風の中のマリア (講談社文庫)

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レビュー : 776
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062769211

感想・レビュー・書評

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  • オオスズメバチの一生を擬人化した小説。
    わずか1か月程度の寿命の中で、メスであるオオスズメバチのワーカーの壮絶な一生が擬人化され描かれている。
    オオスズメバチのワーカーはメスでありながら、他の虫を狩ることに命をかけている。もちろん種を残すためである。一方、メスでありなが種を残すための交尾をすることはない。することなく一生を終える。著者はワーカーとしての狩り等については学術的なことをベースに詳細に書いている。一方、このワーカーにメスとしてのは、著者が感情を吹き込んでいる。この感情が、ワーカーの本能と対比され、儚さをとても感じた。

    巻末にあるように、たくさんの情報にあたりまとめ上げ、のめりこませる物語に仕上げる著者のスキルにはいつも感服させられる。今回もオオスズメバチをはじめ様々なハチの見方が変わった。
    「永遠のゼロ」はマンガ化されたが、是非この本もマンガ化して小学生~中学生に読んでほしい。

  • ヴェスパ・マンダリニアの戦士、疾風のマリアの物語。
    ヴェスパとはスズメバチの学名、中でも最大の種がマンダリニア。オオスズメバチのこと。
    ちょーっとした抵抗感を越えて、あっという間に読了、ぶっ飛びました。
    社会性昆虫、すごいです。
    ワーカーとしての一生、女王の過酷な運命、そして戦いや闘い。
    この生き様が現実のものだっていうんだからもう、ねぇ。
    人間目線では見えない世界がどれほどのものか。

    コレをフィクションで書き切る視点と筆力には脱帽。
    百田尚樹すごいっ

  • 初の百田作品。 これは読まされた。掴まれるタイプの小説。想像しやすいストーリーというのはあるが、この本はむしろ想像を強いられる。ありありと浮かぶ情景に、背中がゾクゾクした。 オオスズメバチが主人公という不思議な設定。それは、森のなかの食物連鎖における弱肉強食の世界。力あるものが制圧し、蹂躙し、糧とする。そこには愛も情けも実に虚しい。 なぜ、女王がたくさんの子を産む繁殖方法なのか。読ませるストーリーながら、深いリサーチのもと、忠実に描かれる生態。 「ねぇマリア、私たちはどうして子供が産めないの?」

  • 「オオスズメバチ」を擬人化しての物語という発想そのものが、というより人間から嫌われ者の「ハチ」、それも人間に危害を与える程の獰猛な「オオスズメバチ」を主人公にするという百田直樹氏の着想力に先ずは恐れ入ったという所。

    百田氏の手抜きなしの「調査力」でオオスズメバチの習性を完璧に反映したストーリーは流石です。帝国(ハチの)の繁栄と衰退、女王蜂とワーカーの関係性などを読み進めながら思ったのは、単なるオオスズメバチの短い一生の中での事というよりも、「永遠の0」に繋がる「戦慄」を感じながら読み進んだので、ちょっと思い感じで読了。それは「ハチ」の一生を我々人間に置き換えて読んでみれば分かる事かも知れない。

  • すんごいスズメバチに詳しくなりました。
    教科書になるレベル。その世界観を十分に理解した上で物語を読み進められるので、引き込まれます。

  • オオスズメバチの話。忌み嫌われるけど彼女たちも必死なのがよくわかる話。遺伝の話がおもしろかった。

  • こちらに書いています↓
    蜂の気持ちがわかります!! 風の中のマリア 百田尚樹
    http://ameblo.jp/ninjin1234/entry-11618709110.html

  • あの「永遠の0」の百田さんが描く、オオスズメバチの世界観がすごい。

    蜂の生態も興味深いものがあり、蜂のオスはすべて無精卵から生まれるって、目からウロコを超越して、なんだか常識が覆された気分Σ( ̄。 ̄ノ)ノ

    百田さんってツイッターではいろいろ叩かれているようだけど、やっぱり才能はすごいと、上から目線で言ってみました。

  • オオスズメバチのワーカー(戦士)の一生の物語。
    感じ的にはオオスズメバチの一生を物語にしたという感じ。なので小説でありながらも、なにか昆虫記を読んでいるような気分でもあった。
    オオスズメバチが生まれてから死ぬまで、女王蜂やワーカーの性質、どのようにして一つのサイクル(女王蜂が生まれて育ち、巣が出来て1つの帝国が出来、そして新しい女王蜂が生まれてから、1つの帝国が滅ぶ様まで)がまわっていくかということがよくわかった。
    個人的に凄く興味のあった部分は、ニホンミツバチがセイヨウミツバチから堂々とミツを盗まれても、何もしないという部分。元々セイヨウミツバチが自生していなかったからとはいえ、何故こうなるのかというのは凄く気になる部分であったし、おもしろいなと思った。

  • 自然界における弱肉強食の仁義なき戦い。アニメや映画に見る馴れ合い感一切ナシの蜂目線で描かれた自伝を読んでいるかの様でした。
    女王蜂に忠誠を尽くして命のやりとりをかい潜り、自らの宿命や家庭を築けぬ葛藤…
    何となく武士や侍にも彷彿とさせるものがあり、短い生涯に命を燃やす滅びの美学とも言うべき心意気を感じます。
    物言わぬ昆虫の擬人化、作者の筆力あってこその良作でした!

    • imuzak12さん
      なんともストイックというか、不思議に良かったですよね。なんか『永遠の0』と似た部分があるかな、と思いました。読後にYouTubeでニホンミツ...
      なんともストイックというか、不思議に良かったですよね。なんか『永遠の0』と似た部分があるかな、と思いました。読後にYouTubeでニホンミツバチとオオスズメバチの戦いを見て感動しましたよー。
      2013/09/03
    • hypnosisさん
      実際スズメバチの巣を見つけたら速攻で逃げますけどねΣ(゚Д゚)‼!!
      ヴェスパ・マンダリニアって学名もなんか響きが恰好いいですよねー。
      『...
      実際スズメバチの巣を見つけたら速攻で逃げますけどねΣ(゚Д゚)‼!!
      ヴェスパ・マンダリニアって学名もなんか響きが恰好いいですよねー。
      『永遠の0』も12月公開ですね♫ボロ泣きしそうです…(ノД`)・゜・。
      2013/09/21
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著者プロフィール

百田 尚樹(ひゃくた なおき)
1956年生まれ、大阪府出身の放送作家・小説家。『探偵!ナイトスクープ』の放送作家として活躍。
50歳の時にはじめて執筆した『永遠の0(ゼロ)』で作家デビュー。ヒット作となり、映画化されている。
ボクシング青春小説『ボックス!』が第30回吉川英治文学新人賞候補、第6回本屋大賞の5位に選出され、映画化もされた。『海賊とよばれた男』で2013年本屋大賞大賞受賞。コミック化、映画化された。

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