新装版 ムーミン谷の冬 (講談社文庫)

制作 : 山室 静  冨原 眞弓 
  • 講談社
4.14
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本棚登録 : 580
レビュー : 54
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062769365

感想・レビュー・書評

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  • 冬眠中のムーミントロールは、まだ真冬なのにどういうわけか目が覚めてしまって、冬眠を続けられなくなってしまう。ムーミントロールが初めて経験する冬。それは北欧ならではの厳しさと孤独感と神秘に満ちた冬の様子で、私達アジア圏で経験する冬ともひと味もふた味もまたちがう。ムーミントロールと一緒になって、初めての冬を過ごすかの様になにもかもが新鮮だ。文章が寝床で聞く母親の物語のように暖かく美しい。ムーミントロール悩みや驚きや感動、 悲しいエピソードも静かに心に染み込んでくる。冬を乗り越えていく希望と勇気を分けてもらえる。真冬のような試練もかならず明るい春の日差しを浴びき希望に変わっていくことをしみじみと感じた。

  • いつもは冬眠している季節に目覚めてしまうムーミントロール。みんなが目覚めない中、1人で外に出て冬のムーミン谷を冒険する。
    雪に埋もれたムーミン谷で、他の話よりもムーミントロールが1人成長していくような気がする。そして最後の最後でいつも以上にムーミンママの器の広さ、偉大さを実感する。
    たまたま春の訪れを感じるような暖かい日に読み終わったので、ほっこりした。

  • これまでのムーミンシリーズと一線を画するお
    話。冬眠中なのに何故か目が覚め眠れなくなってしまったムーミン。冬の間に自分の家の水遊び小屋に見ず知らずの人達が住み着いていた。おしゃまさん、ウザいくらいに陽気な体育会系ヘルム、犬のメソメソなどユニークなキャラクター達が登場するが、今回のムーミンはそういった人達との不協和音に悩む。
    明るく温かい環境で出会うなら素直に仲良くなれたのかもしれない。けれど暗くて寒い中、家族は誰も起きて来ない孤独な状況では違ってくるの。
    そんな中でも知り合った人達と折りあって行く、ムーミンの思春期の通過と社会勉強だと言えよう。
    保存しておいたジャムをみんな食べられ、寝ている間に部屋を荒らされているにも関わらず、ムーミンに立派におもてなしが出来て誇りに思うと言ってしまうママは本当に太っ腹!
    おしゃまさんの魚のスープの味も気にかかる。内容とは関係ないが、おしゃまさんのイメージと森三中の黒沢さんが被ってしまう。

  • 冬眠中にムーミントロールが起きてしまった!?
    ムーミン一族史上、初めて「冬」を体験するムーミントロールと、冬に姿をあらわす様々な生き物のはなし。

    「おしゃまさん(トゥーティッキ)」が可愛いですね。
    冬を謳歌する、どこか達観した女の子。
    ↓のセリフが印象的。

    「あの子たちの冒険ときたら、いつもこんなものだわ。たすけたり、たすけられたりさ。その人たちをほんとうにあたためてあげるもののことを、いつか、だれかにかいてもらいたいよ。」

  • ムーミン谷シリーズは夏が舞台になっているものが多いが、どんなときでも恐ろしい冬の気配が漂っているように思う。それは、「夏の終わり」「スナフキンの旅立ち」といった静かな寂しさで表現されている。

    私は一度、冬にフィンランド経由でヨーロッパに行ったことがあるが、小さな町の小さな家が雪の中に埋もれるようにして佇んでいたのを思いだす。
    ムーミンたちはそんな冬、松葉をどっさりとおなかに溜め込んで冬眠する。時計は止り、ストーブが静かに燃えている。
    ある冬、ムーミンは家族の中で一人だけ冬眠から目が覚めてしまい、眠れなくなる。外に出てみると、見たことのない生き物達が生きていた。

    ムーミンは春を待ち焦がれながら、その厳しい冬を生きていく。そこには、「初めての経験」を少しずつ乗り越えていく「冒険」が確かにあるのだ。

  • 雪に覆われてシーンとした、普段とは違うムーミン谷。そんな中で冬眠から目覚めてしまったムーミンの寂しさを紛らわす為の行動がなんとも健気だ…
    ミイはどんな時でもたくましい(笑)そして初登場の哲学娘おしゃまさん。個人的にすごく好き…だけどゲームはスナフキンの旅立ちと入れ違いに登場する為、我が家ではスナフキン女装説浮上中…

  • ムーミンや全体の雰囲気がすごく可愛い。さりげなく心に響く印象的な言葉がとても綺麗。

    • PLUTOさん
      素朴で透き通った感じの言葉遣いですよね。
      言われてみれば…!
      仕事などで動きまわってるよりスローライフの早寝早起きのイメージがあります。
      素朴で透き通った感じの言葉遣いですよね。
      言われてみれば…!
      仕事などで動きまわってるよりスローライフの早寝早起きのイメージがあります。
      2013/01/11
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「スローライフの早寝早起きのイメージ」
      確かに、、、
      ヤンソンの理想だったのかなぁ~
      冨原眞弓の「トーヴェ・ヤンソンとガルムの世界」を読むと...
      「スローライフの早寝早起きのイメージ」
      確かに、、、
      ヤンソンの理想だったのかなぁ~
      冨原眞弓の「トーヴェ・ヤンソンとガルムの世界」を読むと、暗い現実に抗う姿が浮かんできますが(大人向けの小説もシニカルですよね)、、、
      2013/01/17
    • PLUTOさん
      作者の価値観や生活環境なども考えながら読むとまた違った面白さがありますよね。 また「トーヴェ・ヤンソンとガルムの世界」さがして読んでみます。
      作者の価値観や生活環境なども考えながら読むとまた違った面白さがありますよね。 また「トーヴェ・ヤンソンとガルムの世界」さがして読んでみます。
      2013/01/19
  • 冬眠の途中で目がさめてしまった ムーミン
    初めての冬を楽しみます!!
    ああ。ムーミン谷行ってみたいなぁ〜…

  • 新装版で再読。


    深夜に目が覚め、家中をうろうろしてみても家族はみんな寝静まっていて、強烈な孤独感と恐怖がある。

    そんな誰もが覚えのある幼児体験を描いた本作。分かるなあ!ムーミンの気持ちが!
    「母は自分のためならなんでもしてくれる」と信じ込んでいる幼児にとって、自分が一人で寂しがっているのに眠り続ける母は驚きですよね。冬のムーミン谷もとても良かった。

    ムーミンママの愛!
    引用文にも書いたが、なにがあっても起きなかったママがムーミンの辛そうなくしゃみ一回でパッと目が覚める!ううむと唸るシーンだ。

  • 一家揃って冬眠中のムーミンが、家の中でたったひとりだけ目を覚ましてしまい、目がさえてますます眠れなくなり、よせばいいのに寒い寒い外に飛び出します。初めて見る雪にびっくりたまげながら、お日さまの消えてしまった白夜の世界の中で、冬をエンジョイする生きものたちとの交流を描いた作品です。

    ・・・、と、しれっと書いていますが、わたしはムーミンが冬眠するものだということを忘れていました。

    そんな感じでとても新鮮な気持ちで読み始めたので、「雪は地面から生えて来るものだと思ってたぁ~」と空からどすどす落ちてくる雪にびびったり、スキーでえらい目に遭うムーミンのじたばたする様子tが、もう、おかしくておかしくて、肩はふっふっと震えながら、しかし何食わぬ顔で電車の中で読んでました。

    そして、現代でもなお、真冬には太陽がどっかに行ってしまう白夜の寒い厳しい季節を生き抜いている北欧のみなさんに敬意を表したくなるのでした。

    ムーミンといえばやっぱり日曜朝のアニメ劇場で育った世代なので、ほわほわな世界だと思っていましたが、大人になって活字もので読み返すと、けっこう奥深いのでびっくりしました。
    「おしゃまさん」や「ちびのミイ」が、たまに吐き捨てる言葉の中に、すごく良い人生訓が見えるのです。めっちゃいいこと言ってます。
    こんなに深みのある作品だったとは!
    そして、無鉄砲なくせに思い切りが悪く、さばっとしているわりに押しの弱いムーミンの様子を見ていると、とても人間くさく思えてきて、何か自分の事を言われているようでもあり、とても親近感がわいてきます。

    結局、ムーミンママが予定より(?)若干早く冬眠から覚めてくれて、そしてその頃には早い春がやってきているのですが、読んでいるこちら側も漆黒の冬の世界に連れて行かれていたので、ページが進むにつれて少しずつ冬から春へと変わり行く時間の流れとともに、「冬、まだ行かないで~!」という気持ちと、「早く春になってこの人たちにぽかぽかしてもらいたい」という気持ちがないまぜになります。春が来てしまうと物語が終わってしまうから。

    ムーミンママの前向きさと割り切りの良さ!
    物語のラストにもらった大収穫です。

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著者プロフィール

1914年ヘルシンキ生まれ。フィンランドが生んだ偉大な作家のひとり。その生涯については『ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソン』(小社刊)でくわしく知ることができる。

「2018年 『ムーミン 愛のことば』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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