新世界より(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.21
  • (1430)
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  • (509)
  • (105)
  • (14)
本棚登録 : 8003
レビュー : 818
  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062768559

作品紹介・あらすじ

夏祭りの夜に起きた大殺戮。悲鳴と鳴咽に包まれた町を後にして、選ばれし者は目的の地へと急ぐ。それが何よりも残酷であろうとも、真実に近付くために。流血で塗り固められた大地の上でもなお、人類は生き抜かなければならない。構想30年、想像力の限りを尽くして描かれた五感と魂を揺さぶる記念碑的傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
    異世界やSFという壮大なスケール感だけでなく、ストーリーや設定の構成の高さに鳥肌たちまくりの、非常に読み応えのある面白い作品でした!!!!

    今まで本作品を「和製ハリーポッター」と思いながら読んでいたが、呪力以外では全然そうじゃないかも。
    「風の谷のナウシカ」や、「約束のネバーランド」もプラスされたような、なんとも不思議な世界観のファンタジーでした。
    そう、この物語を一言で申し上げるなら、「壮大なスケールの世界観」!!この言葉に尽きるでしょう!!
    上中下巻とおして、ストーリー構成は勿論ですが、それ以上に本物語の世界観の完成度が凄すぎた!!
    (なんと、構想期間は30年もかかったとのこと!!これには貴志祐介先生には感服せざるを得ませんね・・・・)

    また、これほど非現実的なファンタジーであるのに関わらず、現実の世界でも通用するような教訓も沢山描かれていたのではないでしょうか?
    中でも特筆すべきは、やはりバケネズミと人間の関係性でしょう。
    主従関係に関してバケネズミが人間に抱く憎しみは、あながちフィクションでも何でもなくて、現実でも大いにあり得る事なのでは・・・なんて思ったりもしました。
    主人と奴隷という関係性だけでなく、上司と部下、雇い主と労働者、恋人同士や親子などの関係性でも、同じような感情が芽生えてしまう事ってあるのかも。。。
    そして、最終巻の最後の方で判明した「バケネズミは能力者ではないただの人間だった」という伏線回収には、本当に鳥肌ブッツブツでしたね!!!!
    小説を読んでこれだけ舌を巻くのは久しぶりかも。

    あと、上巻・中巻でまき散らされた伏線も全て回収されており、絶望を煽るだけ煽って尚中途半端に終わらせずに綺麗に物語が折りたたまれていく様は、読んでいて感心してしまいました。
    何故このような世界が誕生したのか、古世から今の世界まで成り立ちや歴史、人種、世の中の仕組みや現世のインフラについても綿密に書かれており、「こりゃ構想30年もかかるわな!!」と思いました。

    ただ、唯一難癖をつけるとすれば、真理亜のボカされた最期についてかなぁ。
    途中までは真理亜がラスボスになるかと予測いたし、キャラクターが立っていて良かった為、途中退場してしまったのは少しばかり肩すかしでした。
    (真理亜の最期については特に書かれていなかった?)

    あと、「歴史の傍観者に徹していた科学文明の継承者たち」は結局何をしたの??
    いつのまに能力者に「愧死機構」なんていう足かせがついてしまったの??
    等々、読み終わっても尚、余韻と一緒に色々な疑問も残りました。。。

    まぁ、それを差し引いても、十分すぎるくらい面白い作品だったと思います!!
    設定が凄まじくて、鳥肌たちまくり、舌巻きまくりでした。

    最後に・・・・
    夕方に家の近所でよく流れていたあの曲って、ドボルザークの「家路」って曲だったんだ!!笑
    てっきり、日本の民謡だと思ってました(笑)
    懐古の情に溢れるイイ曲ですよね。大好きです。


    【あらすじ】
    夏祭りの夜に起きた大殺戮。
    悲鳴と嗚咽に包まれた町を後にして、選ばれし者は目的の地へと急ぐ。
    それが何よりも残酷であろうとも、真実に近付くために。
    流血で塗り固められた大地の上でもなお、人類は生き抜かなければならない。

    構想30年、想像力の限りを尽くして描かれた五感と魂を揺さぶる記念碑的大傑作!


    【印象に残った文章や台詞】
    1.鏑木氏の卓越したカリスマ性がなければ、これほど容易くパニックを鎮める事は不可能だったろう。見事な人身掌握術だった。
    心から恐怖を追い出せるほどの強い感情は、怒りしかない。
    劇薬に頼るのと同じで危険だが、気付け薬には、それだけ強い刺激が必要なのである。

    2.我々の全種族を、お前たちの圧政下から解放することだ。
    我々は、高い智能を持っている。本来なら、お前たちと平等に扱われるべき存在なのだ。
    にもかかわらず、お前たちの悪魔の力によって尊厳を奪われ、獣のような扱いを受けてきた。
    もはや、お前たちを地上から一掃する以外に、我々の誇りを回復する道はない!

    3.多くの人が殺され、両親の安否すら分からない。今や、わたしたちには帰るべき町もないのである。
    不世出の能力者だった日野光風氏も鏑木氏も斃れ、わたしたちには悪鬼に対抗する手段は何一つ残されていない。
    だが、それでも諦めるわけにはいかない。
    将来に何の展望もないときこそ、本当の強さが試される。その意味でも、今こそが試練の時なのだ。

    4.野狐丸が秘かに描いていたグランドデザイン
    野狐丸のもうひとつの、そして真の目的は、託児所を襲って人間の赤ん坊を手に入れることだった。
    バケネズミによって託児所の子供たちを育て、さらに多くの子供を略奪して悪鬼の部隊を編成すれば、日本から極東アジア、いずれはユーラシア大陸全土から全世界を征服することさえ夢ではない。
    偉大なる、バケネズミの世界帝国の誕生だ。

    5.「もし、あの子が本当に悪鬼だったんなら、なぜ野狐丸たちは無事でいられるの?」
    どうして奴には、攻撃抑制も愧死機構も無効なんだ?

    あの子は産まれてすぐ両親から引き離され、バケネズミによって育てられた。
    だから自分のことをバケネズミだと思っている。
    自らをバケネズミだと思っているあの子には、同族であるバケネズミを殺すことはできない。
    しかし、異類である人間なら、何の逡巡もなく抹殺できるのである。

    6.「なぜ、人間に反逆しようとしたの?」
    「我々は、あなたがたの奴隷ではないからだ」
    わたしは、奇狼丸の言葉を思い出した。言っていることは、ほぼ同じである。
    「我々は、高度な知性を持った存在です。あなたがたと比べても、何ら劣るものではない。違いといえば、呪力という悪魔の力を持つか否かだけだ」

    7.「私たちは、人間だ!」
    一瞬観衆は静まり返った。それから、どっと爆笑が起きた。
    スクィーラが叫ぶ。
    「好きなだけ笑うがいい。悪が永遠に栄えることはない!私は死んでも、いつの日か必ず私の後を継ぐものが現れるだろう。そのときこそ、お前たちの邪悪な圧政が終わりを告げるときだ!」


    p518
    バケネズミが人間ではないかと、うすうす疑うようになったのはいつ頃からだろう?
    唐突に、夏季キャンプでミノシロモドキを捕らえた時に瞬がした質問が、わたしの脳裏に浮かび上がった。

    「奴隷王朝の民や狩猟民達は、呪力・・・PKがなかったんだろう?その人たちは、一体どこへ行ったんだ?」
    それに対するミノシロモドキの答えは、不得要領なものでしかなかった。
    「その後、現在に至る歴史について、信頼の置ける文献はきわめて少数です。そのため、残念ながら、ご質問の点に関しては不明です」

    背筋を、悪寒が走った。
    わたしたちの先祖である人々が、呪力を持たないそれ以外の人間を、バケネズミに変えてしまったというのか?


    【メモ】
    p146
    「さっき、2人殺されたのを見ただろう?5人いようが、100人いようが、所詮は同じことだ。悪鬼に対して、どう戦いようがあるんだ?いいから、向こうへ行け!」
    野口医師は、覚の胸を突き放す。
    一体なぜ、バケネズミの襲撃と軌を一にして、悪鬼が出現したりするのか?


    p153
    「奇狼丸の率いる軍が、どうして全滅したのか。いくら勇猛でも、相手が悪鬼では、ひとたまりもなかっただろう。」
    覚は言った。
    「それに、なぜ野狐丸が開戦に踏み切ったのか。バケネズミと悪鬼の関係はまだわからないけど。もし、僕の想像が当たってるなら・・・」


    p205
    「バケネズミに死を!」
    群衆は熱狂し、拳を振り回しなかまら、シュプレヒコールを繰り返した。
    鏑木氏の卓越したカリスマ性がなければ、これほど容易くパニックを鎮める事は不可能だったろう。見事な人身掌握術だった。
    心から恐怖を追い出せるほどの強い感情は、怒りしかない。劇薬に頼るのと同じで危険だが、気付け薬には、それだけ強い刺激が必要なのである。


    p222
    「兵士の命だと?くだらん。大義の前には、一個体の生命など、鴻毛(こうもう)のように軽いのだ」
    「その大義というのは何なんだ?」
    「我々の全種族を、お前たちの圧政下から解放することだ」
    「我々は、高い智能を持っている。本来なら、お前たちと平等に扱われるべき存在なのだ。にもかかわらず、お前たちの悪魔の力によって尊厳を奪われ、獣のような扱いを受けてきた。もはや、お前たちを地上から一掃する以外に、我々の誇りを回復する道はない」


    p225
    多くの人が殺され、両親の安否すら分からない。今や、わたしたちには帰るべき町もないのである。
    不世出の能力者だった日野光風氏も鏑木氏も斃れ、わたしたちには悪鬼に対抗する手段は何一つ残されていない。
    だが、それでも諦めるわけにはいかない。
    将来に何の展望もないときこそ、本当の強さが試される。その意味でも、今こそが試練の時なのだ。


    p254
    野狐丸のもうひとつの、そして真の目的は、託児所を襲って人間の赤ん坊を手に入れることだったのだ。
    12歳の、夏季キャンプに行った時の記憶がよみがえった。
    「土蜘蛛の女王が産んだ幼獣、それこそが貴重な戦利品。我々のコロニーの明日を支える労働力となるのです」

    「倍々ゲームどころじゃない」
    覚が蒼白な顔で言う。
    「最初は、真里亜たちの子供だ。その子が成長して、鏑木さんさえ対抗する術を持たない悪鬼となった。そして、その勝利で得た大勢の子供たちが、十年後みんな呪力を使えるようになれば・・・」
    わたしにもようやくわかった。これこそが、野狐丸が秘かに描いていたグランドデザインだったのだ。

    バケネズミによって託児所の子供たちを育て、さらに多くの子供を略奪して悪鬼の部隊を編成すれば、日本から極東アジア、いずれはユーラシア大陸全土から全世界を征服することさえ夢ではない。
    偉大なる、バケネズミの世界帝国の誕生だ。


    p298
    「サイコ・バスターとは、古代文明の末期に、アメリカで超能力者一掃計画に用いられた細菌兵器の俗称です」


    p464
    「我々が東京の地下を探索することにしたのは、今回と全く同じ理由からです。人類の古代文明の遺物である、大量破壊兵器を入手するためでした」
    「何のために?」
    わたしの質問に、奇狼丸は失笑を漏らす。
    「何のため、ですか?兵器が欲しいときは、通常コレクションのためではありません、使うためです。サイコ・バスター程度では力不足ですが、もし核兵器か大量破壊兵器を入手できれば、人類に取って代わり、我々の覇権を打ち立てることも不可能ではないと考えました」

    「すべての生物は、自らが生き延び、繁殖することを目的とするよう作られています。
    我々のコロニーに関しては、将来にわたって存続し繁栄することが、唯一無二の目的なのです。
    したがって安全保障上、あらゆる危険を想定し、対策を用意する必要があります。
    大雀蜂コロニーは傘下に多くのコロニーを抱えていましたが、敵対コロニーのみならず、すべての友好コロニーに対しても、急襲して皆殺しにするための戦闘計画が立案されており、必要ならいつ何どきでも実行可能でした。」

    奇狼丸は、淡々と続ける。

    「そう考えたとき、人類の存在が我がコロニーにとってどれほど大きな不確定要因であり脅威であるかは、容易に想像して頂けるでしょう。
    良好な関係とは、一体何でしょうか?
    我々は人類に対して忠誠を誓い、山海の幸を献上し、役務を提供することでようやく生存を許される立場です。
    しかし、それでさえ、いつ風向きが変わるか分かりません。」


    p475
    「もし、あの子が本当に悪鬼だったんなら、なぜ野狐丸たちは無事でいられるの?」

    「じゃあ、どうして奴には、攻撃抑制も愧死機構も無効なんだ?」
    「たぶん無効じゃないと思う。」
    「ごく単純に考えてみて?
    あの子は産まれてすぐ両親から引き離され、バケネズミによって育てられたんでしょう?
    だから自分のことをバケネズミだと思っているはずだわ」
    わたしの中でぼんやりと渦巻いていた考えは、今や確信に変わっていた。
    自らをバケネズミだと思っているあの子には、同族であるバケネズミを殺すことはできない。
    しかし、異類である人間なら、何の逡巡もなく抹殺できるのである。


    p480
    あの子は、悪鬼ではなかった。
    あの子には、本来何の罪もないのだ。
    両親をバケネズミに殺され、バケネズミによって育てられ、その命令により大量殺戮を行なった。
    自らをバケネズミと信じていた彼には、何の疑問も、良心の呵責もなかったことだろう。

    それだけではない。
    あの子はバケネズミの命令に対して、一切逆らうことができないのだ。
    バケネズミに対して強固な攻撃抑制と愧死機構に縛られているあの子は、文字通りバケネズミの奴隷なのである。


    p506
    「なぜ、人間に反逆しようとしたの?」
    「我々は、あなたがたの奴隷ではないからだ」
    わたしは、奇狼丸の言葉を思い出した。言っていることは、ほぼ同じである。
    「我々は、高度な知性を持った存在です。あなたがたと比べても、何ら劣るものではない。違いといえば、呪力という悪魔の力を持つか否かだけだ」


    p508
    「私たちは、獣でも、おまえたちの奴隷でもない!」
    この言葉で、聴衆の怒りは最高潮に達した。しかし、死を覚悟している野狐丸は怯まなかった。
    「獣でないとしたら、お前は一体何なのです?」
    スクィーラは、ゆっくり法廷の中を見渡した。
    「私たちは、人間だ!」
    一瞬観衆は静まり返った。それから、どっと爆笑が起きた。
    スクィーラが叫ぶ。
    「好きなだけ笑うがいい。悪が永遠に栄えることはない!私は死んでも、いつの日か必ず私の後を継ぐものが現れるだろう。そのときこそ、お前たちの邪悪な圧政が終わりを告げるときだ!」


    p518
    バケネズミが人間ではないかと、うすうす疑うようになったのはいつ頃からだろう?
    唐突に、夏季キャンプでミノシロモドキを捕らえた時に瞬がした質問が、わたしの脳裏に浮かび上がった。

    「奴隷王朝の民や狩猟民達は、呪力・・・PKがなかったんだろう?その人たちは、一体どこへ行ったんだ?」
    それに対するミノシロモドキの答えは、不得要領なものでしかなかった。
    「その後、現在に至る歴史について、信頼の置ける文献はきわめて少数です。そのため、残念ながら、ご質問の点に関しては不明です」

    背筋を、悪寒が走った。
    わたしたちの先祖である人々が、呪力を持たないそれ以外の人間を、バケネズミに変えてしまったというのか?


    p520
    愧死機構とは、いわば呪力による強制的な自殺なのだ。したがって、呪力がなければ愧死機構も機能しないことになる。
    「それで、邪魔になった人たち、呪力のない人間を獣に変えてしまったのね」
    わたしは、これまで自分の暮らしていた社会が、いかに罪深い存在だったかを悟って、戦慄していた。
    呪力を持った「人間」たちは、異形の姿へと変えられたかつての同胞たちを、獣のように惨殺し続けてきたのだ。

  • 怒涛の勢いで読み終わった。
    読み終わってしまったことが悲しい…。


    お話は…
    呪力をもった人類が現れて、呪力のない人間と大戦争が起こる。そして勝ち残った呪力をもつ人類が築き上げた世界が、この本の今。語り手の渡辺早季が住む世界。

    呪力によって創り上げられ、何かがおかしい世界。その矛盾に気がつき、好奇心で探索を始める幼い頃の早季とその友達。大人になるにつれて消えてゆく記憶とほころびだす世界の歪み。




    設定はSFだけれども、ミステリーでもあり、戦争アクションでもあり、ファンタジーでもあり…分厚い文庫本3冊におもしろい!がいっぱい詰まった本!

    読み終えた後の達成感、爽快感、そして手に汗握るこの感覚。
    ぜひみんなに読んでこの感覚を味わってもらいたい、そんなお話。
    でも、おもしろいと同じくらい怖くなる。笑
    人間ってこわいね。
    怖いのが苦手な人は要注意。

  • H29.12.26 読了。

    ・上・中巻で主従関係に見えた人間とバケネズミの関係性が壊れ、突如バケネズミたちが人間に戦いを挑んできた。しかもバケネズミには、切り札的な存在が出現し、人間は窮地に追いやられる。いかにして人間はこの戦いを乗り切るのか?
    そして戦い終わったその後の世界は…。

    とても読みやすく、面白い作品でした。上・中・下巻と飽きずに読ませる貴志さんは、素晴らしい作者だと思います。

  • なんだこれは! ものすごく面白かった!
    (と、こぶしを握る)

    ジャンルはSFということになっているのだそうです。少年少女が主役の近未来SFです。超能力と異人種が登場するファンタジー色のつよいサイエンスフィクション。けっして軽くない。目がくらむほど(物語としての)魅力に満ちた広大な世界と、そこにひびきわたる重低音の物語。細部までいきわたった繊細なディティール。
    世界の設定を思いついて、こんな風に文字にしてしまう、物語にしてしまう作者、すごいです。

    主人公早希も、周囲の少年少女は個性的で、魅力的でした。
    瞬と早希は永遠の、そして悲劇の初恋だから、最後まできらきら光っててとてもうまいと思ったし、真理亜と早希のカップルももすごくセクシーで可愛らしかった(百合!)、悪鬼の子どもの出生を知るとき父母のことをかんがえると胸が痛んで、救われてくれと祈らずにいられなかった。バケネズミたちも街のひとびとも、それぞれ印象深かったりかっこよかったり。

    ラストの怒涛の戦闘は圧巻。グロテスクで迫力満点なのは貴志さんお得意なのですね。
    …ものすごく電車乗り過ごしました。

    悪の経典ファンの方で、未読のかた、この本を読まずに一生終わらないほうがいいですよもったいないから。と。読み終えたいま、興奮気味にお勧めしたい。

    • とうかさん
      今日は!!
      花丸&コメントまでありがとうございます♪
      いつもとっても嬉しいです♪ヽ(´▽`)/

      すみません興奮ぎみに書いてしまいました。
      ...
      今日は!!
      花丸&コメントまでありがとうございます♪
      いつもとっても嬉しいです♪ヽ(´▽`)/

      すみません興奮ぎみに書いてしまいました。
      貴志さんは私もそんなにくわしくはないのですが、
      ドラマ化され「鍵のかかった部屋」のシリーズはよみやすいのかなと思います。ミステリーで、短編集もあります♪

      ただ本ごとにジャンルがちがうのと、
      個人的にいちばんおもしろかったのが「新世界より」なので…、 比較的スラスラよめてしまうお話ななこともあり、「新世界より」でいきなり入るのもありかなと思います!
      うーん難しいですが…!

      昔、映画になった「青の炎」も面白かった思い出があります(10年以上まえの記憶なんですが…)
      2013/07/24
    • vilureefさん
      こんにちは!

      お勧めありがとうございました。
      やはり「新世界より」がよさそうですね。
      これは頑張らないと!!
      レビュー、いつにな...
      こんにちは!

      お勧めありがとうございました。
      やはり「新世界より」がよさそうですね。
      これは頑張らないと!!
      レビュー、いつになっちゃうかな・・・(^_^;)
      2013/07/25
    • とうかさん
      ありがとうございます~。
      気が向いたときに思い出していただけたら嬉しいきもちです♪
      これからvilureefさんの読書旅マイペースに応援&楽...
      ありがとうございます~。
      気が向いたときに思い出していただけたら嬉しいきもちです♪
      これからvilureefさんの読書旅マイペースに応援&楽しみにしていますー (⌒‐⌒)
      2013/07/28
  • この本の生み出す世界にすごく引き込まれた。大きな理由として、自分的にとても現実的である、現実味があるように思えたからである。
    確かに呪力という超常能力は現実的ではない、しかしだからこそ、他の、攻撃抑制や愧死機構、悪鬼や業魔など、現実に沿った、または起こり得ると納得できる事柄が、物語の重要なファクターとなり、それに深い印象を受けた。
    普段SF小説を読まないからあまり知らないが、もしかしてSF小説とは既存の知識をもとにあり得る事柄を描くものであり、ある意味では超現実的であるのかと思った。また、今回この本を読んで、自分はこんな世界観が大好きなのだと分かった。現代とは違った、だけど通ずるところがある、または不可思議の中に確かに現実味があるような世界が(今読んでいる携帯小説もそんな感じ、やっぱり大好き)。
    図書館で借りたが、ブックオフで売ってたら買おうかな。

  • 3部作、計1450ページくらいの大作。ちょうど1年くらい前に先輩に勧められて、貴志祐介さんの「青の炎」がめちゃ好きだからすごい気になってたんだけど、ようやく読めた。。長いから、なかなか手が出せなかったけど、読み始めたら楽しくて全く苦にならなかった。

    まずこの題名がすごく好き。「新世界より」。有名な交響曲からきてるらしい。聴いてみたけど聴いたことあるような、ないような。クラシック音楽に疎すぎる。。

    1000年後の日本って言われると、アニメとかにあるあるの、ものすごく発展した都市があって、人がたくさんいてっていうイメージだった。けどこの物語では、日本の人口はわずか5万ほど。結界によって隔離された小さな町が舞台。文庫版の表紙絵みたいな、のどかな田舎でのお話。sfで非常に作り込まれた世界観だけど、なぜだかその情景がありありとイメージできて、読中はずっと美しい風景に酔いしれていた気がする。


    呪力を手にした人間、物語の主人公から感じたことを一つだけ。
    真の強さってのは強いだけではなく、それ自体にある程度の弱さを含んだものなのではないか。
    完璧なものとか絶対的なものって実は脆いよね。柔軟に、沈んでも浮かび上がれることの方が重要だよねって。
    ちょっと違うけどまあ、優柔不断くん、メンヘラちゃん上等やんって。

    • ゆうさん
      あの作者だったのか、冬休みあたり俺も読みたい
      あの作者だったのか、冬休みあたり俺も読みたい
      2019/12/04
  • 「新世界より」読了。ベースはSFだが、ホラーやミステリなど、様々なジャンルが渾然一体となって 読む者を惹き付ける、とても魅力的な作品だった。最初は少年少女の学園モノかと思いきや、徐々に物語は異形の世界へと引きずりこまれていく。人間とバケネズミ。相容れぬ2種の生き物が迎える、悲しい結末。果たしてバケネズミが再び◯◯として、人間と同等に生きる未来はあるのだろうか。奇狼丸と野狐丸の叫びは人間に届くのか。

  • ああ、面白かった。こんな面白い本を読まずに過ごしていたなんて…!
    上巻から下巻まで一気読みだった。こんなにも一瞬で読んだ三部作は初めてかもしれない。

    まず何より、悪鬼のホラー描写がなんとも秀逸。
    それは超能力の強さとか、描写の上手さもあると思うんだけど、愧死機構という設定が非常にいい味を出している。
    中巻からの伏線も良い。一度、過去の出来事として描いておいて、それから「まさか現代に現れてしまうなんて…!」的な展開。構成の勝利。

    そんな悪鬼を打ち倒すシーンは、少年ジャンプ的というか、ちょっとしたアクションのようでもあった。
    SFにホラーにアクション…多ジャンルを詰め込む作者の力量に感服。

    最後の最後で、非常にグロテスクで欺瞞的な世界の真相が明かされる。その上で我々に問いを投げかけてくる感じ。
    決して爽やかな勧善懲悪ではなく、課題を与えられたような読後感。これが良い。
    まさに「新世界より」渡されたバトンを、現代の我々がどうしていくか。

    上巻の感想で、この小説のテイストがジュブナイル小説であると書いた。
    でも、この読後感をもって更に、若い子たちにこそ是非読んでほしいという思いを強めた。そういった意味でもジュブナイル小説だった。

  • 夏祭りの夜、ついに人間に反旗を翻し、奇襲を仕掛けたバケネズミたち。呪力という最強の武器をもつために、権力の上に胡座をかいてきた人間と、人間以上の科学技術を身につけ、虎視眈眈と下克上を狙って準備をしてきたバケネズミとの全面戦争が始まる。

    ほとんど丸々1冊、バケネズミとの戦いが描かれていた下巻。上巻を読んでいた時から既に、私にはこの世界が怖くて気持ち悪いものに見えていた。人が生まれた瞬間から既存の価値観に洗脳し、一見健全な上っ面だけを重視し、その体面を保つことだけに注力するこの世界が不気味で仕方がなかったのだ(というのもひょっとしたら、現代の価値観に洗脳されているのかもしれないが、思想信条や表現の自由がある分、柔軟な考え方ができるのは間違いなく今の日本だろう)。それゆえ、どちらかといえばまだ現代人の感覚を持ち合わせているように思われるバケネズミに感情移入して読んでいた。

    この世界の怖さは、あれだけ人間に協力した奇狼丸を平気で捨て駒にし、またそのことに感謝すらしていないことに象徴されるように思う。どれだけ「人が人を殺さない」「争いのない」世界と言っても、とても健全な感情をもった人の集まりとは思えない。人間が自ら神と称する世界なんて、ろくなもんじゃない。

    人間の味方をし、救った奇狼丸と、人間を殲滅しようとした夜狐丸の、神と崇めた人間に対する本音が全く同じというのは興味深い。支配と隷属の関係がどのように出来上がるか(力と知恵のどちらが重要なのか)、そうした構図も見えるし、逆に権力が崩れ落ちる理由を物語っているではないか。

    ラスト、バケネズミの正体が明らかになる。私が人間よりむしろ彼らの価値観に同調していたのは、やはり間違いではなかったのだ。むしろ、薄々そうなのではと潜在意識で思っていたことを突きつけられたショック。こんな後味の悪い小説は久々だ。バッドエンドは好きな方なのだが、それでもそう思ってしまう。貴志祐介氏は、救いのないストーリーを思いつく天才(そしてドS)ではないか。

    様々な社会になぞらえたり(まるで今の日本を皮肉っているようにも思う)と、考えさせられる作品であったことは間違いない。特に、中巻からはノンストップで読み進めた。壮大な世界観、圧倒的な読ませる力をもつ物語であった。

  • 感想は上・中・下巻まとめて。

    アニメ化をきっかけに再読。
    SF・ファンタジー・ホラー・ノスタルジー、さまざまなジャンルを内包した世界観は日常から離れたい時にふと読みたくなります。

    今からわずかに1000年後の設定なのですが、SFだのファンタジーだのいいながら、所々有り得そうな未来なのが怖い。

    ファンタジーは好きなのですが、その中でも「隠された都合の悪い真実の管理者に対して反論していく」物語が俺はどうも好きなようです。

    ファンタジーは世界観の説明が大変だなぁ、ということで最初に読んだ時は上巻の説明部が冗長だったイメージがありました。
    が、再読してみると意外とその部分が面白かった。
    中巻と下巻のスピーディな展開もやっぱり良かったです。

    自分で何の疑問も持たず、考えずに他人に管理してもらうことは楽なのですが、実は恐ろしいことなんですよね。
    その考える手助けになるのが現代の本であり、この世界のミノシロモドキだった。
    自分たちに思考と知識を与えてくれる、先人達の遺してくれた本に感謝です。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学経済学部卒。96年『十三番目の人格-ISORA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2017年 『ダークゾーン 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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