名前探しの放課後(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 4875
レビュー : 530
  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062767453

感想・レビュー・書評

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  • 辻村作品の中でも大好きな部類に入る、特別な作品。再読。
    現実にやるとしたらなかなか難しいかもしれない内容だけれど、そうゆうの差し置いて楽しむことができた。
    未来を変えたい、そう思って友達を巻き込んで、該当者に対してはひたすら騙し続け、でもみんなの中で友情ができあがっていく。
    最後の模試の日、全員が一斉に動き出すところではついつい手に力が入ってしまった。
    一番お気に入りはトモの存在。
    あすなに対するいつかの想いや、基とトモの関係、バイクのこと、最後にぶわっと回収されて興奮してしまった。
    ファンサービスが強くて、この本が集大成というのもうなずける。
    郁也、たえさん、りほこ、チヨダコーキ、秋先生などたくさんの人物が登場する。叙述トリックに近い手法はもはや定番になっているけれど、どこかでだまされているんだろう、と思いつつもやっぱりすんなりとだまされてしまう。
    叙述トリックと、細やかな心理描写が辻村作品の魅力だな、と改めて思った。

  • 登場人物のネタバレを読んでしまっていたので、秀人と椿ちゃんの仲睦まじい様子に嬉しくて頬が緩みまくり。にもかかわらず、この展開を予想してなかった。騙された(*´д`*)元はと言えば秀人なんだけど、これはいつかを救う物語だったんだな。人生が寂しいものにならない為に、いつかが必死になった結果だ。人生にはイベントが必要、か。。。それにしても、みんな演技上手すぎるよ(´・ω・`)

  • 面白い。上巻でいきなりSF(少し不思議)な空間に投げ込まれる。
    そのまま、世界は少しばかり細か過ぎると思えるほどの日常が過ぎて行き、下巻最後の60ページで一気にすべての物語が爆発する。
    辻村深月 今回も見事なストーリーテラーぶりだった。
    面白かった。

  • わたしが唯一、文庫化されるのを心待ちにして新刊がでているのを本屋で見つけるたび即買いする作家、辻村深月の「名前探しの放課後」読了しました。

    今回も、面白かった。

    辻村作品にももう慣れているはずなのに、やっぱり最後のどんでん返し、その怒濤の種明かしには悔しいくらいしてやられる。(きっとわたしの騙されやすさも起因している。"騙される才覚"があるのです!プラネタリウムのあれで言うところの)

    とは言え、このどんでん返しがなくても十二分に、きっとわたしはあぁ、読んでよかったと、思ったのだと思う。考えたし、何度泣いたか。
    わたしの辻村好きはたぶん仕掛けによるものではないしね。そうじゃなくて、文章が肌に合ってる、とかもあるけどやっぱり、彼女が描く人間が好きなんだ。人物そのものより描写が、というか。彼女が書く登場人物の心の、中。その交わり。表れ。


    もう1回読みたいね!全部知った上でもう1回!
    しかも今回以前の辻村作品の登場人物も絡んでるから(読まなきゃ絶対わかんない楽しめないってわけじゃないけど、読んでたほうが楽しめるし、スッキリするって話。興味がある方は是非、別作品から。)、わたしのこの頼りない記憶力を呪いながらもう一度全作品読み直したいところ。


    ああ、すごいなぁ

    しかし__うますぎだろ高校生!

  • 上巻はわりと淡々と進んで、特にスリルも何もなく、下巻で一気に加速化と思いきや、やっぱり淡々と進んでいく話に、いくらなんでも静か過ぎやしないかと思いながら読み進めていたんですが、10章から先が凄かった!

    上下巻合わせて900ページ近い本なのに、その1/10の、最後の90ページで、この本に対する評価がガラッと変わる。最後の90ページが本当に面白かった!


    自殺者はあすなだろうという予測は正しかったけれど、すべてが大掛かりな芝居だというのは思いつかなかったなぁ。いつか達と関わったことで自殺の原因が変わるだけだと思っていたのに。


    毎度のごとく、「スロウハイツ」のチヨダ・コーキを筆頭に、「メジャースプーン」や「凍りのくじら」の登場人物がさりげな~く関わっているところも良かったです。
    辻村作品は、この同一時間軸で起こっている感じがとても好き。
    どの作品も大作過ぎて、立て続けに読めていないから、あまり前の登場人物をちゃんと覚えていられないのが難点だけど(笑)

    やっぱり辻村深月は最高!

  • 名前探し(下)

    裏切り者ー!!!!笑
    完璧に裏切られた。やられた。
    そのくらい鮮やかに、すぱっと投げられた。

    もうすごすぎる。
    伏線がきれいに回収してあって、そして作品ごとに繋がる人物。

    余談だけど、ある人物が、あの作品のあいつなんだ。
    あいつなんですよー!!みなさん!!


    読み終わった時、別の作品ももう一度手にとりたくなる。
    策士だなあ、辻村さん。

    快哉を叫びたくなるような読後感。
    大好きな一作に成りました。

  • 上巻読了後、いろんな展開を予想しましたが、それらを遥かに超える驚きの展開に唖然とさせられました。多分、今まで読んだ本の中で最も驚かされたと思いますし、今後本作以上のインパクトがある本に出会える気がしません。

    中盤「究極の予防策」のエピソードや、終業式の日あたりまでを読んだ段階で、とてもよく出来た青春ストーリーという印象を受けました。おそらくこのタイミングで“終劇”していても「良い話だなー」と高評価していたと思います。

    しかしその後の大ドンデン返し、なにより登場人物数名の“正体”が分かったときの驚きは…言葉にできません。部屋で一人、年甲斐もなく「うぉーっ、マジか!?」「そういうことか!」と唸ってしまいました。

    そして最期のセリフが小説的に最高にカッコ良く、また“オシャレ”で“粋”ですばらしいです。本作が発表される以前に刊行された辻村作品を全部読んできましたが、それらの集大成にして(今まで私が読んだ中では)最高傑作だと思います。

    辻村作品は期待を絶対に裏切らず、予想を超える展開と最高に幸せな気持ちになれるエピローグがあるところが良いですね。また本屋で何を買おうか迷ったときはこの人の本を選ぼうと思います。

  • 3か月前の過去にタイムスリップした「いつか」という高校生の男の子が、クラスメートの自殺を止めるために、頑張るお話です。

    ただ、誰が自殺したのかは分からない。
    だから、その自殺者の名前探しの放課後という訳です。


    「自殺するのはあの子で、いつか君を過去にタイムスリップさせたのはあの人なんだろうな」と思いながら読んでいたのですが・・・そうか。
    いろんな意味で騙されました。

    あの子のために、皆が必死になってやったこと。
    ああいうのを、「優しい嘘」っていうのでしょうか。
    いや、もう嘘というレベルではありませんでした。
    もっともっと、深くて、温かい、そんな思いから作り出されたものだったと思います。


    人って分からないものですね。

    ついさっきまでそう思っていたことが、何かの拍子で違うものになる。
    そういった確かな「瞬間」を体験すると、今までの考えが一変する。

    誰かにとっては何でもないことでも、誰かにとっては凶器になる。
    誰かにとっては何でもないことでも、誰かにとっては宝物になる。

    自分にとって嬉しいことは、相手にとっても嬉しいこととは限らない。

    そんな風に、変わりゆく生き物だから、読み辛い生き物だから、人は思いやるのでしょうか。


    今回は物語の中で、人の「格好悪い一面」を見ました。
    「諦めること」と「逃げること」、それは悪いことだとは、思いません。
    「格好悪い」とか、そんな一言で済ませられることじゃないことだってある。
    そんなこと、本人が一番良く分かっている。

    それでも、欲を言うのなら、立ち向かってほしい。
    それは、誰かに対してもそうだし、自分に対してもそうです。
    出来ることなら、踏み出してしまいたい。

    あの子たちは、踏み出しました。
    俺は、踏み出す瞬間を見ることができました。
    そんな瞬間に立ち会えたことを、嬉しく思います。

    踏み出して、強くなった人間は、とても強いもの。
    でも、何か起こると、すぐに弱気になってしまう。
    それでも立っていられるのは、誰かに支えられているから。
    あの子たちを見て、支えてくれている誰かに、改めて感謝をしたくなりました。


    それから、この「名前探しの放課後」には、「ぼくのメジャースプーン」で登場した「ぼく」と「ふみちゃん」が、主要登場人物になってます。
    辻村深月さんの作品には、よく別の小説の登場人物が出てくるので、それも何だか嬉しくなります。
    最後、エピローグで秀人くん(=「ぼく」)が言った意味深な発言は、たぶん「ぼくのメジャースプーン」を読んでないと分からないですね。
    気になった人は、ぜひ「ぼくのメジャースプーン」を読んでみてください。
    別の視点から、この「名前探しの放課後」に感動すると思います。

    • koshoujiさん
      初めまして。
      とてもいい感じのレビューでじっくり拝読させていただきました。
      辻村さんはやはり天才なのではないかと。
      結婚出産後も素晴ら...
      初めまして。
      とてもいい感じのレビューでじっくり拝読させていただきました。
      辻村さんはやはり天才なのではないかと。
      結婚出産後も素晴らしい作品を世に送り出してほしいですね。
      2012/04/24
    • koshoujiさん
      返信ありがとうございました。
      次はYA系の「サクラ咲く」がGW中に借りられそうなので読む予定です。
      その次が彼女の今後を占う作品になりそ...
      返信ありがとうございました。
      次はYA系の「サクラ咲く」がGW中に借りられそうなので読む予定です。
      その次が彼女の今後を占う作品になりそうですね。
      期待したいと思います。
      また。感動の涙をぼろぼろ流させてくれないかなあと。
      2012/04/24
    • koshoujiさん
      追伸:
      本棚を拝見していたら『新海誠』という名を見つけ、ひょっとしてと思ったら。やはりそうでした。
      この「秒速5センチメートル」も好きな...
      追伸:
      本棚を拝見していたら『新海誠』という名を見つけ、ひょっとしてと思ったら。やはりそうでした。
      この「秒速5センチメートル」も好きなアニメで、DVDで持っています(笑)
      2012/04/24
  • つばき、、、ふみお、、、!?
    やられた〜ぼくの仕業やったんや。
    ふみちゃん、、、元気になったんや、、、
    そこに全てが持ってかれてしまった、、、

  • うぬぬぬぬ。もう唸るしかない。おもしろい。何回言っても足りないけど、おもしろい。本当に。

    辻村深月は、読む順番が大事なんだろうな、と改めて思う。

    え、もしかして?

    え、これって???

    そう思う瞬間が、とてもとてもいとおしい。
    辻村深月の世界には、そんな瞬間が恐ろしくたくさん、たくさん詰め込まれてる。

    また会えてうれしかったよって、そんな風に登場人物のひとりひとりに言いたくなる。辻村深月の小説は。

    辻村深月は、天才だと思う。本当に。

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著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞などを受賞し、2019年6月からコミック化される。他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2020年、河瀬直美監督により『朝が来る』が映画化される。

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