新装版 たのしいムーミン一家 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062769334

作品紹介・あらすじ

長い冬眠から目ざめたムーミントロール。仲よしのスナフキン、スニフといっしょに、海べりの山の頂上で黒い帽子を発見しました。それは飛行おにが落とした魔法の帽子で、中に入れた、あらゆるものの形をかえてしまうものだったから、さあたいへん! ふしぎなスーツケースをもったトフスランとビフスランもあらわれて、たのしくて、ふしぎな事件が次々に起こります。さあ、おそろしい飛行おには、ムーミンママのパンケーキを食べるでしょうか。

ムーミンシリーズ第3作。

感想・レビュー・書評

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  • 「はじめに」で描かれた、これから冬眠にはいるムーミンたちの様子にうっとり。
    外は厚く降り積もる雪、おなかをいっぱいにして、あたたかく整えた寝床で、たのしい夢を見ながら春を待つ…。
    ああ、ムーミンたちのようにみんなで冬眠して、コロナのない春を迎えられたら…と思わずにはいられませんでした。

    メインのお話は、ムーミン一家の春のはじまりから夏のおわりまでの出来事です。
    魔法のぼうしを拾ったり、舟で冒険に出かけたり、あたらしいお客さんをお迎えしたり…などなど、いろんなふしぎなことがゆったりと進んでいきます。
    海で見つけた木でできた美しい女王さまの像(船のへさきについていたもの)をムーミンにプレゼントしたスノークのおじょうさん。
    だけど、その女王さまをうっとりと眺めるムーミンにやきもちを焼いてしまうところが可愛らしかったです。

    なんともハッピーで優しい気持ちになれるラストシーンにほっこりしながら読了。
    誰かの願いが叶いますように、と願えることは、とてもとてもすてきなことだなぁ。

  • 数年前に読んだことがあり、結構覚えていた。
    ムーミンママがアリジゴクに砂をかけられた話は、本来の1作目である“小さなトロールと大きな洪水“であったことなので、話が繋がっているのだなと改めて。
    相変わらず、ムーミンが帽子で変身した姿(挿絵)はギョッとする。
    スナフキンやスノークの皮肉や、やってしまえ!と勢い立てる発言が面白い。
    モランって女性だったのだなと。それにもっとしつこかった気がしたが、普通に会話ができて、飛行鬼の帽子の効力を見せてもらい、納得したらあっさり帰っていった。
    ルビーの王様、ルビーの女王、落ちが良い。

    「そら、こうやってくずいれにしたらどうだろう。これでまた、財産が一つ、ふえるわけだものね」p26
    「生きるってことは、平和なものじゃないんですよ」p123

  • 今までのムーミンは現実味がある…?というような、少し暗めのお話だったが、こちらは楽しく温かいお話だった。どんな相手にも愛情を向けるムーミンたち。素敵だなぁと思った。和む一冊。

  • 八月の大パーティーのシーンが好き。
    スナフキンが居ない寂しさとパーティーを楽しむムーミン谷の人達の姿が合わさって読みながら泣きそうだった。
    大好きなスナフキンを見送った後ムーミンが走って家に帰るのが切なくて、子供らしくて良かった。

  • 独特な雰囲気がありますが、挿絵などがあるので情景を思い浮かべながら読めました。
    最後はハッピーエンドで良かったなぁ
    スナフキン早く帰ってきて欲しい!

  • よく考えれば奇天烈な世界
    それをなんてことない日常のように受け取ってしまう。
    前作に比べると語りかけが入っている分
    童話的な優しさ度Up↑。
    個性的なキャラクターがワイワイガヤガヤしている中で
    マイペースなムーミンママが穏やかな世界に引き戻し、
    なんだか、のんびりした雰囲気に落ち着かせる。

  • ムーミン谷の明言botから届くTweetが渋かったので読みました。現実的なものと超越的なものの織り合わせが良い感じでした。
    スナフキンが哲学的なのは知ってましたが、ムーミンママの実力は知りませんでした。カーネギーよりも人を動かしてます。また、トフスランとビフスランの話し方(ある文字をいれかえる)がツボでした。

  • 最後のパーティーがステキ。楽しさがスゴくよく伝わってくる。

    それに飛行おにってのは怖そうだし、ひどい事しそうなイメージだったけど、なんかいいおにだった。飛行おにって響きが怖いんだな。

    子供の頃に読んだのをスッカリ思い出してホッコリ。
    (120911)

  • ムーミンたちがどっさりと松葉をお腹につめこんで冬眠に入るところから物語は始まります。冬眠のあいだは松葉が大切なんですって。

    百日百晩がたち、春になりました。ムーミンたちは目覚め、早速、まだ雪の残る山へと向かいました。三月の風に吹かれながら。

    山のてっぺんにはまっ黒いシルクハットがひとつ、ありました。それは中に入れた物の姿形を変えてしまう『飛行おにのまほうのぼうし』でした。

    まほうのぼうしをめぐる、不思議で楽しい現象がムーミン谷を覆います。ポップで可愛い変身。

    それから物語の終盤にお茶目なトフスランとビフスラン、モランおばあさん、寂しい飛行おにという、個性的な面々がムーミン谷を訪れます。

    ムーミン一家は冒険号に乗ってニョロニョロ島にも行きました。

    スナフキンは秋が来るまえに旅に出ます。春にまた会いにくるとムーミンに約束して。

    陽気にハーモニカを鳴らしながら旅立つスナフキンの背中が小さく小さく見えなくなりハーモニカの音が聴こえなくなるまで、じっと見つめるムーミン。

    ムーミンの寂しさがひしひしと伝わって来ます。とても好きな場面です。

    飛行おにはパンケーキを85年ぶりに食べました。…85年前はだれと食べたのだろう。気になるなあ。

    飛行おには自分の姿を変えることと、ほかのひとの望みを叶えることは出来るのですが、自分の望みは叶えることの出来ないのです。なんとも気高い、魔法の力なのでしょう。黒ひょうに乗りひとり大空を滑空する飛行おに。

    楽しい場面の中にしんみるする場面がちりばめられた、素敵なお話でした。

    物語の中でムーミンパパはせっせと自伝を書いています。だれにも愛してもらえなかった、こども時代をすごし、大きくなってからもそれは続き、あらゆる意味でおそろしい日々を送ってきたらしいのですが、…どんな日々を!!と、想像し思わず、涙ぐみました。

  • シルクハット騒動に、雲にぽわぽわ乗ったり
    ニョロニョロの島はこのお話だったかー。とうる覚えのところがもりもり。
    飛行おに結構やさしかったり(よかったねえ、の結果で良かった!)モランがしゃべるのは全く記憶になかった。とかとか。
    新鮮だなあ。

    みんなはらはらしちゃう発言や行動をするけれど、ムーミン谷のみんなははらはらなんかしてなくて、じゆうだなあ、とにやにやしちゃう

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著者プロフィール

1914年、ヘルシンキ生まれ。画家・作家。父が彫刻家、母が画家という芸術家一家に育つ。1948年に出版した『たのしいムーミン一家』が世界中で評判に。66年、国際アンデルセン賞作家賞、84年にフィンランド国民文学賞を受賞。主な作品に、「ムーミン童話」シリーズ(全9巻)、『彫刻家の娘』『少女ソフィアの夏』(以上講談社)など。

「2023年 『MOOMIN ポストカードブック 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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