ロードムービー (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 6019
感想 : 475
  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062770637

作品紹介・あらすじ

物語が終わっても、彼らの道は続いていく。
「あの頃の僕に伝えたい。『大丈夫、いつかきっと平気になるときが来るから』って」

運動神経抜群で学校の人気者のトシと気弱で友達の少ないワタル。小学五年生の彼らはある日、家出を決意する。きっかけは新学期。組替えで親しくなった二人がクラスから孤立し始めたことだった。「大丈夫、きっとうまくいく」(「ロードムービー」)。いつか見たあの校舎へ、懐かしさを刺激する表題作他、4編。

『冷たい校舎の時は止まる』の原点。

「きっと、同い年で同じ教室にいたら、君は僕になんて見向きもしなかった。だけどいま、僕はきちんとここで立っている。僕は昔より楽に呼吸が出来ている。――だから安心していいんだよ」
いつかどこかで出会った彼ら。本を閉じても続く、あの懐かしい「校舎」へ。

「街灯」/「ロードムービー」/「道の先」/「トーキョー語り」/「雪の降る道」

感想・レビュー・書評

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  • 短編集。
    表題作「ロードムービー」では家出を決行した子供達とその背景について描かれていて。少し心が痛くもありました。
    最後のトシの真相についてもビックリ。
    個人的には「道の先」が特に印象に残ったかな。
    辻村さんの過去の作品の登場人物も所々に現れていて。
    過去作品を読めばより楽しめるとも思います。

  • 「冷たい校舎の時は止まる」ではなく、こちらを先に読んでしまったがストーリーとして完結してるので、これはこれで読みやすいが、冷たい校舎〜の方もぜひ読みたいと思った!

    ロードムービー、トーキョー物語だまされたな!
    気持ちのいい騙され方でした!笑

    ロードムービー、子ども達2人のピュアさ、
    理不尽さ切なさ、色々懐かしく感じながら
    楽しく読めた。この2人は再び出逢えたのだろうか。

    雪の降る道、みーちゃんの健気さに切なくなった。
    スガ兄の察しの良さというか、もちろん付き合いも長く良く見てきたからだろうけど凄いなあと思った。

     

  • 「冷たい校舎の時は止まる」の彼らの過去と未来。自分の頭の中に残っていた彼らの姿、そのままの印象で登場してくれました。
    5つの短編が集められていますが、
     <街灯> とても短いプロローグ的な作品。でも「冷たい」を読んだ人には、これだけで一気にあの世界に連れて行ってもらえるような、短いけどとても印象深いお話です。
     <ロードムービー> これは誰なんだと思いましたが、どうしてトシがこんな性別不詳のしゃべり方なんだということで、なるほど、と気づきました。ただ、それ以上に自分たちに何の責任もないところでの理不尽さとの闘いを経ての大逆転は舞台が小学校だったこともあってホッとしました。あと、気になった店名『マルミ堂』、「かがみの孤城」との接点でしょうか?
     <道の先> いつまで経っても名前が明らかにされない俺と彼女。これは彼だよね、彼女だよねという悶々とした時間。そして、結局最後まで直接には名前が明らかにされないにもかかわらず、彼女の話す『サカキくん、元気かな』という一文だけで読者の前に訪れるカタルシス。「冷たい」を読んでいるかいないかで天と地ほど感動が違う作品だと思いました。俺と彼女の性格が見事にイメージ通りに描写されていてこれも感激。
     <トーキョー語り> 辻村さんの描くイジメの世界って強く胸を締め付けられるような描写が多いです。この作品ではそんな中でも強く生きる彼女が登場します。その彼女が支えとしていたものは何だったのか。実のところ結末にすぐにピンと来なかったのですが、少ししてハッと気づきました。「冷たい」とは全く関係ないと思いましたが、<道の先>と繋がっていたのですね。「豊島園」と「電話番号」。千晶のその後を見れてかつハッピーエンドで嬉しかったです。
     <雪の降る道> これは誰と考える必要なく分かってしまう、ヒロくんとみーちゃん、菅兄も登場しての大団円。未来の「冷たい」の世界を予感させる雪の世界。でもあったかい、とてもあったかいお話です。これこそ「冷たい」の後に読まないと感動できないお話だと思いました。

    それぞれ短い時間でしたが、冷たい校舎の中で、彼らと一緒に過ごしたあの時を思い出させてくれた作品でした。いつの時にも悩みとは向き合わなければならない、でもどんな時でも助けてくれる人がいる、きっといる。そしてそんな中で力をもらって立ち上がり、未来へと共に歩いていく。彼らのあの時を知っているからこそ、この先の彼らの未来がまたとても楽しみになる、そんなことを感じた作品でした。

  • 100ページ程の短編4つが詰まったお買い得パック。
    それぞれ小中学生がドラマの主人公として登場する。
    現実のそれよろしく、子供というのは時に残酷である。
    ちょっとしたことがきっかけで仲が悪くなり、きつい言葉、無視、いじめ、嫌がらせと言ったことにつながっていく。もちろん、ちょっとしたことがきっかけで仲直りをするのも早かったりするのだが。

    そうした「子供」ならではの心の闇、黒い部分をあらためて今の自分から俯瞰してみると、自分も同じことをしてきたのだろう、と思える。大人になった今、他人と程よい距離を取ることで嫌な感情を押し殺している。逃げずに正面から向き合うことも時には必要なんだろうな、と改めて考えさせられる。

  • ワタルの演説のシーン、泣けたー!

    道の先、雪の降る道も良かったんだけど、

    「冷たい校舎」を読んでないから
    (数年前に挫折してて)
    よく分からなかったんだろう。
    ちゃんと読んでたら、
    きっと感動があったんだろうなぁ。

    私の読んだ単行本には
    「トーキョー語り」と「街灯」は無かった。
    残念

  • 「冷たい校舎の時は止まる」に続いて読む。彼らと再び会えて嬉しい。
    それぞれの短編の主人公が誰と関係するのか、全部読み終わったところで、「道の先」→「トーキョー語り」、「雪の降る道」は分かったけど、「ロードムービー」の主人公であるトシとワタルが誰か分からなかった。ネットで検索してあーっ!てなる。こんな風につながってるのは、読んでて嬉しい。
    ヒロくんは、この経験を経て、強く思いやりのある高校三年の鷹野になったのだ、と分かる。さらにはタカノのおじさんに。
    充がいい感じの大人になって、脇役だった彼が、主人公になって、「今、どれだけおかしくても、そのうちちゃんとうまくいく。気づいた頃には、知らないうちに望んでいた“遠く”を自分が手にできたことを知る、そんな時が来る。それまでは、どれだけめちゃくちゃだって悲しくたっていいんだ。いつか、どこか正しい場所を見つけて、千晶は平気になる。だから安心していい、心配しなくていいんだ」って言えてる。でもリカの前ではやっぱり充は充なのもなんか嬉しい。そう言われた千晶が、携帯を大事にし、東京を目指していて、ちょっとヤな子からずいぶん成長したことに気づいて嬉しい。
    「光待つ場所へ」の前に読まないといけないものが何冊もある、、、。

  • 「冷たい校舎…」の彼ら彼女らが再登場する短編集。辻村さんらしい仕掛けも、もちろん用意されています。特に表題作。繊細な心理描写、巧みなプロット、そして驚きの事実…さすがです。さあ次は「光待つ場所へ」。

  • 「僕のメジャースプーン」と同じように、今までの小説の登場人物が出てくるので、ワクワクしながら読みました!「章ごとに違う話なのかな〜」と思いきや、意外な所につながりが!やっぱり辻村さん!裏切らない‼︎

  • 表題作のロードムービーが良かった。小学生同士の友情が泣ける。自分達の力ではどうしようもないことってあるよね。
    トシが男の子って思わせる必要はあったのかな?

  • 「冷たい校舎の時は止まる」の登場人物が出るという事で読んだ。
    先月読んだのでほぼ出てきた人物の名前を覚えてないし、鷹野以外名前が明記されてない。笑
    けど話方とか、バックグラウンドとかで読んでると「あー!」ってなる箇所が多々あり良し!

    ・ロードムービー ★★★★★
    トシとワタルの友情に涙!
    生徒会長に当選した際の先輩も良し!
    それにしても新田アカリ、まじムカつく!笑
    実際、似たような嫌なやつってのは居たけど、ここまでのやつはいなかったな〜

    トシのお母さんの会話で始めて景子さんの事に気がついた。
    生徒会長と結婚したのね♪


    ・道の先 ★★★
    頭が良く美人で金持ちな中学生の子の先生イジメ(?)ってのは興味深かったけど、途中で恋愛絡みになり微妙だなーと。
    ただ千晶の心情の部分は良かった。

    最後のへんでやっっと、先生が誰なのか分かった。
    梨香ちゃんは喋り方で途中で気付いたけど。
    充、存在感なさ過ぎ。


    ・トーキョー語り ★★★★★
    遠山さん、千晶だったの!?もはや別人やん!
    9割の感想が↑なくらい驚き。
    田舎から都会に憧れる気持ち。田舎での生活が全てのさくら。どちらも気持ちがよく分かる。
    大人になってよかった事の一つは、世界がかなり広がって自分次第でどこにでも、行けることやな!


    ・雪の降る道 ★★★
    鷹野がメインの話。
    ヒロちゃんが亡くなった本当に苦しんでたのね。
    「冷たい〜」では鷹野って頭良くてクールなイメージだったのでちょっと以外。
    みーちゃんの優しさが泣ける!

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著者プロフィール

1980年2月29日生まれ。千葉大学教育学部卒業。2004年『冷たい校舎の時は止まる』でメフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で直木三十五賞を受賞。2018年には『かがみの孤城』で本屋大賞第1位に。本書の本編『ハケンアニメ!』は、2015年に本屋大賞3位に選ばれ、2022年5月には映画公開が予定されている。主な著書に『スロウハイツの神様』『V.T.R.』『ハケンアニメ!』『島はぼくらと』『朝が来る』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』などがある。

「2022年 『レジェンドアニメ! 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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