新装版 ムーミンパパ海へいく (講談社文庫)

  • 講談社 (2011年8月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (360ページ) / ISBN・EAN: 9784062769389

作品紹介・あらすじ

毎日が平和すぎてものたりないムーミンパパは、ある日、ムーミンママとムーミントロール、ちびのミイをつれて海をわたり、あれはてた島の灯台守に。植物も育たない岩だらけの島になじめないムーミンママは、部屋の壁にムーミン谷の絵を描いては、そこで眠ってしまうように。いっぽうムーミントロールは、美しいうみうまに出会い、追いかけてきた氷の精モランと夜ごと会うという秘密をもってしまい……。ムーミンシリーズ8作め。


毎日が平和すぎてものたりないムーミンパパは、ある日、ムーミンママとムーミントロール、ちびのミイをつれて海をわたり、あれはてた島の灯台守になります。植物も育たない岩だらけの島になじめないムーミンママは、部屋の壁にムーミン谷の絵を描いては、そこで眠ってしまうように。いっぽうムーミントロールは、美しいうみうまに出会い、追いかけてきた氷の精モランと夜ごと会うという秘密をもってしまい……。

ムーミンシリーズ8作め。

感想・レビュー・書評

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  • 他の話よりも暗め。
    ムーミン一家が船旅に出て、新天地を目指す。
    憧れの灯台を発見するが、灯りが点っておらず、灯台守もいない。
    本編でのムーミンパパは理想に向けて結構頑固であり、ムーミンママやムーミントロールは付き合ってあげてる感がある。ミイは相変わらずだが。

    ムーミンママは庭を作って薔薇を植えたいが土がなく、ムーミンパパに海草がいずれ土になるんだよと言われて海草を集めたり、薪を切ったり、壁に花の絵を描いたりして空想に浸る。ムーミン谷が恋しい。
    ムーミンは2頭のうみうまに憧れながらも、モランが島に近付いているのを知る。カンテラの光に誘われているようだが、遂に灯油が無くなった時も様子を見に行ったらもはやムーミン目当てになっていたようでモランは喜んでいた。
    ムーミンパパは海について調べつつ、こいつは大変な気分屋の生き物だと悟ると、心の中でもうこの島を虐めるのは良さないかと語りかける。

    最後の最後になると、船乗りは自身の誕生日パーティに呼ばれてムーミンパパの帽子を被せられるが、鏡で自身の姿を見て、ムーミンパパの被っていた灯台守の帽子と取り替え、急に人格が変わったように船乗りは灯台守となった。
    これまでにも所々で同一人物らしいヒントがあり、終盤は灯台に10月3日が誕生日ということが書いてあるのをムーミンパパが発見し、ムーミンパパはカレンダーに毎日‪‪✕‬とその日の空模様を記録していたため、明日は私の誕生日だと言っていた船乗りと同日の誕生日であることを知る、という話が決定的である。

  • 今作はムーミン谷を捨てて灯台のある島で無人島(厳密には無人島では無い)で生活する話
    いやー、今まで読んできたムーミンシリーズの中では今のところ1番楽しくはなかったかな〜笑
    あんまり好みではなかった
    そういう出会いもまた一興

    今作の登場人物はとても少ない
    メインはムーミンパパ、ムーミン、ムーミンママ、ミィの4人だけ
    ムーミン谷を立ち、始まった無人島生活は楽しいよりも大変そうな印象が強い
    思い通りにならずにその人らしさが失われる
    もしかしたらそれが本来の姿なんだろうなとも思わなくない
    窮地に立たされた時に人の本性が出るような感じで、ムーミン達のムーミン谷での姿とは異なる姿を覗ける1冊
    ムーミンパパはなんか、亭主関白で好きくないかな
    正直なところ読んでてイライラしてしまう笑
    それがリアルなんだけど、可愛い子たちとリアルの人間らしさのギャップについて行かなかったー!
    ムーミンママに女性なんだからこうしろ!と決めつけた発言が1番嫌いで1番記憶にある…
    人生の山あり谷ありな過酷さを示しを感じさせる物語だったなぁ
    このまま彼らはここで冬を越すのだろうか……ムーミン谷に戻っておくれ〜

  • 夏だ、海だ、ムーミンパパも海へ!という明るい話を期待・・・
    することもなく読み始めたが期待以上(??)に暗い。

    のっけからパパは不機嫌。
    夏の火事を心配し、コケに発生したボヤをママとムーミントロールが
    勝手に消したことに起こって不機嫌になる。
    やってきたモランをママが怖がらないといって不機嫌になる。
    で、島へ行く。
    灯台の鍵がなく、途方にくれる妻と子を前にして、
    面倒だからと隙間に入りこみ、寝る。
    寝て起きると事態がよくなることもあるから、といって。

    灯台に入ってもうまく灯台に火をつけられずにおかしくなるパパ。
    どうも不在のかつていた灯台守もおかしくなったようだ・・・。

    閉ざされた空間で親子3人(とミー)。
    うまくいかない仕事に不機嫌となり、
    どんどんおかしくなっていく父親・・・・って、「シャイニング」!?
    死と生の狭間にある島って、「LOST」?
    もっと悪いことに、お母さんもおかしくなっていく。
    薪を割って自分のまわりに壁を作る、台所の壁に描いた絵の中に逃げる。

    ムーミントロールは、心地のいい空き地を見つけたものの蟻がいっぱい。
    ミーに相談したら、ミーは油で蟻を虐殺。
    ひどいじゃないか、というムーミンに対し、ミーは
    「あんたはわたしがそうすることを知ってたくせに。自分をだますのが上手ね」と鼻で笑う。

    何この後味の悪さ、(まだ途中だけど)。

    ただ、どうしようもなくなったとき、ママが
    「なんだか危険が近づいてくる気がするのよ」
    「いますぐピクニックへ出かけないとなにがおこるかわかったものじゃないわ」
    と岩礁へと舟を出す霧雨の中のピクニックのなんとも終末感漂う心地よさ。
    ああ、世界の終わる日はピクニックしたい。

    そして、モランを灯台に近づけないため、毎夜、カンテラをもって砂浜におりるムーミン。
    最後、カンテラがなくても、ムーミンが会いにきてくれたことを喜び踊るモラン。
    コミュニケーションがとれるわけではなく、一方的なものでムーミンは理解できないけど、
    モランがすごくうれしそうでいい。この場面で電車の中で泣きそうになる。
    (五十の親父が!)

    ミーと漁師の関係について、ヤンソンさんが珍しく地の文で書いている。

    おたがいに相手をそういう人間だとみとめ、好意をもちながら、しかもおたがいに無関係という関係だったのです。おたがいに相手を理解しようとか、相手に印象をきざみつけようとか、めんどうなことを考えなかったのですが、それも一つの生き方ですよね。(142ページ)

    やっぱりヤンソンさん、いい。孤独バンザイ!

  • ガラリと空気の変わる一作。
    読んでいて辛くなるような展開が続きましたが、その積み重ねがあるからか、ラストでとても心を打たれました。

  • 家族で灯台のある島に移り住む話。
    思っていたより壮大な話だった。
    ふんわりした言葉で不思議なことが次々起こる。
    独特の世界観。
    最後の解説を読んだ時、深い話だなあと思った。

  • この巻は日本語がしんどかったなあ…
    やっぱりミイのキャラが好きだ。

  • 相変わらず不思議空気があり、わかりにくい…

    ただ後半のムーミントロールの変化と成長、パパとママの変化は興味深かった。
    ミィは嫌なヤツに見えて、1番まともに物事を見ていて、助太刀してくれる。特にムーミンたちはメルヘンな思考だが、ミィは読者も含めて切ってくれる。ちょっと好きになる。

    いつもモランに対する扱いが酷くて同情してたのだが、今回のムーミンが振り払ってくれた。だが、ムーミンとの交流によって、モランが冷たくなくなった、ということはみんなが避けなければモランは恐ろしい存在ではないということ?それはとても悲しいことだ。

  • 穏やかなムーミン谷から一家を脱出させることで、トーベの作品で重要な位置を占める「スクルット」たちにすることに成功している。

    スクルットを書かせると彼女は本当にすごい。読んでいてとても居心地が悪い。だって彼らは自分の世界しか持てないから。誰かと居場所を共有できない。そんな彼らのほとんどをトーベは肯定的に語る。どんなに利己的でも否定しない。「そう思うのは当然ですよね。」というスタンス(笑)
    そんなトーベだからこそ、最後には全員が居場所を得る。それが彼女の哲学。

    好奇心が強く恐怖に対して向こう見ずなパパと、自分のうちに入ってくる者への慈愛に溢れるママの子どもである、ムーミントロールにしかモランは救えなかった。

    そして、全ての秘密を知りつつも必要以上に干渉しないミイにしか漁師は理解できなかった。誰よりも灯台の中で孤独に過ごしたママにしか漁師を灯台に招けなかった。同じ重責を味わったパパにしか漁師と対等に帽子を交換し、結果役目に復帰させることはできなかった。

    確かに、苦い、けれども味わい深い、ママの入れるコーヒーのような作品。角砂糖を8個も入れたら台無しである。読んでよく分からなかったらしばらくしてからまた読んで欲しい。漁師の2杯目のコーヒーは砂糖をそんなに入れなかったのではないかな。

  • 外からの脅威ではなく、ムーミンパパの内面から起こった不安。今までのムーミンシリーズにはなかったことから始まった物語です。暗示的で、難しいな。

  • 再読。せっかくムーミン谷で平和に暮らしていたのに、尊敬されたがりなパパの自己満で灯台のある無人島に引っ越すことになったムーミン一家+いつのまにか養女になったミイ。しかし新生活は思うようにいかず、毎度大人げなく自己中なパパは勝手に怒ったり八つ当たりしたりやりたい放題、のんびり屋のムーミントロールがまさかの反抗期で別居、優しいママまでがホームシックのあまり壁に描いた絵の中のムーミン谷に現実逃避してしまい、ムーミン一家は家庭崩壊。その中でミイの誰のご機嫌も取ろうとしないマイペースっぷり、独立心の強い自由人ぷりが光ってます。観察眼の鋭さも。

    やっぱりパパは尊大できらい。現代日本ならモラハラで離婚になると思う(苦笑)。ムーミントロールは弱いところもいっぱいあるけれど、最終的にモランを改心させるなど、たまに良い仕事もするし、欠点長所含めていたって普通の男の子だからいい。

  • 登場人物が少なく、まわりは海という限りのある場所で、息苦しさをも感じるような時間が流れていた。ラストシーンは感動…

  • ムーミン谷の十一月を先に読んでしまいました。
    ムーミンパパ海へいくで、ムーミン一家が引越しをしてしまったからなんですね。
    ムーミン谷では、仲間たちが待っているけど、冒険すきの彼らたちは、きっともう、戻らないんでしょうね。ああ、人生だなぁっと思ったところ、転勤で、知らない土地に移り住んだことを思い出しました。ただただほんわかな楽しいお話だけでなく、人間味溢れたお話に共感出来るなぁと納得した一冊でした。

  • ムーミン一家は変わり者揃いで自分勝手だけど、そんなお互いを尊重しているのが偉い。ママやムーミンがたまに見せる優しさや洞察がきらっと光るお話だった。童話でありながら深い人間理解がベースにあり、大人が読んでも面白い作品。人として大事なことはムーミンシリーズで全部学べるのかもしれない。
    装丁が可愛いので全作揃えたくなる。

  • 女子たちはたくましく男たちはしょうがない

  • 表紙の灯台の絵に惹かれて購入。
    読んでみるとなかなかに重苦しい雰囲気。パパもママもムーミントロールも、住む場所が変わったことで変わっていく。変わらないのはミイだけ。
    パパに振り回されながら読み進んだ感じだけれど、最後のページを読んで「ここまで読んでよかった」と思えた。航路を見失わないよう進む先を照らす灯台の光が帰ってきたことで、一家のこれからの明るさが約束されたようだった。

  • ムーミンパパにイライラ、ムカムカ…「家族(特にムーミンママ)も灯台の島も海も全部自分の所有物で、自分が決めた規則に従うべきなんだ」という身勝手で傲慢な態度が鼻についたし、腹立った。『父親』は多かれ少なかれ威厳見せようと知ったかぶったり自慢したりするのかもだけど、大事なのはそういう事じゃないんだと強く考えた作品だった。

  • 謎が解け、読後の後味がよかった。それこそパズルのピースが全てはまったような感覚。ムーミントロールとモランのラストシーンも印象的。主婦としては、ママの気持ちがよく分かる。それと同時にパパの強引さに驚く。

  • 自分というもの、家族というもの、関係、つながりが、まるきり解けたり壊れてしまったり、あるいはあるところで(偶然に)結び合わされるようなーー「いつもの」ではないけれど、素晴らしいお話。日にちをあけてまた読みたい。

  • タイトルに惹かれて、童心に帰ったつもりで読んでみようと思ったもの。
    だが予想以上に難しい本だった。

    タイトルからムーミンパパの孤独な旅路やひと夏の冒険のような物語を想像していたが、全く見当違いの想像で…パパだけでなく一家全員で安住の地であったムーミン谷から海を渡って新天地を探しに行く、という一家にとって非常に大きな出来事を描いた本だった。

    かといって、幼いころに読んだ「ムーミン谷の彗星」のような胸躍る冒険譚ではなく…慣れない島の環境に一家がそれぞれ苦心しながら頑張るような、個々の内面や家族関係に主眼を置いた物語であった。もちろん、一家の大黒柱であるパパの苦悩も描かれているが…
    一読しただけでは登場人物の機微をほとんどつかめなかった。
    矯めつ眇めつして何度も読み返すことで何かつかめるかもしれない。

  • パパの回想ででてくるパパのパパとママの関係性に憧れる
    なんかあのセリス一言に身近な人への凄い深い愛情を感じた

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著者プロフィール

1914年、ヘルシンキ生まれ。画家・作家。父が彫刻家、母が画家という芸術家一家に育つ。1948年に出版した『たのしいムーミン一家』が世界中で評判に。66年、国際アンデルセン賞作家賞、84年にフィンランド国民文学賞を受賞。主な作品に、「ムーミン童話」シリーズ(全9巻)、『彫刻家の娘』『少女ソフィアの夏』(以上講談社)など。

「2023年 『MOOMIN ポストカードブック 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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