名前探しの放課後(下) (講談社文庫)

  • 講談社 (2010年9月15日発売)
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本 ・本 (456ページ) / ISBN・EAN: 9784062767453

作品紹介・あらすじ

坂崎あすなは、自殺してしまう「誰か」を依田いつかとともに探し続ける。ある日、あすなは自分の死亡記事を書き続ける河野という男子生徒に出会う。彼はクラスでいじめに遭っているらしい。見えない動機を抱える同級生。全員が容疑者だ。「俺がいた未来すごく暗かったんだ」2人はXデーを回避できるのか。(講談社文庫)


誰も座らない、1つだけ空いた席。『その人物』が静かに向かった悲しい未来。知ってしまったら、じっとしていられない。『止めるんでしょ、自殺』
これが、彼女の意志
読み始めたら止まらない。懐かしさと切なさでいっぱいになる

坂崎あすなは、自殺してしまう「誰か」を依田いつかとともに探し続ける。ある日、あすなは自分の死亡記事を書き続ける河野という男子生徒に出会う。彼はクラスでいじめに遭っているらしい。見えない動機を抱える同級生。全員が容疑者だ。「俺がいた未来すごく暗かったんだ」2人はXデーを回避できるのか。

感想・レビュー・書評

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  • 上巻も面白かったけどやっぱり下巻が伏線回収の高さに圧倒されますね。色々な新しい展開が盛りだくさんでついて行くのに必死です。でも、最後まで読んだらスッキリします!また、この小説のあのキャラが辻村さんの他の小説にも登場している!?これもまた辻村さんの醍醐味ですよね〜
    辻村ワールドは1度はまると抜けられない。中毒になってしまいます。2度読み、3度読み必須の面白い小説なのでぜひ、読んでみてください!

  • オーダーメイドが中2の少年少女達なら
    名前探しの放課後は、高校入学後のちょっと青年になりかけている高校生
    この2年程の変化、友人を助けたい、助けようとする成長している様子が 微笑ましい

    半ばで自殺する子の特定がされて
    そうなの?と思いながら読んでいました
    さすが辻村さん、さすがの展開となり
    そう来なくては、という流れに身を任せて気持ち良く読了となりんした

    この作品の後は 「光待つ場所へ」が繋がるらしい

    今の中高生が羨ましい
    こんな現在地の辻村ワールドを読むことができて
    私やら山田詠美さんや恩田さんやら
    三島由紀夫とか谷崎潤一郎とか
    読んでたのにー

    • みんみんさん
      ちょっとヤバめな少女(●︎´艸`)ムフフ
      ちょっとヤバめな少女(●︎´艸`)ムフフ
      2024/12/29
    • おびのりさん
      多少ね
      多少ね
      2024/12/29
    • bmakiさん
      今の中高生は、おびのりさんが読んでいた時代の作品プラスで色々な作品が読めますものね(๑>◡<๑)

      でも携帯電話なんてなかったあの時代に...
      今の中高生は、おびのりさんが読んでいた時代の作品プラスで色々な作品が読めますものね(๑>◡<๑)

      でも携帯電話なんてなかったあの時代にも、きっと良い事がいっぱいあったはず♪
      2024/12/29
  • 『今すぐここで、「ぼくのメジャースプーン」を読め
    そうしなければ、お前はもう二度と辻村深月さんの作品を楽しめなくなる』

    辻村さんの作品群は読む順番がとても大切です。この作品を読み終えてそのことを強く実感するとともに、もし貴方がまだこの作品を読んでいないなら冒頭のぼくの条件ゲームの提示を読み返してみてください。

    上巻のこれぞ辻村さんの描く学園ものどっぷりという世界観から、下巻では学校を離れた場所を中心にして物語は展開します。でも大切なのは自殺するとされる同級生、その行為を止めること。いつかたちの懸命な努力は続きます。そんな中ふと不安な表情を見せる あすな。『止められるのかな 私たちは本当に』、それに対して天木の言葉『できないと思う奴には、多分無理だ』あすなの負けず嫌いの性格を知った上での辛辣な激励が彼女を鼓舞します。思えば、上巻冒頭の登場時から坂崎あすなもずいぶんと成長したように思います。あるべき自分たちの姿を探す放課後、この作品ではそんな部分もよく描かれていたと思います。そして、物語は大きく動き、上巻からは予想も出来なかったまさかの結末が待っていました。えっ?

    オールスターキャスト。この作品を読み終えて真っ先に思い浮かんだ言葉がこれでした。辞書によると『映画・ 演劇で、人気俳優が総出演すること』とあります。この言葉そのまんまな作品、物凄く贅沢な作品。読む順番を守った人には、なんて幸せな時間を過ごせたのだろうかと感慨でいっぱいになると思います。

    そしてそもそもの『名前探しの放課後』という作品名。てっきりこの作品の主人公たちが自殺するとされる同級生の名前探しをするのだと上巻では思っていましたが、まさか読者の自分がしていたことを言われていたとは…。

    一方で、振り返ってみて確かに読む順番を守った貴方へのプレゼント的要素が大きい作品だったとは思いますが、この作品の全体ページ数からするとそれはほんの一部分に過ぎないのも事実です。他のページの大半は高校生の彼らの友情・愛情が育まれていく過程が優しく描かれていました。

    人生で一番輝く時代・瞬間に偶然にもこの場所で出会った彼らがお互いのことを思い、思いやり、そしてお互いがもっと輝けるように助け合っていく、励まし合っていく。一緒に歩いていく。そう、放課後に一緒に輝く相手を探す物語、「名前探しの放課後」。そんな彼らの物語を3ヶ月分だけ切り取って見せてもらったのがこの作品。それがこの作品の一番の魅力だと思います。そういう意味でもこの作品単体としてもとても楽しめる作品だったと思います。幸せな読後感、ありがとうございました。

  • 久しぶりの辻村深月さん、面白かったです。特に後半はそうだったのか、ここにつながるのか、という連続でした。
    僕のメジャースプーンは確かに先に読んだほうがいいですね。
    最後の方はゾクゾクする感じでした。
    本当にタイムスリップは起きていたのかな。各所で読み手がいろんな受け取り方ができる作品だと思います。いつかという名前も。

  • やっぱり辻村さん最高すぎる!
    恥ずかしながら今年に入ってから辻村作品デビューしてスロウハイツから読み続けていたが、どれも大好きになっていく今では大好きな作家。そんな辻村さんの作品の中でも1番に出会ってしまったかもしれない。
    そして辻村深月作品には読む順番があるというけれど、その通り!ちゃんと順番通りに読んできてよかったなあとにやにや。
    ああ、基がたまらなく好きだった。

  • 下巻も一気に世界観にはまりこむ。
    読み進む手がとまらず、もう少しで読み終わってしまうという残念な気持ちと結末がどうなるのかという期待感が増してくる。
    読み終えて、まさかそうなるとはと驚きはしたがスッキリとした読後感。

  • 要所要所でえっ辻村深月ってこんな感じの文章だったっけって唐突感があったので最後まで読めるか自信なかったですが、まさかのわざと… 読み切るのが大切ですね。

  • 坂崎あすなは、自殺してしまう「誰か」を依田いつかとともに探し続ける。ある日、あすなは自分の死亡記事を書き続ける河野という男子生徒に出会う。彼はクラスでいじめに遭っているらしい。見えない動機を抱える同級生。全員が容疑者だ。「俺がいた未来すごく暗かったんだ」2人はXデーを回避できるのか。

    誰も座らない、1つだけ空いた席。『その人物』が静かに向かった悲しい未来。知ってしまったら、じっとしていられない。『止めるんでしょ、自殺』
    これが、彼女の意志


    うわぁーやられました。
    上下巻で結構なボリュームのこの作品ですが、
    何でだろうとっても読みやすく先が気になって一気に読んでしまいました。
    何でだろう…じゃないですね
    辻村さんの筆力ですね。

    登場人物一人一人な人物像や背景も丁寧に描かれていてストンと心に入って来た。
    高校生ならではのもどかしさや葛藤や純粋な思い…人を思う大切さを改めて思い出させて頂きました。

    最後にガラッとお話が変わる。
    うわぁ…そうだったんだ。
    違和感の正体はこれだったんだ。
    とっても感動しながら切なくて切なくて涙が溢れました。

    はぁー素敵なお話でした。

  • 自殺した「誰か」を探し、救う方法を考えていくというストーリー。
    上巻は登場人物の高校生活が描かれており、物語は割と淡々と進むため、ゆっくりと読みました。
    下巻から、別の作品とリンクしていることに気付かされた辺りから一気に面白くなり、ラストも思わぬ方向に進んでいくため、読む手が止まりませんでした。『冷たい校舎は〜』と内容が似ていますが、こちらは爽やか。
    別の作品の登場人物に会える喜びを感じられる作品でした。ストーリーとは特に関係がありませんが、個人的に多恵さんが高校生の郁也に小言を言うシーンや、椿のペンケースについていたキーホルダーが何かわかったシーンにグッときました。

  • ええー!?そういうことっ?!
    ってすごくびっくりで、
    読み終えてすぐ上巻を読み返したけど、
    よく分からず、

    え、秀人の能力でかかってしまった未来?
    現実になりそうで、
    ならなかったのは、
    いつかが一生懸命になって
    人生が寂しくならなかったから、
    だからおじいちゃんも留まったし
    自殺も起こらなかったのかな?

    メジャースプーン読んでたし
    ちらっと調べちゃったから、
    メジャースプーンの「ぼく」が秀人なんだろうとは思っていたけど、
    声の力が出てくるのを楽しみにしていたんだけれど、
    「ぼく」がだいぶ変わっちゃってたようにも思っちゃったし、
    なかなか力が出てこんなーとは思っていたけれど、
    まさかこうとは。
    あんな言い方でも発動しちゃうのね。

    もちろん、河野とハルくんのことも素直に騙されていたし、バイクの免許も消防車もそういうことかとは見事で、いやー、すごい巧妙でしたわ。

    ストーリーもすごくよかった。
    おじいちゃんの病室でのシーンはめちゃくちゃ泣けたし、
    河野のために必死になっていたところは、
    こうやって絆ができていくのすごくいいなぁと思ったし。

    下巻は一気読みでした。

    理帆子がでてきたのも良かった。
    郁也と父も。
    チヨダコーキも。
    ふみちゃんもあんなに回復してて。
    タカシとかトモとかはほとんど忘れてたからもう一回
    「メジャースプーン」読みたい。

    サクラ咲くとも繋がってるのかな?
    タイムマシンの自由研究

    辻村深月さん大好きです。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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