十五万両の代償 十一代将軍家斉の生涯 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062768207

作品紹介・あらすじ

傑作歴史小説
「オットセイ将軍」の隠された真実!
寛政、天保という2つの改革の間に花開いた黄金時代。貨幣改鋳を行った水野忠成は、倹約を唱えた松平定信や水野忠邦よりも愚かだったのか?

寛政の改革から爛熟の化政文化へ――御三卿の一橋家から思いがけず将軍となり、53人もの子をなし、孝心篤く実父治済(はるさだ)と自身に官位を望んだ家斉。政治の実権を握っていた松平定信を追い落とし、老中首座となった水野忠成(ただあきら)とともに舵を切ったインフレ政策の先見性と思わぬ陥穽(かんせい)。目から鱗が落ちる歴史小説。

感想・レビュー・書評

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  • 家斉はなぜ在任最長の将軍になれたか?本書から読み解く答えは「健康で楽しく過ごしたから」。田沼、松平の権勢に押されて、やることないから女狂いに走り、気づけばもうけた子供は53人。しかしこれも健康だからこそできたこと。そして家斉を最も支えた老中の大役が子供の将来の世話というから、まるでジョークのような話。それでも贅沢ができ、薩摩・長崎問題で15万両の赤字を出しながらも、徳川最後の黄金期を築けたのは立派としかいいようがない。

  • 小説としてのエンターテイメントを求めるのであれば少し退屈かも知れませんが、専門書顔負けの情報量をベースとした本格的な歴史小説。
    歴史愛好家であれば絶対に読む価値があると思います。

  • 大奥で53人もの子をなした徳川11代オットセイ将軍家斉、その人生観や如何にと期待して手にしたのですが、、、
     おそろしくつまらん(怒)看板に偽りあり、この時間泥棒ー¡!(激怒)、直木賞作家佐藤雅美の下手糞な著述ぶりに徹頭徹尾怒り心頭の本でした。こんな本逆に珍しい
     在職中に起きたエピソードや登場人物の家柄・続柄を的を絞ることもせずにダラダラ書き連ねてるので、作家の博覧強記ぶりはわかったけど、何にも頭に残らないというひどさっぷり。
     ただしくは「田沼意次・水野忠成・松平定信・水野忠邦という老中や彼らを取り巻く人間たちと、そして将軍家斉」というタイトルだよね。そして、タイトルで分かる通りストーリーでなく事件をつらつら並べるだけのくっだらない本ですよ

  • 978-4-06-276820-7 621p 2010・12・15 1刷

  • 保有状況:売却&購入日:40797&購入金額:900

  • 副題が11代将軍家斉の生涯です。黒船前夜から明治維新までの歴史の流れがわかります。By シーさん

  • 11代将軍・家斉の治世をリアルに描いた作品

    家斉とその老中・水野忠成(ただあきら)にスポットが当たった感じだった^^

    家斉は時代モノでよく舞台とされる時代の将軍であるため
    時代モノ好きな方ならば 面白く読めると思います^^
    なかなかこういう切り口で 書いてる作品は少ないと思うので新鮮な感じしますね
    それでいて 歴史書読んでるように堅苦しさはないのが◎

  • 11代将軍 家斉の治世を通じた政治改革を
    開設した経済歴史小説。

    大君の通貨含めこの人の小説はおもしろい。

    貨幣改鋳などなどね。

  • 幕政に関する博覧記。物語ではない。

  • 11代将軍徳川家斉と側近の水野忠成の物語。骨子は『将軍たちの金庫番』とほぼ同じですが、こちらは人間関係にスポットがあてられています。『将軍たちの金庫番』の方が、衝撃的だった水野忠成の通貨の改鋳のからくりについて詳しく解説されていて、章立てもしっかりしているので読みやすいです。

  • それぞれのキャラが立っていて、そのやりとりだの各自の心情だのが描かれているような小説だと思って読むとちょっと裏切られた感があるが、むしろ小説風ノンフィクションだと思って読めば大満足かな(^_^;)
    歴史上存在しなかった架空の登場人物が出てきたり、史料に裏づけられない想像による事件や人間関係が描かれるようなことは全然ないので、いわゆる物語を期待して読む方には不向きかと思いますが、取り上げられている題材に興味がある人には決して退屈だということはないかと。
    まあ、佐藤雅美氏は、実在の人物をモデルにした小説の場合は大体こういう書き方をする人ですよね。

    で、全く知らなかったようなこともたくさんあり、大変興味深く楽しく読んだのですが、帯にある「「オットセイ将軍」の隠された真実!」というのは誇大広告というか、的外れというか…ですね(-"-;)
    江戸時代に興味がある人や江戸を舞台にした時代小説が好きな方は、11代将軍家斉と言えば、「おお、オットセイ将軍ね!」とか「いや、あれで意外とお庭番使ったり侮れないんだよね」とか、色々と思うところがあると思うのですが、私も彼には興味津々でして(これは主に小松重男氏の作品の影響かと^^;)、正直この惹句を見て飛びついて買ったのですが、その期待に十分応えてくれたとはとても言えません。
    ほほうと思うところは結構あるのですが、何故彼が「オットセイ将軍」と呼ばれるほどにやたらめったらに(ちなみに53人!)子供をつくるようなことになったのかは、全然わからないといってもいいのではないかしら。ほかにすることなかったからって言われてもなぁ(-_-;)

    詳細は省きますが、この本は、「水野忠成の隠された真実」について書かれているというのが正しいと思います。
    これは、確かに衝撃的な隠された(実際は別に隠していたわけではないのだが結果的にね)真実だと思うし、彼を追い落とそうとしていた水野忠邦の真実や、その他の人々のお話も面白かったです^^

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著者プロフィール

佐藤 雅美(さとう・まさよし)
1941年兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒。デビュー作『大君の通貨』で第四回新田次郎文学賞を受賞。1994年『恵比寿屋喜兵衛手控え』で第110回直木賞を受賞する。著作に『御奉行の頭の火照り 物書同心居眠り紋蔵』『頼みある仲の酒宴かな 縮尻鏡三郎』『関所破り定次郎目籠のお練り 八州廻り桑山十兵衛』『知の巨人 荻生徂徠伝』などがある。2019年7月逝去。

「2021年 『恵比寿屋喜兵衛手控え 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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