物が複数の、似たような名前を使用する事もあり、時々混乱するが、楽しく読めた。張作霖が主人公の一人となるが、歴史上では爆殺事件の被害者という知識しかないが、小説とはいえ知識以上の感覚を与えてくれる。

    西太后や義和団の乱といったものが史実でどう語られているのか興味が出て来た。

    あと満族の馬賊達が、冬場に凍った饅頭を懐に入れて寝ると朝になると食べごろになるという話や、文中に出てくる日本人が馬賊に保護された際、その二文字の苗字を名乗ったところ、馬賊達が漢族以外の満州族や蒙古族には二文字のものが多く、そのようなものなのだと納得している件があったり、細かい描写が非常に興味深い。

  • 浅田先生は天才だ。見てきたかのようなリアルさ。まだまだ続きがあると思うとわくわくする。
    ただ、毎ページごとにある中国読みのフリガナが煩わしく感じる。内容も濃いので2巻は軽めの本を読んでからにしようと思う。

  • 浅田さんの中国シリーズ第三弾。張作霖や張学良が登場した時代の物語です。
    浅田さんの小説は、歴史に忠実で綿密なんだなと、改めてこの中原の虹を読んで思いました。

  • 「汝、満洲の王者たれ」予言を受けた親も家もなき青年、張作霖(チャンヅオリン)。天命を示す“龍玉”を手に入れ、馬賊の長として頭角を現してゆく。馬と拳銃の腕前を買われて張作霖の馬賊に加わった李春雷(リイチュンレイ)は、貧しさゆえに家族を捨てた過去を持つ。栄華を誇った清王朝に落日が迫り、新たなる英雄たちの壮大な物語が始まる。

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著者プロフィール

浅田 次郎(あさだ じろう)
1951年、東京都出身。
1995年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、1997年『鉄道員』で直木三十五賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、2006年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞と司馬遼太郎賞、2008年『中原の虹』で吉川英治文学賞を、2010年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞、2016年『帰郷』で第43回大佛次郎賞それぞれ受賞。2015年には紫綬褒章も授与されている。
2018年現在、日本ペンクラブ会長、直木賞、柴田錬三郎賞、山本周五郎賞の選考委員を務める。2018年12月15日、『輪違屋糸里』が藤野涼子、溝端淳平、松井玲奈らの出演で映画化。

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