夜来香海峡 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 84
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062771368

作品紹介・あらすじ

山形の寒村に中国旧満州地方から嫁いだ女・青鈴が二億円を持って消えた。青鈴を花嫁に斡旋した蔵田雄介はやくざに脅迫され、その足取りを追わされる。津軽海峡を渡り北へ北へと向かう青鈴と謎の男。日本の暴力団、中国の黒社会に加えロシア・マフィアが北の地で繰り広げる、船戸節全開の傑作バイオレンス。

感想・レビュー・書評

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  • たくさんどうしようもない人が出てきて、それぞれ背景が語られて、みんな幸せになってほしいけど、、って話。船戸作品にしては温めの温泉に浸かってる感じ。でも途中で投げ出せる箇所がなくてイッキ読みした。タイトルからアジア圏の話だとは思ったけど、まさか東北と北海道からでられないとは、思っても見なくて、閉じ込められてる感じが強い。

  • もう少しかっこいい人に活躍してもらいたい。
    ヤクザが車オタクなのがおもろい。

  • 20150411

  •  船戸節不発。「満州国演義」に全力集中のせいか、年齢のせいか?

  • 2014.4.30(水)¥250。
    2014.6.12(木) 。

  •  船戸にしては世紀の凡作といったところの作品。作者名を伏せられて読んでいたら、船戸の文体を模倣した新人かと思えるような愚作ではないか。

     東北の寒村にアジアの花嫁を斡旋する仕事についている蔵田雄介が、花嫁の失踪事件を追いかける。おまけに花嫁は、曰くつきの金二億円を持って遁走した。山形から北へ北へと追跡劇が始まり、物語は津軽海峡を渡って夕張に立ち寄り、稚内で終結を迎える。

     その間、暴力団、中国黒社会、ロシアン・マフィアと次々に魑魅魍魎が現われて、一方で死体が増えてゆく。大体こういう設定に出現しがちな陰惨な印象のあるナイフ使いが、最後の最後までしつこく血の印象をもたらす。神話の果ての殺し屋は凄かったな、とピーク時の船戸と較べるとさすがにちんけな印象を拭えない。

     近作ハードボイルドであった『藪枯らし純次』はそこそこ面白かったのだが、本作はちとエンターテインメント要素がてんこ盛りで、サービスに過ぎる分だけ、値段に見合ったハードカバーとはならず、ノヴェルズでよかったのではないか、と思われるくらいのありきたりなハードアクションであったように思われる。

     そもそも日本を舞台にした現代劇はあまり評判のよろしくない船戸である。同時に大沢在昌が、どちらかと言えば船戸ライクな『罪深き海辺』を上梓したばかりで、そちらがしっとりとアダルトな印象を楽しめるのに対し、こちらは少しキャラクター同士の絡みが弱いように思われる。

     花嫁紹介業の主人公が暴力団から責任を追及され女を追うという設定自体にそもそも無理があったのかもしれない。

     舞台が北海道だっただけに、こちらの期待が大きすぎた。残念。

  • 結局良い結末(?)を迎えた登場人物は一人だけ。特に何かが解決した訳でもなく、正直すっきりした読後感ではない。

  • 久しぶりの船戸小説。相変わらずのハードボイルド。東北で結婚紹介所を営む主人公、金を持って逃げる中国女、イタリアの車に異様にこだわるヤクザ、昔うでを振るったとび職、東北、北海道を舞台にロシアマフィア、中国ヤクザ、日本のヤクザが金とビジネスを求めて暗躍する。北朝鮮からの嫁斡旋ビジネス。いろんな世界があることはわかるが本の帯にあったような切なくて涙が止まらない、、という世界観ではなかったかな。。

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