小さなトロールと大きな洪水 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062769402

感想・レビュー・書評

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  • ムーミンとムーミンママがムーミンパパを探す旅。
    途中でスニフやチューリッパなども参加する。

    真のムーミン1作目だが、話が短く、たのしいムーミン一家からが有名になりすぎ、一周まわって最後に改めて出版された。

    ムーミンが両手にアイスを持っている姿や、パパがSOSの旗を掲げて枝にしがみついた姿や、真珠を嬉しそうに持ち上げるスニフの挿絵が可愛い。

    ムーミントロール達は元々、人間の家の、タイルばりの大きなストーブの後ろに住んでおり、人間にとってはふとした冷たいそよ風に感じたものがムーミンであった。
    そのストーブを懐かしみ、パパが赤い屋根で青い壁の、円柱ストーブのような家を建てた。
    訳者あとがきにて、話が進むにつれてムーミンの姿が丸っこくなり、性格も穏やかになっていくという話で、この1作目の頃は戦時中だったため、小さな住民らが大洪水などで家を失い焚き火で暖をとっているのも、戦争が反映されているのではないかと説明されている。
    最後の、パパの建てた家が大洪水で壊れたと思いきや、流されただけでそのまま住むことができるというのもノアの方舟のようで、色々と影響を受けていそうだと深読みもできる。

  • ムーミンの最初のお話 ムーミンパパが家を出て行ってしまった理由がよくわからなかったけど ここからムーミンの話が始まったのねぇ~感は、十分味わえました!!

  • 1939年から手掛けていたムーミン物語、1945年に発行されたきりで他のムーミンシリーズから置いてきぼりでした。でもこんなに人気者になったムーミンですからほっとくわけにいきません。ムーミンシリーズの最後に読んだこの本には、これからの彼等のお話が沢山含まれていました。短いですが、とても充実した内容でした。

  • 花をランプ代わりにしている小さいムーミントロールの描写が素敵だと思った。

  • 少し文字の多い絵本のような感じ。
    ムーミンのママが少しイライラしている姿に新鮮さを覚えた。

  • 初ムーミン。ムーミンってこんなかんじなんだ、かわいいなあ。続きも読まねば。

  • 長年、ムーミンが読みたいな、と思いながらもあまり良いイメージがなかったので躊躇していた。
    子どもの頃にアニメを見ていたことから興味を持って本を読んでみたのだけれど、あまり面白くなかった記憶があるからだ。

    大人になって手にした今、意外にも楽しめた。

    これは、ムーミンシリーズの1番初めの物語だが、邦訳されたのは1番最後だと言う。
    著者のトーベヤンソンの当時の心の中や世界情勢が反映されているのか、明るくスッキリとはならない。

    スニフは昔から嫌いだった。今でもやはり苦手に感じるけれど、ほんの少し、どこか愛らしく思えるのは私がそう思えるだけの経験を積んできたからなのだろうと思う。大人になってから再読することの面白さを改めて感じたように思う。

    ムーミンパパはどこかにいなくなってしまっていたが、ムーミンママとムーミンは住処を求めて旅に出る。
    2人は道中で小さくて怖がりだけど見栄っ張りのスニフと出会い、ともに来るように促す。

    洪水に巻き込まれ、大変な思いをするものの、ムーミンパパと再会。パパがひとりで建てた家も見つかり、新しい生活が始まる。

    もしかしたら、この時代はこういう家族が多かったのかもしれない。戦後の日本にも通じるところがあって、読み終えた時にはどこかほっとする気持ちになった。

  •  眠る前の絵本代わりにと、夜まで読まずにとっておきました〜大正解!
     まだ幼いムーミン が冒険の全てを新鮮に感じていることを追体験しているようで、とびきりやさしく楽しかったです。ママの優しく礼儀正しい母親像と、パパの手がかりを聞いた途端にお礼が疎かになりそうになったり立ち止まるのを許さなくなるような完璧ではないところを垣間見るのも人間らしなあと(トロールらしく?)安心します。

     ママが急いでいる時のスナフとの会話。
    「幹がらひょろりと長くて、てっぺんにちょっぴり葉っぱがついているだけだなんて。ばかみたいな木だなあ」
    「これはヤシの木よ。むかしから、こういうかたちをしているの」
    「そんなのどうでもいいよ」

    この会話には急いでいるお母さん(お母さんは大抵何か忙しいので)と発見したこと、感じたことを立ち止まって受け止めたい子供との対比がさらりと凄くわかりやすく描かれていると思います。それに、スニフが木の名称をママに答えて欲しかったのではなかったというのが滲み出ているのにも。
     全く違う生き物のはずなのに誰かに感情移入できてしまう、一緒に世界の美しさを堪能できる、そんなところが長年ムーミン のお話が愛されている理由なのかなと思いました。続きがたのしみ!

  • ムーミンパパがいなくなって、ママとムーミンが探しに行くなんてビックリした。

  •  ムーミン好きを公言している者として、改めてムーミンの原作を読んでおかねばとかねてより思っていたが、今年はやってやろうと!本屋に走った!

     ムーミン好きというより、キャラクターとしては、なんと言ってもリトルミィ!そしてスティンキー(原作には出て来ない・・・)が大好きで、本作では出てこないけれど、大好きなものぐらい語れるようになりたいなと思っていた次第で。

     昔、いくつかのエピソードを読んだことがあるけれど、今回はちゃんと発行順に読み進めて行くことにした。

     読んで良かった!とっても気持ちいの良い冒険譚!ムーミントロールとスニフとの出会い、スニフの気の小ささ、ムーミントロールが頑張るけれど、まだまだ子供なところ、ニョロニョロの登場!、いろんな生き物との出会いと別れ、とまあいろいろあるけれど、本作ではなんと言っても、ママの優しさ、猪突猛進的なところが魅力的ですね!

     これからのムーミン世界の展開、いろんな生き物との出会いが楽しみである!

  • 東京遠征の友その2。

    日本で知られているムーミンでは1番新しい
    (実際特装版のムーミンでもこれが9冊目になっている)
    ムーミンの1番古い物語。

    3冊目にあたる「楽しいムーミン一家」に比べ
    この作品や2冊目(長く1冊目だった)の
    「ムーミン谷の彗星」にはどことなく不安定なというか
    ほの暗さが漂うのは、解説で書かれていますが
    後ろに「戦争」という時代背景があったそうです。

    と言っても、物語が重いわけではなく、ムーミンらしい
    ちょっとシュール(笑)な冒険が繰り広げられますが、
    「ムーミン一家」以降がらりと変わるようなので
    「ムーミン一家」を読むのも楽しみ!

    実際にはこの本が圧倒的に古い物語になりますが、
    読み順は確かに「彗星」か「一家」からがいいかも。
    確かにこの本は「プロトタイプ」な感じがしました。
    それがまた良いのですが。

  • 限定スペシャルカバーに魅かれて即購入。
    すごく面白かった。
    100ページにも満たない物語とは思えないほどの濃さ。いなくなったパパを探して旅に出たムーミントロールとママ。途中で出会ったスニフやチューリッパ達と冒険をし、様々な出会いと別れを繰り返す。
    美味しい目にあったり、恐ろしい目にあったり。
    ハラハラどきどきの冒険劇でした。
    お馴染みのニョロニョロも登場で挿絵に数秒釘づけ。
    何とも言えない愛らしさがありました。
    全巻BOX注文したので続きが待ち遠しい。

  • 子供に読み聞かせたいな。わくわく、ドキドキ。ムーミン達と一緒に冒険できる。また続きを読みたい。
    2013.07.

  • チューリッパと赤い少年の深い存在価値を全巻読んでじっくり咀嚼できました とてもロマンがあって素敵 スナフキンを次いで好きな人たちかもしれない!

  • 厚さが薄いです。
    ごく薄なので気軽にぱぱっと読み終わります。

    まさか1冊目はパパがいないとは!!
    しかもパパの捜索するの終盤だし!
    パパを探す物語を書こうとしたにしてはあまりにもパパを探すのが遅過ぎやしませんか!?とパパ目撃情報が出た時に思わず突っ込んでしまいました。
    チューリッパと赤い髪の少年のくだりは展開が急すぎですがステキだなぁ~と憧れます♥

  • title in Svenskt:Småtrollen och den stora översvämningen.
    小さい時にanimaで観た明るいimageしかありませんでした。
    Muminが小さい生き物と知って、借り暮らしのアリエッティを思い出しました。
    無事にpapaが木の上から救出されて胸を撫で下ろしました。
    papaに再会出来て、papaが作った家に住んでこれからの暮らしが気になって仕方ありません。
    危険に満ちた話だったので、次巻はほのぼのとした話であります様に。

  • 図書館から借りました


     ファンタジー。
     ムーミンものの、最初の最初。


     ムーミンパパ。。
     この人って・・・本当にどうしようもないなー。
     妻子ほったらかして、ニョロニョロに導かれるままに放浪。
     ムーミンとムーミンママは暗くて怖い森をパパを捜してさまよう。

     絵が微妙にムーミンと違うが、昔はこんな風に鼻が細長かったのだなー。
     ネタとして、ほとんどが揃っていてニマニマします。
     考えてみれば、いままでママって、こんな風に冒険の核になることなかったから、新鮮かもしれません。
     一番、頭がよくて、冷静で、隊長とかやるのにふさわしいのって、ママでは??

     チューリップから生まれた綺麗な女の子、チューリッパ。の、色っぽい水浴びイラストあり。

  • 人間の持っている、ふつうは目をそらしたくなるようなところも書いた上で、
    それとうまく向き合っていると感じる。

著者プロフィール

1914年、ヘルシンキ生まれ。画家・作家。父が彫刻家、母が画家という芸術家一家に育つ。1948年に出版した『たのしいムーミン一家』が世界中で評判に。66年、国際アンデルセン賞作家賞、84年にフィンランド国民文学賞を受賞。主な作品に、「ムーミン童話」シリーズ(全9巻)、『彫刻家の娘』『少女ソフィアの夏』(以上講談社)など。

「2023年 『MOOMIN ポストカードブック 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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