彩乃ちゃんのお告げ (講談社文庫)

  • 講談社 (2011年3月15日発売)
3.59
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784062768412

作品紹介・あらすじ

なぜか“教主さま”だという女の子を預かることになった。彩乃ちゃんといって、一見ごく普通の、小学五年生の女の子だ――。花屋に勤める二十代の智佳子、進路に悩む高校三年生の徹平、東京から地方に越してきた小学五年生の佳奈が、彩乃ちゃんとの出会いで知った人生の奇跡。前に進むすべてのひとに捧げる物語。


なぜか“教主さま”だという女の子を預かることになった。彩乃(あやの)ちゃんといって、一見ごく普通の、小学五年生の女の子だ――。花屋に勤める二十代の智佳子(ちかこ)、進路に悩む高校三年生の徹平(てっぺい)、東京から地方に越してきた小学五年生の佳奈(かな)が、彩乃ちゃんとの出会いで知った人生の奇跡。前に進むすべてのひとに捧げる物語。(講談社文庫)

みんなの感想まとめ

心温まる物語は、普通の小学五年生の女の子、彩乃ちゃんを中心に描かれています。彼女は“教主さま”として不思議な力を持ちながらも、実際には優しくて可愛らしい存在です。彩乃ちゃんが周囲の人々に贈る言葉やお告...

感想・レビュー・書評

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  • ”教主さま”だという、小学5年生の女の子、彩乃ちゃんを中心とした連作短編集。
    友人に頼まれて綾乃ちゃんを預かることになった花屋に勤める智佳子、進路に悩む高校生の鉄平、家で綾乃ちゃんを預かることになった小学5年生の佳奈の3人の話が載っています。

    彩乃ちゃんには、未来を見たり、死んだ人を見たりする不思議な力があるらしく、その力を使って彼らの未来をほんの少しいい方向へ押してくれます。
    どの話も何となく人生に悩んでいる人の背中を押してくれるような、温かく優しくていい話でした。
    けれど、彩乃ちゃんは不思議な力を持つ教主さまというだけではなく、アクセサリーや化粧品に興味があったり夜のコンビニにはしゃいだりする普通の小学生でもあり、大人びていて教主という重荷を背負っている姿が少し物悲しくもありました。
    私は一番最初の智佳子の話が一番好きでした。教主の彩乃ちゃんに、”少しだけ悪い事”を教える優しいお姉さん。彩乃ちゃんも彼女の前では少しだけ”普通の女の子”になれたんじゃないかな。

    彩乃ちゃんはどの話にも出てくるのですが主人公ではないので、この先、教団に戻った彩乃ちゃんがどうなるのかも気になります。

    柔らかく優しい小説はこんなのも。
    →『あずかりやさん』(ポプラ文庫)/大山淳子

  • 彩乃ちゃんは小学5年生の女の子。
    とてもお行儀がよくて言葉使いの丁寧な女の子。
    そして彩乃ちゃんは教主さまでもある。
    素晴らしい力を持っているらしい。

    これはそんな彩乃ちゃんがその素晴らしい力で人々を救う話。ではない。
    ちょっと不思議な力を持ってはいるけど、本当は普通の可愛くて優しい女の子の彩乃ちゃんが、彼女の好きになった人達にプレゼントをして、彼女もプレゼントをもらう。
    そんな心温まる物語。

    お告げとか占いとか、絶対信じられないと思っていた。
    でも、そのお告げが私の隣でいつもにこにこ笑っている、優しい女の子の言葉だったら…、その言葉をすんなり受け入れられそうな気がした。
    この物語の中で彩乃ちゃんのお告げを信じる3人の気持ちが私にはよく分かる。
    彩乃ちゃんの言葉は、ありがたいお告げなんかじゃなくて、彼女からのプレゼントなのだ。
    ずっと大切にしたくなるキラキラした宝物なのだと思う。

    そしてもしかしたらそれは、神様の言葉や占い師の言葉を信じる人達の気持ちと同じなのかもしれない。
    …その辺はまだよく分からないけど。もしかしたら。

  • 誰かのおすすめで図書室で偶然見つけて読んだ!

    小学五年生の教主様、彩乃ちゃんを中心にした、3つの短編集。宗教系で、おっこれはカルト系…?って思いながら読み進めたけど、想像以上にハートフルでほっこりするお話だった。彩乃ちゃんが結局何なのか、どういう状況なのかどういう心境なのかとなはあまり掘られず、そこが重要ではなく、誰かとの出会いや繋がりで人生は変わるってことが分かった。見落としてしまいそうな日常の中の小さいことを大切にしたい。それを教えてくれるのが、彩乃ちゃん。解説にもあったけど、3人の主人公は、彩乃ちゃんに心を開いて彩乃ちゃんとの繋がりを大切にできた。だから彩乃ちゃんが大切なことをこっそり教えてくれて、幸せを見つけることができた。彩乃ちゃんは、小さな奇跡を表しているような気がする。自分で気づけるか、大切にできるか。ストーリーはハッピーエンドな展開でありがちだけど、彩乃ちゃんを日常の小さな奇跡だと思うと、このお話のメッセージがしっくりくる。

  • 彩乃ちゃんは小学5年生ですが、関わる人々の近い将来が視えるようです。3つの連作になってますが、みんな彩乃ちゃんに「ポンッ」と背中を押されて、次の一歩を踏み出します。誰もが、持ち合わせるであろう「迷い」や「悩み」、それは、いつしか不安となって誰かに打ち明けずにはいられなくなるのは良くあること。彩乃ちゃんのように、「そっと周りの人を幸せの方へ導けたらいいなぁ」、そう思わずにはいられないホッコリする小説でした。

  • ★3.6

  • 彩乃ちゃんの不思議な力に全面的に負ってしまっているので話が浅く思えてしまう。けど、些細なところにきっかけが隠れていたり、違った視線を見つけることができたりと、そんな何気なくも実際にありそうなところが既視感に通じる。そのデジャブを感じることができたら、読み終わってホッとできる気がする。

  • ある年の夏休み、未来を見通す力のある彩乃ちゃんを、預かることになった3つの家庭。

    クラスのお調子者の伊東にそそのかされ、里山の再生と銘打って、山の山頂にある記念碑まで続く石段を掘り起こすボランティアを買って出たところ、伊藤らに裏切られて一人で夏中作業をするはめになる。その土地を持つ家に預けられた、ある時から、ある宗教の跡継ぎである彩乃ちゃんが毎日現れて、一緒に昼ごはんを食べることになったところから、運命が動き始める。

    童話にも純文学にもなりきれない作品で、とにかく1本目の印象が書き出しから始終悪いため、あとの2作の評価も下げざるを得ない作品。あと、プロローグもいらんやろ。

    1本目。とある独身OLのところに、「しばらく預かってくれ」と知り合いの男が彩乃ちゃんを連れてくる。小学5年生とOLという組み合わせで、最も面白そうなファーストコンタクトが省略。あかん。

    2本目。これは読めた。3本目。小学5年生同士という組み合わせだが、なりきれていない文章と、余計な設定画説明しきれておらず、だから何という話。

    おそらく児童文学を複数書いているのだろう作家だろうが、童話的に言葉を選びすぎているのか、単に語彙がないのか、言葉が終始足りていない。特に3作目は致命的で、子供の無垢で不器用ということを、文章の散漫さをごまかそうとして失敗しているようにしか思えない。また、テーマとしても、大人の汚さや世間の無神経なんかも描けば深みが出るはずなのに、「子供は純真」というところに、作者が逃げ込んで甘えている。

    キーとなる不思議な能力については、児童文学やSFなら、それなりに読者に納得させるように説明するものであるが、そこは純文学だからと「見えるから見える」で終わってしまっているのは、SF読みには最悪の展開である。それに加えて、1本めは、ストリートミュージシャンの話なんかどうでも良くて、ファーストコンタクトを広げるべきであろう。編集者は仕事しろ。

    1本目☆1。2本目☆2。3本目☆1の平均☆1ってところ。

  • とある小さな信仰宗教の後継とされる、「彩乃ちゃん」。一般的な同年代の子供より、丁寧な作法を身につけるなど少し大人びた部分もある彼女は事情で様々な人の家に居候することになる。目には見えない不思議な「力」も使って、彼女は様々な場所を訪れる。

    基本が「一般の人の日常の場面に彩乃ちゃんが居候することで起こる諸々」なので、ほっこりしながら読める。
    彩乃ちゃんの「まだ年相応な幼さ」的な可愛らしさと憎らしさを味わう意味では第1話が好き。

    …信仰宗教、の設定、もう少しライトなもの(親が占い師で、くらいの)でも成り立つ感はあるかな…

  • 1~2時間で読める本。
    図書館でパッと適当にとって借りてきたけど、やっぱりほのぼの系になっちゃうんだな~私(笑)

    小5で新興宗教の教主さまがひと夏に出会った3人との物語。
    新興宗教って怪しいにおいぷんぷんだけど、彩乃ちゃんや教祖のおばあちゃんは別に怪しい感じはしなかったです。
    でも彩乃ちゃんの未来が心配だし1話の淳司はどうなっちゃったのか・・・?
    私は最後の話が好きかな。難しい単語はわからないといいつつ語り口がやたら大人びてたのが違和感ありましたけど。

  • 本嫌いな中高生の読書感想文用にもおすすめかも。
    まず薄い。(本嫌いにとっては超重要)
    文章が読みやすい。(橋本先生はラノベ出身)
    国内の日常ものなので、親近感が湧きやすい。(かも)
    しかも3話構成なので1話1話はさらに短く、モチベーションを保って読める。(気がする)
    ちょっとほっこりしたい時にもおすすめ。

  • じわっと暖かくて少し不思議で希望があってとても良かった。橋本紡が本当に断筆してるのだとしたら惜しいな。

  • 全部で3つの物語が併録されているが、共通する人物は何かの力を持った「彩乃」だけである。
    もちろん。この人物が物語の鍵となるのだが、さて3つの物語を読んで何を感じ取ったのか、感想はどうなのかと云われても書けないのが現実。
    それが、この小説の持つ力なのかもしれない。

  • ピュアなYA小説。サクッと読めたけれど、肝心要の彩乃ちゃんのことが心配です。
    新興宗教サイド側のことが全く見えないところがモヤっと。そこには敢えて触れずに日常生活の小さな奇跡を描かれたのだろうけれど、正直、宣伝文句と誇大広告に騙されたような心持ち(^^;;

  • 教祖さまの孫で不思議な力を持つ彩乃が3つの奇跡を起こす。ほんのちょっとのきっかけで、すごく人生が変わるわけではないけれど、確かに一歩幸せになれる。そんな3つのストーリー。

  • 人の将来が視える彩乃ちゃん。

    小学生なのに”教主”としての人生を決められているけど,それを悲観しない。
    抗わず,その中で自分の幸せを見つけようとする。

    この小説家さんの作品は,一見明るいんだけど,根本に流れる儚さが魅力的。

  • 最初はどんな話かと思ったが、
    読み進むうちに綾乃ちゃんの素敵さがわかってきた。

    綾乃ちゃんの純粋さ、
    また綾乃ちゃんと関わる人の本当は純粋であることなどが
    読んでいてとても良い気分にさせてくれた。

    現実は世知辛い世の中で、
    実生活においてこのような人との関わりはあまりないが、
    こんな人たちと関わり合いをもてるよう、
    自分も少し変わっていこうと思わせてもらった。

  • 【あらすじ】
    なぜか“教主さま”だという女の子を預かることになった。彩乃ちゃんといって、一見ごく普通の、小学五年生の女の子だ―。
    花屋に勤める二十代の智佳子、進路に悩む高校三年生の徹平、東京から地方に越してきた小学五年生の佳奈が、彩乃ちゃんとの出会いで知った人生の奇跡。前に進むすべてのひとに捧げる物語。

  • 小学五年生にして教祖さまの彩乃ちゃんと関わった三人の物語。将来に少しの不安を抱える人たちが彩乃ちゃんの助言に背中を押され前向きに歩み出す。ほっこり優しい。
    彩乃ちゃんも幸せにしたみんなからちょっとずつ大事なものをもらう。役目におしつぶされることなく彼女にも幸せになってほしいな。

  • 奇跡っていうのはきっと、ほんのわずかな一瞬のことで、それを運んできてくれるのは出会ったばかりの少女だったりもする。
    優しく素直な自分でありたいと、そう思わせてくれる物語だった。
    凜とした彩乃ちゃんの姿に自分も励まされつつ、この小さな女の子にもどうか幸せになってほしいと、願わずにはいられなかった。

    彩乃ちゃんのように「奇跡」を起こしたり、未来を見通すような力を僕は持っていない。
    それでも、今までに自分が出逢ってきた全ての人がもし今、みんな幸せであってくれたら、
    それは凄く嬉しいことで、それ自体が奇跡みたいなことなんじゃないかなと思ったりした。

  • 特別な力を持っていて、教主さまと呼ばれる彩乃ちゃん。彼女の過ごした大切な夏の話。
    小学5年生なのに、しっかりしてて、大人の振る舞いが出来る。
    けど、やっぱり子供な部分もみえてほっとする。
    薄くて、文章も難しくなくて、すぐ読める。彩乃ちゃんの話としては繋がってるけど、話は3つだから、休憩にもってこい。
    石階段が一番好きだったかな。

    そして、河原千恵子さんの解説が良い。
    自分がいつも何気なく過ごしている日常の中に、小さなメッセージが隠されていないだろうか。
    202p引用

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