ロードムービー (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 5351
感想 : 447
  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062770637

作品紹介・あらすじ

物語が終わっても、彼らの道は続いていく。
「あの頃の僕に伝えたい。『大丈夫、いつかきっと平気になるときが来るから』って」

運動神経抜群で学校の人気者のトシと気弱で友達の少ないワタル。小学五年生の彼らはある日、家出を決意する。きっかけは新学期。組替えで親しくなった二人がクラスから孤立し始めたことだった。「大丈夫、きっとうまくいく」(「ロードムービー」)。いつか見たあの校舎へ、懐かしさを刺激する表題作他、4編。

『冷たい校舎の時は止まる』の原点。

「きっと、同い年で同じ教室にいたら、君は僕になんて見向きもしなかった。だけどいま、僕はきちんとここで立っている。僕は昔より楽に呼吸が出来ている。――だから安心していいんだよ」
いつかどこかで出会った彼ら。本を閉じても続く、あの懐かしい「校舎」へ。

「街灯」/「ロードムービー」/「道の先」/「トーキョー語り」/「雪の降る道」

感想・レビュー・書評

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  • 「冷たい校舎の時は止まる」ではなく、こちらを先に読んでしまったがストーリーとして完結してるので、これはこれで読みやすいが、冷たい校舎〜の方もぜひ読みたいと思った!

    ロードムービー、トーキョー物語だまされたな!
    気持ちのいい騙され方でした!笑

    ロードムービー、子ども達2人のピュアさ、
    理不尽さ切なさ、色々懐かしく感じながら
    楽しく読めた。この2人は再び出逢えたのだろうか。

    雪の降る道、みーちゃんの健気さに切なくなった。
    スガ兄の察しの良さというか、もちろん付き合いも長く良く見てきたからだろうけど凄いなあと思った。

     

  • 短編集。
    表題作「ロードムービー」では家出を決行した子供達とその背景について描かれていて。少し心が痛くもありました。
    最後のトシの真相についてもビックリ。
    個人的には「道の先」が特に印象に残ったかな。
    辻村さんの過去の作品の登場人物も所々に現れていて。
    過去作品を読めばより楽しめるとも思います。

  • 100ページ程の短編4つが詰まったお買い得パック。
    それぞれ小中学生がドラマの主人公として登場する。
    現実のそれよろしく、子供というのは時に残酷である。
    ちょっとしたことがきっかけで仲が悪くなり、きつい言葉、無視、いじめ、嫌がらせと言ったことにつながっていく。もちろん、ちょっとしたことがきっかけで仲直りをするのも早かったりするのだが。

    そうした「子供」ならではの心の闇、黒い部分をあらためて今の自分から俯瞰してみると、自分も同じことをしてきたのだろう、と思える。大人になった今、他人と程よい距離を取ることで嫌な感情を押し殺している。逃げずに正面から向き合うことも時には必要なんだろうな、と改めて考えさせられる。

  • 「冷たい校舎の時は止まる」の彼らの過去と未来。自分の頭の中に残っていた彼らの姿、そのままの印象で登場してくれました。
    5つの短編が集められていますが、
     <街灯> とても短いプロローグ的な作品。でも「冷たい」を読んだ人には、これだけで一気にあの世界に連れて行ってもらえるような、短いけどとても印象深いお話です。
     <ロードムービー> これは誰なんだと思いましたが、どうしてトシがこんな性別不詳のしゃべり方なんだということで、なるほど、と気づきました。ただ、それ以上に自分たちに何の責任もないところでの理不尽さとの闘いを経ての大逆転は舞台が小学校だったこともあってホッとしました。あと、気になった店名『マルミ堂』、「かがみの孤城」との接点でしょうか?
     <道の先> いつまで経っても名前が明らかにされない俺と彼女。これは彼だよね、彼女だよねという悶々とした時間。そして、結局最後まで直接には名前が明らかにされないにもかかわらず、彼女の話す『サカキくん、元気かな』という一文だけで読者の前に訪れるカタルシス。「冷たい」を読んでいるかいないかで天と地ほど感動が違う作品だと思いました。俺と彼女の性格が見事にイメージ通りに描写されていてこれも感激。
     <トーキョー語り> 辻村さんの描くイジメの世界って強く胸を締め付けられるような描写が多いです。この作品ではそんな中でも強く生きる彼女が登場します。その彼女が支えとしていたものは何だったのか。実のところ結末にすぐにピンと来なかったのですが、少ししてハッと気づきました。「冷たい」とは全く関係ないと思いましたが、<道の先>と繋がっていたのですね。「豊島園」と「電話番号」。千晶のその後を見れてかつハッピーエンドで嬉しかったです。
     <雪の降る道> これは誰と考える必要なく分かってしまう、ヒロくんとみーちゃん、菅兄も登場しての大団円。未来の「冷たい」の世界を予感させる雪の世界。でもあったかい、とてもあったかいお話です。これこそ「冷たい」の後に読まないと感動できないお話だと思いました。

    それぞれ短い時間でしたが、冷たい校舎の中で、彼らと一緒に過ごしたあの時を思い出させてくれた作品でした。いつの時にも悩みとは向き合わなければならない、でもどんな時でも助けてくれる人がいる、きっといる。そしてそんな中で力をもらって立ち上がり、未来へと共に歩いていく。彼らのあの時を知っているからこそ、この先の彼らの未来がまたとても楽しみになる、そんなことを感じた作品でした。

  • 「冷たい校舎…」の彼ら彼女らが再登場する短編集。辻村さんらしい仕掛けも、もちろん用意されています。特に表題作。繊細な心理描写、巧みなプロット、そして驚きの事実…さすがです。さあ次は「光待つ場所へ」。

  • 表題作のロードムービーが良かった。小学生同士の友情が泣ける。自分達の力ではどうしようもないことってあるよね。
    トシが男の子って思わせる必要はあったのかな?

  • 「冷たい校舎の時は止まる」の登場人物が出るという事で読んだ。
    先月読んだのでほぼ出てきた人物の名前を覚えてないし、鷹野以外名前が明記されてない。笑
    けど話方とか、バックグラウンドとかで読んでると「あー!」ってなる箇所が多々あり良し!

    ・ロードムービー ★★★★★
    トシとワタルの友情に涙!
    生徒会長に当選した際の先輩も良し!
    それにしても新田アカリ、まじムカつく!笑
    実際、似たような嫌なやつってのは居たけど、ここまでのやつはいなかったな〜

    トシのお母さんの会話で始めて景子さんの事に気がついた。
    生徒会長と結婚したのね♪


    ・道の先 ★★★
    頭が良く美人で金持ちな中学生の子の先生イジメ(?)ってのは興味深かったけど、途中で恋愛絡みになり微妙だなーと。
    ただ千晶の心情の部分は良かった。

    最後のへんでやっっと、先生が誰なのか分かった。
    梨香ちゃんは喋り方で途中で気付いたけど。
    充、存在感なさ過ぎ。


    ・トーキョー語り ★★★★★
    遠山さん、千晶だったの!?もはや別人やん!
    9割の感想が↑なくらい驚き。
    田舎から都会に憧れる気持ち。田舎での生活が全てのさくら。どちらも気持ちがよく分かる。
    大人になってよかった事の一つは、世界がかなり広がって自分次第でどこにでも、行けることやな!


    ・雪の降る道 ★★★
    鷹野がメインの話。
    ヒロちゃんが亡くなった本当に苦しんでたのね。
    「冷たい〜」では鷹野って頭良くてクールなイメージだったのでちょっと以外。
    みーちゃんの優しさが泣ける!

  • 「僕のメジャースプーン」と同じように、今までの小説の登場人物が出てくるので、ワクワクしながら読みました!「章ごとに違う話なのかな〜」と思いきや、意外な所につながりが!やっぱり辻村さん!裏切らない‼︎

  • この作家さんとは本当に相性が良いなぁ。

    冷たい校舎の〜のスピンオフの様な内容だけれども、読んでいなくても全く問題なく楽しめると思います。
    実際私は登場人物ほぼ覚えておらず。

    4編からなる短編集。どれも良い。
    一番初めの表題作は心にグッときて、そして驚かされる。二度美味しい。

    いやぁ、本当に辻村作品は良いなぁ。

    冷たい校舎の〜を読んだ人は尚、読んでない人も
    私の様に忘れた人も楽しめる作品だと思う。

    パラパラーとでもいいから、冷たい校舎を再読しようかしら。

  • 人が人と本気で向き合うこと、想い合うことの大切さや強さが身に染みる一方で、今まで本気で人と向き合ったことがほとんどない自分が少し恥ずかしくなります。

    失って初めて気づく大切なもの。誰しもが一度は経験したことがある思いではないでしょうか。「雪の降る道」では、そんな過去を思い出しましたが、目の前のこと・もの・人を大切にするという経験から得たはずの教訓が活かしきれていない現実に反省するばかりでした。

    辻村作品の特徴でもある心の黒い部分のリアルな描写に嫌悪と共感を抱きながら、そこに惹きこまれていくような短編集です。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』など著書多数。

「2021年 『闇祓』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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