零崎双識の人間試験 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062771214

作品紹介・あらすじ

敗北から学び廃屋を教え、快楽から習い骸骨を数え、抵抗から修め貞操を救え。振り向いて、立ち止まり、踵を返して、立ち行かん。始まりを終わりまで続け。零の横に零を掛けて三つ、零の底に零を並べて二つ。逢わせて一つ、這わせて零へ。優しい僕から、賢しい貴女に、疚しい試験と、寂しい試練を。西尾維新文庫「人間シリーズ」第一弾。

感想・レビュー・書評

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  • 異常な設定の元戯画化された自分探しの物語。さくさく読めちゃうキャッチーさは魅力。テンポよく読む分にはストーリーの展開も面白い。
    ただ犬死しちゃう登場人物が多すぎ。がしゅがしゅ使い捨てられちゃう。そこは好き嫌いが分かれるかも。
    深入りしないで言葉遊びや登場人物、戯言シリーズとのつながりを楽しんでしまうのが良いのでは。

  • 一言、痛い。

    高校生の頃にブログを書いていて、それを見た友人に「お前痛いやつになったのかと思った」と言われた苦い経験を思い出した。そう、文章はスルスル書けるときが一番危ないのだ。深夜に書き上げたラブレターやほろ酔い気分で打ったメールなんて見返してはいけない。絶対に。特にブログのような自己完結的文章は放っておくと修復不能なまでに痛々しい状態になる危険を孕んでいるので、より一層の注意を払う必要がある。

    ──なんてことに気付けなかったあの頃。そしてそのまま前出の友人の言葉が今でも頭から離れないわけで、「痛い」ということに敏感な反応をするようになってしまった。

    しかし、今作『零崎双識の人間試験』は面白い。痛いのに、面白い。というより、痛いから面白い。少年漫画的なバトルのノリにミステリーの手法を取り入れて小説の持つ言葉の力を遺憾なく発揮した何でもありのエンターテイメント、と言えば聞こえはいいが、実際問題その極端なネーミングや台詞まわし、表紙や挿し絵の二次元万歳な雰囲気など、何はなくともオタクっぽさは隠せないし隠れない。じゃあなんだよって、結局のところ「オタク=マニアック」という見方で「そういうもの」として読んでしまえば楽しんだ者勝ちみたいなところがある。

    個人的には「ジョジョ(の奇妙な冒険シリーズ)を拗らせて小説にしてみました」という雰囲気を漂わせる、言葉遊び上等な殺伐とした日常を描いた漫画より漫画的でさえある青春エンタメ小説だと、今のところは認識している。青春真っ只中に読んだ時の情熱はもう存在しないが、醒めた目で見るこの世界観は、これはこれでいいものだな、と他シリーズへの再読欲が湧き上がってきてしまった。

    痛い台詞、痛い名前、痛い展開、痛い会話、痛い口癖、痛い人物、痛い表現、痛い小説……最高じゃないか。

    【キーワード】
    少年と針金細工、哺乳動物の宿命、自殺志願、舞姫様、変態蟷螂男、殺人狂、日本全国変態の日、空繰人形、殺人鬼と殺人初心者、放浪癖、四番目の登場人物、間違った天性、むらっ気、無駄な戦い、大失敗作、欠陥製品、世迷言、行き詰った男


    【主要人物】
    零崎双識、零崎人識、無桐伊織

  • 人間シリーズ突入。
    完全に人外バトルのキャラクター小説。

    普通の女の子が零崎に目覚める描写がお見事。
    人識がかわいいし、今後の伊織ちゃんもたのしみ。

  • 人間シリーズ第1作。
    順番通りに読んでないんですが…。

    人識って会っただけで殺しちゃってたのね。
    双識の変態度が意外に薄い。なんて思ってみたり。
    伊織の両手首が無い件がやっとわかりました。
    どうりで人識に食べさせてもらってたわけだ。
    早蕨三兄妹、薙真が一番面白くて強い印象。

    今回はバトルものでした。

  • きみとぼくの壊れた世界に続いて。
    今までの作品にもそのきらいがあったけど、今作は露骨に「バトル漫画」でよくそんな描写が書けるなと感心した。
    西尾維新作品を刊行順に読んでいっているのだが、今までの戯言シリーズの間を埋めるように登場した要素をフルに活用しているのですごく気持ちがいいしスピンオフとしてかなり良い。
    キャラクターで言えば、萩原子荻についての描写がされるたびに、ああそんなにいいキャラクターならあんなにあっさりと殺すことはなかったじゃないかと恨めしい気持ちとやるせない気持ちが湧き立ってしょうがないので助けてほしい。あと早蕨家の皆さんがあまりに報われなくて辛い。早蕨薙真の顔結構好きなのに…。
    良かった。

  • 戯言シリーズを読み終えてから、こちらを始めてみた。
    うーん、戯言でも思ったけど、あっさり死ぬキャラが、あとで別の本ですごい能力持ちのように描かれるのって、構想が後で広がったってこと?
    後だしジャンケンのような感がなくもない。

  • 【あらすじ】
    敗北から学び廃屋を教え、快楽から習い骸骨を数え、抵抗から修め貞操を救え。振り向いて、立ち止まり、踵を返して、立ち行かん。始まりを終わりまで続け。零の横に零を掛けて三つ、零の底に零を並べて二つ。逢わせて一つ、這わせて零へ。優しい僕から、賢しい貴女に、疚しい試験と、寂しい試練を。西尾維新文庫「人間シリーズ」第一弾。

    【感想】

  • 無桐伊織(むとう・いおり)―女子高生。
    早蕨刃渡(さわらび・はわたり)―太刀遣い。
    早蕨薙真(さわらび・なぐま)―薙刀遣い。
    早蕨弓矢(さわらび・ゆみや)―弓矢遣い。

    零崎双識(ぜろざき・そうしき)―自殺志願。
    零崎人識(ぜろざき・ひとしき)―人間失格。

    死色の真紅―請負人。

    第零話 零崎双識
    第一話 無桐伊織(1)
    第二話 無桐伊織(2)
    第三話 早蕨薙真(1)
    第四話 早蕨薙真(2)
    第五話 早蕨刃渡(1)
    第六話 死色の真紅(1)
    第七話 死色の真紅(2)
    第八話 早蕨刃渡(2)
    第九話 早蕨刃渡(3)
    第十話 零崎人識
    最終話 零崎舞識

    敗北から学び廃屋を教え、
    快楽から習い骸骨を教え、
    抵抗から修め貞操を教え。
    振り向いて、立ち止まり、
    踵を返して、立ち行かん。
    始まりを終わりまで続け。
    零の横に零を掛けて三つ、
    零の底に零を並べて二つ。
    逢わせて一つ、
    這わせて零へ。
    優しい僕から、
    賢しい貴女に、
    疚しい試験と、
    寂しい試練を。

  • シリーズ代表として本書を登録
    読了日は人間シリーズ全7巻のもの

  • 新シリーズですね。人間シリーズというらしいです。
    零崎に関するストーリーなのでスピンオフみたいですが、そうとも言い切れないようですね。

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著者プロフィール

1981年生まれ。2002年、『クビキリサイクル』にて第23回メフィスト賞を受賞してデビュー。デビュー作を含む「戯言シリーズ」は若い読者に大人気となる。2006年刊行の『化物語』は〈物語〉シリーズとしてシリーズ化され、アニメ化・ゲーム化され様々なメディアミックスが行われている。矢継ぎ早に刊行するすべての本が常にベストセラーとなり、当代随一の「物語師」として活躍中!

「2014年 『「偽物語」PremiumアイテムBOX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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