論理と感性は相反しない (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062769136

作品紹介・あらすじ

神田川歩美と真野秀雄は、つき合い始めた頃にときどきケンカした。真野の論理と、神田川の感性は、ぶつかり合いながらも共生の道を探っていくが…(表題作)。男と女、宇宙、音楽と文学、伊勢物語…それぞれの登場人物がオーバーラップして展開していく十四編。意欲に満ちた、著者初の書下ろし小説集。

感想・レビュー・書評

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  • なかなか自由で適当(失礼)なところがすき。

    ☆ミルフィーユ
    清水マユミズさんは、画数が悪いの。といって改名したころは吹いてしまいました。
    なんでまた・・・
    マユミズも、ちゃんと考えられていていい名前なんですよ。
    でも、なんで。。。

    ☆嘘系図
    山崎ナオコーラさん説の進化論、これはまた適当ですき。
    理屈じゃないと思うし、神さまがおつくりになったもん、でもないと思う(進化論も、アダムも全然信じてない。私は。進化論だって、途中の化石(羽が中途半端に進化しているの、が出土しないのは説明できない。目や耳だって、キリンの首が長くなるように徐々に進化したとしても、その中間状態は使い物にならないわけで、突然できたとしか思えないわけです。だれか説明して。。。「キリンの首―ダーウィンはどこで間違ったか」をよもう!)ので、こうした適当なところから生命は生まれた、というのが正しい! 私はこちらに1票。

    ☆終わらないあとがき
    ノンフィクションかな?
    軽いノリのお友達と出会いと。
    あとがきなのだけれど、ストーリーが展開していく。

  • 年を重ねて味覚とか感性とか変わるけれど、
    好きなものが変わらないってなんか嬉しい。

    2011年の積読本です。苦笑
    当時は495円(税別)でした。
    -------------------------
    若き文豪が放つ、
    入魂の小説集

    「こんな作品は、もう書けない」
    恋と別れ。文学と音楽。光と風。ブエノスアイレスと秋葉原。
    人は繋がり、世界はどこまでも広がっていく。
    -------------------------
    14編がつまっていますが、
    読み終わったあとに抱いた感想は、
    「一貫してむちゃくちゃ。
     でもナオコーラさんの言葉選び、
     感覚がやはり好きだ。」でした。

    表題作に登場する、
    神田川歩美と真野秀雄は他の作中にも登場します。
    自分たちがそれぞれに生きてきた時間を感じて、
    改めて距離を認識する場面は印象的でした。

    積読から10年以上も時を経て、
    私もだいぶ年を取り、
    アラフォーに差し掛かっているのに
    仕事の昼休みに1編を読んで元気になったことに、
    驚くとともに嬉しくありました。
    10年前の自分と通じ合ったような。
    なんですかね、生きてきたなというか。
    そんな気持ちにさせてくれた一冊でした。
    積読も寝かせる分だけ良いこともあるのかもです。笑

  • 論理と感性は相反しない。
    だって、論理は世界に意味をもたせて、感性は世界を彩色するものだから。言語化難しいけど、なんだか好きな音楽見つけたときとにてる心地よいそわそわ感。
    「終わらない後書き」で、そうそう!だから私は山崎ナオコーラが好きなんだー!ってなった。好き。涼しくてリアルで軽やか。

  • わかり合うことなんて、全然求めてない。好き合うことを求めているのだ。

    考えるな、感じろ。を越えて、
    考えたいし、感じたい。を突っ走った1冊。好きです。

  • 一話一話くるくると変わって、時々交差して、目線が人になったり、人ではないもっと別なものに変わったり、時間が凝縮されていたり、何気ない会話がゆるく続いたり、万華鏡みたいな話。

    真剣な話をする時に半笑いになってしまう神田川と、
    水飲み依存症の小説家矢野マユミズ(後にマユミミズ)、
    この2人がとにかくキュート。
    ほかに出てくる人たちもみんな癖があって、可愛らしくて憎めない。
    面白かった!

  • 名前が面白いから気になってたナオコーラさん。

    おしゃれ!!なんかすごいおしゃれ!!あとがきでこの作家さんのことがさらに好きになってしまった。

    人間が出てこない話、よかった。
    鏡は銀色と思われがちだが、常にいろいろな色が映っているので、実際には銀色である瞬間などない。

  • この小説に登場する「矢野」のペンネーム「矢野マユミズ」の由来は「水が好きだから」というものだった。

    はっ、とする。

    じゃあ「山崎ナオコーラ」という風変わりなペンネームの由来は「コーラが好きだから」なのだろうか。

    翻って。

    「矢野」のように「山崎」も生きてたのだろうか。

    登場人物と著者を同一視する読み方は野暮だと思いながら、ぬるい想像にふけるのでした。

    そう、ぬるい。

    大学を卒業してからの残りの20代は、なんだかぬるくて、身に覚えがあって(今まさに)、くすぐったい。

  • 悪いくせで、つまらなそうだなと思ったので買ってしまった。


    案の定、文学としてはどうかと思う。文学のことなんてよくわからないけどそれでも。


    でも買った最大の理由として、書きたいものを試してみよう、といった試験性?があるんだけどまさにそのままな短編集だった。

    表現もバカみたいだし、小説というよりはブログみたいだけど、

    今の小説はこんな感じでいいんじゃないか、と思った。
    ごく個人的な理由で書かれた、そういう意味ではごく私小説的な短編集。

    全編通して若いし恥ずかしい。
    でも本来いくつになってもこんなものだと思う。


    だからとても気分にあった一冊でした。

  • 山崎さんの哲学がチラリ。
    好きだなぁ、こういうの。
    おふざけ感。

  • 本人はふざけてかいたというけれど、小説ってこんなこともできるんだよ、というのを力いっぱい叫んだ、試みと企みに満ちた短編集と受け取った。人が一切出てこないとか、架空のバンドの年表だけとか、そのバンドの一員の独白とか。小説に活かすために現代音楽の作曲家とお付き合いするとか脅迫状じみたラブレターおくってくる同級生とか。◆その頃、神田川のアンチポデスは秋葉原にいた(p.128)という書き出しのなんて魅惑的なこと。◆人間よりも、書物の方が、位が上のように、矢野は考え始めていたp.143

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著者プロフィール

1978年生まれ。「人のセックスを笑うな」で2004年にデビュー。著書に『カツラ美容室別室』(河出書房新社)、『論理と感性は相反しない』(講談社)、『長い終わりが始まる』(講談社)、『この世は二人組ではできあがらない』(新潮社)、『昼田とハッコウ』(講談社)などがある。

「2019年 『ベランダ園芸で考えたこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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