名前探しの放課後(上) (講談社文庫 つ 28-9)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062767446

作品紹介・あらすじ

依田いつかが最初に感じた違和感は撤去されたはずの看板だった。「俺、もしかして過去に戻された?」動揺する中で浮かぶ一つの記憶。いつかは高校のクラスメートの坂崎あすなに相談を持ちかける。「今から俺たちの同級生が自殺する。でもそれが誰なのか思い出せないんだ」二人はその「誰か」を探し始める。

感想・レビュー・書評

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  • 上下巻からなる辻村さんの作品では、作品世界のゆったりとした夜明けが見れるのが上巻の魅力です。この作品でもプロローグから本編へと一気に作品世界に引き込まれて行きます。

    『どうやら俺は三ヶ月後の『未来』から来ました。』と語る依田いつか。本の紹介でも書かれることが多いようにこの作品はタイムスリップのことも取り上げています。しかもこの作品では冒頭の一章を贅沢に使って『タイムスリップとはなんぞや』を坂崎あすなの語りによってかなり丁寧に説明してくれます。

    一方で、この作品の魅力は何と言っても辻村さんの描く学園風景。中でもう〜ん、そうだったよねと思ったのが『違うクラスの教室というのは、不思議だ。教室というのは、同じ学校なら部屋の作りは内装も大きさもほぼ同じなのに、いつの間にかクラス毎の雰囲気が色をつける。明確なよその家の空気。上がりこむことに一瞬、躊躇する。』という一節。外の世界から隔絶された学校内、そんな学校の中にはクラスという-国家-がクラスの数だけ形成されています。すぐ隣なのに簡単には入れない、同じ時間が流れているはずなのに醸し出されるスピード感も全く違う、あの独特な感覚。そのクラスという国家毎に存在するヒエラルキー。そしていつの間にか全員を拘束してしまうクラス独自の不文法に縛られる一年間。現在進行系の読者の方も含めて納得感を感じさせる学校生活が一定の方向性を伴いつつ描かれて行きます。

    「冷たい校舎の時は止まる」と違って、いつか達は物理的には自由に動き回ることができます。でも何だか見えない壁を感じてしまう、広いようで狭い世界、それが学校。制約という壁に閉ざされ、自由なのに自由でない目に見えない閉塞感、何故か自分たちで自分たちの自由を縛りあう、それが学校生活。こういった部分含め「冷たい」と同じような雰囲気も強く感じられ、すっかりこの世界にはまってしまいました。

    この作品を読むために、「凍りのくじら」「子どもたちは夜と遊ぶ」、「ぼくのメジャースプーン」と順を追って読んできました。事前の準備万端です。
    ということで、辻村さんの上下巻ものの下巻で必ず味わえるであろうカタルシスへの期待が最大限に膨らんでいます。一度味わうと癖になる辻村さんの下巻。とても楽しみです。

  • 展開云々よりもとにかく青春、懐かしい。当時の感覚そのままのタッチです。下巻もそのままいってほしい

  • 『光待つ場所へ』を読み始めて本作を読んでいないことに気づいてこちらに浮気。『冷たい校舎の時は止まる』ほどシリアスではない学園ミステリ。スクールカースト、いじめがメインテーマにも関わらず、他の要素もふんだんに盛り込んでいる。下巻も楽しみ。

  • 一体、誰なのか気になる!!笑
    先が読めない!本当にタイムスリップしてるのかも、凄く気になる、、。

    登場人物、一人一人がすごく魅力的で、なんだか秘密結社みたいで、おじいちゃんのお店に皆で集まって食事したり、水泳の練習なんかは、ちょっぴり羨ましささえ感じてしまう笑

    秀人くん、掴めないキャラしてるな〜笑

    面白かった!

  • 不可思議なタイムスリップで3ヵ月先から戻された依田いつか。
    同級生の坂崎あすな達と共に自殺した同級生を探す物語。
    他人からみたら信じられない現象でありつつも協力するクラスメイト達。
    その中には「ぼくのメジャースプーン」から成長したあの2人の姿も。
    知られざる他の生徒の実情から真相を探る形で前編は終わり。
    後編もまた読んでみようと思います。

  • タイムスリップから始まった。
    突然3ヶ月前に戻った高校生の依田いつかは、起こるであろう自殺を止められるのか?

    ジャニ系モテ男、何事にも投げやりでいい加減ないつかが、自殺阻止へ熱い気持ちを持ち始め… 。

    『ぼくのメジャースプーン』の登場人物リンクを予想しつつ、下巻へ。

  • 久々に面白くてどんどん読み進んだ本でした。
    冒頭のタイムスリップしたところでは、そんなにでしたが、特徴ある登場人物とそれぞれの思いが生き生きと書かれていて引き込まれました。が、最後に。。。
    同じ作家の「ツナグ」は、読んだ時にはそれほど面白いと思わなかったんですが、後を引くこと引くこと。
    こっちは、爽快におもしろい。これはおススメします。

    • kurumicookiesさん
      この作家さんは、読んでみたいと思っていたのですが、どれから読もうか迷っていました。コメント参考になります!
      この作家さんは、読んでみたいと思っていたのですが、どれから読もうか迷っていました。コメント参考になります!
      2020/05/29
    • kurapapaさん
      kurumicookiesさん コメントありがとうございます
      kurumicookiesさん コメントありがとうございます
      2020/05/30
  • 332ページ
    1400円
    4月26日〜4月28日

    不可思議なタイムスリップで3ヶ月前から戻された依田いつか。これから起こる誰かの自殺を止めるため、同級生の坂崎あすな、秀人、天木、椿と共に放課後に誰かを探し始める。あすなの机の中に入っていた誰かのノートに、遺書と思われるものと、新聞記事のようなものが書かれていた。ノートの持ち主である基がいじめにあっていることを知り、なんとかしようと作戦をたてる5人。

    本当は誰が自殺するのかを知っているのではないかと思わせる記述が気になる。いつかは本当のことを全部話していないし、中学時代の水泳での怪我も気になる。あすなもいつかに対して何か思うところがあるらしいわざとらしい記述が気になる。さりげなくないところが、丁寧なんだけど、やたら気にかけさせられた。

  • 読み終わったのに記録し忘れてた…。

    いつもは上巻は読むの苦しいけど、今回はそんなに苦しくなく読めました。
    どうなっちゃう?って少し不安だし痛々しい。

  • 『今から、俺たちの学年の生徒がひとり死ぬ。自殺するんだ。』と、3ヶ月後にタイムスリップしていた依田いつか。

    でも、それが誰かはわからない…
    自殺を止めないと。

    同級生・あすな、いつかの親友・秀人たちを巻き込んで、対象者を探し始める…

    対象者はいじめられていた、河野基…
    ほんとにそうなのか⁇

    いつかの中学時代の事故。
    地元から離れた藤見高校へ通ういつかとあすな。
    何か理由が…

    いつかとあすな、名前にも何かが…

    辻村深月ワールド。
    いろんな伏線がはられてそうで…


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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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