真贋 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 106
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062770057

感想・レビュー・書評

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  • 友人に勧められて読了。面白かった。著者の思想が、ものすごく判りやすい言葉で要約されてるし、(ちょっと古いけど)時事ネタを絡めて語ってるところも判りやすい。
    結論を出して行動に結び付けることを目的としないで、常識を取り払ってものごとを批評するとこうなる、という感じ。そういう事の恐ろしさ、厳しさもちらりと。
    「戦争のような大きな悪の中では、個人個人は倫理的で善良になり、平和の中では個人個人が凶悪になっていくという矛盾があります。」
    なるほど。

  • 戦争の見方が戦中・戦後で大きく変わった、という話が非常に印象的。

    現在の改憲論争について、意見を聞いてみたい。

  • 善悪二元論批判等、物事の見極めについての氏の持論を展開。エッセイ風で読み易い内容。何か特別印象に残ったものがあるかといえば、そうでもないんですが…。

  • ☆☆☆☆

  • 吉本隆明といえば、戦後日本を代表する思想的巨人、よしもとばななのお父さん。本作に思想的難解さは一切ないし、非常に読みやすい平易な文章で書かれていて、たぶん中学生でも読めるんじゃないでしょうか。というわけで中学生の頃に読みたかったです。大学生の今では、アカデミックな知的興奮には本作は物足りないし、心に響く一文もあるのだけど、かなりさっくり書かれているのでもどかしい気分になってしまった。彼の思想や批評の鋭さをたっぷり味わったうえで、より吉本隆明という人間を知るために読むべき本なんだろうなーといった印象。最近の内田樹の著作もそうですが、膨大な著作を持つ批評家、思想家がリラックスして書いたものって魅力に欠ける気がします。感覚と思考の鋭利さを売りにする職業だから仕方ないのかな。
    文学を読むことの毒、という帯の一文、そして「真贋」という物事の本質を探ろうとするかのようなタイトルに惹かれて手に取ったのですが、もうちょっと深く言及したものが読みたかった。物事には良いところも悪いところもあるって、そりゃそうやん。インタビューを編集したものだそうなので、さらっと通り過ぎていく感じが残念。
    あとほんとうに世代の差を感じた。たとえばマルクス教条主義に反対しながらもマルクスその人については評価する、っていう姿勢だとか、もはや当たり前になってる感があって、その流れを作ったのはこの人なんだなあと思いながらも、ふーんみたいな。よくあるじゃん的な。批評や思想のむずかしいところ。とりあえず、次は彼の理論的著作を読みます。

  • 何事にも、良いところと悪いところがある。小説には小説の、職業には職業の毒があり、薬がある。
    一つの物事を両極から眺める、著者の絶妙なバランス感覚に脱帽しました。
    この本を読んで、どんなものにも応用の効く、新しい視点を手に入れましょう。

  • 円熟した語りの中に、内省に内省を重ね、磨きに磨かれた思想が織り込まれているのが分かりました。

    こういう境地、憧れます。

  • 口述筆記の吉本さんの本しか読んだことないけど、わかりやすくて好き。

  • 全ページおもしろい!
    読みやすく作者の実感に満ちている。
    自分の頭と足で考えようと思える全うな一冊だと感じた。

  • 思想界の巨人吉本氏の語り。とっつきやすい形でまとめられており読みやすい。この人は自分の体験したことを元に考えたり、自分が得た情報から考えたりとはっきりしているのが良い。

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著者プロフィール

1924年、東京・月島生まれ。詩人、文芸批評家、思想家。東京工業大学工学部電気化学科卒業後、工場に勤務しながら詩作や評論活動をつづける。日本の戦後思想に大きな影響を与え「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。著書多数。2012年3月16日逝去。

「2023年 『吉本隆明全集33 1999-2001』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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