銀河不動産の超越 Transcendence of Ginga Estate Agency (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1447
レビュー : 152
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062771030

作品紹介・あらすじ

気力と体力不足の高橋が、やっと職を得たのは下町の「銀河不動産」。頑張らずに生きる-そんな省エネ青年を訪れる、奇妙な要望をもったお客たち。彼らに物件を紹介するうちに、彼自身が不思議な家の住人となっていた…?「幸せを築こうとする努力」が奏でる、やさしくあたたかい森ミステリィ組曲。

感想・レビュー・書評

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  • 備忘録に
    森博嗣の作品であるが、ミステリーでは全く無い。
    ストーリーらしいストーリーがほとんどない。
    オムニバス的だった前半から、後半ではそれらがつながりはじめて…という展開。といっても、特に面白いような展開は起こらず、全体的に話が薄い。


  • 勝手に、もっと難しい硬い文章を書く方なのかと思っていました。
    初めて読んだこの作品は良い意味で期待を裏切られました。
    読みやすくユーモアのある文章力に思わずにやにや。
    やられたなぁと。一気読み。
    他の作品もどんどん読んでみます。

  • ミステリー以外の森作品もたまには良いもんですね。
    何かが起こりそうなシチュエーションの中、淡々と静かに物語が進行していくかんじ。
    以前は、森さん作品はミステリーのシリーズ物以外さして興味がなかったのですが、これを読んだらちょっと意識変わりました。

  • 久々に読んだ森先生の本。やはり面白い!!
    SMシリーズ読み返そう!


    四月は君の嘘風に表現すると、モノクロだった人生が主人公の人生が、不動産屋に就職し、様々な人たちの人生に触れることで色づいていく物語。
    天才が出てくるわけでも、殺人が起きるわけでもない、とびきり仰天するドラマもない。ただし客はみんなちょっと変。
    いつの間にか引き込まれる。

    登場人物への共感は難しい。主人公は熱量が低いし、みんな好き勝手に生きてるし。
    なんで面白いのか。なんで?と言われたら、無理やり捻り出さずに、何ででしょう?とか聞き返そうなくらい熱量が低い、その絶妙な空気感

  • 「すべてがFになる」や「スカイ・クロラ」シリーズとはまた違った森博嗣さんで爽やかで読みやすかったです。
    読み進めていると、人との出会いの中で流され続けた結果、幸運にも物事が上手くいく主人公と感じました。
    しかしある登場人物の最後のセリフで全てが繋がり、まるでミステリィのトリックが分かった時のようにスッキリしました。

    「幸運といったものはこの世にはない。あるとすれば幸せを築く能力。幸せを築こうと努力をしたということだけ。その能力と努力によって、順当に作られていくのが幸運なのです。」

  • 完全無気力、日々頑張らなくていい方法を模索して生きてきた青年・高橋が就職したのは、大学から「ここだけはやめておけ」と言われた銀河不動産。
    顔も口も声もでかい気力満々の社長・銀亀元治と、年齢不詳、控えめだけど鋭い洞察力を備えた事務員・佐賀佐知子と共に社会人生活のスタートを切った高橋は、ひょんなことから客である大地主の間宮葉子から、超個性的な間取りの家を借り受けることになる。

    ――玄関ホールの左右に一段低い部屋が二つ。とても大きい。左右対称だった。いずれも、奥へ行くほど天井が高くなる。奥の壁の高い位置半分は、全面がガラス。そちらは方角では北になる。青一色の空が、窓の外に見えた。異様に大きい空間である。とても、住宅とは思えない――
    まさに「ノースライト」の家。工学部建築学科助教授だった森さんの意匠を空想して物語に入り込む。

    何事にも白黒をはっきりとつけない、よく言えば人柄がよく、悪く言えば優柔不断な高橋は、どんどん周りに流されていく。行きがかり上とかひょんなことからといった事情の積み重ねで、彼の住む家がだんだん変貌を遂げていくのは想像の範囲内で、ありがちなコメディを見ているよう。

    と、ここまではなんだかな~って感じだったんだけど、この物語の肝はラストの間宮邸でのやり取りにある。
    ――幸運といったものは、この世にはない。あるとすれば、幸せを築く能力、それを持っていた、幸せを築こうという努力、それをしたというだけのことです。その能力と努力によって、順当に作られていくのが幸運なのです――
    ここに来て振り返る高橋の生き方、人との関わり、そんなにうまくいくわけないよな~って思いながらも、彼でなくてはこうはならなかったな~と、ちょっと爽快で、ほんのり温かい気持ちで読み終わりました。

    余談:昨日読んだ「森には森の風が吹く」ではこの作品について森さんは、
    ――この作品を読んで、「真面目にやっていれば、いつか報われるという教訓」を読み取った人がいるようだが、そんなことを読み取られるとは、まだまだ作家として脇が甘いというしかない。真面目にやっていても、報われないことの方が多いだろう。と正直に書いた方が、ずばり通じるのだろうか――
    と書いていた。やっぱり相当天邪鬼だわ~

  • 登場人物が魅力的、クスッと笑えてどんどん読めていく感覚な森さんの文書が楽しかった!

  • 昔、最初の方だけ読んで「ミステリじゃないな」という事で読むのを中断した作品。今回最後まで読んでみたけれど思ったよりも面白かった。なんというのか前向きな思考になれる小説。森先生の作品の中でもかるーく読める上に展開も奇抜なものではないので息抜きには丁度よかった。

  • 流されるまま過ごす主人公のお話し。
    不動産屋に就職し、困っている人を助けていく内に人脈が広がっていく。いろんな人が転がり込んでくるのを主人公がどんどん受け入れていくので心配になった笑
    ドールハウスが出てきた時は、まさか全員人形で箱庭の中の話だった⁉︎ってビビったけど、そんなことは無かった。
    読み終わった感想としては、不思議な話だったなぁって感じ。会話のテンポは好き。

  • 小説

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著者プロフィール

作家。工学博士。1957年12月生まれ。名古屋大学工学部助教授として勤務するかたわら、1996年に『すべてがFになる』(講談社)で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。以後、続々と作品を発表し、人気を博している。小説に『スカイ・クロラ』シリーズ、『ヴォイド・シェイパ』シリーズ(ともに中央公論新社)、『相田家のグッドバイ』(幻冬舎)、『喜嶋先生の静かな世界』(講談社)など、小説のほかに『自由をつくる、自在に生きる』(集英社新書)、『孤独の価値』(幻冬舎新書)など多数の著作がある。2010年には、Amazon.co.jpの10周年記念で殿堂入り著者に選ばれた。ホームページは、「森博嗣の浮遊工作室」。

「2021年 『ψの悲劇 The Tragedy of ψ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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