太極拳が教えてくれた人生の宝物~中国・武当山90日間修行の記 (講談社文庫)
- 講談社 (2011年11月15日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062770644
作品紹介・あらすじ
キャリア・マネジメント界の第一人者である在日フランス人デュボワ氏が、自分の人生をリセットすべくすべての仕事を中断し、太極拳発祥の山に90日間こもった。過酷な修行の末、師匠の教えについていけず失意のうちに帰国した彼の前に、ある日突然現れた"気づき"とは?人生の真実とは。
感想・レビュー・書評
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木村彩さんからいただきました。
彩さん、ありがとう。
(2011年11月17日)
読んでいます。
これまでのデュボワさんの本の中で、
これが最も好きかもしれません。
(2012年03月29日)
「終章」が、とても素晴らしいのですが、
だからといって、そこまでを読み飛ばして、
「終章」だけじっくり読んでもダメです。
最初の行から、きっちり読めば、この
「終章」が、いかに素晴らしいか、分かります。
すこん、と分かる。
読んでる人にも、そこまでが、「修行」なのですね。
(2012年04月12日)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
うーん・・・正直にいうとあんまり面白くない。
ちょっとタイトルから期待しすぎたかな。
筆者が何のために武当山に行き、そこで何を学んだのかが私には最後までよくわからなかった。 -
オイゲン・ヘリゲル「弓と禅」の現代版かつ中国拳法版といったところ。タイトルが「太極拳」となっているが、実際に修行しているのは八卦掌。太極拳のほうが一般性があると思ってつけたタイトルなのかもしれないが、健康法を期待していた人としては裏切られただろう。しかし本場の中国拳法に少しでも興味がある人には大当たり。
それほど詳しくはないものの、専門的な記述や聖地武当山での稽古体験記はとてもおもしろい。また中華人民共和国の政治的社会的実情についてのフランス人著者による視点も参考になる。さらに日本マスコミにおいて報道されている中国人像とは隔たりがある誇りと伝統を重んじる人達の言動にも注目したい。どの国や民族でもそうだが、すべての人間が現状に頽落しているわけではないことがわかる。
修行が進むにつれて厳しさが増していく。肉体的にはもちろんだが、慣れない寮生活であるうえに、社会的成功者とはいえ決して若いとはいえない著者が精神的に参っていく様子がよくわかる。そこに著者の息子ぐらいの年齢である師が、人間的な励ましの言葉を与える。この師匠の言動は編集すれば立派な箴言集となるほど若者離れしている。また、修行の合間に交わされる師や仲間との会話や風景描写も質が高く、中国の山々を背にして会話を楽しみながらの散歩を体験している気分に浸れる。さらに修行仲間の個性的な性格や各々の事情は非常にドラマ性が感じられる。
そして本書のキモはこうした武当山での修行よりも、日常に戻ってからの心身的変化にある。中国拳法に限らず武道、あるいはそれ以外の分野でも言えることであるが、一生のうちのある一定期間がんばったから終わり、という姿勢では取り組んできたことに対する効果を最大限に享受することができない。一般的には「つらい時期」があってそれを乗り越えればあとは悠々自適の生活が待っている、という考えを持って事にあたると「目を閉じて一気に走り抜ける」といった生き方をしやすい。継続することによって自分はどのような変化をすることになるのだろうか、それによって得られる結果は自分が望んでいるものなのだろうか、そういったことを考えることなく惰性で流されていけば、気がつくと自分の中には何も残っておらず、得をしたのは自分を利用した人間のみということになってしまうだろう。
自分が必死に取り組んでいる物事に「趣味」や「生きがい」といったレッテルを貼られてしまうことがある。そうした傾向が蔓延っているのは今現在を生きている人間の選択肢が極端に狭まっているからではないか。真面目に取り組まざるを得ない状況を一部の人間が設定し、かつそれを強要され、それらをすべて片付けたうえで余った時間は「趣味」や「生きがい」に使ってもよろしい、という空気が支配してはいないか。そしてそれを多くの人間が維持することをこれまた強制される。一見関連がなさそうにみえるところからジワジワと選択肢が奪われているのである。
著者は武当山での修行体験をビジネスや人間関係のネタとして使おうとしていたのではなく、自らの生き方そのものを本場の地における厳しい修行を通して実践した。「これをやる」という決断を普通にできる世の中であってほしいとつくづく思う。 -
内容はすごく良いです。
40を越えたおじさんが、仕事を放りだして武当山で90日間修行。厳しい訓練と山に耐えて感覚を磨いていくと・・・。
だけだったら星5だったのですが、タイトルにある「太極拳が教えてくれた」が違うので星ー2です。「八卦掌が教えてくれた人生の宝物」が正しいかと。日本で武術太極拳と謳って長拳の表演をしているような感じがします。けどタイトルが八卦掌だったら売れないだろうなぁ。(八卦掌を貶しているわけではありませんよ。知名度の問題です。) -
良書でした。
キャリア・マネジメントやマリンバで有名な方のようですが、篤実な修行本と言えましょう。
中国拳法を身につけていく過程がかかれているわけですが、それだけではなく、「人が何かを吸収していく、そのエッジのところで起こること」の典型が見られます。
なにか稽古ごとをしている人なら、自分の稽古を見直すよい本になるような気がします。というか、私にはそのように読めました。 -
225 12/18-12/19
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このフランス人、ただ者ではない!
著者プロフィール
フランソワ・デュボワの作品





