言い寄る (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1144
レビュー : 114
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062767590

作品紹介・あらすじ

乃里子、31歳。フリーのデザイナー、画家。自由な一人暮らし。金持ちの色男・剛、趣味人の渋い中年男・水野など、いい男たちに言い寄られ、恋も仕事も楽しんでいる。しかし、痛いくらい愛してる五郎にだけは、どうしても言い寄れない…。乃里子フリークが続出した、田辺恋愛小説の最高傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 「年下の男の子」と同じようにブクログでおすすめされていた本。三部作の1作目なんですね。すごく面白くてすいすい読みました。

    他のレビューを書かれた方の感想にもありましたが、読後乃里子は私の心の友人、みたいになっていました。デザイナーだしとてもモテるし、仕事を褒めてもらえる人にも恵まれてる。完璧なのになんていうか、器用貧乏?っていうのか。いつもせかせか働いて、お人好し。美々みたいに感情をそのまま全部出してられなかったりして。乃里子の淋しい時とか自己憐憫に陥っている時の気持ちは読んでて切なかった。

    美々の家でつやつやした顔で笑ってる五郎ちゃんとか、ちょっと残酷だ。淡々と乃里子たちの台詞が続き、難なくかわせたのかなと思いきや文末でやっぱり大ダメージを負ってる瀕死の乃里子にはほんと、頭撫でてあげたくなった。

    2作目、3作目、すぐ読みたいです。田辺聖子さんの書く雰囲気、素敵だな。好きな本。

  • 男の側から言えば、
    「この金持ちのぼんぼんが! 剛、ええかげんにせぇよ!」
    「料理もできる、余裕のあるオトナ!? 水野、何すかしとんねん!」

    おまら2人とも嫌いやっ!!
    乃里子、アカンで。剛はアカンで。水野もアカンで。
    ・・・言うても聞かんのやろうなぁ。

  • ふるえ本より

    田辺聖子著 ¥648・講談社文庫

    片思いの男を部屋に引っ張りこんだ夜。彼のシャワー中に主人 公はあれこれ妄想して大喜び、なのに天然な彼はあっさり帰っ てしまう。約12ページ分の描写に女子のときめき、欲望、身 勝手さ、愚かさ、可愛らしさがすべて詰まっていて、何度読ん でも笑い、涙してしまいます。

  • 3部作第1弾にもかかわらず、一番最後に読んでいる。
    乃里子はこの頃はまだ、私の憧れる強い女になりきってはまだないんだな。
    でも根本的には強いけど。

    読み終わって。やー切ない。
    乃里子はすっかり私の独りよがりの親友である。
    いいのかい。それで。
    心情は、乃里子のほうが一枚も二枚もウワテでオトナだけれども
    カブる部分も多々ある。泣けてくる。

  • 乃里子3部作の第一弾。
    実は、続編の“私的生活”を何年か前に先に読んじゃってるっていう、、、。
    ので、次に再読決定!!

    古いのに古臭くない。
    でも、やっぱり少し古い。
    男の人には読んで欲しくない(笑)
    てか男の人は読まない方が良いよ( ´艸`)
    乃里子は「憎みたくても憎み切れない」って言葉がピッタリ。

  • これは、男の人に読んでもらったら困るな。

    こんなにも、恋している時の気持ちをそのままに書かれたら、好きな人の顔をみるだけで恥ずかしくなってしゃべれなくなってしまいそう。

    田辺聖子さんは独特の言葉遣いをする人で、それが邪魔になる時もたまにあるけれど、
    この小説はこの言葉じゃないと魅力的じゃなかったろうと思う。
    素晴らしい言葉だらけで、ここに書き出すこともできない。

    これから恋愛小説のオススメをきかれたら、これもすすめよう。

  • 本を読む、自分以外の人生を生きる、そして何人分もの幸せと哀しみを感じる。もうそれでおなかいっぱいになる。これってそういうタイプの小説だなぁと思う。

    所詮私もそれくらいの女なんだと認識する。私にとって読書は私を「私だけの人生」から引き剥がす作業なんだと思う。それはやっぱりせつない。でもそう、それが分かっていながら求めてしまうんです。

    あぁでも本当の「愛している」が分かる女になりたいよなぁ。

  • 最っっ高に素敵な一冊。

    奇天烈な人は出てこないし、
    奇天烈な出来事が起こるわけでもない。

    でも、こんなに一緒に泣けて、笑えて、嫉妬して、
    感情を揺さ振られた作品は他にない。
    これが本当の恋愛小説なのだと思います。
    こういう作品が書ける人こそ本物の作家なんだと思います。

    田辺聖子さんはあっさりと軽くてでもきちんとしている文体が好きやな(言葉選びとかひらがなの使い方がほんとに粋)、と思ってたんですが、
    これはどうにもしばらくはまりそう。

  • 初めにこの本を手に取った理由とはまた別の動機から二回目の読了。同じ物なのに、どうしてこうも味わいが違うかな~。
    →一度目の感想…心理表現が絶妙。特に恋愛面の。関西弁の、ときにやわらかく、ときにひょうひょうとした文体が楽しく読みやすい。

  • 解説文によると、田辺さんの関西弁の使い分けが絶妙だそうなのですがそのうまさが関西人じゃない私にはわからないのが残念です。でも文字で書いてあるのにまるで耳に聞こえてくるようで、さすが田辺作品だなあと思いました。内容としては、わかるようなわからないような。これ藤原紀香が不幸そうなメイクで演じたらすごい都合のいい悲しい女にも描けそうで・・、田辺さんが明るく、あくまで主人公の主体性を失わせないで書いてるからテンポよく読めて、アホな男たちも憎みきれないけど。続編たちはまた機会があったら読んでみましょうかね。

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著者プロフィール

1928年、大阪市生まれ。樟蔭女子専門学校卒業。64年『感傷旅行』で芥川賞、87年『花衣ぬぐやまつわる……』で女流文学賞、93年『ひねくれ一茶』で吉川英治文学賞を受賞。『むかし・あけぼの』『ジョゼと虎と魚たち』『田辺聖子の小倉百人一首』など著作多数。

「2017年 『私の大阪八景』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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