分冊文庫版 ルー=ガルー2 インクブス×スクブス《相容れぬ夢魔》(上) (講談社文庫 き 39-131)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062770828

作品紹介・あらすじ

「人を人でないものに作り替えようと-しているのです」。悍ましい事件から三箇月。来生律子の許を訪れた作倉雛子は、小壜に入った"毒"を托し姿を消した。相次ぐ殺傷事件と三十数年前の一家惨殺事件との奇妙な符合は何を意味するのか?小壜の中身は果たして何なのか?少女たちは再び動き出す。

感想・レビュー・書評

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  • 前作の事件からのその後、少女たちの数奇な因果は解けていなかった。曖昧に解決したされたはずの事件の奥の部分に踏み込んでいく少女たちと不破とクヌギ。見えない不気味な存在を意識し続けなければならないストーリーは全巻よりも緊張感があっておもしろかった。最後の引きもそのまま下巻に手が伸びてしまうほど。律子の関西弁には親近感が湧いて、それもあり物語に入り込むことができた。ここにきて、失うものがない中年クヌギがどんどんかっこよく見えてきてます。

  • 途切れ途切れで読んだので、ストーリーがしっくり頭に残らなかった。

    相変わらずの京極節は共感が持て心地良い。(これはもう感性相性)

    下巻も淡々と読み進めていく。

  •  ルー=ガルーの続編です。続編があるような終わり方ではなかったので、驚きと期待で購入しました。(買ったのは2年くらい前・・・)
     前作は葉月を中心として描かれていた物語でしたが、近作は前作で拉致された2人がメインでした。律子は救出されたとき意外登場していなかった記憶があります。
     内容は予想外でした。「神崎」この名前が出てくるまで全然気づきませんでした。京極堂シリーズの中でも特に「ムカつく」犯人。犯人なのに、全部こいつが悪いのに、法的には罪を犯していないから裁かれることがない犯人。あの女の子孫がこんなに事業を拡大させて発展しているなんて・・・。
     こうして読んでいて思ったのですが、京極堂シリーズに登場するメンバーの子孫もきっとこの世界で生きていることでしょう。榎木津一族はきっとどの時代でも変人なんだろうな、ちょっと見たいな、とか想像して楽しみました。美緒とあわせると恐ろしい破壊神コンビになるんだろうな。
     今回の事件の真の動機・・・なんて自分勝手なんだ!これだからあの女の血筋は・・・・。
     それにしても面白かったなー、京極さん大好きです。

  • 前作では仲間を助けるため法を破り暴れまわった少女たちだったが、忌まわしき事件そのものが当局により隠蔽されてしまったため彼女らは裁かれることなく日常へと戻って行った。しかし星の巡り合わせというべきか、あの事件の関係者たちは再び巨大な犯罪の闇に対峙することになる。


    今作では、落ちこぼれ刑事からさらに落ちこぼれ無職となった橡兜次と、前回の拉致監禁被害者来生律子の視点を通して物語が進み、新たなる事件とその真相が明らかになっていく。

    趣味のバイクいじり(ただしバイクは前世紀の遺物であり法律上走行禁止)を中断して空気を吸いに外にでた律子が家の前で鉢合わせたのは、全身黒い葬式衣装姿の佐倉雛子だった。雛子は彼女を連れ戻しに来た兄の目を盗み、液体が入った小壜を律子に託す。その無色透明な液体を雛子は「毒」だと言った。果たして壜の中身はなんなのか。そして雛子がそれを託した意味は……。

    一方で、警察をやめた橡は三十年前に親友霧島タクヤが起こした一家惨殺事件について独自に調査を始める。神埜歩未が敵を屠るために使用したサバイバルナイフの出自。冷静さを保ったまま些細なことで他人を殺傷してしまう児童達。未登録住民の相次ぐ失踪。美緒の自宅への襲撃。一見無関係に見える個々の事柄は、どう絡まってどこに繋がっているのだろうか……。それぞれの過去と今が交差しあい、ひとつの恐るべき犯罪計画の輪郭を浮かび上がらせていく。

    端末で個人の言動がモニターされる管理社会。ネットでのコミュニケーションが主体となり、物理的な人とのつながりが希薄になった近未来。灰色がかったリアリティあふれる世界観を背景に踊るのは鮮やかな非現実。捩じ曲がった大人の醜い欲望と、突き抜けるほどに純粋な少女たち。その均衡が危ういところで採れていて、軽すぎず重すぎず心地よい重量を持っていると思う。相変わらずストーリーの本筋と関係あるんだかないんだかの概念めいた話が、レトリックを駆使して延々展開されページをかさ増ししているが。だがそれがいい。読み応えは抜群だ。


    バカだアホだと互いにののしりあう律子と美緒の新コンビはGood。以前は暴走する美緒に元気よく適切な突っ込みを入れられるキャラがいなかったからな。葉月も、今回は出番こそ少ないものの役には立ってる・・・たぶん。葬式娘こと雛子の、人形のように落ち着き払った仮面から覘く、少女らしい弱さにはギャップ萌えを感じずにはいられない。そして相変わらず、孤高の狼・歩未が(中二病っぽくて)かっこいい。

  • 2021.10.27

    前作のわずか数ヶ月後の話。前作ではとある過去エピソードでしかなかった事件が関係してくる。

  • 美緒は、お子ちゃまな榎木津みたいな破天荒さと有能さで楽しい。前作でさらりと出ていた殺人事件が今度は軸となって大きな流れを作っていく。
    語り手の2人が章ごとに入れ替わりながら、少しずつ全容が見えてくる。

    「現在の社会」の問題点を鋭く抉りつつ、なおかつこの小説内の社会にも問題が残っていることを示唆していく。人権とか、犯罪とか、コミュニケーションとか。それが、作品の本筋とはまた別の面白さになっている。

  • 再読。感想は下巻を読み終わってから。

  • SVCの凄惨な事件の後、来生律子は平穏な生活に戻りつつあった。
    しかし、佐倉雛子に小瓶に入った妙な液体を託されてから、再び非現実的な事件に巻き込まれる。
    一方警察を退職した檜は、30年前に友人が起こした一家殺害事件に違和感を抱き、不破の協力を得て独自の調査を開始した。
    繋がるはずのない2つの事件の共通項が見え隠れし、再びオオカミが動きだす。

  • 百鬼夜行シリーズをはっとさせる部分があるのは1ファンとして嬉しい。レビューで書いている方もいましたが、橡さん、木場さんの雰囲気があってわくわく。

  • 何年も前に前作を読んでいたから、登場人物がまったく把握できなくてちょっと焦ったけど、読み進めるうちだんだん思い出してきた。近未来女子高生たちの百鬼夜行、これからどうなるか。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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