アイスクリン強し (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062770767

感想・レビュー・書評

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  • さすが畠中恵。とっても読みやすくてテンポ良く読めた。話も短く、そこもまた読みやすい。解説にもあったけれど、お菓子の語感など大変秀逸。おいしそうだなと思いながら読んでいた。登場人物全員をどんどん好きになってしまった。

  • 2008年刊。明治の20年代を中心に設定、普及始めの西洋菓子を軸に登場人物達が織り成す物語り。ちょっぴりミステリー風味を混ぜて、若者を中心に展開していく。明治っぽさを出す為に、カタカナ表記や文体の硬さが多用されて、面白く新鮮と言う面もあり、疲れている時には読みづらいなと思ったり。小編のタイトルに使われる菓子名と中身のリンクが楽しい。トータルでは楽しく読了させて頂きました。

  • 明治維新という激動の時代で繰り広げられる若者たちのにぎやかな騒ぎと心温まる人間模様、珍しい西洋菓子に向けられる好奇心とが織り成す、華やかで可愛らしくも先が分からぬ不安定さをも描いている世界観の短編集だった。

  • 明治23年。西洋菓子屋を開く真次郎と、元幕臣の警官たち若様組が、騒動を解決するために奮闘するお話。
    西洋の文化がどんどんと入ってくる忙しなさは、現代の私から見ると新鮮な感じがしました。
    そんな目まぐるしく変わっていく世の中でも、いつの時代も変わらない人の悩みや苦労、求めるものがあるのだなぁと感じました。

  • あ、あ、甘酸っぱい…!!

  • 文庫版読破20171108。
    次巻の「若様組」を読む前に読み直してみました。うん、読んだの大学生の頃だからだいぶ忘れてました(苦笑)シユウクリームとかアイスクリンが美味しそう!「しゃばけ」シリーズと違うのは、時代背景がかなりリアルだと言うこと。明治は新しいものを取り入れ、戦いの時代に逆戻りした時だったんだなぁ。

  • 【あらすじ】
    西洋菓子は開化の夢――。
    明治の築地居留地近く、甘い香り漂う風琴屋(ふうきんや)。今日もまた、お菓子目当ての若様たちが集って嵐が巻き起こる!

    お江戸が東京へと変わり、ビスキット、アイスクリン、チヨコレイトなど西洋菓子が次々お目見え。築地の居留地で孤児として育った皆川真次郎は、念願の西洋菓子屋・風琴屋を開いた。今日もまた、甘いお菓子目当てに元幕臣の警官たち「若様組」がやってきて、あれやこれやの騒動が……。キュートな文明開化(スイーツ)物語。

    【感想】

  • お名前は拝見してましたが、初めての畠中さん作品。
    面白く、美味しく読了しました。
    言葉のチョイスが巧み。
    妖怪ものはちょっと。。。と避けてましたが、今さら「しゃばげ」にも取っ付こうと思います。

  • 【最終レビュー】

    図書館貸出。

    雑誌:ダ・ヴィンチ―17.3『特集・愛すべき本とお菓子 読んで味わう、愉しむ「スイーツブックガイド(P.44~45)」紹介著書からの一冊。

    ―明治維新後の築地・居留地:西洋菓子店が舞台―

    〈店主+3人の元・幕臣の警察官達を中心に展開されるスイーツストーリー〉

    『実際の「(徳川→明治)時代の流れの変化」の「史実」』

    『当時の警察官の環境(採用条件等)』

    『当時の西洋菓子を取り巻く様相』

    『立場柄それぞれのライフスタイルの姿』

    『身近なメディアを取り巻く環境』など…

    これらを上手く混ぜ合わせながらも、シンプルな装いの描写ですが

    今の時代に重ね合わせてみても、十分にしっくりとくる印象が感じられたんです。

    登場人物は若年層が中心ですが、世代に関係なく、ただ単にスイーツを主に題材にしながらも

    〈一時、一時、変化していく中、私達はどう向き合っていけばいいのか〉

    という『現実味』もあり、その分、物語そのものが引き立っていた印象でした。

    日本史では扱われない部分での

    『きめ細やかな未知の空間』

    その点においては、こういった

    『雑学要素』があったりと、私的には気負いなく楽しめた著書といえます。

  • 江戸から明治に移った新時代の雰囲気と変化から取り残される混乱がちょっと分かる

著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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