新世界より(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 10008
レビュー : 860
  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062768535

作品紹介・あらすじ

1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。周囲を注連縄で囲まれたこの町には、外から穢れが侵入することはない。「神の力」を得るに至った人類が手にした平和。念動力の技を磨く子どもたちは野心と希望に燃えていた…隠された先史文明の一端を知るまでは。

感想・レビュー・書評

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  •  書店で目にし、どうしても読みたかった。2008年、第29回日本SF大賞を受賞した本書です。

    1000年先の未来。
     文明はある理由で滅び、生活は明治以前の電気の無い時代に良く似ています。
    江戸時代と違うのは、人々は「呪力」を持ち、「呪力」に頼って生活しています。

     読み始めてすぐに「ハリーポッター」と連想しましたが、改めて思うと
    「悪意や攻撃性を題材にした、グロテスクな日本版ハリポタ」と言った感じでしょうか。(あくまでも私感です)

    設定はSF的ですが、内容はファンタジー。ミステリーな要素も含んでます。不思議な気持ち悪い動物も数多く登場します。

    下巻まで一気の読んで分かった。(と思ってる)
    「悪鬼」や「業魔」はいつも私たちの心の中にあり、潜んでいます。相変わらず無くならない悲惨な事件のほとんどは、この「悪鬼」や「業魔」のせいです。
    恐らく、混迷する政治もコレのせい。
    物語に出てくる「攻撃抑制」と「愧死機構」を持つ必要のない世の中になる事は、現代においても恐らく実現することは無いんでしょうね・・・

     恥ずかしながら、著者(貴志さん)の本は全く読んだことが無く、名前さえ知りませんでした。ホラー小説を良く書かれる方のようで、なるほどと思わせるエグイ描写が多いです。

    「リング」で著名になった鈴木光司と同じく、ホラー小説家が書くファンタジーは素晴らしい。

    「新世界より」当たりでした。

  • 貴志祐介さんはやはりどこか狂気じみた才能の持ち主だ。
    千年後の世界より、さらに千年後の同胞に向けられた語り。
    超能力を持つ人間ばかりの集落、その人間を神と畏れ労働力として使われているバケネズミ、ミノシロや風船犬、カヤノスヅクリ等得体の知れない生物たち…この不気味な世界で何が起こるのか。伏線がはりめぐらされている気がする上巻、読了。

  • 主人公の子供の頃の、ある出来事に関する物語。たくさんの登場人物や、現在とは全く異なる自然、掟、教育、生物、能力の世界観がとても面白いです。情景を想像しながら読むのは少し難しいですが、ここまで異なった世界観だとそれもまた楽しく感じます。
    ある地点から物語の進行速度が一気に加速するように感じました。そして、それまでの伏線の貼り方がすごい。


    私は、初版当時の分厚い上下巻で読みました。子供の頃分厚い本に憧れて購入しましたが、長い間読まずに棚の奥に。というのも、読書が苦手だった私には耐えられないくらい長い物語の序盤。世界観が全く違うので、初めは何が言いたいのか全くわからず少し退屈に感じてしまいました。
    上下2巻の上巻の終わり(文庫版だと中巻の真ん中くらいかな?)に、やっと物語の幕開けという感じでお話に動きがあります。

    それからは、早かったです。続きが知りたくてどんどん読み進めてしまう。退屈しながら読み進めた上巻は全て物語の伏線になっていて。最後まで読むと「この作品すごく面白い!また読みたい!」とハマってしまいました。面白いマンガって何度も読み返しますよね?それと同じ感じ。また読みたくなってしまいます。

    伏線を張りつつ、こんなに世界観を広げていくお話を私は初めて読みました。(そんなに本読んでいないので、あくまで個人的感想ですが。)

    現実を忘れて読みたい本です。

    この本をお勧めしたい方↓
    ・壮大な物語が読みたい方
    ・常識に囚われないSFが読みたい方
    ・時間をかけてゆっくりと進む物語が読みたい方

    逆に、短期間でサラッと読みたい方や長い話が嫌いな方にはあまりお勧めしません。

    この作品はアニメにもなったそうで。アニメは見たことないのですが、このお話だったらアニメになるほどの躍動感があるね、と感心しました。

  • H29.12.16 読了。

    ・初貴志祐介作品。1000年後の日本の神栖66町を舞台にした物語。しめ縄に囲まれた町、神の力といわれるサイコキネシス、悪鬼、業魔、バケネズミ、風船犬などなどの独特な世界観。たまりませんね。
    中巻も楽しみです。

  • 文庫で上、中、下に及ぶ超大作だが、一気に読める傑作。独特の世界観にドップリつかれるし、ボディーブローを浴びたような読後感。日本の童謡や怪談など土着的な気持ち悪さ、おどろおどろしさが楽しめる。もちろん手に汗握る逃走劇など、見せ場盛りだくさん。バケネズミや不浄猫など、名前を聞いただけで、それ一体何!?と、興味がわく不気味な生き物が続々と登場。ただ、超大作だけにちゃんと集約されるのか不安だったが、しっかりと落としどころに持っていき、きちんと終わる。脂汗をかいたり、冷や汗をかいたり、背後が気になったりと、正直疲れたがすごく面白かった。

  • 長い長い物語。独特の世界観を説明するための、前置きにあたる部分がまた長い。ここで挫折する人もそれなりにいるのでは?と思いますが、のれれば一気に読破できるようにも思います。

    以下、下巻までの感想を一気に。

    遠い未来、人口は激減、科学技術は衰退し、人々は「呪力」という一種の超能力に頼って生きている。争いごとのない、穏やかで平和な世界は、徹底的に管理された歪で冷酷な世界でもあった。子供の頃の冒険が、世界をあげて隠してきたその秘密を少しずつ紐解いていく。

    バケネズミという知能の高い生き物の争いを発端に、町は空前前後の危機に襲われる。しかし、人間達にはそれに対抗する術はなかった。

    主人公の回想という形式が、決死の戦いに挑む彼女が無事だったことのネタバレになってしまっています。その他にも、設定の粗が随所に・・・

    ただ、圧倒的な力をもってしまった人間の驕りとか、無意識の差別意識とか、支配欲とか・・・誰もがおそらくもっているであろう、人間の醜い部分の恐ろしさと、それを隠したり押さえ込んだりすることで生まれるゆがみの危険性とか、まかり間違えば、誰にも手のつけられない世界が生まれてしまうのかもしれない、という危機感とおぞましさのようなものが、読後感にゆらゆらと立ち上ってくるような読後感です。

    しかし、一番おぞましいのは、作品中の「教育」、「倫理」という言葉ですね。

    痛い表現、グロい表現が随所に。なのに登場人物たちは、あんまり気にしてなさそうな感じ。前半はそうじゃないように思うので、生きるか死ぬかの場面では気にならなくなる、ということなのか、だんだん麻痺してくるということなのか・・・。たとえば、奇狼丸の扱いはそんなもんでいいの? その判断に、後悔はないの? そういうところにも空恐ろしさを感じます。けど、たぶんその辺までは作者は意図しておらず、表面的になぞっただけのような。その点、ちょっと物足りない。

  • 気分的にすごく夏休みなので(実際は明日も仕事ですが)、小中学生の頃みたいに現実味のない長めのSFとか読みたいな。と思って本屋をうろついていたところ遭遇。この著者の『黒い家』とか『天使の囀り』とか『青い炎』とか、そういや中学生のとき読んだな・・・と懐かしく思い、手に取りました。

    現時点では、義務感で読んでます。面白く・・なるんだ・・・よね?と。SFはねー・・・どうしても世界の描写が長くなるからねー・・・
    歳をとるにつれ、そこでの想像力を湧かすことに熱中できなくなってきているのを感じます。

    とりあえず中巻の「読ませる力」に期待。時間かけて読むだけの読後感がありそうかどうか、中巻の1/3ぐらいを読み終えた時点で、判断したいと思います。

  • 最初の印象は宮崎駿のアニメを連想した。
    読み進むうちにどんどん加速度がついていく感じ。

  • めちゃくちゃドキドキします!気味の悪さとミステリー(?)とが混ざり合って最高ですね。
    アニメから入りましたけど、結構忠実にアニメ化されてたんだと気付きました。ユートピアが実はディストピアだったって(ディストピアとは違うか?)最高にドキドキさせてくれます!

  • まだ上巻のみの感想ですが、単純にかなり面白い!
    ファンタジーものは久しぶりなのもありワクワクしながら読みました。

    ストーリーて思ったのは現代版ハリーポッターのような印象。学校に通いながら勉強や冒険で成長していく学園ものの側面と、教師を含め上層部に秘密を徐々に暴いていく点などが共通点でしょうか。
    にしても、独自のこの世界を直接ストーリーに関係なさそうなところまで詳細まで作り込んでいる事に関心します。

    続きを早く読みたい!

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学経済学部卒。96年『十三番目の人格-ISORA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2017年 『ダークゾーン 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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