戦国無常 首獲り (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 65
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062769976

作品紹介・あらすじ

戦場の武功の証は獲った敵方の「首」によって決まる。下級武士たちの手柄を巡る争いは、なんと浅ましく、また儚いものか。運命はなぜこうも皮肉を好むのか。「頼まれ首」「もらい首」「拾い首」など、戦国時代の「首獲り」の明暗の中に、欲の頸木から逃れられない人間の悲喜劇をみた、万感胸に迫る名品全6編。

感想・レビュー・書評

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  • 戦国時代、合戦での「首獲り」をテーマにした短編集。いずれの作品も関東の北条氏の戦というのが伊藤潤らしい選択。

    戦国時代の武士たちには普通であったのかも知れないが、戦争ということ自体現代日本では異常な状態であり、獲ってきた生首の数で論功褒賞が決まるというのは野蛮で異常な行為だと思うが、その野蛮さの中にもルールやスタイル、マナーなどがある。そのことがなんとも皮肉に思える。

    主人公たちは、拾ってきたりくすねてきた「首」を、さも自分の武勲のように持ち帰り、結果それがバレて責任を取らされる。人を殺したとウソを言って、自分の腹を切る。「武士道とは死ぬことと見つけたり」というが、なんとも切ないというかやるせない世界観だと思うのは、今この世で生きているからこそだろうな。

  • シンプルに面白い。読みやすい。

  • 戦場での手柄の証「首」に纏わる短編六話
    手柄になるから行う行為であり、何か結果はどうであれ虚しさが漂う?

  • 9784062769976 218p 2011・6・15 1刷

  •  戦国時代、「首」獲りにまつわる皮肉を描いた六短編。どの話もよく作り込まれていながらすっきりまとまっていて、読みやすいです。ほとんどの話が似たような展開を見せますが、「雑兵首」だけは痛快な逆転劇で終わってスッキリしました。武功の証明として、「人の首」を道具のように扱っているこの時代の「当たり前」こそが、いずれのエピソードよりも皮肉な話だなぁと思ったり。

  • 全1巻。
    短編集。

    全編通して
    戦国時代の功名のシンボルであった
    「首獲り」をモチーフにした短編集。

    改めて行為だけ抜き出してみると、
    現代の常識から見た場合の異常性に
    改めて気付かされた。
    行為そのものもだけど、
    そこに欲が絡み合っているからなおさら。

    短いけどそれなりに読み応えはある。

  • 人はいつの時代もよわくかなしくいとしい。伊東潤さんの作品ははじめてかつ、普段歴史小説を読まないわたしですが、首をめぐる人間模様が巧く描かれており、引きこまれて一気に読了。他の作品も読んでみたくなりました。

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プロフィール

1960年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学卒業。外資系企業に長らく勤務後、文筆業に転じる。『国を蹴った男』で吉川英治文学新人賞、『黒南風の海‐‐加藤清正「文禄・慶弔の役」異聞』で第1回本屋が選ぶ時代小説大賞、『義烈千秋 天狗党西へ』で歴史時代作家クラブ賞(作品賞)、『巨鯨の海』で山田風太郎賞と第1回高校生直木賞、『峠越え』で第20回中山義秀文学賞を受賞。『城を噛ませた男』『国を蹴った男』『巨鯨の海』『王になろうとした男』『天下人の茶』で5度、直木賞候補に。著書に『武田家滅亡』『天地雷動』など多数。

「2017年 『幕末雄藩列伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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