新世界より(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.21
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本棚登録 : 7546
レビュー : 770
  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062768559

作品紹介・あらすじ

夏祭りの夜に起きた大殺戮。悲鳴と鳴咽に包まれた町を後にして、選ばれし者は目的の地へと急ぐ。それが何よりも残酷であろうとも、真実に近付くために。流血で塗り固められた大地の上でもなお、人類は生き抜かなければならない。構想30年、想像力の限りを尽くして描かれた五感と魂を揺さぶる記念碑的傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 怒涛の勢いで読み終わった。
    読み終わってしまったことが悲しい…。


    お話は…
    呪力をもった人類が現れて、呪力のない人間と大戦争が起こる。そして勝ち残った呪力をもつ人類が築き上げた世界が、この本の今。語り手の渡辺早季が住む世界。

    呪力によって創り上げられ、何かがおかしい世界。その矛盾に気がつき、好奇心で探索を始める幼い頃の早季とその友達。大人になるにつれて消えてゆく記憶とほころびだす世界の歪み。




    設定はSFだけれども、ミステリーでもあり、戦争アクションでもあり、ファンタジーでもあり…分厚い文庫本3冊におもしろい!がいっぱい詰まった本!

    読み終えた後の達成感、爽快感、そして手に汗握るこの感覚。
    ぜひみんなに読んでこの感覚を味わってもらいたい、そんなお話。
    でも、おもしろいと同じくらい怖くなる。笑
    人間ってこわいね。
    怖いのが苦手な人は要注意。

  • なんだこれは! ものすごく面白かった!
    (と、こぶしを握る)

    ジャンルはSFということになっているのだそうです。少年少女が主役の近未来SFです。超能力と異人種が登場するファンタジー色のつよいサイエンスフィクション。けっして軽くない。目がくらむほど(物語としての)魅力に満ちた広大な世界と、そこにひびきわたる重低音の物語。細部までいきわたった繊細なディティール。
    世界の設定を思いついて、こんな風に文字にしてしまう、物語にしてしまう作者、すごいです。

    主人公早希も、周囲の少年少女は個性的で、魅力的でした。
    瞬と早希は永遠の、そして悲劇の初恋だから、最後まできらきら光っててとてもうまいと思ったし、真理亜と早希のカップルももすごくセクシーで可愛らしかった(百合!)、悪鬼の子どもの出生を知るとき父母のことをかんがえると胸が痛んで、救われてくれと祈らずにいられなかった。バケネズミたちも街のひとびとも、それぞれ印象深かったりかっこよかったり。

    ラストの怒涛の戦闘は圧巻。グロテスクで迫力満点なのは貴志さんお得意なのですね。
    …ものすごく電車乗り過ごしました。

    悪の経典ファンの方で、未読のかた、この本を読まずに一生終わらないほうがいいですよもったいないから。と。読み終えたいま、興奮気味にお勧めしたい。

    • とうかさん
      今日は!!
      花丸&コメントまでありがとうございます♪
      いつもとっても嬉しいです♪ヽ(´▽`)/

      すみません興奮ぎみに書いてしまいました。
      ...
      今日は!!
      花丸&コメントまでありがとうございます♪
      いつもとっても嬉しいです♪ヽ(´▽`)/

      すみません興奮ぎみに書いてしまいました。
      貴志さんは私もそんなにくわしくはないのですが、
      ドラマ化され「鍵のかかった部屋」のシリーズはよみやすいのかなと思います。ミステリーで、短編集もあります♪

      ただ本ごとにジャンルがちがうのと、
      個人的にいちばんおもしろかったのが「新世界より」なので…、 比較的スラスラよめてしまうお話ななこともあり、「新世界より」でいきなり入るのもありかなと思います!
      うーん難しいですが…!

      昔、映画になった「青の炎」も面白かった思い出があります(10年以上まえの記憶なんですが…)
      2013/07/24
    • vilureefさん
      こんにちは!

      お勧めありがとうございました。
      やはり「新世界より」がよさそうですね。
      これは頑張らないと!!
      レビュー、いつにな...
      こんにちは!

      お勧めありがとうございました。
      やはり「新世界より」がよさそうですね。
      これは頑張らないと!!
      レビュー、いつになっちゃうかな・・・(^_^;)
      2013/07/25
    • とうかさん
      ありがとうございます~。
      気が向いたときに思い出していただけたら嬉しいきもちです♪
      これからvilureefさんの読書旅マイペースに応援&楽...
      ありがとうございます~。
      気が向いたときに思い出していただけたら嬉しいきもちです♪
      これからvilureefさんの読書旅マイペースに応援&楽しみにしていますー (⌒‐⌒)
      2013/07/28
  • H29.12.26 読了。

    ・上・中巻で主従関係に見えた人間とバケネズミの関係性が壊れ、突如バケネズミたちが人間に戦いを挑んできた。しかもバケネズミには、切り札的な存在が出現し、人間は窮地に追いやられる。いかにして人間はこの戦いを乗り切るのか?
    そして戦い終わったその後の世界は…。

    とても読みやすく、面白い作品でした。上・中・下巻と飽きずに読ませる貴志さんは、素晴らしい作者だと思います。

  • この本の生み出す世界にすごく引き込まれた。大きな理由として、自分的にとても現実的である、現実味があるように思えたからである。
    確かに呪力という超常能力は現実的ではない、しかしだからこそ、他の、攻撃抑制や愧死機構、悪鬼や業魔など、現実に沿った、または起こり得ると納得できる事柄が、物語の重要なファクターとなり、それに深い印象を受けた。
    普段SF小説を読まないからあまり知らないが、もしかしてSF小説とは既存の知識をもとにあり得る事柄を描くものであり、ある意味では超現実的であるのかと思った。また、今回この本を読んで、自分はこんな世界観が大好きなのだと分かった。現代とは違った、だけど通ずるところがある、または不可思議の中に確かに現実味があるような世界が(今読んでいる携帯小説もそんな感じ、やっぱり大好き)。
    図書館で借りたが、ブックオフで売ってたら買おうかな。

  • 夏祭りの夜、ついに人間に反旗を翻し、奇襲を仕掛けたバケネズミたち。呪力という最強の武器をもつために、権力の上に胡座をかいてきた人間と、人間以上の科学技術を身につけ、虎視眈眈と下克上を狙って準備をしてきたバケネズミとの全面戦争が始まる。

    ほとんど丸々1冊、バケネズミとの戦いが描かれていた下巻。上巻を読んでいた時から既に、私にはこの世界が怖くて気持ち悪いものに見えていた。人が生まれた瞬間から既存の価値観に洗脳し、一見健全な上っ面だけを重視し、その体面を保つことだけに注力するこの世界が不気味で仕方がなかったのだ(というのもひょっとしたら、現代の価値観に洗脳されているのかもしれないが、思想信条や表現の自由がある分、柔軟な考え方ができるのは間違いなく今の日本だろう)。それゆえ、どちらかといえばまだ現代人の感覚を持ち合わせているように思われるバケネズミに感情移入して読んでいた。

    この世界の怖さは、あれだけ人間に協力した奇狼丸を平気で捨て駒にし、またそのことに感謝すらしていないことに象徴されるように思う。どれだけ「人が人を殺さない」「争いのない」世界と言っても、とても健全な感情をもった人の集まりとは思えない。人間が自ら神と称する世界なんて、ろくなもんじゃない。

    人間の味方をし、救った奇狼丸と、人間を殲滅しようとした夜狐丸の、神と崇めた人間に対する本音が全く同じというのは興味深い。支配と隷属の関係がどのように出来上がるか(力と知恵のどちらが重要なのか)、そうした構図も見えるし、逆に権力が崩れ落ちる理由を物語っているではないか。

    ラスト、バケネズミの正体が明らかになる。私が人間よりむしろ彼らの価値観に同調していたのは、やはり間違いではなかったのだ。むしろ、薄々そうなのではと潜在意識で思っていたことを突きつけられたショック。こんな後味の悪い小説は久々だ。バッドエンドは好きな方なのだが、それでもそう思ってしまう。貴志祐介氏は、救いのないストーリーを思いつく天才(そしてドS)ではないか。

    様々な社会になぞらえたり(まるで今の日本を皮肉っているようにも思う)と、考えさせられる作品であったことは間違いない。特に、中巻からはノンストップで読み進めた。壮大な世界観、圧倒的な読ませる力をもつ物語であった。

  • 感想は上・中・下巻まとめて。

    アニメ化をきっかけに再読。
    SF・ファンタジー・ホラー・ノスタルジー、さまざまなジャンルを内包した世界観は日常から離れたい時にふと読みたくなります。

    今からわずかに1000年後の設定なのですが、SFだのファンタジーだのいいながら、所々有り得そうな未来なのが怖い。

    ファンタジーは好きなのですが、その中でも「隠された都合の悪い真実の管理者に対して反論していく」物語が俺はどうも好きなようです。

    ファンタジーは世界観の説明が大変だなぁ、ということで最初に読んだ時は上巻の説明部が冗長だったイメージがありました。
    が、再読してみると意外とその部分が面白かった。
    中巻と下巻のスピーディな展開もやっぱり良かったです。

    自分で何の疑問も持たず、考えずに他人に管理してもらうことは楽なのですが、実は恐ろしいことなんですよね。
    その考える手助けになるのが現代の本であり、この世界のミノシロモドキだった。
    自分たちに思考と知識を与えてくれる、先人達の遺してくれた本に感謝です。

  • <ネタバレ有>



    気持ち悪い。

    この言葉が最高の褒め言葉になる小説は、まず読んだことがなかった。

  • 主要キャラが中巻で一気に三人いなくなり、下巻は怒涛の伏線回収かな?!と思っていたら、まだ全然そんな段階じゃなかった……。
    神栖66町に突如悪鬼が現れ、読んでるこっちの精神をえぐる大量虐殺が勃発。
    いや、本当辛かったわ、この残酷描写……。
    上巻でミノシロモドキが血塗られた歴史の説明してるの読んでるときには、「厨二っぽーい」とか思って平気だったけど、やっぱ、キャラの目線で見るときっついね。

    物語の終盤、奇狼丸がお気に入りになっていた私は、大事な友達の忘れ形見を殺すために、奇狼丸を犠牲にし、しかもその後愧死機構発動した時に「私は何もしてない」連呼する主人公が、何かすげー浅ましいな、と感じてしまった……。
    その後、バケネズミが元々は呪力を持たない人間であったことが明らかになり、さらなる嫌悪感がどーんと。
    今まで人間同士の大量虐殺見てきたんかい。
    それ読んでワクワクドキドキしてたんだから、最悪だよねーーーさいあくーーー。

    呪力を持つものが持たざる者を支配するために、外見まで醜く変えて殺しても気に留めないようにして、真実を隠し続けてきたなんて、たいそう驕った選民思想ですよね。
    これまで読んできた中でいっちばん醜悪な社会の形だな、と思ったよ。

    早季がラストに書き添えた一文、プラスにもマイナスにも進める一言だよねえ。
    人はこんなにも愚かだけど、どうかプラスの方に進みますように、と思わずにいられない。

  • 東京へ向かってから長い…
    気持ち悪い生物もうにょうにょしてるし…
    クライマックスに向かってのどんでん返し、
    背筋が寒くなるような事実…
    余韻を残しつつ、長編ファンタジーを締めくくっている
    と思います。
    瞬のことを何度も何度も思い出そうとする場面、
    ナイトカヌーの思い出、センチメンタルで良かったです。
    瞬だけでなく真理亜と守も、もう少し出してほしかったな。

  • 人間の身勝手さ、罪深さや歴史の繰り返しを説いてると感じた。また同時に、その過ちの歴史繰り返しの中で少しずつ学び、懸命に生きて行こうとする人間の姿を描いている。

    合計一千ページにもなる一大巨編だが、先が気になり一気に読める。もしまだであれば、ぜひとも多言語化されて、この素晴らしい小説を他の国の人にも読んでもらいたい。できればいつの日か実写映画化された作品を見てみたい。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学経済学部卒。96年『十三番目の人格-ISORA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2017年 『ダークゾーン 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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