警視庁情報官 トリックスター (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 869
感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062771016

作品紹介・あらすじ

汚い詐欺師たちが、裏社会で手を結んでいたとしたら?警視庁情報室の黒田は、複雑な詐欺の連鎖を一網打尽にしようと、財閥婦人、新興宗教家、大物代議士らを追及していったが…。社会の実相を見据えた描写と、警察小説史上類を見ないエピローグに度肝を抜かれる。唯一無二の情報エンターテインメント。文庫書下ろし。

感想・レビュー・書評

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  • アマゾンでの評価が高かったので購入。
    著者の作品は初めて手にしましたが、楽しめました。

    主人公、黒田は警視庁総務部企画課情報室室長。
    ノンキャリアながら優秀な警視であり、様々なルートから信用性の高い情報収集を行い、調査を進めていく。

    本作では、企業を相手にした多額の詐欺疑惑、新興宗教による警視庁襲撃、大物代議士と暴力団との結び付きが、黒田によって、全て繋がっていく、というもの。

    こう書くと、規模が大きすぎてまとまりのない仕上がりではないかと思われそうですが、無理なく、きちんとまとめられています。

    著者の背景を知らずに手に取ったのですが、警視庁出身、議員秘書経験者だったのですね。
    道理で作品内でもリアル且つ、勉強になる程の詳細な描写がなされているのかと、納得しました。

    登場人物が多くを語らず、余計な枝葉を付けることもないので、主軸がブレていないのも私好み。

    シリーズ3作目だったようなので(失敗)、これから1作目に戻って読んでみようと思います。

  • 試験のため、しばし中断していた読書再開。
    1冊目は文章がちょっと苦手なシリーズの第3弾。
    今回の敵は「詐欺師」。政界や企業の中に蔓延る詐欺師や、怪しい宗教団体など、ターゲットがたくさん。話が広がり過ぎて、最終的にどこに焦点を当てたいのかが、いまいち分からない。普通の小説ならば、クライマックスになるようなシーンもエピローグで描いてしまうのが、なかなかユニークと言うか…文体に慣れて来たのか、今回はそこまで女性を軽視した発言が多くないからなのか、今までよりはさっくり読めた。

  • いきなり巨額詐欺の場面から始まる。航空自衛隊の大幹部がまんまと騙されていく。
    前作で自らもハニートラップにひっかかっていた黒田は、心機一転転居して、西葛西に住んでいる設定だ。
    またしても警視総監が変わるが、相変わらず信任厚い情報室室長の黒田が、詐欺事件解明に着手する。
    詐欺事件の背後には宗教団体、政治家、反社会勢力が混在し、なかなか点と点が線で繋がらない。
    それを緻密な情報収集作業と分析と知識に裏打ちされた想像力で解決していく。
    軍隊化した宗教団体による、警視庁襲撃シーンは、その撃退法がユニークで想像するとおかしかった。
    映画やテレビドラマで壮大なスケールでテロ事件を描くシーンを観ることがあるが、武器が使われ、流血し、かなり騒々しい場面がほとんど。こんな解決方法だと、ドラマが成り立たないだろうとは思うけど、見事警視庁の威信を守っているのは、やはり、著者自身が元警察官であり、愛国精神とおなじように警察という制度を愛している故だと思う。
    すべての事件解決とともに、過去に警察官殺害事件も解決する。
    伏線として、黒田の新しい恋も描かれているが、どうなんだろう、こういうストーリーで色恋沙汰が必要なのかな、と疑問。
    あまりに黒田を格好良く描きすぎて、黒田が逆に鼻につく私はひねくれてるのかな(苦笑)。

  •  率直な感想を言えば。
    「男のロマンハードボイルド設定サスペンス」じゃなかろうかと……。

     3作目から読むのも悪いんだろうと思うけど、なんつーか主人公の黒田が完璧すぎて「あれこの人警察界の嶋耕作さんでしたっけ……?」という気持ちになる。男社会の「ちゃん付け」も読んでいて引く。出てくる女性たちが典型的過ぎて付いていけない。
     悪人がバカなら相応に主人公たちもバカじゃないとバランスが取れないというか……悪役地味じゃないか? 個人的には、これだけすごい設定なら魅力的な悪役が居る方が萌えるなぁ。どっちも賢い方が知恵比べ的な楽しみがあると思う。
     バカに騙されるバカを天才名探偵が一方的に暴くお話。スリルがぜんぜんないと思いました。

  • 激しいアクションがあるのかと思っていた。淡々と話が進んだ感じ。まあ勝手に想像していただけ。

  • 小説らしくなってきた

  • 面白い。ただ、関連事件が多過ぎてついてくのが大変。

  • 23だんだんエンタメ色が出て来た感じ。啓蒙感がなくて読みやすい。でもその分印象が薄れると言う矛盾。

  • 【作品紹介】
    複雑に絡んだ詐欺の連鎖――「また一つ繋がった……!」こんな警察小説、読んだことがない!汚い詐欺師(トリックスター)たちが、裏社会で手を結んでいたとしたら? 警視庁情報室の黒田は、複雑な詐欺の連鎖を一網打尽にしようと、財閥婦人、新興宗教家、大物代議士らを追及していったが……。社会の実相を見据えた描写と、警察小説史上類を見ないエピローグに度肝を抜かれる、唯一無二の情報エンターテインメント!

    【感想】
    濱作品らしい、日本の裏社会を描いた作品。
    新興宗教と政治家の結びつきは理解できるが、新興宗教とヤクザの結びつきが、イマイチ現実離れしていて相変わらずピンとこない。
    今後も濱作品を読んで、その辺りの理解を深めたいところ。

  • 汚い詐欺師たちが、裏社会で手を結んでいたとしたら?警視庁情報室の黒田は、複雑な詐欺の連鎖を一網打尽にしようと、財閥婦人、新興宗教家、大物代議士らを追及していったが…。

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著者プロフィール

1957年、福岡県生まれ。中央大学法学部法律学科卒業後、警視庁入庁。警備部警備第一課、公安部公安総務課、警察庁警備局警備企画課、内閣官房内閣情報調査室、再び公安部公安総務課を経て、生活安全部少年事件課に勤務。警視総監賞、警察庁警備局長賞など受賞多数。2004年、警視庁警視で辞職。衆議院議員政策担当秘書を経て、2007年『警視庁情報官』で作家デビュー。主な著書に「警視庁情報官」「ヒトイチ 警視庁人事一課監察係」「院内刑事」シリーズ(以上、講談社文庫)、「警視庁公安部・青山望」「警視庁公安部・片野坂彰」シリーズ(文春文庫)など。現在は危機管理コンサルティングに従事するかたわら、TVや紙誌などでコメンテーターとしても活躍中。

「2022年 『プライド 警官の宿命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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