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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784062769716
作品紹介・あらすじ
通り魔事件によって娘の命は奪われた。だが犯人は「心神喪失」状態であったとされ、罪に問われることはなかった。心に大きな傷を負った男は妻とも別れてしまう。そして事件から4年、元妻から突然、「あの男」を街で見たと告げられる。娘を殺めた男に近づこうとするが……。人の心の脆さと強さに踏み込んだ感動作。 (2011年5月、講談社文庫として刊行)
「本当に“あの男”の姿をみつけたいのだろうか」
「心神喪失」の通り魔犯に娘を殺された夫婦。4年後、街ですれ違った男は“あの男”だった。
謎解きだけでは終わらせない! 注目の作家
通り魔事件によって娘の命は奪われた。だが犯人は「心神喪失」状態であったとされ、罪に問われることはなかった。心に大きな傷を負った男は妻とも別れてしまう。そして事件から4年、元妻から突然、「あの男」を街で見たと告げられる。娘を殺めた男に近づこうとするが……。人の心の脆さと強さに踏み込んだ感動作。
みんなの感想まとめ
人の心の脆さと強さを深く掘り下げた作品は、通り魔事件によって娘を失った父親の苦悩を描いています。心神喪失状態の犯人が罪に問われず、被害者家族の感情の揺れ動きをリアルに表現しており、読者に強い共感を呼び...
感想・レビュー・書評
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通り魔事件によって娘の命が奪われた小説家・三上と妻の佐和子。12人の無差別殺傷事件の犯人は心神喪失状態と鑑定され不起訴となる。その後、心に傷を負った夫婦は離婚。そして事件から4年後、元妻・佐和子から、犯人を街で見たと三上に連絡が入る。精神障害者と法理の在り方、加害者・被害者の心情が描かれたヒューマンミステリ。
前読レビューに続き、薬丸岳8作品目。
【闇の底】で心が抉られたばかりだったが、自然と積読棚から手に取った本作品。己の中にある本性、正邪を確かめようではないかと。今日今現在の、私の性根を記しておこうではないかと。以下、素人読者の意見と知識によるレビューであることをご許容願いたい。
もはや私は薬丸岳作品にある種の信頼を置いている。
よって作品としてのストーリー、構成、展開、伏線回収、結末まで圧巻、一気通貫で読み耽った。
解説で列挙されている参考文献からも、著者が執筆にあたり如何に加害と被害の立場を重んじて、多角的な観点から創られたのかがひしひしと伝わってきた。
そして向き合うべきテーマは【刑法第39条】だ。
数々の作家が題材として取り上げる刑法第39条。
・心神喪失者の行為は、これを罰しない。
・心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。
上記のとおり問われるのは 【責任能力の有無】だ。
まず私個人の意見としては人を殺める行為に対して【責任能力の有無】を問う必要性を感じない。人権を有する以上、自他ともに生命に対する責任も有すると考えるからだ。
また、本書でも回想シーンのセリフで【精神鑑定】について語られている。
・精神科医は人の心の正常と異常をどのように判断するのだろうか。(それは正しい基準なのだろうか)
・犯罪者へ精神鑑定は本当に必要なのだろうか。
これは常々私も思っていた。動機が理解しがたい凶悪犯罪などに決まって行われる精神鑑定。果たして必要なのだろうかと。
被害者にとっては犯人の精神状況や責任能力の有無などが秤にかけられ、刑罰の重さが変わるなど到底理解、納得できるものではない。健常者同様に『極刑に処すべき』というのが私の【罪】に対する一意見である。
一方で、本作では特に統合失調症にフォーカスを当てている。過去は精神分裂病と呼ばれていた精神疾患である。
脳の病気であり、複合的要因(遺伝を含)により発症する。幻覚や妄想といった精神病症状が見られ、本人は自覚がないと言うケースが多いと言う。
私も勉強するまでは、誤解していたことも多々あったのだが、まず素人の私からも申し上げたいのは精神障害者=危険人物ではないということだ。
毎年法務省より犯罪白書というものが更新されるのだが、刑法を犯した検挙者の総数に対し精神障害者が罪を犯す割合は、一般人と比較してもわずか1%に過ぎない。
よって『精神疾患と犯罪を結びつけるのは『偏見である』というのが私の【病】に対する一意見である。
最後に、前述で述べたとおり本作品は多角的観点から創造されているため、被害者・加害者ともに公平な目で読者に問うてくる。
重いテーマであるが、己の死生観や倫理観を問い直す機会にお薦めしたい一冊である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
薬丸岳さん著「虚夢」
今回の作品は刑法39条『心神喪失者の行為は罰しない、心神衰弱者の行為はその刑を軽減する』を深く考えさせられる作品。
通り魔の如く幾人も殺傷した人物が精神鑑定の結果心神喪失状態だった為罪に問われない。その被害者家族の心中が痛いほど描かれている作品だった。
この作品、根本にあるのが被害者家族の感情のやり場や置き所。著者の作品は今まで自分が読了してきた作品全てにそれが描かれている。
著者の作品を読んでいると、社会という枠から時事として見ての感情と、事件の関係者という枠から個人として感じる感情は全く違うものなのだと毎回感じる。
そしてそのどちらも同時に自分の中で共存しているものだと気付く。
矛盾、この言葉に尽きる。
今回の作品でも藤崎の立場には社会としての目線から彼に同情できる部分もある。
彼もまた社会の中では精神病を患っている弱者でもあるのだから。
だからといって自分がその被害者遺族だったならばそんな流暢な言葉や世間的な一般論等は何の意味もなさない。
同時にこの2つの矛盾した感情を抱えてしまう、永遠に埋まらない距離感を感じてしまう。
どちらが良いのかすらわからない。
難問すぎる…
毎度のことになるが著者の作品のレビューは答えがでないとしか書けない。
しかしその深さにこそ意義があるような気がする。答えは出ずとも考えることに人としての意義があるのだと思う。
そして毎回のように鋭角的に心を刻まれるのだが、刻まれてこそ潜考できるものがある。
それは人間社会の中で生きる個人として実は一番大事なものなような気がしてならない。
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刑法三十九条
1.心神喪失者の行為は罰しない
2.心神耗弱者の行為はその刑を減刑する
今作は、心神喪失者の刑罰の是非を問う
雪の公園で通り魔的に12人を殺傷した青年
男は心神喪失の状態を認められ再び街に出る
主人公の小説家は、この事件で幼い娘を失い
妻は身体と心に大きな傷を負う
辛すぎる展開だけど、現実でも時折発生する事件
犯人の青年
娘を殺された母親
青年に惹かれるキャパ嬢
キャパ嬢に執着する男
決して人ごとでない心の脆さと
それによって引き起こされる犯罪をいくつかの
視点から 刑法三十九への考察
正しい答えは出せなくても
娘を殺された母親が残した手紙の心情が一番近いと思った
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2025/04/22
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土瓶師匠
泣くよ!
泣きますよ!
大泣きしますよ!
うっーえぇぇぇぇーーーーん。゚(゚´Д`゚)゚。土瓶師匠
泣くよ!
泣きますよ!
大泣きしますよ!
うっーえぇぇぇぇーーーーん。゚(゚´Д`゚)゚。2025/04/22 -
2025/04/22
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薬丸岳先生の作品は少年法のことが多いように感じていたが、39条にも触れていたとは知らず、見識の広さに驚いた。
また自分も知っていたことは知っていたが、具体的にどう言う事なのかというのは知らず、勉強にもなった。
作中で佐和子が「時限爆弾」と言っていたことが、妙に腑に落ちた。
確かに自分以外の誰かが、自分の心のことを判断するというのは、特に基準も持たないし危険なことだと思った。
佐和子が身を呈して伝えようとしたことは、ここまでしないと伝わらないという絶望でもあった。
自分の不勉強が露見したが、知らないことを知ることが出来たチャンスだと思って再度知る努力をしていこうと思った。 -
とても面白い展開なので、引き込まれましたが、オーディブルだったので少し展開が間怠っこしいようにも感じました。犯罪と刑罰という問題についてはあまり深刻には考えていなかったのですが、被害者にしてみればやりきれない問題だと思いました。
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刑法三十九条
「心神喪失者の行為は、これを罰しない」
確かに、そうなんかもしれんけど、そんな人にでも殺された被害者の家族らの気持ちは、誰に殺されようと同じ。
更に罪に問われないとなると…
そういう人に娘を殺された!
その加害者が、たった4年経っただけで、娑婆に出てる!行方を追うが…
薬丸さんは、少年法とか、今回の刑法三十九条とか、法の問題点を突いてくる
重た〜いテーマなんやけど、しっかりと色んな仕掛けを仕込んでる。
ラストが、あっ!っとなる。
これは単に、加害者の人だけではなく、そういう制度に対する復讐でもあるな。
なかなかでした!
薬丸さんは、良い!更にいっぱい買ってるので、まだまだ楽しませて貰います!
心神喪失の鑑定も人の心の中の事なんで、安易には、判断下せんな。
鑑定する専門医の責任は大変なもんやな。 -
刑法39条。
この法律の是非については常々議論になるところ。
精神科、心療内科の通院歴の有無や逮捕後の精神鑑定結果で変わる刑罰。
一度鑑定で認められてしまうと、全く問われなく(問えない??)なってしまう。
鑑定結果次第ではマスコミも報道しなくなる。
被害者の人権より加害者の人権?おかしな話だ。
健常でも誰でも、殺人の犯行の瞬間は心身喪失になっていると思っている自分には悪法とすら思う。
人を殺してみたかったというサイコパスでさえ鑑定しだい。
自分や自分の大切な人の身を守るためには、殺すしかないというケースもあるだろう。こちらは罰せられる。
何が違うというのか。
被害者と被害者遺族は置いてけぼりだ。
39条を存続させるなら、被害者遺族の当事者への復讐、仇討ちも無罪、減刑にせよ、と昔から思っている。
大切な人を亡くす悲しみ、苦しみ、外的な痛み等、自分が経験しなくても想像力で寄り添える《辛いこと》はあるけれど
統合失調症の苦しみは統合失調症ではない人間には、医師ですら本当のところは絶対に分からない。
重い言葉だ。 -
刑法39条に関する小説はたくさん読んだから、なんとなく既視感。でも薬丸岳さんは、加害者側も悪者にはしていないから、すごい。精神疾患を患ったことで幻覚や強迫観念に支配され、長い間苦しんで苦しんできたことも、しっかりと伝わってきて、切なかった。
39条は精神疾患患者を守っているようで、逆に精神疾患患者への差別や偏見を作る元になっているという話は、とても納得できた。日本は精神疾患に対する理解が遅れていると思うし、だから患者や家族も精神疾患を恥ずかしいもの、隠したいものと思ってしまう。。
心の病気も、体の病気と同じように他の人と話せたり、情報交換ができたりする世の中になったらいいのにね。 -
刑法39条“心神喪失者の行為は罰しない”
犯罪を犯した精神障害者の責任能力の有無について真っ向から問題提議をする社会派ミステリー。
『幼い娘を心神喪失者に命を奪われた。犯人は刑法39条により罪に問われなかった』
刑法39条の違和感や理不尽さを被害者家族を通して表現しているだけでなく、犯人の精神疾患の問題の複雑さにも触れており、法律や精神鑑定のあり方についてとても考えさせられた。そして終盤に明かされる驚きの真実。心が揺さぶられた。
読者に投げかける問題は深く結論は出ない。 -
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当たり前だけど、明るい内容の話ではない。
読んでいてずっと重苦しくて仕方なかった。
でも、三上夫妻、ゆき、藤崎の最後がどうなるのかが気になって時間も忘れて読んでいた。
クライマックスに近づくに従って明かされてゆく真実に驚かされっぱなしだったが、刑法39条という難しいテーマを分かりやすく取り込んだ作品。 -
本当に辛い病気なんだろうなと。当人の気持ちを、わかろうとしても、わかってあげることができない。んー、辛いですね。
三上さんの漢気、素晴らしい。 -
薬丸岳さん、やはり読ませる。重くて、苦しくなるのだけれど、やめられない。通り魔的犯罪の小説なのだが、背景が描かれている。
人の心の弱さと強さ。憎しみ、優しさ、愛。人に危害を加える時、その心の奥にあるものとは、いったい。
刑法39心身喪失者は罰せず。罪に問われない加害者と被害者の心。重い内容なのだが、彼の小説には、愛だとか、人を思う気持ちだとか、あたたかいものが、いつもあると思う。
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nekomeshiさん、ごめんなさい、すっかり、その辺、忘れてます。当時は、狂ったように、次から次へと、薬丸岳さんの小説を読んでました。でも...nekomeshiさん、ごめんなさい、すっかり、その辺、忘れてます。当時は、狂ったように、次から次へと、薬丸岳さんの小説を読んでました。でも、気持ち、わかりますよ、時々、過去の出来事の時間軸にあれ?と思ったり、あの時のあれはいったい?とか、気になる時があります。2026/02/23 -
2026/02/24
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2026/02/24
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「心神喪失の行為は罰しない」病気だからしょうかない、正しい判断ができないからしょうがない、不運な出来事を「しょうがない」で片づけなければいけない被害者はたまったものじゃない、、、なかなか考えさせられる難しい問題。引き込まれる作品でした
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何年かに一度は目にする陰惨な事件をテーマにきた作品。
凄まじいテーマです。刑法39条がいかに不条理な制度かを問うています。知識として読んで損のない本でした。 -
刑法39条「心神喪失者の行為は罰しない」
この作品の根底にあるこの条文
様々な事件が起こるなか、私自身も不可解に感じているこの部分を題材に見事に書ききった一冊だと思います
娘を殺害された夫婦に訪れる絶望
法律でも犯人を裁いてもらえない絶望
被害者遺族がなんども味わうことになる暗闇が読んでいて苦しくなるが、救いを求め最後まで一気読みでした -
異常とはいったい何なのか。(中略)人を殺しても許されるという司法からのお墨付きがもらえるまで狂気に近づきたかった。
これが被害者遺族の正直な感情だと思いました。復讐が出来るなら、一番狡い方法で同じ目に合わせてやりたい。少なくとも私はそう思いました。 -
心神喪失での殺人をテーマにした作品
罪を犯した人への対応やフォローはもちろん考え、整備されていると思う。でも殺された被害者家族の気持ちのぶつける先やそのフォローって考えられているんだろうか
まさかのラストの展開も驚きで引き込まれた! -
愛娘を奪い去った通り魔事件の犯人は「心神喪失」にて罪に問われなかった
刑法第39条について扱った作品
凄いお話しだった
重い話なので前半はなかなか読み進められなかったが後半は一気読み
被害者、加害者両側の視点から描かれていて色々考えさせられた -
刑法三十九条を題材にした作品。
通り魔事件により娘を殺された夫婦は、犯人が犯行時に心神喪失であったことから罪に問われることがなかったことに憤りを感じて、その後の人生を送ることになった。
夫婦の生活は上手く行かなくなり離婚していたが、事件から4年が経ったある日、元妻から犯人の藤崎を見かけたと連絡がある。
娘の命を奪った犯人は、どうなっているのか…病気は治っているのか…あの事件をどう捉えているのか…様々な思いが過る。
2024.5.14
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