ダブル・プロット (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062768801

作品紹介・あらすじ

若い母親が死んだ真相と赤子の行方、フィルムに記録されていた驚くべき殺人手口、遅れて配達された年賀状に隠された犯罪…日本ミステリー界の至宝・幻の名コンビ岡嶋二人による傑作短編集。既刊の『記録された殺人』に、表題作を含めた3編の未収録作品を加え、再編成した文庫オリジナル。

感想・レビュー・書評

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  • まずます面白く安定感もあるが、今まで読んだ3作が面白過ぎたかな。

    惜しいのは②と③。
    この短編シリーズをあと、5、6編創ることができていたら、一冊の本になり、統一感もあったのに。

    そして、表題作の⑨。

    短編としては?だったが、あとがきと合わせて、作家としての品位・良心を感じる。

    そもそも、⑨がなければ②も③も文庫として出されてない可能性が高いので、本著を読めたこと自体、ラッキーでした。

    ①記録された殺人
    会社を訪問してきた男が死んだ。入れ替わり登場する関係者たちの証言は、一緒に分析フィルムを見せられているよう。
    ②こっちむいてエンジェル
    伸子は担当作家から連絡を受け、自宅に原稿を取りに行ったが、原稿はできていず、赤ん坊を抱いた若い女性が。
    ③眠ってサヨナラ
    きた!伸子は目を閉じた。編集長が言ってきた『舞台考証』のページ。昨日事故死した同僚、真由美の担当だった。
    ④バット・チューニング
    担当ミュージシャンの演奏に同行していた木暮に、近くで起きた銀行強盗のニュースや、社長からのすぐ戻れ、電話が入ってくる忙しない一日。
    ⑤遅れて来た年賀状
    年明けからおかしい。年賀状は5日に届くし、初出勤すると親しい女子社員はよそよそしく、男子社員はニヤニヤ。
    ⑥迷い道
    別れ話を切り出し、妊娠を告げられた宇佐見。嘘だ!と直感したが、その時は運転中で、目の前に急に車が出てきて。
    ⑦密室の抜け穴
    ビル警備員の酒井は、深夜残業していた麻生が死んでいるのを発見。そう言えば夜中の2時過ぎ、なにか倒れたような大きな音が。
    ⑧アウト・フォーカス
    美枝は映画会社のプロデューサー。機材の空き確認に行くも、係の蓮田はそっけない・・・どころか、ノートを覗き見たと異常な激怒。
    ⑨ダブル・プロット
    あれれ?これはもしかして・・・著者だ。井上さんのあとがき読んで事情を知る・・・みたいな。

  • 伝説の岡嶋二人・未収録作品含む珠玉短編集月刊誌に二作だけ掲載したまま未収録だった幻の「伸子シリーズ」を追加し、岡嶋二人に珍しい短編を集めた文庫オリジナルの再編集版

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/701931

    おすすめは雑誌編集者・入江伸子のシリーズ。

  • 短編集。

    携帯電話やインターネットが出てこない点やちょっとした会話の表現に時代を感じさせるけれど、
    解説にもある通り、そこまで古臭くもない。

    「眠ってサヨナラ」は類似の事件が近年起こっていた気が…!

    どの話もあっさり終わってしまう印象。
    もっとどっぷり浸かりたかった。

  • 9つの短編ミステリー
    50ページ前後のミステリーのため途中でオチがわかってしまうことが多々あった。
    怪しいやつはだいたい犯人。

  • 『ダブルプロット』(岡嶋 二人著)を読了。

    久しぶりに岡嶋 二人が読みたくなり、まだ未読だったこの作品へ。いやぁ、やっぱり面白い。今の時代からすれば設定など懐かしいと感じる部分はありますが、やはりプロットが抜群。短編でも読んでいて驚きと気づきと納得が味わえます。

    この機会に岡嶋 二人の全作品もう一度読み返そうかなぁ。

  • 「記録された殺人」に新たに未発表3作をマージした短編作品集。まあ未発表だったのには理由がある訳で、岡嶋作品といえども全作品が面白い訳ではないということ。

  • 久々に岡嶋二人の作品を読んだ。解散から22年経って刊行された短編集で、未収録作品が数作。この2人の話は本当に読み易いし、プロットがしっかりしてるので、好きでした。久々に楽しめました。

  • 2017年20冊目。
    収録9作品のうち既に6作品は読んでいたけれど、改めて全部読んだ。
    個人的に岡嶋二人作品の主人公の女性は好きなので、伸子シリーズがもっとあったら良かったなーと。
    この短編集の中ではやっぱりダブル・プロットが秀逸かな。
    いよいよ岡嶋二人コンプリート大作戦も残すところあと僅か。

  • 記憶された殺人
    こっちむいてエンジェル
    眠ってサヨナラ
    バッド・チューイング
    遅れて来た年賀状
    迷い道
    密室の抜け道
    アウト・フォーカス
    ダブル・プロット

    記憶された~と、遅れてきた、はどこかで読んだ事が。
    こっちむいて、と眠って、は主人公が一緒ですが
    両方とも救いがないような…。
    バッド、は止めてあった内部分裂の危機を
    喋ってしまっています。
    もしも『計画通り』に事が終わっていたなら
    その後、恐ろしい現実が待っていた、かと。

    迷い道は、もしかして…と思ってしまうような
    女の台詞のリフレイン。
    因果は巡る、という状態でしょうか?
    密室の~は、そこまでやる事に凝るな、という事?
    アウト~はありそうな現実ですが、今なら
    パソコンで管理されていて無理なような。
    いやでも誤魔化せば、確実に大丈夫そうな気もします。

    ダブル~は本人達の登場。
    もしもこんな状態が起こったら、もうそれは素直に
    出ていった方がよろしいかと。
    登場人物が人物だったため、行われた事は驚きですが
    何だか笑ってしまいました。
    リアルに追求しているせいでしょうか?w

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著者プロフィール

岡嶋 二人(おかじま・ふたり)
徳山諄一(とくやま・じゅんいち 1943年生まれ)と井上泉(いのうえ・いずみ 1950年生まれ。現在は井上夢人)の共作ペンネーム。
1982年『焦茶色のパステル』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。86年『チョコレートゲーム』で日本推理作家協会賞を受賞。89年『99%の誘拐』で吉川英治文学新人賞を受賞。同年『クラインの壺』が刊行された際、共作を解消する。井上夢人氏の著作に『魔法使いの弟子たち(上・下)』『ラバー・ソウル』などがある。

「2021年 『そして扉が閉ざされた  新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岡嶋二人の作品

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