新世界より(中) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.11
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本棚登録 : 8874
レビュー : 593
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062768542

作品紹介・あらすじ

町の外に出てはならない-禁を犯した子どもたちに倫理委員会の手が伸びる。記憶を操り、危険な兆候を見せた子どもを排除することで実現した見せかけの安定。外界で繁栄するグロテスクな生物の正体と、空恐ろしい伝説の真意が明らかにされるとき、「神の力」が孕む底なしの暗黒が暴れ狂いだそうとしていた。

感想・レビュー・書評

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  • 誰が真実に近いのか。人間はどこへ進もうとしてるのか。バケネズミ怪しい…バケネズミの視点から人間を見れば、そりゃ恨みも積もるだろうな。いい加減、大人も信用できなくなってきた。
    ミノシロモドキにもう一度会わせてほしいな。色々聞きたい。そして唐突な性描写には戸惑ってしまう笑
    妙に狭い地域に限定された話だけど日本やアジア、世界はどうなってるんだろう。日本の人口も5万人足らずという話もあった。果たしてこんな町の存在が成り立つものだろうか。

    主人公は町、大人、人間の真実を突きつけられる。そして実験対象になっていた主人公は自らの意思で抗うことを決意する。

    愧死機構(きしきこう)と言われる遺伝子に組み込まれた、攻撃抑制機能により、人は人を殺せない。
    その機能が正常に動作しない人は悪鬼と呼ばれ、自らの力をコントロールできない人は業魔と呼ばれる。
    どちらも処分対象であり、教育委員会の決議により抹殺され、人々の記憶からも消される。
    残酷ながらも、人類が生きるために作られたシステムだった。

    失われた記憶が主人公達を核心へと進ませる。
    下巻へ進む。

  • 【感想】
    上巻を読み終わった後、続きが気になって間を置かずにすぐに読み終えました。
    窮地から帰還し、封印された呪力を取返すことに成功した早季たち。
    無事日常に戻れたかと思われたが、そんな中、グループ一の能力を持つ瞬が業魔化してしまう。
    また、親友である真理亜との別れも・・・・

    結局は、保守的な大人たちの為に子どもが選別されていく。
    勿論、組織の存続の為とはいっても・・・・
    こういった事が積み重なって、上巻で書かれていた「最悪の状況」へと世界は進んでいったのでしょう。

    上巻に引き続き、世界観もキャラクターも設定も非常に完成度の高い1冊でした。
    ただ、上巻に続いて、「この時は、〇〇のようなことを想像もしていなかった」など、期待を煽る記述が本巻にも多かったのには些か閉口(笑)
    ちゃんと伏線回収しているんだけど、そんなに期待煽られちゃうと、気になりすぎて読むことを中断できなくなるんですけど・・・・

    この勢いのまま、下巻も読みます。

    【あらすじ】
    町の外に出てはならない――
    禁を犯した子どもたちに倫理委員会の手が伸びる。
    記憶を操り、危険な兆候を見せた子どもを排除することで実現した見せかけの安定。
    外界で繁栄するグロテスクな生物の正体と、空恐ろしい伝説の真意が明らかにされるとき、「神の力」が孕(はら)む底なしの暗黒が暴れ狂いだそうとしていた。


    【引用】
    1.「呪力は、常に漏れ出している。僕らは、ある意味では無意識の命ずるままに、周囲の世界を改変し続けているんだよ」
    「八丁標は『穢れ』、つまり漏出した呪力を外に放出するための心的装置なんだ」

    2.瞬が業魔に・・・
    呪力の漏出が止まらないんだ。それも、どんどん激しく、制御不能になりつつある。
    無意識の暴走により、呪力の異常漏出が起きて、周囲のものすべてが破壊的な影響を受け、異形化してしまう。
    これが橋本・アッペルバウム症候群だ。
    僕は、業魔になったんだよ

    3.真里亜からの早季への手紙
    町を離れてみて、はっきりとわかったことがあります。
    わたしたちの町は、異常です。
    そうは思いませんか?町の安定と秩序を維持するために、子供たちを殺し続ける町が、人間の社会としてまともでしょうか?
    ミノシロモドキの話では、今の状態に至るまでに、血みどろな歴史があったということでした。
    でも、今の町は過去のどんな暗黒時代と比べても、自慢できるような代物じゃないと思います。

    それは、大人たちが、心の底から、子供たちを恐れているという事実です。


    【メモ】
    新世界より 中


    p97
    自ら真言(マントラ)を唱えることで呪力を取り戻したときには、してやったりという気分だった。
    タブーを犯しながらも、まんまと大人たちを出し抜き、ついに再び神の力を得ることができたのだから。

    それが、とんでもない錯覚であるとは、想像だにしなかった。


    p187
    「呪力は、常に漏れ出している。僕らは、ある意味では無意識の命ずるままに、周囲の世界を改変し続けているんだよ」

    「早季は一体、八丁標(はっちょうじめ)は何のためにあると思ってた?外から何かが襲ってきた時、あの注連縄(しめなわ)が防ぎになると思うか?
    八丁標は外敵ではなく、内なる敵に対処するために作られたんだ。この場合の敵は、絶えず漏出している僕らの呪力だ。悪鬼にせよ業魔にせよ、僕らにとって恐怖とは、内からやって来るものなんだよ」

    「八丁標は『穢れ』、つまり漏出した呪力を外に放出するための心的装置なんだ」


    p190
    「わかるだろう?これが、僕におきたことの結果なんだよ。
    呪力の漏出が止まらないんだ。それも、どんどん激しく、制御不能になりつつある。無意識の暴走により、呪力の異常漏出が起きて、周囲のものすべてが破壊的な影響を受け、異形化してしまう。これが橋本・アッペルバウム症候群だ。
    僕は、業魔になったんだよ」


    p418
    ・真里亜からの早季への手紙
    町を離れてみて、はっきりとわかったことがあります。
    わたしたちの町は、異常です。
    そうは思いませんか?町の安定と秩序を維持するために、子供たちを殺し続ける町が、人間の社会としてまともでしょうか?
    ミノシロモドキの話では、今の状態に至るまでに、血みどろな歴史があったということでした。
    でも、今の町は過去のどんな暗黒時代と比べても、自慢できるような代物じゃないと思います。

    それは、大人たちが、心の底から、子供たちを恐れているという事実です。

  • 442ページ、中巻読了。5人の少年少女が被る過酷な運命や、徐々に明らかになる街の秘密、人類が辿った歴史、不気味なバケネズミの行動、ますます先が気になります。下巻に続く。

  • 【文庫で再読】2020年積読本消化30冊目。

    ロイス・ローリーの作品を読んでから『新世界より』を読むと共通点が多いなと思う。特に最後の橇のシーンなんかもうギバーしてる。
    上巻をノンストップで読んだけど、中巻はそれよりもスピードアップした。ところどころ思わせぶりで、しかも中二っぽい…なんて全然気にならなくなった。面白いものは面白いし好きな世界観はやっぱりイイのである。

    夏キャンプ後の委員会の査問会、瞬の業魔化そして別れ(涙)、記憶操作、守の家出一緒に消えてしまう真理亜。そして捜索を阻む雪雪雪。

    「夏闇(承前)」「深秋」「冬の遠雷」中巻の最大の盛り上がりポイントは早季と瞬の切ない別れ。この巻で早季の能力が明らかになる。下巻を買いに行かないと。

  • H29.12.22 読了。

    ・悪鬼、業魔の正体とは。5人の仲間たちの運命は。教育委員会、倫理委員会、バケネズミ、不浄猫などなど。
    独特の世界観が後巻、どんな物語の終焉が待っているかを期待させる展開は、読んでいて面白い。
    後巻も楽しみ。

  • 核爆弾並みの破壊力を持つようになった人間たち。悪鬼や業鬼の正体。記憶を操作され、危険分子は不浄猫により排除された上で成り立っていた世界。大切な人が消えたことさえはっきり思い出せなくなった早季たちだったが、守の失踪によりその違和感の正体に向き合うことになる…。
    ボノボに倣った過剰なスキンシップがエロチックな中巻、読了。

    • 円軌道の外さん

      コレ今アニメで見てます!(^O^)

      今14歳で
      大人で優等生な瞬が
      失踪したところで、
      もう毎回手に汗握りながら
      テレ...

      コレ今アニメで見てます!(^O^)

      今14歳で
      大人で優等生な瞬が
      失踪したところで、
      もう毎回手に汗握りながら
      テレビにかじりついてます(笑)

      小説の方が
      やっぱ面白いのかな?

      2012/12/05
    • hetarebooksさん
      円軌道の外さん

      アニメ・・・どうなんでしょう。。小説はさすが貴志さんで、かなり作りこまれていて圧倒されますよ。

      アニメは絵柄に...
      円軌道の外さん

      アニメ・・・どうなんでしょう。。小説はさすが貴志さんで、かなり作りこまれていて圧倒されますよ。

      アニメは絵柄によって萌え系になってしまいそうなシーンもありますね。
      2012/12/06
  • 中巻はあっという間に読んでしまった。続きが気になってぐいぐい引き込まれていたせいでしょう。
    ずっと一緒に助け合ってきた仲間との別れは辛い。
    そしてバケネズミに対する不信感が常に付きまとっている。これも恐怖を煽るひとつの要素。
    中巻が一番怖さを感じたかもしれない。

  • アニメで話の流れは分かってるけど、やっぱり小説の方が動機が分かる。気になってたことが書いてあった。

    この巻で、覚が早季のことを好きなことは充分伝わったんだけど、それなのに、瞬の幻影がいつまでも付きまとう。早季も同じ。教育委員会に記憶を操作されたはずなのに、顔のない少年Xはぼんやりと思い出せる。記憶の消去は完全にはできないものなのか、早季達の能力なのか。覚と早季が過去に好きだった同じ人にいつまでも囚われているのが不思議。

    それにしても、自然界の動物は人間からしたら想像もつかない特性を持っていたりする。自爆する蟻、攻撃抑制が備わったオオカミ、獰猛な塩屋虻…
    人間とはほんの小さな世界に住む生き物で、人間の常識など自然界から見ればほんの一部の事象・考え方であり、人間の世界を出れば常識は常識ではないのだと感じる。例えば500歳「も」生きる鮫がいるけれど、それは人間の寿命を基準にしているだけで、その鮫にとってはそれが常識。
    人間が自然界の頂点の様に考えるのはとんでもない勘違い。だから温暖化や自然災害やウィルス等によって、度々人間の弱さを認識させられ、自然を蔑ろにすればこうなるんだと警告されている気がする。

    瞬との最後は小説だとより具体的で、瞬は両親に命懸けで助けられたけど助からず、自らも命懸けで早季を助けて…なんという残酷な話。業魔とは瞬のように聡明で、だけど人よりも色んな世界が見えてしまう分、一人で多くの悩みを抱えるような子が罹るんだろうか。
    この世界では極端に重要視されるけど、心身共に問題なく健康な状態こそ、本当の健康だと言えるのだろう。たとえ身体は病気に罹っていなくとも、心が病んでいる、歪んでいる、不安定であれば、外に現れる。この世界では呪力を暴走させてしまう。それが瞬の言った、本当の恐怖は内側にあるということ。
    この物語は、精神疾患とそれに伴う身体的な特徴、欠陥をものすごく極端に表現したものではないだろうか。

    中巻で(アニメでも)一番印象に残っているのが、富子さんによる悪鬼Kの回想。悪いと分かった上で攻撃するので救いようがない。後悔や反省がない。それどころか騙したり楽しんでいるようにさえ見える。
    精神的には未熟なのに最悪のおもちゃを渡してしまったがために、町が壊滅状態に…教育委員会や倫理委員会が必死で人を選別するのも無理はないと思わせるほど。
    もしKが風邪を引いて病院に行かなかったらどうなっていたのか…しかもその病院での出来事がかなりのトラウマ。

    テロメアについて初めて知った。どうして短くなっていくんだろう。なぜ完全な長さではコピーできないんだろう。本当に生命って不思議。
    短くならないようにする研究ももちろんされているんだろうな。

    結末も知っているんだけど、もっと細かい事情が知りたい。特にバケネズミの。
    下巻へ。

    20200216

  • 上巻に比べ圧倒的に読み進めるスピードが早かった。

    上巻で書かれていた違和感が少しずつ形になっていて、世界の全貌が見えてくるところが面白い。

    アニメは昔見た記憶がある。よく理解できなくて記憶は断片的だけど、終わりだけは覚えてる。だからある登場人物がこれから何をするのかが怖い。

  • 続けて中巻も読了。上巻で触れられていたが、1班の仲間たちがだんだんと散り散りになっていく。業魔化した瞬、その影響で変異してしまった愛犬すばるとの再会は切ない。そして真理亜と守も・・・。バケネズミの不穏な動きも絡めながら、物語は下巻へと続く。余談だけど、植芝理一氏のディスコミュニケーションの世界観をちょっと思い出すのは私だけか。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学卒。96年『十三番目の人格-ISOLA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2020年 『コロッサスの鉤爪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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