この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 下 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • レビュー :74
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062771160

作品紹介・あらすじ

カワバタは胃ガンであった。手術の直後から、数年前に死んだ息子が自分をどこかに導こうとする囁きが聞こえ出す。格差社会、DV、売春-思索はどこまでも広がり、深まり、それが死の準備などではなく、新たな生の発見へとつながってゆく。発表されるや各メディアから嵐のような絶賛を浴びた、衝撃の書。

感想・レビュー・書評

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  • この人の書く作品はなんだか薄暗いんですよね
    今回は、この人の書きたい事を全部書いたんじゃないかな?って作品でした

  • 表題「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け」。
    その「矢」とは一体何か。
    生と死を、未来と過去を、日本社会と資本主義を、引用を交えながら
    激しく、叩きつけるような筆圧で描かれています。
    そのメッセージ色が濃すぎるため
    しばしば物語が置き去りになりますが
    差し引いても、その熱に触れられて良かった。
    今、なすべきことをなし、丁寧に生きる。
    ハードな生き方ですが少しでも近づければと。
    現代経済学者、岩井克人氏の
    「二十一世紀の資本主義」と合わせて読み直したい作品です。

  • 本当にいつも最後がいい。
    息するのも忘れるくらい
    一文字一文字を追い、
    まるでそこにいるかのような、
    想像力を研ぎ澄ましてくれる描写。
    自分を取り巻く不平等な世界、策略渦巻く社内人事、見せかけだけの夫婦関係、死。なぜ人は生きる。頭の良い川端は「必然」という考え方で全てをみようとしていた。運命なんかじゃないと。これまで読んだ作品の中で1番白石さんの世界観が強く盛り込まれていただけに、やや偏っているところもあり、気持ちが離れるところもあった。けれど、何より美しいラストで全てチャラ。救われた。再読したい良本。

  • 先の読めない展開が読んでいる間ずっと楽しめた。引用も多くて社会やら人間やらについて考えさせられる仕掛けにもなっている。ただ個人的は突き刺さる矢はなかったかな。

  • 面白かったけど、最後はちょっとばたばたで残念。

  • (上巻に記載)

  • 中村一文が書く人の一生についての話。今個人的にこの小説みたいなことばっかり考えて生きてるので、すごく身につまされる話だった。どこかのコミュニティに属していると、他人の利権争いや、他人の打算ありきで話をもちかけてこられて、すごくやりづらい。でも主人公が言っていた「必然」を意識する生き方は面白いので、俺も見習おうと思った。白石一文の書く主人公は皆、社会的に成功していて、お金にも困っていないけど、ひどく生きづらそうだ。この人の小説を読み終わったら、皆一様に生きづらさは抱えているんだなあと少し安心する。

  • これぞ白石一文というくらい、人生への考察に満ちた濃厚な小説だった。

    過去も未来もない、あるのは現在だけだということ。
    必然に従って生きるということ。

    でも必然というのは誰がどうやって決めるのだろう。「必然だから仕方ない」という逃げ道になってしまわないだろうか。人生を大切に生きているようでいてどこか割り切った感じを主人公に覚えた。

    それにしてもここまで主人公たちに「思考」させる小説も珍しい。引用の多さには少々辟易とさせられた。
    それでもこの小説をクオリティを保っていられるのは白石一文のなせる業だと思う。

  • 真理の追求の果てに心の解放が見えてくる。
    難しい引用による読みにくさも有り、一枚一枚の話の積み重ねが、まるで修行のようだったが、この小説の中には、心に残しておきたい一節が沢山あった。誰でもがきっと一生のうちで響く時がくる気がする。自分も、余命がわかった時にもう一度読み返したい。そんな小説だった。とても良かった。

  • 当たりまえの事と思う事が
    実は矛盾だらけで
    その事を分かっていながら
    意識を持っていない…。
    それが一般人だろう。

    でも、それらを
    今一度見つめ直すような…
    そんな作品なのかな。

    下巻は、物語が動き出した。
    ストーリーも悪くないと思う。

    とにかく衝撃だった。
    この作者の作品
    もっと読んでみよう(^^)/

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