指し手の顔(下) 脳男2 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062768016

作品紹介・あらすじ

連続爆破事件の共犯者という疑惑が残る鈴木一郎が連続殺人犯だというスクープが地元紙に載る。かつて精神鑑定を担当した真梨子に注目が集まる中、警察捜査の裏をかくように行動する鈴木一郎。残虐行為を繰り返す美貌の殺人者とは何者なのか?乱歩賞受賞作『脳男』から7年、更なる問題作が満を持して登場。

感想・レビュー・書評

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  • 脳男は悪を殺す。

    正義とは何か。悪とは何か。正義は悪を貫く為に有る。では、悪が無ければ正義も成り立たないのか。

    正義を誰が勝ち取るか。脳男は全てに根回しを行なっていた。完璧だった。

    ならば、正義の中に悪は潜んでいないだろうか。

    藩マーシーという老齢の女は、自らの目標の為に、養子の娘を利用する。自らの善悪の天秤に娘を掛けたのだ。
    しかし、藩マーシーの考えに反し、娘は暴走する。
    誰かの為に誰かが傷付く。もしかすると、その考えは主観に留まり、双方の思惑は食い違いに終わるのかもしれない。

    脳男はヒーローではない。
    最後に彼は何を敵にまわしてしまったのか。

    脳男は悪を殺す。
    敵が正義だとしたら……

    続編希望。

  • 前作の脳男の続きということなので買った一冊。

    殺人事件の部分はよかった。
    変に難しいミステリーでもなくわかりやすい次元だったと感じた。

    上巻下巻通じて思った事は、難しい話が多い。
    精神医学の話は難しいよ
    精神病の人の考えてる事とか読みづらいし
    この辺の話は要らなかったんじゃないかと感じた。

    あと脳男がなにをやりたかったのか、ハッキリとわからなかった

    でも脳男はすごい男なんだとあらためて思った。

    難しい話もあってなかなか読みごたえのあった上巻でした。

  • 鈴木一郎のキャラに興味があって続編を手に取ったのだが、当てが外れた感がある。好みの問題なのだが、私には、なにより、ヒロインの暴走体質が苛立たしい。

  • イブは藩の養女だった。
    残忍なイブだが、藩を母と思う気持ちはあるのだね。
    そしてイブは両性具有。ホントは手術させられるところ、藩に「せっかくこんな風に生まれてきたのに、手術などしたくない」と語り、養女となる。手術もせず。どこかに旅に出かけたイブは、ある時は美しい女性、ある時はきれいでマッチョな男性だったよう。なぜ、こんな残忍になったのかは不明。結局、鈴木一郎の仕組んだとおりになるのだが。
    そしてまた続編がありそうな匂わせ方で終わっているのだが。

  • ☆3.6
    山場に向かうにつれページをめくる手が止まらなくなる。
    唐突な性描写は不快だったけど、全体としては面白かった。
    でも欲を言えば、鈴木一郎と真梨子の直接的なからみが欲しかった。

    ↓↓ここからネタバレ↓↓
    どうして真梨子は潘を死なせたのが鈴木一郎だって思ったんだ?
    しかも自分を殺そうとした潘を自殺に至らしめる鈴木一郎がなんで敵なんだ?
    読み返したけど分からない。

  • 脳男シリーズ2。
    事件が立て続けに起こって、どんどん話が展開していくので、一気に読めるが、もう少し鈴木一郎を登場させてほしかった。

  • 江戸川乱歩賞受賞作「脳男」の続編。前半はテンポ良く、読めて、先が気になったのだが、後編に入ってからは、犯人たちの過去を語るために必要なのか、精神科論が多くなってしまい、物語自体がスピードダウンした感じ。
    あれだけ完璧な連続殺人犯が、後半はあっさり姿を晒し、強引にラストに持っていった感が強く、結局、★3つ。

  • 鈴木の真意が最後までわからず、そのもどかしさも手伝って一気読み。ラストはただただ残念で仕方ない。鈴木は犯罪者だけれども、ある意味では信頼も置いているという、不思議ないい関係でいて欲しかった。個人的には『脳男』が1番面白かった。続編は読まなくても良かったかも。

  •  下巻に入って、突然にアメリカでの精神病患者の事件の話しや知的障害者の話し、欧州でお城を購入する話し等が物語が事件の核心に迫り読み手も完全にストーリーにのみ込まれているタイミングで長々と横槍が入る。精神医学やキリストについての蘊蓄もストーリーのリズムにブレーキを掛けるだけで項数稼ぎとしか思えない。

     恐らくはこの後の物語で犯人に繋がる展開や動機の前振りでしょうが、ちょっとタイミングと意味不明な出来事を咀嚼するのに、盛り上がってたものが一気に興醒めします。

     精神病の犯罪者を隔離し研究するという壮大な妄想する医師もやはり、精神が病んでいたのだ。夫も精神異常で養女もやはり精神病だった。それらを見越して行動した鈴木一郎も精神病患者だ。いや、精神が病んでいるって線引きは難しい。何が正常でどこからが異常なのか? 多様化という言葉で益々曖昧になっている。

     

  • 脳男に続きやはりSF感がある。描写が丁寧で状況がわかりやすい。ただ上下に分けるほど長編にする必要はあるかと聞かれれば首をひねりたくなる。続編が出ることを期待したい。

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著者プロフィール

1956年栃木県生まれ、上智大学法学部卒。会社勤務等を経て、2000年に『脳男』で第46回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。他著に『事故係 生稲昇太の多感』『刑事の墓場』『指し手の顔 脳男2』『刑事のはらわた』『大幽霊烏賊 名探偵面鏡真澄』がある。


「2021年 『ブックキーパー 脳男』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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