新世界より(中) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.10
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本棚登録 : 7850
レビュー : 553
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062768542

作品紹介・あらすじ

町の外に出てはならない-禁を犯した子どもたちに倫理委員会の手が伸びる。記憶を操り、危険な兆候を見せた子どもを排除することで実現した見せかけの安定。外界で繁栄するグロテスクな生物の正体と、空恐ろしい伝説の真意が明らかにされるとき、「神の力」が孕む底なしの暗黒が暴れ狂いだそうとしていた。

感想・レビュー・書評

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  • 核爆弾並みの破壊力を持つようになった人間たち。悪鬼や業鬼の正体。記憶を操作され、危険分子は不浄猫により排除された上で成り立っていた世界。大切な人が消えたことさえはっきり思い出せなくなった早季たちだったが、守の失踪によりその違和感の正体に向き合うことになる…。
    ボノボに倣った過剰なスキンシップがエロチックな中巻、読了。

    • 円軌道の外さん

      コレ今アニメで見てます!(^O^)

      今14歳で
      大人で優等生な瞬が
      失踪したところで、
      もう毎回手に汗握りながら
      テレ...

      コレ今アニメで見てます!(^O^)

      今14歳で
      大人で優等生な瞬が
      失踪したところで、
      もう毎回手に汗握りながら
      テレビにかじりついてます(笑)

      小説の方が
      やっぱ面白いのかな?

      2012/12/05
    • hetarebooksさん
      円軌道の外さん

      アニメ・・・どうなんでしょう。。小説はさすが貴志さんで、かなり作りこまれていて圧倒されますよ。

      アニメは絵柄に...
      円軌道の外さん

      アニメ・・・どうなんでしょう。。小説はさすが貴志さんで、かなり作りこまれていて圧倒されますよ。

      アニメは絵柄によって萌え系になってしまいそうなシーンもありますね。
      2012/12/06
  • きてるねー、これはきてる。
    根底にあるのは「悪の教典」とも通ずる、業というか「人の世の矛盾」
    とか、そういうはかりしれない流れ。濁流…ふぅー…すごい。
    「ハリー・ポッター」にも通ずる深い世界観。ファンタジー風味。

    そう、なんらかで「閉塞」された世界。ここでは「結界」。
    昨今こういうテーマが目につく。安寧とは…なんじゃろか。
    漫画なら「進撃の巨人」とか「約束のネバーランド」とかー。
    集合体を守る「壁」とは、果たして防壁なのか檻なのか。
    おおよそにおいて隔離された場所とは常とは異なるということである。

    子供の遊戯である「かごめかごめ」を思い出す。
    あれはカゴの中の鳥を囲み
    手をつないだ円陣で囲み周り歌う。「後ろの正面だぁれ?」と。
    内側を向いて囲んでいるので、囲いの外を見ることができません。
    なのに、中にいる目をつむった「カゴの中の鳥」に問いかける。見えるものは何?

    現代社会を過去と未来を織り交ぜながら、並行的に「縮図」してる。
    時として無垢な子供の視点から、またある時は神の視点から。
    見えるものは「鏡像」のように「幻影」のように、意識の上を走る。

    外殻に覆われ守られる事を「理」とするならば、その殻は必ず
    「内部からは破ることができる」ものでなくてはならない。
    殻を破ることのできない卵からは雛は生まれない。
    殻の役目は中身を守ること、そして殻は破られることが理なのだから。

    と、そんな事を考えながら…あぁーもう下巻に入るぅ。

  • すごい勢いでよんでしまった。

    瞬のところを読んで。
    女の子のところを読んで。
    Kのところを読んで。

    何が正しいのだろう。
    誰の判断が正しいのかって。
    守は処分されるべきなのか否か?
    100人の犠牲より1人の犠牲?

    人間の考えることが恐ろしい。
    排除するのが正しいのか。
    共存するにはどうすればいいのか。

    読むの怖いけど。。続けてよむぞ下巻!
    これ読み終わったら心に優しい本を読むんだ…絶対…←

  • 著者:貴志 祐介
    発行日: 2011/1/14
    評価:★★★★☆  (所要時間:2.5時間)
    読破冊数: 27/100冊


    ■こんな人におすすめ

    ・怖い思いをしたい人
    ・不気味なものを見たい人
    ・純粋な仲間を思う気持ちを味わいたい人

    ■概要

    受賞歴
    第29回(2008年) 日本SF大賞受賞

    内容紹介
    プラチナ本 OF THE YEAR 2008『ダ・ヴィンチ』第1位

    恐怖とは内から芽ぐむ。
    人間の心から出た膿が、社会を、自らを異形化させる。

    心に埋め込まれた暗示が、都合の悪い記憶が蘇るのを妨害しているのだろうか。知らない方が安全――でも。警告は繰り返される。

    町の外に出てはならない――禁を犯した子どもたちに倫理委員会の手が伸びる。記憶を操り、危険な兆候を見せた子どもを排除することで実現した見せかけの安定。外界で繁栄するグロテスクな生物の正体と、空恐ろしい伝説の真意が明らかにされるとき、「神の力」が孕(はら)む底なしの暗黒が暴れ狂いだそうとしていた。(amazonより)


    ■この本から学んだこと

    ・「ねえ。もう一人、いなかった・・・?」
    このセリフだけでサッと鳥肌が立ち、目が醒める感覚があった。

    本当に怖いし不気味。

    見えない無意識に対する恐怖心。
    腐ったリンゴを排除しようとする、町の機関や規則に対する恐怖心。
    大人が子どもの若さ故の自制心の未熟さに抱く恐怖心。
    動物が力の敵わない人間に抱く恐怖心。

    ここに出てくる人物たちは、
    いつも何らかの恐怖心と背中合わせだ。


    ・「鎖は常に、一番弱い環から破断するのよ。
    私たちは常に、一番弱い者に対して、気を配らないといけないの」

    この言葉に納得。

    昨今の大きな企業など、まさにこの言葉を忠実に再現している。
    身体や精神を壊した人たちに対して異常なまでに手厚い待遇をし、神経質に気にかけているのも見かける。
    会社があることないことで訴えられたらたまらないから、
    そうなるのも無理はないだろうが
    本当に壊れてしまった場合はいざ知らず、
    それを利用しようとする人間の心は、本当に弱いのか。本当に壊れているのか。
    そして気を配る側の人間の苦労は、どこへいくのか。


    ・「(唇の)その柔らかさを、いったいどう形容したらいいのだろうか」

    中巻では、上巻よりもリアルに具体的に性行為の場面が何度か描かれている。
    だが、これがまたいやらしさがなくナチュラルだから不思議である。

    覚と瞬(どちらも男)が始めるところなんてまるで子犬がじゃれあっているみたいだし
    早季と真理亜(どちらも女)の最後の長いキスなんて、涙が出そうになった。

    男女がどうとか、性交がどうとかより
    「仲間」「信頼」の感覚が先にあるからなのかもしれないが
    性行為をこんなにあっさりと書く小説を、私は初めて見た。

    新感覚の、「新世界より」である。

  • 上巻は読み終えるまで二ヶ月かかったのに、この中巻は2日で読み終えた。このまま面白いまま下巻も終えれますように!

  • 面白かった。総評を下巻に纏めます。

  • 松風の郷の変貌ぶりは背筋が凍るような心理的恐怖、違和感、
    つぎつぎと起こることへのヒロインの無力感、焦燥感、
    そしていままでの謎への核心へ迫る話。
    内容が多いなか早いテンポで話が展開していきます。
    しかし、こんなに死にそうになるヒロインは久々です。
    心理的にグロイ描写もこわい。

  • 続き即購入の後、秋の夜長にイッキ読み!本当にこちらもドキドキわくわくしながら読めました。

  • 上で感じていた違和感や謎の種明かしをしてくてる一方で、さらなる謎がたくさん出てきた。
    個人的には、3つの巻のなかで最も感動するシーンが多かったと思う。

  • 舞台は、今から1000年後、未来の日本。
    現代文明が滅び歴史が途絶えた後、呪術と呼ばれる超能力を使える人々が、のどかな田園風景の村の中で平和に暮らしている世界。
    主人公の5人の少年少女が、ハリーポッターっぽい呪術の学校で青春したり、村の外で化け物の戦いに巻き込まれたり。
    そして、ひょんなことからこの世界に隠された秘密を知り、最終的には人間や化け物も含んだ大きな戦いに発展していく。
    ジャンルとしては、和風ベースのSF+ファンタジー+ミステリー+ホラー。
    上中下巻で全1500ページの大作だけど、上巻の中盤あたりで物語に入り込んで以降は、長さを感じず面白く読めた。

    小説で感じた魅力は、「緻密な世界観」「物語のルールを守りつつ予想を裏切るストーリー展開」「哲学的な問いかけ」の3点。

    1.緻密な世界観
    西洋ファンタジー小説だと、指輪物語とかの定番の世界観(地理・歴史・生態系・魔法理論など)があるのだけど、この小説は和風な世界観をゼロから構築したところが先ず凄い。
    特に、村の結界の外で生きているグロテスクな生物の描写が無駄にリアルで詳細。
    最初はその描写が気持ち悪いのと詳細すぎるのとで、上巻の序盤、読む気力が無くなりそうになった。

    でも、上巻の中盤、失われた歴史が明らかになる。
    途絶えた数百年の歴史の中で何が起こったのか、なぜその歴史は忘れ去られなければならなかったのか、なぜ1000年前と違う生物が生きているのか、なぜ住民皆が呪力を使えるのか。
    謎がいくつも提示されると、どんどん物語に引き込まれた。
    特に、1000年前の文明が滅んだ後の奴隷王朝の描写。無駄に残虐でホラーテイストなのだけど、最後まで読むと必要な部分だったかもと思う。

    2.物語のルールを守りつつ予想を裏切るストーリー展開
    僕の理解では、SF作品の大前提とは、初期設定として読者に公開された世界観、つまり我々が住む現実世界とは異なる「いくつかの嘘」の整合性が、物語の最後まで崩れていないということ。
    そして、優れたSF作品とは、主人公が与えられた試練に対し、その世界観のルールに則った形で、しかし読者の予想を裏切る方法で解決していく作品だと思う。
    SFファンタジーには、初期設定の世界観作りを頑張りすぎて、ストーリー展開がそれを活かしきれないものもたくさんあるような気がするけど、この小説は高度に両立していると思う。

    この小説の世界では、人が人に呪力で危害を加えようとすると脳内的にストッパーが働いて攻撃できない、という絶対的なルールが存在する(お蔭で人間同士の故意の殺人や戦争は起こらない)。
    物語の後半、このルールを逆手にとった混乱が起こり、何度も絶望的な状況が訪れるのだけど、物語上のルールは守りつつ、でもその裏をかいた形で主人公は試練を克服しようとする。
    読んでいて、何度も裏をかかれるのだけれど、物語の中のルールを破っていないので納得できるし、裏切られるのが気持ち良かった。

    3.哲学的な問いかけ
    もう一つ、僕が感じる優れたSF作品の要素は、哲学の思考実験的な命題に気付かせてくれて、読後にあれこれ悩ませてくれる作品。

    この小説で問われていることとして感じたのは以下の3つ。
    ・世界の真実の姿を知らないまま平和に暮らすのと、真実を知って苦しみのある世界に飛び込むのと、どちらを選ぶか?(同テーマの別作品「マトリックス」)
    ・万能の能力を持つことで人類は幸せになれるのか?(同テーマの別作品「デスノート」)
    ・自分と外見や思想の異なるもの(この小説では人間並みの知能を持つ醜い化け物)に対して、人は仲間意識を持てるか?(同テーマの別作品:「彗星のガルガンティア」)

    どれもはっきりとした答えは無いし、考えても仕方のないことかもしれないけど、現実世界の社会問題・国際問題に置き換えて考えることは意義のあることなんじゃないだろうか。
    まあでも、そんなことを考えなくても、素直に楽しめるエンターテインメント作品だとは思う。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学経済学部卒。96年『十三番目の人格-ISORA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2017年 『ダークゾーン 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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