- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062768832
感想・レビュー・書評
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アリガタ迷惑なんてことは確かにありうることで、想像の翼を広げれば広げるほどこの連鎖は空恐ろしくなる。序盤の食いつきが弱いのが難か。
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2016.06.25
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再読する。多分、2度目のほうが味わえると思う。ホントは著者の別作品が読みたいなと思っていて、そちらへの期待もこめての★3つ。
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変わった構成の作品なのだが、それが災いしてか、今ひとつ物語にのめり込めなかった。
『カタブツ』『あやまち』の面白さに比べるとはるかに劣る。 -
この現代において「執事」をやる羽目になった借金まみれの男。
何かを渡す事に苦心するも、それが叶わず苦しむサラリーマン。
それぞれの幕間に差し込まれる、ちょっとした人々の話。
「水の中に小石を落とすと、その周りに輪になって広がっていくでしょ。たとえていうと、そんなふうなものが見てみたくなった」という女主人の無理難題をクリアするため、にわか執事が考え出したアイディアとは。
そして、広がっていく波紋の反響はどこへ返っていくのか。
断片的に語られる話が徐々にまとまっていく、恩田陸『ドミノ』や伊坂幸太郎『ラッシュライフ』に似た構成。
こちらは「話が一つにまとまっていく」というより、「根っこが繋がってくる」、という感じ。
全体の構成が巧く、内容もテーマやタイトルとよくマッチしている。 -
空き時間にサクッと読むにはちょうどいい小説。バラバラの話がやがて収束していく感じを、どれだけ楽しめるかですね。伊坂幸太郎ほど巧みではないけど、清涼院流水ほどカオスでもないです。
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「シマウマは白地に黒なのかしら、黒地に白なのかしら」
思わずこの質問の答えを真剣に考えてしまった。
絹子さんの思いつきから発生した白(善意)とも(悪意)とも判別しきれないグレーゾーンの波紋。
ほんとうに、水面に広がっていく波紋のように目を凝らさないと見えないけれども、見えるところでははっきり判別できる。
「ペイ・フォワード」のようでもあるが、そこまで脳天気に善意だけでもない。
まさしくこの小説の雰囲気そのものがグレーな感じだった。
心がほっこりしかけて、ふと小さな氷の塊に気づいて瞬間冷える。そんな感じ。
沢村さんの4文字シリーズはこれで全部読んだことになるが、これがいちばんグレー度が高い気がする。
「いい話だった!」と言い切ることもできないし、「悪を堪能したぜ」とも言えない。
ものすごく面白いというわけでもないが、決して退屈でもつまらなくもない。
3つの視点のうち「奥山史嗣」という人物の話がいちばん胸に迫ったかも。
世の中のことはそう簡単に白黒つけられないんだよということか。 -
繋がりの見えない3つのストーリーが交互に繰り返される進み方は、繋がりを探しながら読むから面白い。扱ってるテーマはとても興味深かった。でもなんだろう、もう少し煮詰めてうまみを凝縮させたいような、ちょっと物足りない感じが残った。