浜村渚の計算ノート (講談社文庫)

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  • 講談社
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レビュー : 335
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062769815

作品紹介・あらすじ

「数学の地位向上のため国民全員を人質とする」。天才数学者・高木源一郎が始めたテロ活動。彼の作った有名教育ソフトで学んだ日本人は予備催眠を受けており、命令次第で殺人の加害者にも被害者にもなりうるのだ。テロに対抗し警視庁が探し出したのは一人の女子中学生だった。新時代数学ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 事の起こりは、少年犯罪の急増を理由に「心を伸ばす教科」を中心に据えた教育内容に刷新したことによる。
    道徳や音楽、芸術、読書などの教科が重視されるようになり、
    理数系の科目は「心を尊重し他人を慈しむ人間性を否定しうる」として
    週に1回程度になってしまった。
    数学の復活を目指す数学者がテロ組織「黒い三角定規」を率いて巻き起こす事件を
    数学の得意な中学生・渚が警察に協力して解決していく。


    四色問題、ゼロの起源、フィボナッチ数列、円周率
    平行にひかれた直線に針を落として共有点を持つ確率
    ストーリーの随所にちりばめられた数学の問題。
    章の番号を平方数の平方根(ルート1、ルート4など)で表したり
    常用対数を用いたり、
    数学に関心を持つ人なら、ニヤリとすることでしょう。

    「たけしのコマ大数学科」を見ていた私には、
    あとがきを竹内薫さんが書いているのも興味深い。

    子どもの頃から、最も好きな教科は算数・数学だった。
    「過不足なく」とか、「必要十分」とかスマートだなぁと思っていた。
    合理的なことに憧れがあったのかも・・・。
    現実には、曖昧やいい加減とバランスをとりながら生活しているのだけれど。


    「一生チャレンジし続けられることがあるなんて、うらやましいです」(P272)

    渚ちゃんが事件が収束する過程で放つ言葉は、なかなかいい。
    数学の世界と現実との間をつなぐことのできる様々な言葉の力に
    はっとさせられるのは間違いない。

    ただ、個人的には殺人は起こらない方がよかったな。
    だって、国や教育を憂う気持ちが大きすぎてテロを起こしてしまったわけで、
    正当なやり方より荒療治を選んだ、「やり方は多少過激だけれど、確かに一理ある」
    みたいな感じと茶目っ気があったら、なおいいのに、と思った次第です。

  • 気になっていたところ、弟が買ったので、借りて読んだ
    弟が「予想以上に面白かった」って言ってたけど、その通りだった
    これは数学好きな人はもちろん、数学が苦手な人でも楽しめると思う

    一方で、一話目はもちろん、全体を通して、読んでて思ったのが、作中の教育改革の案を提唱・推進する人が普通に今にも出てきそう、ってこと そしてそれにちょっとぞっとした
    どの教科にも優劣は本来ないはずだけど、どうしても優劣、優先順位を付ける必要は出てくる中で、作中のような極端なことに現実の将来でもならないことを願う

    あと、殺人以外の方法で世に数学の良さを知らしめることは出来なかったのかなぁとは思わずにいられない
    高木が数学以外を卑下してるのが気に食わんし、彼に同調してる人も然り
    数学を使った殺人を行えば政府が、世間が、他の科目より数学の必要性を考え直すと思ってるけど、人に考えを改めさせるために殺人という手段を取る時点で、他の数学を使わない殺人者と同じなんだろうな しかも一話目なんて言ってしまえば無差別殺人なところがまた、最低だなと思わずにはいれんかったわ
    そして、結局、作品の始めの方にあったように、人々に、「数学は殺人鬼を育てる学問」であるというイメージを作り上げてしまうんだろうな・・・

    内容は結構テンポよくて、さくさく読めちゃったけどね


    主人公がまさかの中学生でびっくりしたけど、数学の知識はすごいし、計算も当然早い
    数独の空白を頭の中で全部埋めちゃうなんて絶対真似できない!
    普段は無口っぽし人見知りだけど、数学ー得意分野ーのことになると饒舌になる、ビブリアの栞子さんと一緒だなと思いながら読書スタート それにしても彼女は、殺人事件に関わっているのに、本名と学校名と学年まで簡単に教えすぎな気がする
    にしても毎回ちょっと良いこと言ってくのは何なんだろう・・・一話目とか、「社会もたまには役に立ちますね」、からの一言が最高だったわ

    二話目にあった、「0で割っちゃダメ」、っていうのの渚の証明が分かりやすいだけでなく、面白いなって思った
    渚の説明は数学的、瀬島の説明はどこか文系向きで、それはそれで分かり易かった 数字だけの説明じゃなくて、りんごと人間を使って例を挙げてるからより身近な感じがするからかな あと、割り算の意味を利用した説明の仕方だったねー

    三話目が関西弁の人達の登場もあって、一番軽快だったけど、切ない終わりやったなぁ (それにしても違和感のある京都弁やったけど)

    四話目はカルト臭が漂ってたなぁ
    でも最後の渚の上原への一言はよかったね
    上原も良いキャラしてたし、鑑識23班の面々も気になるとこです

    主要人物はみんな良いキャラしてて結構好きだし 奈良県警の西村さんも結構好き また出てきたらいいなー


    これ読んでて、特にフィボナッチのくだりを読んでて、久々に『数の悪魔』が読みたくなったな

  • キーワードを並べたかるいノリの本。

  • 萌えキャラで天才数学JC探偵と刑事(語り手)のコンビ。
    敵は狂信的な数学原理主義集団「黒い三角定規」とラノベ的テンプレ作品です。
    少々、渚ちゃんの萌えポイントが少ないようですが…。
    やや、人死にが目につくのはどうかなとも思いました。
    モチーフの「数学」自体が一般受けが難しいところです。
    筆者も苦労して、簡単すぎず、難しすぎずというチョイスが伺われます。
    ・四色問題
    ・「0で割る」
    ・フィボナッチ数列
    ・円周率
    などのトピックスで高等数式などは全く登場しません。

    シリーズ化が続いているようなので、この初巻だけでは判断はできないですね。
    もう少し、追ってみます。


    数ヶ月待たされて図書館で借りることができました。

  • 購入本。
    4編の連作短編。天才数学者が、日本の数学の教育に対して怒り、黒い三角定規と名乗って事件を引き起こしていく話。小説なんだけども、漫画を読んでいるような感じ。中学生が主人公なので、対象年齢もそのぐらいなのかな。非常に読みやすい。わかりやすい。ありえない偶然もあって、なんとなく許せてしまうような所が、漫画的だとおもえるのかな。

  • 設定めちゃくちゃ、こじつけだらけ、
    こういう本が評価されてて不安になる。
    数学に関する部分はとても楽しい。でもそれだけなら読み物である必要ないもんね。雑学本で十分。
    二冊目も一応読んでみようか。何も変わらなければそこから先はないかな

  • この表紙、なんとかしたい。
    とっても面白いのになあ。
    綾菊を気に入ったSにも読ませたいけど、今はデルトラに夢中。

    「心を尊重し他人をいつくしむ人間性を否定しうる」という理由で削られた理系科目。
    政府主導の数学排斥運動へ抗議する数学テロを宣言したドクター・ピタゴラス、高木源一郎。
    彼が開発した数学ソフトに仕組まれた予備催眠によって、誰もが殺人を犯すかもしれない社会に。
    数学ソフトを使用していない年齢で、数学に目がない中学生、浜村渚は捜査協力を受ける。

    算数から苦手な私だけど、なるほどーと知的好奇心を満足しつつ、ミステリも楽しめる。
    四色問題、悪魔のゼロ、フィボナッチ数列、円周率。
    数学が楽しい!と思える本。
    そんなことあるか!と思いつつも、そうなるかもしれないとも思う。

  • 数学のことが苦手なんだけど、でもちょっぴり気になる。。。そんな人たちに楽しんで読んでもらえるんじゃないかな。わたしの数学に対する感情もそんなふうで、ほら、会えば必ずイヤミなんかを言っちゃってツンツンしちゃうけど、離れてしまうとみょーに寂しい気がしてついつい顔を思い浮かべてしまうアイツ。。。そんな感じなのだ 笑
    とっても読みやすくて面白かった。どの話しも殺人が起こったり誘拐されたり、数学の地位を向上させるためのテロ組織が暗躍する恐ろしい事件が起こるのだけれど、そんなミステリーの部分よりも中学生の可愛い渚の数学愛がそれらを解決していく過程の方が興味深くて、数学にぐいぐいと引き込まれながら読みおえた。 

  • あちょーさんが貸してくれたので読んでみた!

    数学の地位がえらく低くなった世界。
    そこでは、
    Drピタゴラスが作った教育ソフトを見て育った15歳~39歳だっけ?
    の人間は、
    Drピタゴラスに強制催眠で操られてしまい、事件を起こしてしまう世界。
    と、
    言う設定になんだかなぁ~でしたが、読める!

    14歳の浜村渚が数学を用いてピタゴラスの野望を打ち砕く?!
    と、
    言うお話し。

    1話目の、
    地図の話は納得できるおもしろさ!

    2話目の、
    4÷0と0÷4の、
    天使の数字と悪魔の数字はおもしろい!
    言われないと気づかないもんよね!

    3話目の、
    フィボナッチ、
    ここから専門用語よくでる。

    4話目の、
    πのお話しはなんだかなぁーです。

    万年科学作家の竹内薫さんの解説?感想?
    ここから読んでおもしろそう!
    と、
    思ったらライトノベルっぽいけど読みたいと思えると思う!

    2巻からは自分で買って読む!

  • サクサク読めたが、ストーリーは単純だった。

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著者プロフィール

1980年、千葉県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。早稲田大学クイズ研究会OB。『浜村渚の計算ノート』で第3回「講談社Birth」小説部門を受賞しデビュー。

「2019年 『浜村渚の計算ノート(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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