ロードムービー (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 3993
レビュー : 390
  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062770637

感想・レビュー・書評

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  • 運動神経抜群で人気者のトシと、弱虫で友達の少ないワタルの友情物語。
    ワタルと仲良くなったことがきっかけで、今までの友達から仲間はずれにされてしまうトシ。
    小学生にはよくあることかなと思います。
    強いトシは何をされても泣かず、小さな体と心でたくさんのことに耐えています。
    そんな強いトシの、最後の最後の気持ちに、グッときました。

    「人間は、自分の身体が痛くなくても、心がつらくなくても涙が出るようにできているらしい。」

    ワタルは全然弱虫じゃなかったし、トシは、強くなかった。2人で一つとはこんなことなんだなぁと、思いました。


    またこの作品は、「冷たい校舎の時は止まる」とかなりリンクしています。わかりやすい登場の仕方ではないので、冷たい校舎の時は止まるを読んでからすぐに、この話を読むことをお勧めします。
    この物語内では辻村さんらしい、叙述トリックが現れます。そこも魅力のひとつかなと思います。

  • 自分が苦しい時に手を差し伸べてくれる人。そういう人がいることがどれほど心強いか。友達、同級生、先生。その人たちと過ごす大切な時間がもっともっと、ずっとずっと続けばと願うこと。それが思うようにいかなくてもそこにいたこと、時間はたしかに存在してこの先の力になる。君が、あなたがいるから大丈夫なんだと思える素晴らしさ。優しさや思いやりがたっぷり詰まった作品。

  • どんなに苦しく生きづらくても、此処に来れば大丈夫、君がいる、仲間がいる、あの頃を思えば何だって乗り越えられる。そんな居場所が、此処にはある。ロードムービー――。
    光っているものは眩し過ぎると目を細め、いっその事失くしてしまえばいいと、輝く事の出来ぬ影が言うのです。それでもその光を掌の中で守りたいと思う者も居るのです。誰かの為に泣いたり怒ったり、人前で醜態を晒す事は容易ではありません。夕焼けは美しい、花は愛おしい、霧は不安で夜は心細く。痛いのは傷ではない、友を想う心なのだと、同じものを見て同じように感じられるその心を大切に育てていって欲しい。
    逃げたい、遠くへ行きたい、でも本当は知っている。行ける遠くなどという居場所は無いのだと知っている。それでもいつか平気になる、とその時期を乗り越えてきた誰よりも優し過ぎる人が誰よりも力強く言い聞かせる。数年後のあの道の先を、同じく生きてきた君と笑って歩く。それは僕の希望。そして、私の支えなのです。
    自分の全てを幸せという形にして与え、僕の極限の悲しみを全て吸収していくような子でした。弱かったのは、何一つ本音も言えぬ自分のほう。あの夏の悲劇、二度と大切な人を失わぬようにと、君の為なら、僕はヒーローになるのです。

  • どいつもこいつも一生懸命で眩しい。
    キラキラしてんなー。

  • 単に短編集として読んでもかなり面白い内容。
    スピンオフ的な要素をもつだけに、
    登場人物の成長を見届けている感がたまらないのだと思う。

  • デビュー作『冷たい校舎の時は止まる』から時が動いた話。よってデビュー作を読んでからのが確実に楽しめる。他作品でも思ったのだが子供の割りには大人びた思考や会話がちょっと気になったりもする。まぁ、一部アノ子はあの子の子供だから似たのかなってとこもあるが。。。冷たい校舎の深月のキャラ像に若干鼻についたが、本作品を読んで彼女の生い立ちを垣間見たら、"ま、いっか"と妙に納得。悔しいが全編通してウルウルしてしまったw。クソー!他作品も読んで、『光待つ場所へ』も読んでやる!(←メチャ2ハマっとるやないかい!)

  • 『冷たい校舎~』のスピンオフというのか、本編を支える物語を含む短編集。本編を読んでいて気になっていた、鷹野と彼女の姿が垣間見えてにんまり。本人たちを主役にした、子供の頃の話と「街灯」が良かった。その他のメンバーも出てくるけれど、あまり接点のない「トーキョー語り」もよかった。閉塞感漂う地方を舞台とした話。派手な子、頭のいい子、地味な子。女子のトラブルは尽きないけれど、個性様々でもみんな変わらず、一歩踏み出した姿はよかった。現実は難しいけど。遠山さんの「生きるのはままならない。」これは大人でもそう。東京を離れる姿はとても痛々しく、生きていくことに平気にはいられなかった彼女。そんな彼女もお守りを大切にしながら踏ん張る日々。平気になる日が遠山さんにも来てほしいかな。
    どの短編も、本編の足りない部分も補い、支えているのだけれど、短編の内容も充実していてよかった。

  • いつか平気になるときがくる。

  • 辻村さんの本を読んでみたくて、読む順番とかあるのしらず上下別れてなかったので買った…
    まさかスピンオフだっただなんて…
    でも短編集だったし読みやすかった。
    人が普段抱いているだろう底の闇の部分をするどくついているような気がした。
    特に千晶ちゃんが言っていることはぐさりとくる…
    他の作品も読んでみたくなった。

  • 「冷たい校舎の時は止まる」のスピンオフ短編集。

    元の作品を読んだあと、すぐに読めば良かった。登場人物が多かった上に、読んでから時間を置いてしまったから、半分も覚えていなかった。残念…

    短編集単体でも楽しめるようになっているけれど、「冷たい校舎~」を踏まえて読むと3倍は楽しめるはず。あの二人の過去とかあの二人の未来とか、分かると嬉しい。この辻村深月ワールド全開な感じがファンには堪らない!

    「冷たい校舎~」は話が長くて再読するつもりはなかったのに、この短編集「ロードムービー」を読むと「冷たい校舎~」を読み返したくてうずうずしちゃう感じ。辻村深月にまんまとしてやられた!!
    辻村深月は短編集もいける☆というか、寧ろ無駄に長くなくていい(笑)

    この短編集の中だと「道の先」「トーキョー語り」が特に好き。

著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞などを受賞し、2019年6月からコミック化される。他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2020年、河瀬直美監督により『朝が来る』が映画化される。

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