言い寄る (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1448
レビュー : 135
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062767590

作品紹介・あらすじ

乃里子、31歳。フリーのデザイナー、画家。自由な一人暮らし。金持ちの色男・剛、趣味人の渋い中年男・水野など、いい男たちに言い寄られ、恋も仕事も楽しんでいる。しかし、痛いくらい愛してる五郎にだけは、どうしても言い寄れない…。乃里子フリークが続出した、田辺恋愛小説の最高傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 何故か好きな作品。女でいる私を思い出させてくれる、男女とかって煩わしい関係性の中で、自分の色気を失いたくないとそう思える、女性のための作品な気がする。当時の"剛"という登場人物に重なるものがあって、なおのこと自分に刺さった作品。これで田辺聖子が好きになった。

  • お金持ちの色男やら、渋いおじさまに言い寄られて、仕事も恋愛も楽しんでいるけど、本当に好きな人には、どうしても好きと言えない。

    素直になっていれば、また違ったのかなとは思ったけど、彼は1人では大丈夫な女よりも、1人では大丈夫じゃない女を選んだ。
    その時点で、結末は決まっていたんだろうな。

    何か、読み進めるうちに、少し辛くなってしまった。
    時代設定は昭和だけど、今の時代でもあるあるっぽいお話だった。

  • 「年下の男の子」と同じようにブクログでおすすめされていた本。三部作の1作目なんですね。すごく面白くてすいすい読みました。

    他のレビューを書かれた方の感想にもありましたが、読後乃里子は私の心の友人、みたいになっていました。デザイナーだしとてもモテるし、仕事を褒めてもらえる人にも恵まれてる。完璧なのになんていうか、器用貧乏?っていうのか。いつもせかせか働いて、お人好し。美々みたいに感情をそのまま全部出してられなかったりして。乃里子の淋しい時とか自己憐憫に陥っている時の気持ちは読んでて切なかった。

    美々の家でつやつやした顔で笑ってる五郎ちゃんとか、ちょっと残酷だ。淡々と乃里子たちの台詞が続き、難なくかわせたのかなと思いきや文末でやっぱり大ダメージを負ってる瀕死の乃里子にはほんと、頭撫でてあげたくなった。

    2作目、3作目、すぐ読みたいです。田辺聖子さんの書く雰囲気、素敵だな。好きな本。

  • 男の側から言えば、
    「この金持ちのぼんぼんが! 剛、ええかげんにせぇよ!」
    「料理もできる、余裕のあるオトナ!? 水野、何すかしとんねん!」

    おまら2人とも嫌いやっ!!
    乃里子、アカンで。剛はアカンで。水野もアカンで。
    ・・・言うても聞かんのやろうなぁ。

  • これは、男の人に読んでもらったら困るな。

    こんなにも、恋している時の気持ちをそのままに書かれたら、好きな人の顔をみるだけで恥ずかしくなってしゃべれなくなってしまいそう。

    田辺聖子さんは独特の言葉遣いをする人で、それが邪魔になる時もたまにあるけれど、
    この小説はこの言葉じゃないと魅力的じゃなかったろうと思う。
    素晴らしい言葉だらけで、ここに書き出すこともできない。

    これから恋愛小説のオススメをきかれたら、これもすすめよう。

  • ふるえ本より

    田辺聖子著 ¥648・講談社文庫

    片思いの男を部屋に引っ張りこんだ夜。彼のシャワー中に主人 公はあれこれ妄想して大喜び、なのに天然な彼はあっさり帰っ てしまう。約12ページ分の描写に女子のときめき、欲望、身 勝手さ、愚かさ、可愛らしさがすべて詰まっていて、何度読ん でも笑い、涙してしまいます。

  • 3部作第1弾にもかかわらず、一番最後に読んでいる。
    乃里子はこの頃はまだ、私の憧れる強い女になりきってはまだないんだな。
    でも根本的には強いけど。

    読み終わって。やー切ない。
    乃里子はすっかり私の独りよがりの親友である。
    いいのかい。それで。
    心情は、乃里子のほうが一枚も二枚もウワテでオトナだけれども
    カブる部分も多々ある。泣けてくる。

  • 乃里子3部作の第一弾。
    実は、続編の“私的生活”を何年か前に先に読んじゃってるっていう、、、。
    ので、次に再読決定!!

    古いのに古臭くない。
    でも、やっぱり少し古い。
    男の人には読んで欲しくない(笑)
    てか男の人は読まない方が良いよ( ´艸`)
    乃里子は「憎みたくても憎み切れない」って言葉がピッタリ。

  • 本を読む、自分以外の人生を生きる、そして何人分もの幸せと哀しみを感じる。もうそれでおなかいっぱいになる。これってそういうタイプの小説だなぁと思う。

    所詮私もそれくらいの女なんだと認識する。私にとって読書は私を「私だけの人生」から引き剥がす作業なんだと思う。それはやっぱりせつない。でもそう、それが分かっていながら求めてしまうんです。

    あぁでも本当の「愛している」が分かる女になりたいよなぁ。

  • 最っっ高に素敵な一冊。

    奇天烈な人は出てこないし、
    奇天烈な出来事が起こるわけでもない。

    でも、こんなに一緒に泣けて、笑えて、嫉妬して、
    感情を揺さ振られた作品は他にない。
    これが本当の恋愛小説なのだと思います。
    こういう作品が書ける人こそ本物の作家なんだと思います。

    田辺聖子さんはあっさりと軽くてでもきちんとしている文体が好きやな(言葉選びとかひらがなの使い方がほんとに粋)、と思ってたんですが、
    これはどうにもしばらくはまりそう。

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著者プロフィール

田辺聖子(たなべ せいこ)
1928年3月27日 - 2019年6月10日
大阪市生まれの作家。樟蔭女子専門学校卒業。1964年『感傷旅行』で第50回芥川賞、1987年『花衣ぬぐやまつわる……』で女流文学賞、1993年『ひねくれ一茶』で吉川英治文学賞、ほか菊池寛賞、泉鏡花文学賞、読売文学賞、蓮如賞、朝日賞など受賞多数。2000年に文化功労者、2008年に文化勲章を授与される。その他の代表作に、映画化された『ジョゼと虎と魚たち』、『道頓堀の雨に別れて以来なり』、『田辺聖子の小倉百人一首』など。2006年のNHK朝の連続テレビ小説「芋たこなんきん」で主人公のモデルとなった人物でもある。2019年6月6日、胆管炎で逝去。享年91歳。

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