女ともだち (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1961
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062771191

作品紹介・あらすじ

同日に同じマンションで、二人の独身キャリアウーマンが殺された。一流企業のOLだった被害者の"裏の顔"とは?二つの殺人をつなぐ接点とは?新人ルポライターの楢本野江が辿り着いた真相は、驚くべきものだった…。衝撃の結末が女たちの心の闇をえぐり出す、ドロドロ濃度200%の長編ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 女の嫌な部分だらけ。人生ってどこで変わるんだろう。田宮瑤子は最初から不憫。

  • 「女は怖い」
    人間関係のトラブルや表沙汰にはならない水面下での闘いなど、男女を問わず日常的にどこにでもあるありふれた出来事だ。
    でも、こと「女」に限定するとその凄まじさは男の比ではないような気がする。
    常に自分を被害者だと思い込み、自分は悪くない、すべては他の人のせい。
    自分を正当化することだけには長けている。
    したたかに開き直り、歪んだ方向へと善良な市民の仮面を被りながら突き進んで行く。
    リアルな不気味さを感じたのは小松佳苗だった。
    初対面の野江にさえ感じ取れた不安定な精神状態。
    その原因がどこにあるのか。
    誰よりも知っているのは佳苗自身だったのだろう。
    それでも虚栄を張らずにはいられない哀れさと危うさが佳苗にはある。
    逃げ道を知っている者は強い。
    けれど現実の生活の中に逃げ道を見つけられなかった者は、人ととして外れた道へ進むしかないのだろうか。
    野江のしたたかさの向こう側にあるものは、いったい何なのだろう。
    身近に感じられる恐怖が詰まっている物語だった。

  • ??結局どういうこと?
    最初はミステリーなのかなって思って読んでたけど結局は楢本野江の多重人格な独りよがりってことなのかな?
    後半の急激な展開についていけませんでした。
    読解力不足ですみません。

  • 主人公の抱えているある秘密が最後に判明するが、真梨幸子さんの作品にしてはそこまでパンチが強くなかったように感じられた。

  • 同日に同じマンションで、二人の独身キャリアウーマンが殺された。最上階にいたのは38歳の田宮瑤子、2階にいたのは41歳の吉崎満紀子。一流企業のOLだった被害者の“裏の顔”とは?二つの殺人をつなぐ接点とは?新人ルポライターの楢本野江が辿り着いた真相は、驚くべきものだった…。衝撃の結末が女たちの心の闇をえぐり出す、ドロドロ濃度200%の長編ミステリー。
    満紀子は、大学在学中に司法試験に合格するほど優秀で一流企業に入社したにも関わらず、実務能力とコミュニケーション能力に欠けるために子会社に出向、36歳の時にマンションを衝動買いし宝塚とジャニーズを足しっぱなしにしたような劇団に入れ込んで誰よりも良い席で憧れの人を見るために不特定多数の男に身体を売っていた。瑤子は、仕事も出来るが彼女は裏のビジネスに手を染めていた。彼女2人を繋ぐキーワードは、胎児を使ったビジネス、エリザベート事件。彼女2人を破滅に追いやった原因は、度を超えた強がりや充実感を貪欲に追い求める衝動。被害者女性2人の忌まわしい秘密と過去、そして事件を追う記者の繋がりが解き明かされる展開の緻密で力強いミステリーの中にある女性の業を浮き彫りにする作法は、真梨幸子ならではで面白かったです。

  • 負けず嫌いな女性ばかりが登場する。
    女性同士のマウント。独身、結婚、仕事、専業主婦、年収、パート、子ども、26歳、35歳…今回もいろんなワードが出てくる。

    事件の記事でも何でもそうだが、どこまでいっても当事者以外が関わってしまえば、その人の思いが上乗せされて、見えなくなってしまうという危うさを改めて感じた。
    あったこと、出来事をたんたんと書くのは難しい。日記もしかり。あたりまえだが、自分のことも他人のことも全部を知ることはできないと、つきつけられた感じ。

    余談として、海外の小説が苦手だ。翻訳されたものを読む気になれない。翻訳される前の人の文章が、そのままに表現されているのかと疑問に思ったりしてしまうから。どうしても翻訳した人の人生経験や言葉のニュアンスが反映されてしまうのではないかと感じてしまう。本当にその人が書きたかった本質をとらえているのかと思ってしまう。というのも、映画でも、英語がわかる人に聞くと、「意味合いが違うものがあるから、訳は見ない」のだとか。見えている世界が違うのかと思うと手がのびない。「画面に収まる訳には限界があるからね」とは、言っていたけど。

    登場人物AとBがいたとして、Aが見ているもの、Bが見ているもの、全く関係のない第三者が見ているもの。どこまでいっても、噛み合わないものがあって7割8割合っていれば(多いか…)、事実として完成するのか、成立してしまうのか、それ以下もじゅうぶん存在しているんだ、それが限界でしょうがない…など答えのでないことをぐるぐると。

    相手を理解する、理解したい、自分を知っている、知ってほしいは、難しい。

  • 完全な客観って無いのだなと痛感する。
    女ともだちの間でそんなもの皆無だし、自らに対してもない。

  • 読み進めていくうち「東電OL殺人事件」を連想させる箇所が数か所あった。
    表面上の付き合い、真実の付き合い色々な付き合いの中で、複雑な思いが絡み合った時こんな出来事が起こってしまうのかもしれません。

    帯にも書いてあったけど、確かにドロドロですww

  • こんな原因?こじつけのような…。ちょっと現実離れ…。

  • 読後に嫌な気持ちになるイヤミスの部類で、かつフリーライターである主人公が実はそもそも亡くなった人と深い親交があった、という点ではどんでん返しの部類に入るかも。最後までアキは誰か疑いながら読みましたが、そうくるか。
    ドロドロ感は思ったより薄め。

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著者プロフィール

1964年宮崎県生まれ。1987年多摩芸術学園映画科卒業。2005年『孤中症』で第32回メフィスト賞を受賞し、デビュー。2011年に文庫化された『殺人鬼フジコの衝動』がベストセラーとなり、”イヤミス”の急先鋒として話題に。2015年『人生相談。』が山本周五郎賞の候補となる。そのほかの著書に、『5人のジュンコ』『私が失敗した理由は』『カウントダウン』『一九六一東京ハウス』『シェア』など多数。

「2023年 『まりも日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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