ああ、懐かしの少女漫画 (講談社文庫)

  • 講談社
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本棚登録 : 69
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062768894

作品紹介・あらすじ

"カオルコ少女"が5〜10歳の頃夢中になった、昭和40年代の少女漫画。『なかよし』『りぼん』『マーガレット』、舟木一夫モノや、王道の恋愛&スポーツ、初めて見たヌード…驚異の記憶力と共に、鮮やかに甦る漫画たち。知らない人でもなぜか懐かしく笑える、不思議なノスタルジック・エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 好きならば、好きだと言おうっ!

    ブログをもとに加筆、修正をした文庫オリジナル。
    直木賞作家姫野カオルコが、昭和四十年代の少女漫画を、熱く語ります。

    「少女漫画なら、俺もいくつか読んだぜ。」
    と、僕がかつて通して読んだものをいくつか思い浮かべて読み始めました。
    例えば、
    『いつもポケットにショパン』くらもちふさこ著(別冊マーガレット(集英社)1980/2月号~1981/7月号)
    では、それまで親になだめすかされながら、嫌々習っていたピアノを
    「音楽とは、このように楽しむものなのだ」
    と再認識し、改めて楽しく弾くようになった、僕に転機を与えた作品ですし、
    『ぼくの地球を守って』日渡早紀著(花とゆめ(白泉社)1987~1994)
    は、異性を愛しく思う気持ちを学びました。
    『ベルサイユのばら』池田理代子著(マーガレット(集英社)1972~1973)
    や、
    『ガラスの仮面』美内すずえ著(花とゆめ(白泉社)1976~1997、別冊花とゆめ(白泉社)2008~)
    など、有名処も読んでます。
    最近は、
    『NANA』矢沢あい著(Cookie(集英社)2000/7月号~)
    も読んでいます。主人公が真ん中っ子でほったらかされて育ったところから共感を覚え、楽しく?休載前の21巻まで大人買いで揃えて読みました。

    しかしっ、本書には、僕が読んだものは、一つも出てきませんでした(-.-;)y-゜゜

    さらに、しかしっ! 面白く読了しました\(^-^)/

    と、言うのは、そもそも僕は、オタクの人の話を聞くのが好き。
    例えば、テツ=鉄道マニア。
    彼に、
    「ねぇ、通勤電車201系の運転台付き車両には、クハ201とクハ200の二種類があるのはどうして?」
    と、聴いてみて下さい。
    モーター車には、パンタグラフがついたものとパンタグラフが無いもの(隣のパンタグラフ付きモーター車から電力の供給を受ける)二種類があることは、知られていますが、運転台付き車両が二種類あることは、あまり知られていません。皆さんも、不思議に思うでしょ?
    それは、なぜかと言うと、
    テツの人は、目を輝かせながら説明してくれるはずです。

    他には、ジェットエンジン
    航空関係の高専出身の同僚に、
    「ねぇ、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違いはわかるんだけれど、ジェットエンジンってまた違うんだよね。ロケットエンジンとも違うんでしょ? ジェットエンジンってどんなエンジンなの?」
    と聴いてみた所、
    僕の理解している範囲を考慮しながら、丁寧に、図を書きながら説明してくれました。
    「吸気、圧縮、爆発、排気の四つのサイクルは、ガソリンエンジンや、ディーゼルエンジンと同じだけれど、この四つのサイクルを連続で、同時に行うのが、主な相違点。」
    と先ずは、原理から説明され、
    持続的に動作するために、発生するエネルギーの5%をタービンを回して回生させているとか、燃料の種類(ほぼ灯油だそうです。)消費量(ジェット機が飛ぶ際は、バケツ一杯を毎秒消費するとか)、まで
    その彼の親切で、楽しそうな事と言ったら。説明を受けている僕まで楽しくなりました。
    「なるほど。ジェットエンジンってそう言う仕組みなのか。」
    僕も、専門家になったような気分にさせてくれました。

    この面白さは、wikipediaの面白さにも似ています。
    wikipediaは、それぞれの項目について、素人の専門家が書いています。
    それぞれの人が、思い入れ強く執筆しているので、単なる説明に留まらない熱意が感じられるのが楽しいと思うのは、僕だけではないでしょう。
    例えば、植物の「単子葉植物」の項目を読んでみて下さい。
    単子葉植物は、花が咲く植物を「真性双子葉類」と二分する大勢力です。(チューリップやユリなどのユリ科。芝や米や麦などもイネ科の単子葉類です。)
    wikipediaの「単子葉類」の項は、おそらく植物マニアのうち、単子葉類に思い入れが強い人が執筆したと推測される熱心さです。いかに双子葉類より優れているか、効率が良いかを説明されています。例えば、草原の草がほぼ単子葉類だけに占領されていることを例に挙げ、太陽光を効率よく光合成する、単子葉類の特徴的な葉の構造を説明しています。
    ちなみに、単子葉類のうち、再び海中に戻った「海草」の項は、もっと熱心に、その特性の優れたことを語っています。

    他には、大学の物理実験の教科書として指定された「物理実験序説」山本淳之著(晃洋書房1973/10/20)の章間に挟まれて、たった二ページですが、記されていた「附記・Gauss略伝」が記憶に残っています。
    Gauss(ヨハン・カール・フリードリヒ・ガウス(Johann Carl Friedrich Gau?)1777/4/30~1855/2/23独)は18世紀末から19世紀初頭に活躍した数学、物理、天文学者です。日本では磁束密度の単位「ガウス」が有名です。僕にとっては、実験/観測データから、真の公式を導き出す際に使う解析法=ガウスの最小自乗法を考案した(彼は発見された直後、太陽の裏に隠れてしまった小惑星ケレスの軌道を、少ない観測データを元に、この方法で解析し、ほぼ正確に導き出し、再発見した。)人として、強く記憶に残っています。他には2009年11月15日にNHKで放送されたNHKスペシャル『素数の魔力に囚われた人々 ~リーマン予想・天才たちの150年の闘い~』で紹介されていた素数定理の考案者としても有名です。
    とにかくすごい人なのですが、この教科書の中で紹介されていた熱意が感じられるガウス略伝は、とても面白いです。

    本書「ああ、懐かしの少女漫画」は、僕のちょうど十歳年上の著者が小学生までに読んだものを熱く語っています。
    また、ホラーが好きという嗜好
    「まずは楳図かずおだ。」
    で始まる本書で語られる少女漫画の数々を、
    僕は一遍として読んだことがなく、また、今後も読むことが無いであろうと思われます。

    それでも、本書は楽しかった。

    「好きなものを好きと言う人は輝いている。」
    そんな法則が感じられました。

    おそらく、オタクと言われる人たちが、(ファッションのオタク以外の場合)外見に気を使わず、オシャベリが上手でなくても、案外異性に好かれる機会が見られるのは、このような魅力があるからかも知れぬ。と、認識を新たにしました。
    僕も、今後とも好きな本を熱く語ります(^_^)v

  • 面白かった!姫野センセイにこんな隠れた名作があったとは!!紹介されている作品をリアルタイムで読んでいた訳ではないけど、なんか共鳴しちゃうこの感覚・・・誰もいなくなったらセリフをボソッとつぶやいてみちゃうとか、「そうそう!」とニヤけながら一気読みさせていただきました。特に「ガラバレ」の考察は凄いので、少女マンガ好きな方ならぜひ。

  • 読んだことあるのは楳図かずおの「赤んぼ少女」だけであとは一条ゆかりと大和和紀の他の作品を読んだことがあるくらいなのに凄く面白くて止まらなかった。
    タマミちゃんは怖いけどまた読みたくなった。
    付録、かなり綺麗な状態でとってあって物持ちいいな~
    と思ったし、記憶力も凄い。読んでよかった。昔読んでたマンガを読み返したくなりました。
    続編ないのかな?

  • 資料ID:92115392
    請求記号:080||K
    配置場所:文庫本コーナー

  • 昭和40年代はまったくわからんな。ただ、40年後の今の少女マンガがいかに多様化し、洗練されてきたかはよくわかった。

  • 2012/4/5
    さすがにわからん。
    年代が違う。
    一条ゆかりと山岸涼子の名前がわかったぐらいかな。
    私の読んだ作品はもっと後のモノです。
    そして私は記憶力が皆無なので読んでたとしても覚えてないでしょう。
    元ネタはさっぱりですが、楽しめます。
    何よりここまで記憶してることがおもしろい。
    でも小説読みたいッス。

  • 確かに子供の頃の漫画への入れ込み具合は凄かった。何よりもりぼんが大事で、りぼんを中心に生活が回っていました。

  • 書店で見てきになってたやつだw 読みたいな。
    他館発注

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著者プロフィール

姫野 カオルコ(ひめの かおるこ)
1958年、滋賀県甲賀市生まれの小説家。青山学院大学文学部卒業。大学在学中から雑誌ライターとして活動。大学卒業後、画廊勤務や事務員アルバイトを掛け持ちしながら小説を執筆。1990年、持ち込み原稿から刊行された『ひと呼んでミツコ』で単行本デビュー。 
『ツ、イ、ラ、ク』『ハルカ・エイティ』『リアル・シンデレラ』でそれぞれ直木賞ノミネート。そして2013年『昭和の犬』で直木賞受賞。その他代表作として、映画化された『受難』など。

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