新世界より(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 8077
レビュー : 820
  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062768559

感想・レビュー・書評

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  • SF初心者の意見としては、最高に面白かった。久々に奥底からワクワクして、手に汗握って興奮した。上巻では時代や背景の説明があるために、どうしても展開の盛り上がりに欠けるような感じだった。それでも徐々に面白くなってくる予感だけ置いて行かれた感覚。中巻でその感覚は間違っていなかったと確信した。右肩あがりにじわじわ来る。急激にあがらず、じっと、ゆっくり、面白さを垂れ流してくる。読む手が止まらなくなり始める。下巻で面白さの流れが雪崩のように迫ってくる。止まらない。さらに、上中巻で張っていた伏線を綺麗に回収し始めるもんだから堪らない。これが、あれが、これも繋がるのか。と驚きで満たされる。それに、激闘の後の締めも、このままの流れで進むかと思いきや、まさかの真実。素晴らしいという他ない。クオリティの凄まじい高さを感じて、他のSFを読むのが不安になる。良かった。本当に面白くて、読んで良かった。純粋に、ただただ本の世界にのめり込むことができた小説。最高でした。

  • 一気読みだった。よくできている世界観だった。

  • どうしようかと思ってた最終巻だけど読んでよかったかな~
    わりとスッキリ

    ネズミが人間を滅ぼそうとしたり
    悪鬼が出たりする

    大量虐殺グロい
    東京地下グロい

    超能力を持った人間がそれ以外の人間にしたこと
    ってのがグロい
    醜悪

  • 無事に読了。かなりのペースで読み進めたので、次はもう一度じっくり読み返して楽しみます!

  • 読んでいて心臓がどきどきしてしまうぐらい、上中下の中でホラーの要素が強い巻だと思う。
    こんなに長いのに、飽きさせない展開、伏線、回収一気に読めちゃいます。
    仲間や家族がどんどん死んでしまい、救いのない展開になりますが、だからそこ最後で救われることを願いながら読んでいました。
    瞬や真理亜、守の最期がぼやかされていて、途中でも、守護霊的な役割としてちらほら出ていたので、後でまた登場する場面があるのかと思いきやそうでもなく、そこだけがなんだか惜しいきがしました。

  • 読者の側も想像力をフルに稼働させなければならない溢れんばかりのモノ・コトが上巻から次々と現れては消え、また姿を現し繋がる。結局この物語の結末はその中の何を核としてどんな形で迎えるのだろう。そう考えながらはらはらと頁を捲り続けてきましたが、まさか最後のメインがこれだとは、序盤には思いもしませんでした。下巻は特に描写の刺激が強く、「し…刺激物~!」と肌を粟立たせながらも頁を捲る手は止まりません。全てが終わった後の主人公の記述は、感動的、という訳では決してないのに何故だか涙が込み上げてきます。これはどういう種類の涙だったのか、自分にもよく分かりません。最後の一行には、長かった物語の節々が脳内を駆け巡りました。これはどういう意味にも捉えることが出来ますよね、鳥肌モノです。
    大森さんの解説も、様々な比較作品(文学に限らず)が挙げられていたり、貴志さん自身についても触れられていて、とても興味深かったです。ぷっと吹き出してしまうところもあったり。
    時間を置いて、ぜひもう一度じっくりと読み直したい作品です。

  • そして彼女は26歳になった。
    5人の仲間は彼女と彼だけに。

    管理されているはずだったバケネズミのコロニー。
    人間は彼らをあまりにも軽視しすぎていたのか。

    はじめから彼女の親友のことが語られていたので、彼女が生きているのかと思ったが、こういうことだったのか。

    彼女のピンチに心に現れる彼、顔のない彼の存在が切ない。
    切なすぎるが、思い出せてよかった。
    数々の犠牲を払って、物語は終局。

    明らかになる、バケネズミの生物としての起源。
    人間の残酷さ。
    あの炎が象徴している、未来へ続いていく何かとはなんだったのだろう。

    物語の終わりの時代でも、きっと子どもたちはドボルザーク『新世界より』の第二楽章、日本で「家路」「遠き山に日は落ちて」の名で知られる音楽を聞いて家路に着くのだろう。

  • 夏祭りの夜に起きた大殺戮。悲鳴と嗚咽に包まれた街を後にして、選ばれし者は目的の血へと急ぐ。それが何よりも残酷であろうとも、真実に近付くために。流血で塗り固められた大地の上でもなお、人類は生き抜かなければならない。構想30年、想像力の限りを尽くして描かれた五感と魂を揺さぶる記念碑的傑作!

    さらに時は流れて12年。早季たちは26歳に。
    長く続いた物語もようやく終盤に差し掛かりページをめくる手もさらに加速します。
    オチはアニメを先に見ていたから分かってはいたけどやっぱりぐっとくるものがありますね。

    中巻の終盤でみせていたバケネズミたちの怪しい動きはやはり人間に反旗を翻すものだった。
    呪力によって反撃するも、バケネズミの切り札が「悪鬼」だと判明する。
    そこから一気にホラー展開へ。グロ耐性は乙一さんで存分についているのでその辺は大丈夫でしたが、ホラーはあかん。
    破壊され廃墟となった夜の病院で、せまりくる訳の分からない恐怖とか、謎のモノによって次々と殺戮されていく早季たちのグループのメンバーとか、どうにも手が出せない中で逃げなくちゃいけない緊張感がたまらない。怖いんだけどたまらない。
    切り札である「悪鬼」を倒さないかぎり人類は滅亡しかない!と1000年の時を経て地獄と化した東京へ向かう主人公たち。
    このあたりからもうハラハラどきどきで本から手が離せなくなります。

    明らかになる世界の真実と、バケネズミの実態。
    ただ別の世界のファンタジーじゃないことはもちろん上巻で分かっていたことですが、じゃあなんで呪力を持った人間しかいないのか。
    呪力を持たない人間はどこへいっちゃったのか。
    なぜバケネズミはあんなにも知識が豊富で思考能力が高いのか。
    この物語を作るにあったって30年も練られていたんですね。
    細部の細部にまで細かに作られた世界観にどっぷりハマれて最高に気持ちが良かったです。
    オチは悲しい事実ですが、ただ"ファンタジーの世界のこと"だけではなく、今の社会問題や人間の業というものを考えさせられました。
    今後この世界が良い方向に向かって言うことを切に願います。

  • 面白かった。
    明らかになる人類の醜さというか、変に綺麗でないところがよかった。

  • 貴志版SF、ここに完結。
    上中下の三部作でけっこうなボリュームがあるため、読み始める前に抵抗があったけれどそこは貴志作品、上巻の中盤から下巻までページをめくる手が止まらなかった。物語に引き込むことが難しいSFものでこの吸引力はさすが貴志作品。
    上巻、中巻で随所に散りばめられた伏線や謎が怒涛の展開に乗って解明される下巻。
    人間のエゴ渦巻く新世界で、案外悪鬼戦が一番そのエゴをわかりやすく感じることができる。覚が死ぬことが嫌で最後の切り札であるサイコバスターを燃やした早季と、奇狼丸に悪鬼との相討ちを提案した早季だ。状況が違うといえばそれまでだし、そもそも後者は早季の中に棲む瞬の作戦なのだが、どちらにしろ早季は人間である覚や悪鬼が死ぬことに抵抗を感じはしても、バケネズミ、つまり異類である奇狼丸に同じ抵抗を感じることはない。実際あれだけ人間を虐殺した悪鬼に対し、彼自身に罪はない、野弧丸の育て方のせいだと死を悼む思想をみせても、人間に従い、助け、その命すら投げ出してみせた奇狼丸に対してはその感情がまるでない。かえって不自然なくらい奇狼丸に関して申し訳ないだとか、悲しいだとか、そういった種類の感情が削ぎ落とされている。その事実が強烈に痛く、またこの物語の根幹を指している。覚と奇狼丸、あの状況で相討ちしなければ悪鬼を倒せないという条件はどちらも同じ。しかし早季は一方を阻止し、一方には特攻を命じた。これをエゴといわないならばなんなのだろう。最後の最後、もし覚と奇狼丸の立場が逆であったならば、早季はあの提案をしなかった気がするのだ。
    「あなたがたは、我が同胞の生命には、とんと関心がないようですから、あえて申し上げますまい」(P.415)
    読了後、この奇狼丸の言葉が胸に刺さったまま痛くて痛くて忘れられなかった。新世界よりの世界観を一番シンプルに表現している言葉のような気がするからだ。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学経済学部卒。96年『十三番目の人格-ISORA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2017年 『ダークゾーン 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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