名前探しの放課後(下) (講談社文庫)

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  • 講談社
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本棚登録 : 4879
レビュー : 530
  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062767453

感想・レビュー・書評

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  • 最後のどんでん返しにびっくりしました。

    避けてきたことにきちんと向き合ったり、逃げたままでいたことにもう一度挑戦したり・・・。

    きっと、そのままにしていても、生きていくことはできる。
    だけど、自分の手が届かなかった場所にいる誰かを見るたびに、後悔や苛立ちがまとわりついてくる。

    義務感や正義感じゃない。ただ、ここに居てほしい。

    この世を、自分の意思で離れようとする人を繋ぎとめることができる、最大の言葉だと思う。

    こんな気持ちを持ち、自分と必死になって、向き合ってくれる人達がいるって、最高に幸せだよなと思った小説でした。

  • 「自殺者」の予想は何となく当たっていたが、まさかこういうこととは思わなかった。辻村さんの本ではいつも、自分の予想が一応少しは当たりはするのだが、真相はその一手、いや十手以上先にあり、してやられた感。多くの読者がそうなのではないかと思う。おそらく、そこまでは当てられると見越した上でのジェットコースター的どんでん返しなのだろう。こんな青春、羨ましいと思えるようなまぶしさ。登場人物が素敵で、読後感もいい。

    しかし、何と言うかいくらなんでも無理があると思う。みんな演技力が高すぎる!それと多くの方が指摘しているが、『ぼくのメジャースプーン』を読まないと肝心のオチが中途半端になるというのはさすがにどうなのかな、と思ってしまった。作品同士の関係性があるのは面白いし、他の作品も読んでみようと思わせるきっかけになると思うのだが、一つの作品がそれだけで完結してこそのファンサービスであってほしい。海堂尊氏の「桜宮サーガ」のように。

    これはいつものことなのだけれど、『ぼくのメジャースプーン』を読んだのが結構前なので、関連性は椿さんのフルネームが出るまで気づきませんでした。ふみちゃん、ちゃんと過去を乗り越えて素敵な女子高生になっていてほっとしました。

  •  たった一人の誰かのために作られた物語。

    フィクションはフィクション、
    作り物は作り物であって、
    偽物だとは言うけれど、

    そんな作られた環境が
    誰かの命を救うことだってあるのかもしれない。

    それを作り上げる仲間たちが本気であるのなら。

    人は強く、そして、脆い。


    貼られたリンクに、それぞれの物語を添えて。

  • 3か月前の過去にタイムスリップした「いつか」という高校生の男の子が、クラスメートの自殺を止めるために、頑張るお話です。

    ただ、誰が自殺したのかは分からない。
    だから、その自殺者の名前探しの放課後という訳です。


    「自殺するのはあの子で、いつか君を過去にタイムスリップさせたのはあの人なんだろうな」と思いながら読んでいたのですが・・・そうか。
    いろんな意味で騙されました。

    あの子のために、皆が必死になってやったこと。
    ああいうのを、「優しい嘘」っていうのでしょうか。
    いや、もう嘘というレベルではありませんでした。
    もっともっと、深くて、温かい、そんな思いから作り出されたものだったと思います。


    人って分からないものですね。

    ついさっきまでそう思っていたことが、何かの拍子で違うものになる。
    そういった確かな「瞬間」を体験すると、今までの考えが一変する。

    誰かにとっては何でもないことでも、誰かにとっては凶器になる。
    誰かにとっては何でもないことでも、誰かにとっては宝物になる。

    自分にとって嬉しいことは、相手にとっても嬉しいこととは限らない。

    そんな風に、変わりゆく生き物だから、読み辛い生き物だから、人は思いやるのでしょうか。


    今回は物語の中で、人の「格好悪い一面」を見ました。
    「諦めること」と「逃げること」、それは悪いことだとは、思いません。
    「格好悪い」とか、そんな一言で済ませられることじゃないことだってある。
    そんなこと、本人が一番良く分かっている。

    それでも、欲を言うのなら、立ち向かってほしい。
    それは、誰かに対してもそうだし、自分に対してもそうです。
    出来ることなら、踏み出してしまいたい。

    あの子たちは、踏み出しました。
    俺は、踏み出す瞬間を見ることができました。
    そんな瞬間に立ち会えたことを、嬉しく思います。

    踏み出して、強くなった人間は、とても強いもの。
    でも、何か起こると、すぐに弱気になってしまう。
    それでも立っていられるのは、誰かに支えられているから。
    あの子たちを見て、支えてくれている誰かに、改めて感謝をしたくなりました。


    それから、この「名前探しの放課後」には、「ぼくのメジャースプーン」で登場した「ぼく」と「ふみちゃん」が、主要登場人物になってます。
    辻村深月さんの作品には、よく別の小説の登場人物が出てくるので、それも何だか嬉しくなります。
    最後、エピローグで秀人くん(=「ぼく」)が言った意味深な発言は、たぶん「ぼくのメジャースプーン」を読んでないと分からないですね。
    気になった人は、ぜひ「ぼくのメジャースプーン」を読んでみてください。
    別の視点から、この「名前探しの放課後」に感動すると思います。

    • koshoujiさん
      初めまして。
      とてもいい感じのレビューでじっくり拝読させていただきました。
      辻村さんはやはり天才なのではないかと。
      結婚出産後も素晴ら...
      初めまして。
      とてもいい感じのレビューでじっくり拝読させていただきました。
      辻村さんはやはり天才なのではないかと。
      結婚出産後も素晴らしい作品を世に送り出してほしいですね。
      2012/04/24
    • koshoujiさん
      返信ありがとうございました。
      次はYA系の「サクラ咲く」がGW中に借りられそうなので読む予定です。
      その次が彼女の今後を占う作品になりそ...
      返信ありがとうございました。
      次はYA系の「サクラ咲く」がGW中に借りられそうなので読む予定です。
      その次が彼女の今後を占う作品になりそうですね。
      期待したいと思います。
      また。感動の涙をぼろぼろ流させてくれないかなあと。
      2012/04/24
    • koshoujiさん
      追伸:
      本棚を拝見していたら『新海誠』という名を見つけ、ひょっとしてと思ったら。やはりそうでした。
      この「秒速5センチメートル」も好きな...
      追伸:
      本棚を拝見していたら『新海誠』という名を見つけ、ひょっとしてと思ったら。やはりそうでした。
      この「秒速5センチメートル」も好きなアニメで、DVDで持っています(笑)
      2012/04/24
  • つばき、、、ふみお、、、!?
    やられた〜ぼくの仕業やったんや。
    ふみちゃん、、、元気になったんや、、、
    そこに全てが持ってかれてしまった、、、

  • やはりそうきたか!!
    オチの予想はついたものの、それでも面白かった。

    一番の切れ者は確実に秀人でしょうね。

    今までの辻村作品に出てきた登場人物が沢山出てくるので、ファンには堪らない一冊です。

    私は特にぼくのメジャースプーンが大好きだったので、元気でいる二人が見れて堪らなく嬉しかった。

    やはり辻村作品は面白いなぁ。

  • またしても他の作品とリンクしてるんかい〜!いやーよかった、たまたま順番に読んでたからついていけたわ〜。是非ぼくのメジャースプーンから、そして子供たちは夜と遊ぶをその前に読むことをお勧めします。

    なんだかんだで上手くいきすぎの話ではありますが、やはり友情物語は好きだなあ。

  • 予想が1こに絞られていく過程が楽しめました。一人だけが、突出して何かを行うのではなく、みんながそれぞれの役を確実にこなしていく中で、同じものを目指していくところが好きです。今までの中で、この話が一番好きかな。血なまぐさいところがないし。

  • 上巻で気付いた通り、秀人と椿の関係はやっぱりだった。
    でも本当のクライマックスに差し掛かってからは、予想外過ぎた。
    本当はあすなだった事、河野の従兄弟は誰だろうって事、でもそれより1番は、全部思わぬ秀人の一言だったのか、と、面食らった。
    でもこれ、ぼくのメジャースプーン読んでない人、話わかるのかな?
    わたしはこの作品がすごく好きだったから、2人が仲睦まじくて良かった。また会えたって感覚。

    それにしてもいつもまさかの展開で泣ける。
    辻村さんの作品、やっぱり好き。

  • クライマックスの急展開に、
    しっかり読まなきゃ訳が分からない!
    って思ってるのと同時にストーリーに一気に引き込まれて
    どんどんページをめくりたくなる衝動に駆られます。

    そして気付いたら号泣してました。
    とっても素敵なお話し。
    青春学園モノって感じでたるーい部分もあるけど、
    この人の作品ってそれだけじゃない!
    すごい人を引き付ける何かが文章にあると思う。
    自分の中では久々に大ヒットだったかな。

    ただ、やっぱり「ぼくのメジャースプーン」を先に読んでなかったことが
    悔やまれるので星4つ!!

    これから辻村深月の作品に触れる人は、読む順番を吟味するべきです。

著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞などを受賞し、2019年6月からコミック化される。他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2020年、河瀬直美監督により『朝が来る』が映画化される。

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