私的生活 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 101
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062767767

作品紹介・あらすじ

160万部の「乃里子3部作」連続刊行第2弾!

愛の問題における犯罪は、誰も裁くことができないからむつかしい。
愛し合っていた男女のあいだに“冷たい言葉が初めて出たとき”の衝撃……

私、この作品を書くために生まれてきたのかもしれへんわ。――田辺聖子

辛く切ない大失恋のあと、剛から海の見えるマンションを見せられて、つい「結婚、する!」と叫んでしまった乃里子、33歳。結婚生活はゴージャスそのもの。しかし、金持ちだが傲慢な剛の家族とも距離を置き、贅沢にも飽き、どこかヒトゴトのように感じていた。「私」の生活はどこにある? 田辺恋愛小説の最高峰。

感想・レビュー・書評

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  • 読み終わるのにえらく時間がかかりましたが、田辺聖子さんの3部作の2冊目です。

    毎月1冊だけ購入するマイルールの今月の本です。

    乃里子の結婚生活が書かれています。
    いちゃついている結婚生活が特に大きな事件が起こって壊れるのでもなく、少しずつ何かがかわってきてしまう。
    その辺がとてもリアルに感じられました。

    3冊目も乃里子のその後を知りたいので、追いかけます。

  • 田辺聖子「私的生活」今読むとゾクゾクするわけ 自由も孤独も「私」:朝日新聞デジタル
    https://www.asahi.com/articles/ASR1B6RXQQDVPLZU001.html?iref=comtop_Culture_02

    私的生活|みどり苑|note
    https://note.com/midori1997e/n/nd665c1ad4e35

    『私的生活』(田辺 聖子):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000137729
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000205487

  • 「言い寄る」に続く2作目の「私的生活」。

    当作品の初出昭和51年当時は、都はるみさんの「北の宿から」が大ヒット。
    「着てはもらえぬセーターを寒さこらえて編んでます」

    女心やら未練やら、1人哀しみも寂しさも耐え忍ぶ美学…。やだな。

    その時代に、田辺聖子さんが「乃里子」という女性を描いたことに、度肝を抜かれる。当時の時代背景は、女性にとって、結婚は男性の立身出世を支えるもので、お家存続のためには出産育児、親戚づきあいすべて献身あるのみ。

    結婚や夫婦、家族が幸せではないなどと、感じたり、口に出すことすら憚られる雰囲気はあったのだと思う。内実は違うのになあ。

    心を惹かれ、お互いに心を寄せ合ったつもりで、一つ屋根の下に暮らし始めると、そう簡単にはことは運ばない。ロマンスから苦瓜へ。

    我慢、辛抱、献身が美徳とされるこの国で、女性、妻、母親はその象徴。そんななか、乃里子こそ、心に感じる事に耳を傾け、心の中で咀嚼しながら、選択肢を増やし、選んでいく女性だ!

    ちなみに、テレサテンの「つぐない」(こんな女でも忘れないでね)、「愛人」(私は待つ身の女でいいの)はさらに8年後ぐらいににヒット。いい歌だけど、今では狂気すら感じる(笑)。

    日本の女は、我慢して耐えてきたのね。私は短い老い先、「だましだまし」続けながら、自分の人生のハンドルは自分で握っていきたいなあ。

  • 「男と女」を描いた作品だけに、
    男と女では読後感は全然違うと思う。

    自分は男だから、
    やっぱり男のほうに感情移入して、
    「女ってなんて勝手なんだ!」
    と思ってしまう。

    でも、女性心理ってそういう
    「こっちがこれだけしてあげたから」
    とかそういうことじゃないんだなってことを
    勉強させられた。

    文章の滑らかさや表現力は
    さすが田辺聖子!
    本の装丁もいい趣味してる!

  • にがい。

    作中に出てきた、ブリジットバルドーの言葉
    しあわせに生きるためには、こっそり一人で生きることだ、
    に尽きる話だと思う。
    夫婦って、二人三脚で生きていくのが理想なんだろうけれど
    それぞれ違う世界をどこかに持っていないと、
    色々なことを許せなくなっていく。
    許せなくなると、
    だんだん、リズムが合わなくなって
    二人では歩けなくなる。

  • 関西弁の小説は苦手だけど、田辺さんの小説は読みやすいです。サラサラ読めて、乃里子に共感できました。

  • なんていうかすごく、すごく、気持ちがわかってしまう。切なくて息苦しさが読んでて共感して、鼓動がドキドキした。私は剛さんに惹かれてるんだなぁと思う。

  • 「女は子供を生むと、あほになるって、主人はいつも言います」

    だから今の生活ができるのか。なんだか腑に落ちる。

  • センスの良い人が読んでる本を読みたくなるので、お友達のmさんが読んでた本を予備知識なしで読む。
    読み終わってから3部作の2作目と知る…でもそう感じないくらい登場人物の描写がわかりやすかった。
    古い小説なので、出てくるものがバブリーだったり、その中で生活する主人公たちも昔の映画を観てるような感覚で読んだ。
    逆行するけど、1作目で少し前の乃里子と剛をこれから読めるのも楽しみ。

  • 「言い寄る」が春から初夏そして梅雨の季節だとすれば、
    「私的生活」は盛夏から秋そして冬の季節だと私は感じた。
    これは実体験ではないかと思うほど、登場人物のセリフ全てがリアルに描かれている。特に剛の俺様的な態度には、絶対にモデルがいるはずだと思わせる。私の夫もまさに剛タイプで自己中心で人を常に見下している。違うのは夫は一庶民に過ぎないのと容姿が残念なところだ。そして夫の本能的で傲慢な振舞いを見ていると私は心の中で軽蔑しているが、なぜか不器用な夫が不憫にも思える。だから乃里子の気持ちはよくわかる。
    やがて乃里子の妻の役を降りるカウントダウンが始まると、無性に泣きなくなった。その先にはあるがままに生きられる生活が待っている。その生活はきっと幸せであると乃里子は信じている。
    強い女性だな。そこは私と違うな。
    乃里子は何度か男性と密会したり、飲みに行ったりして、
    剛に咎められるが「そりゃ人妻がそんなことしちゃアカンでしょ」と私も思ってしまった。
    でもうっかり感情のままに行動してしまうのも乃里子の魅力でもあるんだな、と思った。

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著者プロフィール

1928年、大阪市生まれ。樟蔭女子専門学校卒業。64年『感傷旅行』で芥川賞、87年『花衣ぬぐやまつわる……』で女流文学賞、93年『ひねくれ一茶』で吉川英治文学賞を受賞。『むかし・あけぼの』『ジョゼと虎と魚たち』など著作多数。

「2023年 『私たちの金曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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