新世界より(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.97
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  • (148)
  • (36)
本棚登録 : 10124
レビュー : 869
  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062768535

感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
    面白い小説を探すにあたり、人に聞いてもネットで検索しても、必ず一度は耳にする「新世界より」。
    上中下3巻という中々のボリュームでしたが、どのような内容か一切わからないままチャレンジしました。

    本作品を一言で表すならば、「和製ハリーポッター」という感じでしょうか。構成のクセがスゴイ!!
    サイコキネシスを操る人類と、その文明の中に存在する色々な変わった生物たち。
    やはり世界観についての説明はMUSTで、やや蛇足多め、ファンタジーを文章化するとこうなるのかといった感想。
    正直上巻の最初の方では、本作品のファンタジーに満ちた世界観を理解するのに骨が折れました・・・・・
    言い換えれば、この本の構想はそれほど奥が深く、作者への畏敬の念を感じざるを得ませんでしたね。

    さて、上記の通り、世界観を理解したり読み進めるの難儀はしたものの、物語序盤から読者の関心を惹きつけて離さないオーラが本書にはあります。
    最初の最初である上巻9ページ目で、
    「多くのものが灰燼に帰した、あの日から、十年の月日が経過した。」
    「この間、時間を見つけては、過去の歴史をひもといてみたのだが、再認識させられたのは、人間というのはどれほど多くの涙とともに飲み下した教訓であっても、喉元を過ぎた途端に忘れてしまう生き物であるということだ。」
    こんな記述があったのだから、一体なにがあったの?!って気になって仕方がない(笑)

    上巻の途中までは、本当に「和製ハリーポッター」で、主人公の早季たちの成長の過程が全人学級の授業を通して緩やかに描かれていくだけなのだが、野外学習で「ミノシロモドキ」に出会ってから展開は一変する。
    この世界が、如何にして現代を迎えたのか。
    「ミノシロモドキ」を介して「旧世界から」の通達、知ってはいけない過去を早季たちは受けてしまう。

    知ってはならない「パンドラの箱」を開けてしまった早季たちの運命は?
    とまぁ、こんな具合で上巻は幕を閉じる。

    個人的に、ミノシロモドキが言っていた内容の中でも特に、「混乱を収拾するために、それまでは歴史の傍観者に徹してきた科学文明の継承者たちが、ついに立ち上がったのです」の伏線が気になりますね。
    「科学文明の継承者たち」は、一体なにをしたのでしょう?そうやって歴史は大きく動いたのか?
    あと、全体を通して、「もし〇〇だったなら、結果的に〇〇にならなかったのに・・・」や、「この時は、〇〇のようなことを想像もしていなかった」など、期待を煽る記述が多すぎるのも気になったが、結果的に面白いのだから良しとしよう。

    中巻、下巻の続きがとても気になります。


    【あらすじ】
    ここは汚れなき理想郷のはずだった。
    1000年後の日本。伝説。消える子供たち。
    著者頂点をきわめる、3年半ぶり書き下ろし長編小説!

    子供たちは、大人になるために「呪力」を手に入れなければならない。一見のどかに見える学校で、子供たちは徹底的に管理されていた。
    いつわりの共同体が隠しているものとは――。何も知らず育った子供たちに、悪夢が襲いかかる!


    【引用】
    1.多くのものが灰燼に帰した、あの日から、十年の月日が経過した。
    この間、時間を見つけては、過去の歴史をひもといてみたのだが、再認識させられたのは、人間というのはどれほど多くの涙とともに飲み下した教訓であっても、喉元を過ぎた途端に忘れてしまう生き物であるということだ。

    2.「早季は、面従腹背って言葉を知っているか?表面は従っているが、腹のなかでは違う事を考えているっていう事だよ」

    3.「僕らの社会は、どうやって生まれたんだ?知りたいのは、それだけだ」
    五百年間の暗黒時代は、奴隷王朝の終焉によって幕が引かれました。
    日本列島を支配していたすべての王朝は、世代間の厳しい淘汰によって、ついにPK能力者の血統が絶えてしまったのです。
    重しの取れた国々は、わずか数十年の戦乱により、過去五百年の間にPKによって虐殺された死者をはるかに超える犠牲が生じました。
    この混乱を収拾するために、それまでは歴史の傍観者に徹してきた科学文明の継承者たちが、ついに立ち上がったのです。

    「その後、現在に至る歴史について、信頼の置ける文献はきわめて少数です。そのため、残念ながら、ご質問の点に関しては不明です」



    【メモ】
    p9
    多くのものが灰燼に帰した、あの日から、十年の月日が経過した。
    この間、時間を見つけては、過去の歴史をひもといてみたのだが、再認識させられたのは、人間というのはどれほど多くの涙とともに飲み下した教訓であっても、喉元を過ぎた途端に忘れてしまう生き物であるということだ。


    p14
    初めてこの話を聞いたときには、私は自分が間接的に親友の命を救ったことに大きな喜びを覚えたものだが、今はその事を思い出すたびに複雑な思いにかられる。
    もし、真里亜がこの世に生まれてこなかったとしたら、結果的にあれほど大勢の人が命を落とすこともなかったはずだから…


    p17
    「早季は、面従腹背って言葉を知っているか?表面は従っているが、腹のなかでは違う事を考えているっていう事だよ」


    p230
    わたしたち五人は、魅入られたようにミノシロモドキの語る長い話に聞き入っていた。話の内容は1%も理解できなかったが、わたしたちの耳から脳に流入した言葉は、乾いた地面を潤す雨水のようにスムーズに吸収されていった。
    それまでのわたしたちの世界に関する知識は、最も重要なピースが欠けているジクソーパズルのようなものだった。
    だが、ミノシロモドキの言葉によって欠落を埋め好奇心の渇きを癒してくれるものの、それにより浮かび上がってくるのは、身の毛もよだつような地獄絵図であることは、想像もしていなかった。


    p244
    わたしは身震いした。わたし自身、呪力を使うのによく似たイメージを用いたことがあり、闇を飛翔する巨大な猛禽の姿が、はっきりと脳裏に浮かんだのだ。
    「・・・王朝末期になると、王を後継者が殺害して王位を簒奪するのが通例になりました。後継者が思春期になり、PKが発動した瞬間から、先王の命は風前の灯火となったのです。そのため、王子たちは常に厳しく監視され、叛心(はんしん)ありと見なされれば、先手を打って殺害されたり、両目を潰されて地下牢に幽閉されたりということも、日常茶飯事でした。。。。」


    p246
    「僕らの社会は、どうやって生まれたんだ?知りたいのは、それだけだ」
    「五百年間の暗黒時代は、奴隷王朝の終焉によって幕が引かれました。日本列島を支配していたすべての王朝は、世代間の厳しい淘汰によって、ついにPK能力者の血統が絶えてしまったのです。重しの取れた国々は、わずか数十年の戦乱により、過去五百年の間にPKによって虐殺された死者をはるかに超える犠牲が生じました。この混乱を収拾するために、それまでは歴史の傍観者に徹してきた科学文明の継承者たちが、ついに立ち上がったのです」

    「その後、現在に至る歴史について、信頼の置ける文献はきわめて少数です。そのため、残念ながら、ご質問の点に関しては不明です」


    p465
    「一番、人間に忠実だからこそ、注意が肝要なんだよ」
    覚は、大儀そうに眉をしかめた。
    「なぁ。昨日から僕らは、生きるか死ぬかという場面が続いてきただろう?だけど、賭けてもいいよ。今現在が、多分、これまでで一番危険な状態だ」

  • 著者:貴志 祐介
    発行日: 2008/1/24
    評価:★★★★★  (所要時間:2.5時間)
    読破冊数: 26/100冊


    ■こんな人におすすめ

    ・怖い思いをしたい人
    ・不気味なものを見たい人


    ■概要

    受賞歴
    第29回(2008年) 日本SF大賞受賞

    内容紹介
    ここは汚れなき理想郷のはずだった。
    1000年後の日本。伝説。消える子供たち。
    著者頂点をきわめる、3年半ぶり書き下ろし長編小説!

    子供たちは、大人になるために「呪力」を手に入れなければならない。一見のどかに見える学校で、子供たちは徹底的に管理されていた。
    いつわりの共同体が隠しているものとは――。何も知らず育った子供たちに、悪夢が襲いかかる!(amazonより)


    ■この本から学んだこと

    ・知人に薦めで読むことになった本。
    「とにかく気持ち悪さに浸りたい。重松清の疾走みたいなのが理想なんだが、何か知らないか」
    という私のリクエストに知人が
    「不気味さが後を引くよ」と薦めてくれたのである。

    内容だが、確かに不気味である。
    (重松清みがあるかは不明)
    まだ上巻。
    更なる恐怖が待ち構えている伏線がすでにあるし、読み進めるしかなさそうだ。


    ・中でも興味深かったのは「ボノボ(ヒト科チンパンジー属に分類されるサル)」についての記述だ(ここはノンフィクション)。
    ボノボは、ストレスが高まり、他の霊長類であれば暴力的になってしまう場面で、平和的に事態を解決する動物である。
    その解決の仕方が、なんと「性交」だ。

    普通チンパンジーは、繁殖目的でしか性行動をしない。
    だが、ボノボは違う。
    力で事態を解決する場面を、性交で解決するのだ。
    しかも、おとなの雄同士や雌同士、おとなと子ども、子ども同士など幅広い組み合わせで。

    びっくり。

    だからと言って人間も試してみたらどうでしょう?とはいかない。
    だが、この物語の世界では、登場人物たちもそれをする。

    主人公の早季、優等生の瞬のことが好きなのに、いつも皮肉屋だが本当は優しい、覚とする。
    その事実だけ記述すると、結構文春な事態だ。
    確かに文中だとその流れが唐突なのだが、何と言うか、いやらしさがなくナチュラルだったのだ。
    それくらい、この世界では普通の出来事だからそう書かれていたんだろう。
    本来、繁殖や性的興奮どうこうのみでなく、
    お互いを落ち着けたり、スキンシップの意味でのそういうことが
    もしかしたら大切なのかもしれない・・・
    人間に足りていないのはそこ、なのかも?
    そんな風に思った。

  •  書店で目にし、どうしても読みたかった。2008年、第29回日本SF大賞を受賞した本書です。

    1000年先の未来。
     文明はある理由で滅び、生活は明治以前の電気の無い時代に良く似ています。
    江戸時代と違うのは、人々は「呪力」を持ち、「呪力」に頼って生活しています。

     読み始めてすぐに「ハリーポッター」と連想しましたが、改めて思うと
    「悪意や攻撃性を題材にした、グロテスクな日本版ハリポタ」と言った感じでしょうか。(あくまでも私感です)

    設定はSF的ですが、内容はファンタジー。ミステリーな要素も含んでます。不思議な気持ち悪い動物も数多く登場します。

    下巻まで一気の読んで分かった。(と思ってる)
    「悪鬼」や「業魔」はいつも私たちの心の中にあり、潜んでいます。相変わらず無くならない悲惨な事件のほとんどは、この「悪鬼」や「業魔」のせいです。
    恐らく、混迷する政治もコレのせい。
    物語に出てくる「攻撃抑制」と「愧死機構」を持つ必要のない世の中になる事は、現代においても恐らく実現することは無いんでしょうね・・・

     恥ずかしながら、著者(貴志さん)の本は全く読んだことが無く、名前さえ知りませんでした。ホラー小説を良く書かれる方のようで、なるほどと思わせるエグイ描写が多いです。

    「リング」で著名になった鈴木光司と同じく、ホラー小説家が書くファンタジーは素晴らしい。

    「新世界より」当たりでした。

  • 描写が映像的なのだろうか。読了後、新世界…の世界観のはっきりした夢を見た。

  • 読んで考えたことが山程ある。

    アニメで見ていたので大筋は知っているのだけど、その時はなぜこんな行動を取ったのか、何を考えていたのかが分からなかったし、現実には存在しない道具や生物についても詳しくは分からないままだったので、原作を読んで納得した。

    知らなかった言葉が沢山。特に生物の名前が大量に出てくるし、実際に存在するものの中に架空の生物を当然のように混ぜ込んであるので調べないと判別ができない。
    他にも知らない漢字や語句を調べながら読んでいたので、調べている時間の方が長かったかも……。
    原作は早希の回想という形で書かれているため、お茶を濁すと言うか、答えをはっきり言わずに話が進んでいくこともあり、粗筋は知っていても謎が積もっていく。


    本編からは脱線するけど気になった言葉が二つ。

    「土蜘蛛」はこの作品に出会う前から何となく知っていた言葉だけど、実際に古代日本でそう呼ばれる人達がいたことは全く知らなかったし、そもそも私は日本史で習ったレベルでしか古代日本、更に歴史全体を知らないことに気付かされた。日本人だけど、そのルーツは知らないも同然。すごく知りたくなった。
    「黥面文身」は全く知らなかった言葉で、まずアイヌや琉球で刺青の文化があったことも最近知ったし、(言葉が正しいかは不明だけど)本土でも広まっていた風習で、しかも中国の書物に証拠として残っているなんて。ますます興味深い……。


    アニメと印象が違ったことと言えば、早希が覚に対してかなり厳しく当たること。対して覚は原作の方が早希のことをよく見ているし、いざという時に守ってあげるし、かなり頼りになる。土蜘蛛の兵士に追われてバラバラに逃げている時、早希のことを見つけたのも偶然ではなさそう。
    バケネズミの考えもより伝わってきて、知能の高さが感じ取れた。

    著者の頭の中の、超能力が存在する1000年後の未来が面白すぎる。身分証は紙切れと化し、図書館は自走型アーカイブへ。文明は非常に進んでいるのに人間社会はなぜか原始的な生活に。まるでナウシカのような世界。

    今、全人類が突然PKを持つようになったらどうなるか。恐らく短時間で地球のほとんどの地域は最悪の結果になると思われる。それは極端な例えかもしれないが、皆が強力な武器や核兵器を持ったと考えれば同じことが起きる可能性が高いだろう。
    結局、「ヒトという生き物を社会性を持った哺乳類にすぎないと捉え直す」「ようやく人類は神の力を手に入れたのに、あまりにも強力すぎる力を制御するため、自らを、人から猿、猿からただの哺乳類へと、貶めていかなければならなかった」ということになるのかもしれない。

    早希が手記を書いた動機が深い。
    「人間というのは、どれほど多くの涙とともに飲み下した教訓であっても、喉元を過ぎたとたんに忘れてしまう生き物であるということだった。」
    人間は過去を忘れたら終わりなのだと思う。過去から学ばなければ人類自らを滅ぼすことになる。だから、この作品で起こることや早希達がそこから得る教訓は、現実世界への風刺になり得るのでは。

    無瞋上人の言葉で納得できないことがひとつ。「他人の痛みを、わがこととして感じられる」ことが「人と獣を分かつもの」だと言っているけれど、獣だって自分の子供や飼い主を守ったり助けようとしたりする。
    痛みを感じるから人間、感じないなら人間ではない=獣、ということではなく、人間だって動物の一種であるし、痛みを感じないのは単に病気だから、精神疾患を患っているから、ただその違いだけだと思う。だから人間だろうが犯罪は犯すしいじめるし、そこに生物として優位なことは全く無いと考える。
    まぁ無瞋上人は早希に印象付ける為に例えで言ったのかも知れないけれど……。


    私の調べ学習は続く。

    20190917

  • 人間が超能力を持つようになった遠い未来の話。
    上巻では先の展開が全く読めないのですが、引き込まれているのは間違いない。

  • 60

    面白い、徹夜本と聞いていた新世界より。
    SFだから世界観や用語説明などがあって、冒頭200ページ読むのに二週間かかった。苦手なの。
    最初から不穏な話だし、怖い~と思いながら読み進めてた。 でも、サマーキャンプのときから、止まらなくなって一気読み!
    疑問に思いながらも巧妙に隠蔽されていた事実が明らかになり、残虐な過去を知ったときから面白さフルスロットル!!
    一気に上巻を読みました。
    貴志祐介のグロさ好きなんだよね、何回も読みたくなる。

    そのままの勢いで中巻に行きました。

    20190825

  • まだ上巻。中巻と下巻が控えていることを承知で、上巻を読んだ感想を。

    前半では、能力を持つ前の子どもたちが育てられる途上を描く。
    子ども時代を振り返るという形式での記述が上手く、淡い懐古を感じさせる読み味。

    まだ世界の全容を知らない子どもたちが大事に育てられるのだけど、それでもどこか不穏な雰囲気が漂う。
    それはカズオイシグロの「わたしを離さないで」を想起させた。


    そして後半からは夏合宿と称して、子どもたちは旅に出る。
    子どもたちは世界の真相を知り、そして身を持って外界の恐ろしさをも知っていく。

    未だ危機の真ん中にいるままで上巻は幕を閉じるので、すぐに中巻を購入した。これは続きが楽しみ。


    あらすじを読んで、SF好きの自分にはハマりそうな内容であることは分かっていたけど、実際に読んでみるとSFとファンタジーの中間と言ったところ。
    そしてテイストはジュブナイル小説の色が濃く、子どもの頃に読んでおきたかったと思わなくもない。

  • 主人公の子供の頃の、ある出来事に関する物語。たくさんの登場人物や、現在とは全く異なる自然、掟、教育、生物、能力の世界観がとても面白いです。情景を想像しながら読むのは少し難しいですが、ここまで異なった世界観だとそれもまた楽しく感じます。
    ある地点から物語の進行速度が一気に加速するように感じました。そして、それまでの伏線の貼り方がすごい。


    私は、初版当時の分厚い上下巻で読みました。子供の頃分厚い本に憧れて購入しましたが、長い間読まずに棚の奥に。というのも、読書が苦手だった私には耐えられないくらい長い物語の序盤。世界観が全く違うので、初めは何が言いたいのか全くわからず少し退屈に感じてしまいました。
    上下2巻の上巻の終わり(文庫版だと中巻の真ん中くらいかな?)に、やっと物語の幕開けという感じでお話に動きがあります。

    それからは、早かったです。続きが知りたくてどんどん読み進めてしまう。退屈しながら読み進めた上巻は全て物語の伏線になっていて。最後まで読むと「この作品すごく面白い!また読みたい!」とハマってしまいました。面白いマンガって何度も読み返しますよね?それと同じ感じ。また読みたくなってしまいます。

    伏線を張りつつ、こんなに世界観を広げていくお話を私は初めて読みました。(そんなに本読んでいないので、あくまで個人的感想ですが。)

    現実を忘れて読みたい本です。

    この本をお勧めしたい方↓
    ・壮大な物語が読みたい方
    ・常識に囚われないSFが読みたい方
    ・時間をかけてゆっくりと進む物語が読みたい方

    逆に、短期間でサラッと読みたい方や長い話が嫌いな方にはあまりお勧めしません。

    この作品はアニメにもなったそうで。アニメは見たことないのですが、このお話だったらアニメになるほどの躍動感があるね、と感心しました。

  • まだ上巻のみの感想ですが、単純にかなり面白い!
    ファンタジーものは久しぶりなのもありワクワクしながら読みました。

    ストーリーて思ったのは現代版ハリーポッターのような印象。学校に通いながら勉強や冒険で成長していく学園ものの側面と、教師を含め上層部に秘密を徐々に暴いていく点などが共通点でしょうか。
    にしても、独自のこの世界を直接ストーリーに関係なさそうなところまで詳細まで作り込んでいる事に関心します。

    続きを早く読みたい!

  • 秋の夜長に徹夜本!と思って、まとめサイトなどでも人気なこの本を読み始めた。

    最初は全部読み切れるかどうか心配していたが…220ページを過ぎたあたりから一気に面白くなった!
    他の方のレビューにもあるけれど、ちょっぴり退屈な200ページを耐えると、そのあとにはご褒美のような展開が待ち受けている。
    次はどうなってしまうんだ!という最後で、上巻は締めくくられている。

    2日で上巻を読み終えたので(予想以上に早かった)、次の休みにまた図書館へ行って続きを借りようとおもう。
    待ちきれない!
    読書休くれ!笑

  • 舞台は、今から1000年後、未来の日本。
    現代文明が滅び歴史が途絶えた後、呪術と呼ばれる超能力を使える人々が、のどかな田園風景の村の中で平和に暮らしている世界。
    主人公の5人の少年少女が、ハリーポッターっぽい呪術の学校で青春したり、村の外で化け物の戦いに巻き込まれたり。
    そして、ひょんなことからこの世界に隠された秘密を知り、最終的には人間や化け物も含んだ大きな戦いに発展していく。
    ジャンルとしては、和風ベースのSF+ファンタジー+ミステリー+ホラー。
    上中下巻で全1500ページの大作だけど、上巻の中盤あたりで物語に入り込んで以降は、長さを感じず面白く読めた。

    小説で感じた魅力は、「緻密な世界観」「物語のルールを守りつつ予想を裏切るストーリー展開」「哲学的な問いかけ」の3点。

    1.緻密な世界観
    西洋ファンタジー小説だと、指輪物語とかの定番の世界観(地理・歴史・生態系・魔法理論など)があるのだけど、この小説は和風な世界観をゼロから構築したところが先ず凄い。
    特に、村の結界の外で生きているグロテスクな生物の描写が無駄にリアルで詳細。
    最初はその描写が気持ち悪いのと詳細すぎるのとで、上巻の序盤、読む気力が無くなりそうになった。

    でも、上巻の中盤、失われた歴史が明らかになる。
    途絶えた数百年の歴史の中で何が起こったのか、なぜその歴史は忘れ去られなければならなかったのか、なぜ1000年前と違う生物が生きているのか、なぜ住民皆が呪力を使えるのか。
    謎がいくつも提示されると、どんどん物語に引き込まれた。
    特に、1000年前の文明が滅んだ後の奴隷王朝の描写。無駄に残虐でホラーテイストなのだけど、最後まで読むと必要な部分だったかもと思う。

    2.物語のルールを守りつつ予想を裏切るストーリー展開
    僕の理解では、SF作品の大前提とは、初期設定として読者に公開された世界観、つまり我々が住む現実世界とは異なる「いくつかの嘘」の整合性が、物語の最後まで崩れていないということ。
    そして、優れたSF作品とは、主人公が与えられた試練に対し、その世界観のルールに則った形で、しかし読者の予想を裏切る方法で解決していく作品だと思う。
    SFファンタジーには、初期設定の世界観作りを頑張りすぎて、ストーリー展開がそれを活かしきれないものもたくさんあるような気がするけど、この小説は高度に両立していると思う。

    この小説の世界では、人が人に呪力で危害を加えようとすると脳内的にストッパーが働いて攻撃できない、という絶対的なルールが存在する(お蔭で人間同士の故意の殺人や戦争は起こらない)。
    物語の後半、このルールを逆手にとった混乱が起こり、何度も絶望的な状況が訪れるのだけど、物語上のルールは守りつつ、でもその裏をかいた形で主人公は試練を克服しようとする。
    読んでいて、何度も裏をかかれるのだけれど、物語の中のルールを破っていないので納得できるし、裏切られるのが気持ち良かった。

    3.哲学的な問いかけ
    もう一つ、僕が感じる優れたSF作品の要素は、哲学の思考実験的な命題に気付かせてくれて、読後にあれこれ悩ませてくれる作品。

    この小説で問われていることとして感じたのは以下の3つ。
    ・世界の真実の姿を知らないまま平和に暮らすのと、真実を知って苦しみのある世界に飛び込むのと、どちらを選ぶか?(同テーマの別作品「マトリックス」)
    ・万能の能力を持つことで人類は幸せになれるのか?(同テーマの別作品「デスノート」)
    ・自分と外見や思想の異なるもの(この小説では人間並みの知能を持つ醜い化け物)に対して、人は仲間意識を持てるか?(同テーマの別作品:「彗星のガルガンティア」)

    どれもはっきりとした答えは無いし、考えても仕方のないことかもしれないけど、現実世界の社会問題・国際問題に置き換えて考えることは意義のあることなんじゃないだろうか。
    まあでも、そんなことを考えなくても、素直に楽しめるエンターテインメント作品だとは思う。

  • 雰囲気、世界観、醸し出される空気といったものが巧みに描写されていてどっぷり世界にはまり込める作品でした。
    SF、ファンタジー、ミステリー、ホラー、どのジャンルに属するのかわからない、というより全ての要素が融合してとにかく凄く面白かったです。
    久しぶりに読む手が止まらなかった。

    ただ、やっぱりこの著者の描くグロテスクなシーンの描写の仕方?表現方法?があまり好きになれないですね。
    元々自分があまりそういったものが好きでは無いというのもありますが。
    一貫してそのような作品ばかり書いてるようですが、せっかくこれだけの世界観を構築し表現する筆力があるのだから、是非残虐さに捉われない作品も書いてみて欲しいです。

  • amazonで序盤は世界観とかが分かりにくいっていうレビューが多かったと思うけど、それ知ってたからかそうでもなかった。生活様式や生き物1つ1つに対して細かい描写があって、作者は世界を一から作り上げてるんだと妙な感動を覚えた。一字一句を大切に読めた作品。

  • いかにも講談社ノベルスという感じの大長編でした。
    長いだけの価値はあります。

    高里椎奈や恩田陸みたいなふわふわしたファンタジーと思いきや、読み進めていくと SF という。
    どんどんどんどん、風呂敷が広がっていきます。

    ほんと、怖い。
    ホラーじみた世界観も怖いけど、なにより、風呂敷を広げるだけ広げて畳む気がないのだろうか心配になって怖いのです。

    (中)に続く。

  • ようやく読了しました、「新世界より」。貴志祐介といえばホラーではありますが、この本はまさにSFと呼ぶに相応しい、ブレのない作品でありました。
    主要な登場人物の人数もちょうど良く、名前も覚えやすく、世界観にのめりこんで読むことが出来ました。
    日常から始まり、その日常に見え隠れする暗い影を言及していくにつれて、その世界の真相へ近づいていく…割とありがちな話の筋ではありますが、この作品には設定による様々な制約が存在し、それがキャラを引き立て、世界を引き立てているように思えます。
    上巻から中巻にかけての、突如として訪れる非日常っぷりにはなかなか緊張感がありましたね。大どんでん返しというものはありませんでいしたが、SFに若干のホラーが混ざる貴志祐介の世界の描き方は読んでいて飽きません。最後の最後に書かれるバケネズミの詳細には驚いた。なるほど、そこでミノシロモドキの伏線を回収するか…と納得。
    ネタバレレビューなので書きますが、記憶回想が太字で書かれているのでそこは強調があって読みやすいし、本文中に出てくる箇所でもあるので自分で読んだその前後を「確かあんな感じだったな」と思い出しながら読めて楽しかったです。
    貴志祐介の次なるSFに期待したいところです。上中下となかなかの長編ですが、このくらいの物量があったほうが楽しめそうです。

  • SFと定義されていますが、自分の中でこの本はディストピア小説ではないかと感じました。独自の世界観を理解するために200ページ以上読み進まなければいけませんが、中盤以降話が一気に加速します。3冊一気に読むことをおすすめします。

  • 瞬、早季、覚、真里亜、守

  • まさか Panasonic製だなんて…

  • もの凄く久しぶりにSFを読んだ。
    一言感想:「想像力は、無限の希望にも絶望にもなるんだなぁ・・・」

    1000年後の未来、能力を持つ人間が暮らす集落が舞台。異形の生物との戦いで知る世界とは・・・という王道チックなSFミステリー。

    物語序盤は世界観を徐々に説明しながらの世界観描写でじりじりとした違和感を持つものの、中盤以降はめまぐるしい展開に引き込まれる構成。
    時に「この描写は必要なのかな?」と感じる部分もあったけれど、それを補って余りある疾走感があって、文庫版上中下巻を一気に読まされてしまった。
    結末は想像の範囲内だったけれど、それでも色々な「想像力」を掻き立てられる、出会えて良かった作品だった。

  • 上巻から怒涛の展開で、ぐいぐいと引き込んでくれる。中巻楽しみ。

  • 1000年後の日本が舞台のディストピアSF。1000年後といってもサイバーパンクのような機械仕掛けの世界ではなく、H・G・ウェルズの『タイムマシン』のような、自然と調和の取れた郷愁を誘うユートピアのような世界観で描かれている。田舎の田園風景のような穏やかな世界の裏に、日本の民俗学を元にしたおぞましい背景が見え隠れしていて、ページを繰る手が止まらない。とにかく世界観の作り込みが濃密かつ、謎の多い話なので、上巻を終えた後にはすぐに中巻へと手を伸ばしたくなるだろう。

  • 初めての貴志祐介作品だったと思う
    世界観、文章、構成
    とにかく衝撃だった

  • 1000年後の日本。

    「念動力」が日常となっている世界観。
    聞いたことも見たこともない生物がいっぱいなのに、すんなり入っていける。

    子供たちの知らないところでは、きっととんでもない社会があるのだろう。

  • 面白い!
    ファンタジーっぽい感じで映画化されそーな感じの話。
    田舎な雰囲気も◎

    • onmrさん
      御存知かもですが、30分×25話でアニメ化されていたりします。
      御存知かもですが、30分×25話でアニメ化されていたりします。
      2019/01/02
    • だりあぽっぽさん
      らしいですね!ぜひ見ようと思います。情報ありがとうございます♪♪
      らしいですね!ぜひ見ようと思います。情報ありがとうございます♪♪
      2019/01/03
  • 入院中に一気読みした。

  • もう面倒になりそうなくらい徹底された世界観だけど読んでるとぜんぜん苦じゃない、すごい アニメをみれば世界観は一瞬でつかめるんだろうけど文字だけで必死に町の情景を想像するのが楽しくてしかたなかった 次巻もゆっくり丁寧に読みすすめたい

  • どうやら、現代より1000年ほど後の世界らしい。人間は数を減らし、八丁標という結界の中で幾つかの郷に分かれて暮らしている。呪力を操り、バケネズミという知能の高いネズミから神と崇められている。ミノシロモドキ(国立国会図書館つくば館)の語ったところによれば、どうやら、先史文明(我々の現代社会)と本物語の世界の間には、文明の断絶が有るようだが…。徐々に秘密が解き明かされて行くのだろうか?

    独特の世界観にまだ十分ついていけてない。

  • 夜中の2時に読み始めて、5時間寝て、朝の10時には読み終わってた。厚いのに、あっというま、おもしろい

  • 舞台は、1000年後の日本。
    人々は念動力(サイコキネシス)を使えるようになっていた。
    人ひとりが簡単に世界を滅ぼせる強大な力を持ちながら、
    争いのない平和な世界を築き歴史を重ねていくためには、、、。

    新たな足枷を必要とした新世界の話は、
    何もかもが想像を絶していて面白かったです。

著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学経済学部卒。96年『十三番目の人格-ISORA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2017年 『ダークゾーン 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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