冬の喝采(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062768351

作品紹介・あらすじ

球技はダメ、運動会も嫌い。そんな雪国の少年が知った「走る」喜び。全道中学選手権で優勝、高校の陸上部でも頭角をあらわす。仲間の死、インターハイでの瀬古利彦の快走。左足の怪我と、諦めきれぬ陸上への思い。そして出生の秘密。「少年」は3年間怪我と戦い、早稲田大学競走部に準部員として入部を許される。

感想・レビュー・書評

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  • 陸上やってた人にはいろいろと共感ポイントが多くすらすら読めるとは思うが、未経験者にはちょっと読みづらいかも。

  • 箱根駅伝の話と言うので手にとって見た。冒頭、一人称の文で主人公が我が家そばの3区を走るシーン。風景が詳細に描写され、を!! しかし次からは中学時代に。筆者の競技者としての半生の話に。そっちか!! 前半は走り始めた中学時代から、長い故障期間を経て早稲田で選手としてやっていけるまでに回復するところまで。北海道出身の筆者に箱根に対する興味がないところも面白い。上巻最後で箱根直前まで。下巻はいよいよ冒頭に戻り箱根駅伝。

  • 瀬古利彦と同時期に、早稲田大学の競争部で箱根駅伝に出場した著者の自伝的小説。

    競技の基本的な説明が少なかったり、文体が淡々としているので、ある程度知識がないと読みづらいかもしれません。

    自分のように箱根駅伝が好きな方であれば、十分楽しめると思います。

  • 走るのつらい…という気持ちにしかならなかった。でも、黒木亮ってこんな人だったとは。下巻に期待。

  • これを読む季節はやはり今しかない、と12月まで温めていた本。
    形は小説仕立てっぽいが中身は恐らくほぼノンフィクション、瀬古利彦と同じ時代に早稲田大学で箱根路を走った著者の青々とした日々が、鮮烈な筆致で語られている。
    が、生々しくありながらも、無理に力が入った感情的な描写やモノローグはほとんどなく、一歩引いた冷静な語り口で綴られているので、これが意外と読み易い。
    確かに著者は瀬古にはなれなかったかもしれないが、それでも私たちから見れば天に選ばれた一握りのアスリートたちが生きる世界に身を置いていたわけで、それがとくと感じられる。

  •  箱根駅伝感動物語という熱い小説かと思って読んだらたら全然違った。実際に早大競走部員として箱根を走った著者の実話というか自伝的小説なのだった。北海道は深川近郊の町で育った中学時代から深川の高校を経て早稲田大にはいり、卒業するまでの陸上生活が毎日の練習の記録や大会のようす、エピソードをまじえて淡々と綴られてゆく。特に脚のケガによって高校から大学にかけて走れない時期が続く辛さや葛藤、それでも陸上競技を諦めずに最後は箱根駅伝を2年連続走るという栄誉にいたるまでが読みどころだろう。金山雅之というその選手はちょうど同じ時代にいた瀬古の陰に隠れてほとんど目立たないし、かくれた名ランナーというわけでもないので、その半生記のようなものを読まされてもどうかな、という気もするけれど、格別ドラマチックということもないランナーの日常風景がそれはそれでおもしろく読める。というのはぼくもマラソンランナーのはしくれだからだろうか。
     それとともに学生時代の瀬古や当時の監督の中村清のようすが実名で克明に出てくるのがとても興味深い。特に、中村監督の常軌を逸した熱血指導ぶりは、まさに事実は小説よりも奇なりを地で行くようなものすごさだ。その場にいた学生はたまらないだろうが、傍から読む者としては抱腹絶倒の連続。上下2冊はさすがに冗長なので、大学時代に的を絞ってまとめれば早大競走部の一時代史として秀逸なノンフィクションになったと思う。

  •  作者の自伝的小説。あの早稲田大学、競走部の伝説の中村監督のエピソード満載。
     「若いころに流さなかった汗は、年老いて涙となって流れる」が印象的な言葉。
     あわせて、S29年の箱根駅伝で最終走者が夢遊病者のようにふらふらとなった時、中村監督が都の西北を歌いながら一緒に走り、走者を立ち直らせ、優勝のテープを切らせたエピソードが印象的。

  • 昨日(上)を読み終える。
    競技者が怪我を負いながら競技生活を続けていく苦悩や監督との関係など非常にリアルに描かれている。ノンフィクション(生活部分がどこまだ事実なのかは、わからない)なので当然であるが・・・
    ただいま(下)の半ばくらい。
    フィクションにはない面白さがある。

  • 国際金融小説のイメージが強い作者はインタビューで代表作を聞かれると必ず本作を答えるのだという。
    箱根駅伝で瀬古利彦から一位でタスキをつないだという知られざる過去を描いた青春小説だ。
    既に世界レベルの選手となった早稲田は長年の低迷からの復活と騒がれたこの年に、同じく長年の故障から高校時代から走ることすら叶わなかった少年、金山(黒木亮の本名)もまた日本中のランナーが憧れるこの場で復活するのだった。
    前半は走る喜び、怪我をしてからも走ることへの執念をみせる主人公にただ共感を覚えるのだが、鬼監督のしごきについに自ら退部を申し出るあたりは心象が追えずやや不満感があった。
    ただ初めての箱根で金山がみた、一位でタスキをつなげるとわかったときの突き抜けるような歓喜と、道中で現れる冬の海の煌めきは落涙するほどに感動的だった。再び走ることへの欲求を感じさせてくれた作者に感謝。

  • 堂場瞬一の「チーム(http://booklog.jp/item/1/440855023X)」では、箱根駅伝を走る架空の学連選抜チームを描いていますが、こちらの作品は、実際に作者が箱根駅伝を走ったときの経験を自伝的に描いています。

    黒木亮と言えば、経済小説を書く人と言う印象ですが、箱根駅伝に出場した経験があるんですね。知りませんでした。しかも、瀬古利彦と同世代・同チーム。二重の驚きです。自伝的物語なので、もちろん、瀬古利彦は実名で出ています。もっと言うと、かの有名な中村清監督に指導を受けているので、中村監督に関する気持ちも率直に書かれています。

    堂場瞬一の「チーム」が選手たちの青春物語なら、こちらの「冬の喝采」はその選手の内面を描いたリアルな話です。

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