マウス (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 495
レビュー : 71
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062769129

作品紹介・あらすじ

私は内気な女子です-無言でそう訴えながら新しい教室へ入っていく。早く同じような風貌の「大人しい」友だちを見つけなくては。小学五年の律は目立たないことで居場所を守ってきた。しかしクラス替えで一緒になったのは友人もいず協調性もない「浮いた」存在の塚本瀬里奈。彼女が臆病な律を変えていく。

感想・レビュー・書評

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  • 小学校五年生、内気な女子と同じクラスで心を閉ざす女の子が友だちになったことで物語が動き出す。クラス内ヒエラルキー的な女子のやりとりは辛辣だが、大人になっても「オンナ」の本能から一歩外れた自然体で生きようとするふたりの交流が魅力的で清涼感さえ覚える。

  • 最近、「スクールカースト」という言葉がクローズアップされてきている。最近自分が読んだ本の中でも青山七恵さんの『魔法使いクラブ』や羽海野チカさんの『3月のライオン』など、その雰囲気をとらえているものをちらほらと見かける。私の小学生や中学生の頃はもうだいぶ遠いが、そういった雰囲気は確かにあったと思う。でも、それについては書かれていたのだろうか。最近になって書かれ始めたのだろうか。それとも書かれていたけれど気づいていなかったのだろうか。

    『マウス』は『クルミわりとネズミの王さま』が物語のキーとして使われていることもあってか、どこか童話のような雰囲気を感じる。瀬里奈の変わりっぷりは、映像にするとCGでも使わないと表現できないような、どこかファンタジックなところがある。最初の書かれ方から、こうなると思わなかったので、やや意表をつかれたという感じ。

    そういうファンタジックな雰囲気を感じてからは逆にどこか安心して読んだという感じだった。

  • 読み始めの印象と、読み終えたときの印象が、いい意味で違ってよかった。

    きっとわたしも律寄りだと思う。
    だからだろうか。律に共感。
    そして瀬里奈みたいな存在がいたら、
    おそらく自分を解き放ってくれただろうに。

    解き放つという意味では、瀬里奈の役割は、今のわたしにとっては主人なのかもしれないが。

    • 円軌道の外さん

      コメントありがとうございました!


      いやぁ〜
      いい夫婦関係が見てとれるし、
      うやましいなぁ〜(*^o^*)


      信頼...

      コメントありがとうございました!


      いやぁ〜
      いい夫婦関係が見てとれるし、
      うやましいなぁ〜(*^o^*)


      信頼できるということと
      自分を解き放ってくれる相手って
      また少し違う気がするし、

      そういう出会いのためにも
      人との縁は
      一つ一つ大事にしていきたいって思います♪


      2012/06/28
  • 目立つことを嫌い、かといって孤立も怖くて一生懸命に普通を装う小5の律と、新しいクラスでいつも泣いていて、誰とも接しようとせず完全に孤立している背の高い女の子の瀬里奈。冒頭は学校内の陰湿ないじめの話かと胃がキリキリしたが、まるで想像を超える話だった。くるみ割り人形を読んだことがないので「マリー」のキャラクターが今もってよくわからないが、瀬里奈の変遷が面白い。物語は中盤から突然面白くなってくる。最後もじんわりとさせられて、物語はうまく着地している。しばらく村田沙耶香にハマりそう。

  • まだ中高生だった頃に読んだ本。
    主人公の気持ちが手にとってわかるような気がした。

  • とても面白かった。
    なんか、人間の位置関係がコンビニ人間を彷彿させるが、ソフトで、いい感じ。
    エキセントリックな瀬里菜の世話を焼くことで、内気な律は成長してゆく。瀬里菜もなんとか社会地の関わりを持ってゆく。

    あまり快活とは言えない登場人物が成長してゆく姿がなんとも言えずいい感じであった。

    コンビニ人間のように痛々しさを感じず、読了感もよかった。

  • 友達ってなんだろう。自分て何なんだろう。
    最初はいじめられっ子の物語なのかと思っていたが、意外や小学生から大学生まで成長していく。立場がいれかわるってことは自分も成長しているって事にもなるのかもしれない。

  • コンビニ人間の後に読んでしまったので感動が薄れてしまったかもしれない。内容はコンビニ人間と似たところがあるので、作者の伝えたいメッセージの補完として読むと良いと思います。

  • 「内気な女子」として同じような子を新しい教室で探してしまう主人公・律の姿に何十年も前の自分を重ねながら読みました。
    スクールカーストの「下」に分類される者同士で集まっても、その中で更に「グループカースト」ができてしまう。
    3人組だと必ずと言っていいほど2対1になるんですよねぇ。
    学校行事の観光バスで「補助席でもいい?」とか、とてもリアルでした。

    まぁ、こういう「友だち」はクラスが離れてしまえばさっぱり遊ばなくなるのもあるあるですね。
    また、大学生になってそれなりに身ぎれいにして、アルバイトも始めて同僚ともそつなく付き合えるようになったつもりのところに、肩の力の抜けた飲み会で彼女彼氏の話を聞くと置いて行かれたような気持ちになるのもどこか憶えがあります。

    また、すぐに泣いてしまう瀬里奈が感銘を受けた『くるみ割り人形』のマリーになりきる事によって別人のように振る舞えるのも、極端ではありますが理解できました。
    乱暴な男の子を殴り倒した場面は過激だったけれど、スカッとしたなぁ。


    本当に心が通じ合った者同士なら生活環境が変わっても友達でいられるのだな、と実感した結末。
    そんな友人に出会えた律と瀬里奈は幸運ですね。

  • この作者にしては爽やかな、読後ほっこりする物語。
    私のような凡人の想像する、変わった子、のナナメ遥か上をいく人が出てくる事は変わりないけど。

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著者プロフィール

村田沙耶香(むらた さやか)
1979年、千葉県印西市生まれ。二松學舍大学附属柏高等学校、玉川大学文学部芸術学科芸術文化コース卒業。
2003年『授乳』で第46回群像新人文学賞優秀賞を受賞しデビュー作となる。2009年『ギンイロノウタ』で第22回三島由紀夫賞候補及び、第31回野間文芸新人賞受賞。2010年『星が吸う水』で第23回三島由紀夫賞候補。2012年『タダイマトビラ』で第25回三島由紀夫賞候補。2013年、しろいろの街の、その骨の体温の』で第26回三島由紀夫賞受賞。2014年『殺人出産』で第14回センス・オブ・ジェンダー賞少子化対策特別賞受賞。2016年『コンビニ人間』で第155回芥川龍之介賞受賞。
2018年8月末、『地球星人』を刊行。

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